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未来の科学者との対話12
第12回神奈川大学 全国高校生理科・科学論文大賞 受賞作品集

定価(税込)  1,728円

編者
サイズ A5判
ページ数 272頁
ISBNコード 978-4-526-07257-4
コード C3050
発行月 2014年05月
ジャンル その他

内容

科学や理科は人類や社会の未来に大きな影響力を持つ一方で、学校教育では「理科離れ」が進み、理科教育のあり方が問われている。本書は神奈川大学が高校生の科学・理科への興味を高めてもらうために設けた科学論文大賞の受賞作を面白くまとめた未来の科学者を育成する本。

学校法人 神奈川大学広報委員会 全国高校生理科・科学論文大賞専門委員会  著者プロフィール

長倉三郎(ながくら さぶろう)


 1920年静岡県生まれ。1943年東京帝国大学理学部卒業。理学博士。東京大学教授、岡崎国立共同研究機構分子科学研究所長、同機構長、総合研究大学院大学長、神奈川科学技術アカデミー理事長、日本学士院長を歴任。現在、武蔵野地域自由大学学長。物理化学。

 編著書に『有機電子理論』(培風館、1966年)、『岩波理化学辞典第5版』(共編)(岩波書店、1998年)、『Dynamic Spin Chemistry』(共編)(Wiley、1998年)ほか。
 文化勲章(1990年)受章。

目次

はじめに

「神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞」審査委員長
長倉三郎


●審査委員講評

Serendipity─セレンディピティ─ 上田誠也

世界規模の災害と論文について 田畑米穂

研究の過程を楽しみ、考える 中村桂子

共著論文の書き方 細矢治夫
講評─特に先行研究に関連して 竹内 敬人
研究の発展はテーマ次第 佐藤祐一

●大賞論文

オオフサモはアメリカザリガニと共生していた
向上高等学校 生物部

●優秀賞論文

濃加茂市の湧水が枯れた

岐阜県立加茂高等学校 自然科学部

猛烈台風はどのようにできるのか

沖縄県立球陽高等学校 地球科学部

なぜ「本わさび」の抗菌効果は高いのか

山村国際高等学校 生物部サイレン班

●努力賞論文

ブーメランを上手に飛ばしたい!

岩手県立水沢高等学校 Boomerang

視野を狭くした赤外線望遠鏡

埼玉県立春日部女子高等学校 地球科学部赤外チーム
実験室で月の表面にあるレゴリスをつくる

埼玉県立春日部女子高等学校 地球科学部分光チーム

安価で高性能な「手作り燃料電池」の開発

千葉県立安房高等学校 化学部燃料電池班

人工イクラのカプセル

駒場東邦高等学校 化学部樹脂班
未来永劫、輝きを失わない鏡を求めて

神奈川県立弥栄高等学校 サイエンス部化学班

イプシロンロケットに続け!

静岡県立富岳館高等学校 天文同好会

「タンポポ前線」の作成

京都府立北嵯峨高等学校 生物部
テニスボールのトップスピンを解析

大阪星光学院高等学校 物理同好会2年生チーム

サブソリダス過程の解明

兵庫県立加古川東高等学校 地学部マグマ分化班

170万年前、加古川は本校の下を流れていた

兵庫県立加古川東高等学校 地学部第四紀研究班

竜山石の粉末廃棄物を利用した美しい陶器の制作

兵庫県立加古川東高等学校 地学部竜山石陶芸班

日本酒で行う水質調査

兵庫県立柏原高等学校 理科部
サファイアの色に法則性はあるのか

兵庫県立神戸高等学校 自然科学研究会化學班
被災地の塩害を救う花
沖縄県立開邦高等学校 Passion Mil
●第12回神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞団体奨励賞受賞校、応募論文一覧

神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞の概要


あとがき

はじめに

審査委員長
長倉三郎



 「神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞」では、12回目を迎えた本年度も、数多くの高校から力作が集まりました。まずは、ご指導にあたられた高校の先生方にお礼を申し上げたいと思います。具体的には、北海道から沖縄にいたる全国43の高校から67編の論文応募がありました。生物、物理、化学、地学、数学、自然、天文などの多方面の分野のほか、領域を超えた横断的な内容の論文もあり、今後の科学研究の方向性に即した教育がなされているものと感じております。

 そのなかから大賞の「神奈川県葛川に生息するオオフサモMyriophyllum aquaticumの分布拡大メカニズム」をはじめ、優秀賞、努力賞を慎重な審査を経て決定いたしましたが、今回受賞された論文に共通して言えることは、地域に密着した高校生らしい問題発見や身近な疑問から生まれた論文であるという点でしょう。こうしたことは、テーマ選択に対する評価で審査委員の意見が一致した結果であると思います。また、周到な準備からはじまり、研究方法や装置などについて独自のアイデアを出し、ひとつひとつ解決していく過程を大切にしている点も高く評価されたと考えます。

 さらには、いずれも今後の展開に期待が持てる論文であったと感じます。この本をお読みいただければ、高校生たちのそうした地道な活動の一端に触れることができるものと思いますので、受賞論文や受賞者と指導教員のコメント、研究者からのメッセージをじっくりとお読みいただきたいと思います。

 ここで、今回の審査の過程で、話題にのぼったいくつかの点について、お伝えしておきたいと思います。テーマ設定については先に述べたとおりですが、テーマを決める際に先行研究などの文献調査などを入念に行うことが大切です。そして仮説、検証、証明といった科学研究の過程を論理的に展開しているかどうか、さらに実験結果などの数値の正確性や図表の見やすさ、引用した文章の出典を明確に記すことなどにも気を配る必要があります。また、安全や倫理的な問題、環境への影響なども踏まえた研究を行っていただきたい。そうして、学問的にも社会的にも意義のある、完成度の高い論文をめざしてもらいたいと思います。

 3月16日の授賞式でご講演いただいた東京大学大学院理学系研究科の浅井祥仁教授の「素粒子研究で探る宇宙誕生の謎」のお話からは、多くの研究者の長年にわたる地道な活動から壮大な取り組みが行われていることについて、受賞者の多くが感銘を受けたものと思いますが、今後もこの「理科・科学論文大賞」への論文応募をとおして、高校生のみなさんが自分たちの暮らしや身近な事柄に注目しながら、地球規模の問題を見すえたグローバルな視野に立ち、複眼的な視点で物事をとらえ考えていく姿勢を養ってもらうことに、大いに期待したいと思います。

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