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図解よくわかる
炭の力

定価(税込)  1,760円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-07240-6
コード C3034
発行月 2014年03月
ジャンル ビジネス 化学

キーワード

内容

「炭」は古くから燃料として使われ、有名な備長炭は美味しい焼き物を作る。その一方で、炭は特別な構造・機能をもち、浄水や空気浄化、脱臭、調湿、汚水処理など幅広い用途にも使われている。本書では、そんな炭の力の秘密を、図解でわかりやすく解説していく。

杉浦銀治  著者プロフィール

(すぎうら ぎんじ)
宮内庁帝室林野局東京林業試験場(現・森林総合研究所)に入省し、のち農林省(現・農林水産省)林業試験場木材炭化研究室長。炭の研究をつづけ、炭を使った土壌改良、環境改善型農業を世界中で指導。国際炭やき協力会会長、三河炭やき塾顧問、炭やきの会副会長。平成11年林野庁林政記者クラブ賞。25年吉川英治文化賞。愛知県出身。著作に「炭焼革命 ─まちづくりと地球環境浄化のために」「木酢液の不思議」など。

目次

はじめに

第1章 炭の正体に迫る

1.1 炭とはいったいどんなモノなのか?
1.2 炭の構造 ─ 無数の孔が力を発揮
1.3 炭の性質 ─ 材料となる樹種によって異なる
1.4 つくり方によって「白炭と黒炭」に分かれる
1.5 白炭の最高級品「備長炭」
1.6 環境に優しい「竹炭」
1.7 工業用としても使われる吸着能力が抜群の「活性炭」
1.8 製材時のクズからつくる「オガ炭」
1.9 効果が長持ちする「セラミック炭」
1.10 炭の産地と生産量

第2章 驚異! 炭が持つ4つの働き

2.1 炭の4つの働き ─(1)吸着作用
2.2 炭の4つの働き ─(2)調湿作用
2.3 炭の4つの働き ─(3)還元作用
2.4 炭の4つの働き ─(4)触媒作用
2.5 炭で電気を起こすこともできる⁉
2.6 煙を出さない炎を出さない炭の燃焼特性
2.7 パリッと焼き上がる赤外線による温熱効果
2.8 炭と石炭の違い

第3章 炭を上手に使うために

3.1 炭を使う前に知っておくべきこと
3.2 よい炭の選び方、見分け方を知ろう!
3.3 炭の上手なおこし方
3.4 炭でご飯をおいしくする
3.5 肌にやさしいアルカリ性の炭風呂
3.6 多種多様に使える木酢液・竹酢液
3.7 野菜の鮮度保持を実現する炭の力
3.8 調湿作用を利用した埋炭と炭畳
3.9 ぐっすりとした眠りを実現⁉ 炭を利用した寝具
3.10 「癒し」を実感させる炭オブジェ
3.11 エコロジーに炭と塩の相乗効果で洗濯
3.12 吸着、活性化作用を利用した炭せっけん
3.13 炭は優れた研磨材
3.14 炭を燃料にして走る木炭自動車
3.15 お腹の中をきれいにしてくれる! 食用炭
3.16 炭に関するさまざまな誤解


第4章 炭は地球を救う

4.1 将来の炭 ─ 無公害資源として期待される
4.2 炭が土壌を改良して作物を育てる
4.3 間伐材や端材を利用した炭発電
4.4 高度浄水処理で驚きの効果
4.5 そば殻炭でホルムアルデヒドを吸着する
4.6 注目されるバイオ炭
4.7 不快な静電気・電磁波を炭を混ぜて撃退
4.8 機能性炭素材料としての炭
4.9 海外に普及する日本の炭文化


第5章 炭のつくり方

5.1 どんな木でも炭になるのか
5.2 炭に最適な原木、ウバメガシ・クヌギ・ナラ
5.3 自然との対話が炭づくりの基本
5.4 原始的な炭焼き法、伏焼き法と穴焼き法
5.5 手軽にできるドラム缶を利用した炭焼き
5.6 短時間に大量に炭をつくる炭化炉
5.7 木酢液・竹酢液をつくる
5.8 家庭でもつくれる画用炭

コラム

炭を日本に伝えたのは弘法大師?
約30万年前の日本最古の炭
江戸時代の粋な炭製品
炭を融雪剤に使う
七輪は奥能登が発祥か?
奈良の大仏は炭焼き技術の賜物
茶道の茶の湯炭とは?
炭おこしサミットって!?

はじめに

木炭をはじめとする「炭の力」が脚光を浴びています。炭は石炭・石油・ガスなどのエネルギー革命の影響を受け、ひと頃は世の中から消えてしまったかのような印象すら与えていましたが、その力が見直され、いま再び現代社会に生かそうという動きが全国各地で活発になっています。

 炭には着火点が低く、火つきが早く、火持ちがよいという特徴があります。また、炭以外の燃料は水素を含み、燃焼の際には二酸化炭素を含む水蒸気を発生します。それにより、直火で焼くと食べ物が湿っぽくなりますが、水素や二酸化炭素をほとんど含まない炭火では、表面がパリッと焼き上がり、食べ物がおいしくなります。

 こうした燃焼特性のほか、炭には悪臭や大気汚染物質を吸着する作用や、湿気を制御する調湿作用、アルカリ性の物質を酸性に変える還元作用や触媒作用など、いろいろな力があります。農地に撒けば、炭の微細な孔が有用微生物の格好のすみかとなって、土壌が改質されます。このほか、太陽光吸収材や炭素繊維、カーボンナノチューブなど、先端材料の素材としても炭は有望視されています。

 そのいっぽう、炭に関する情報の中には、科学的な根拠を持たないまま「効果や効能」だけが先走りしているものも散見できます。「マイナスイオン効果」や、炭焼きの副産物である「木酢液(竹酢液)を飲めば、がんにならない」などはその代表例です。もしかすると、炭には多少はそういう効果があるのかもしれません。しかし、科学的に解明されていない現状で、効果や効能を大袈裟に唱えるのは、炭産業の健全な発展を阻害すると考えています。

 本書は、炭焼き技術の第一人者であり、約70年間にわたり炭の科学的な研究と炭焼き技術の普及に努められてきた国際炭やき協力会会長の杉浦銀治氏の監修のもとで、現在判明している「炭の力」の正しい情報の提供に努めました。

 私たちは、「今からこそが炭の時代」であると思っています。また、炭をさらに普及させるためには多くの方々に炭の知識を持っていただくことが必要です。本書がそのきっかけになれば幸いです。



2014年3月

炭活用研究会代表 森野 進

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