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アジア物流と貿易の実務

定価(税込)  2,200円

著者
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-07007-5
コード C3034
発行月 2013年01月
ジャンル ビジネス

内容

日本企業の「国外脱出」が進んでおり、アジア物流とアジア貿易の重要性がますます高くなってきている。本書は、中国、アセアンと日本のモノの流れであるアジア物流の重要ポイントを押さえつつ、貿易実務の要点をわかりやすく解説する。アジア物流の基本知識とすぐに役に立つアジア貿易の実務知識を身につけられる。

鈴木邦成  著者プロフィール

(すずき くにのり)
物流エコノミスト、文化ファッション大学院大学准教授。一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事。求荷求車ネットワークを運営する株式会社ジェイエルエヌの学術顧問も務める。
主な著書に『図解 物流効率化のしくみと実務』、『図解 すぐ役に立つ物流の実務』、『図解 国際物流のしくみと貿易の実務』、『図解 物流の最新常識』、『トコトンやさしいSCMの本』、『絵解きすぐできる物流コスト削減』、『絵解きすぐわかる産業廃棄物処理と静脈物流』、『物流マン必携ポケットブック』(以上日刊工業新聞社)、『物流100問100答』(明日香出版社)、『戦略ウエアハウスのキーワード』(ファラオ企画)、『グリーンサプライチェーンの設計と構築』(白桃書房)などがある。
物流・ロジスティクス関連の学術論文、雑誌寄稿なども多数。

目次

はじめに

第1章 アジア物流の基礎知識
01 高まるアジア物流の重要性
02 物流のプロセスとインフラ
03 海上輸送の特徴を理解して上手に活用
04 輸出入プロセスをスムーズに進める

第2章 アジア物流のしくみ
05 再構築が急がれるアジアの物流システム
06 変わるアジアの関税政策と日本の対応
07 期待が高まる物流インフラの高度化
08 中国で進む国内外の物流インフラの整備
09 強化されるアジアハブ機能と立ち後れる日本
10 インフラの整備が課題の「海のASEAN」
11 アジアワイドの物流システムの構築

第3章 アジア物流で存在感を増す中国
12 中国税関と保税区のしくみ
13 中国への輸出はここに注意!
14 中国十大港の活用法
15 重要性を増す中国物流における航空貨物
16 急速に拡充されつつある中国の物流インフラ
17 中国への輸出に必要な書類
18 中国への工業製品輸出では2つの規制に注意
19 医薬品・医療機器などの中国への輸出
20 注意を要する中国向け貨物の木材梱包
21 加工・組立輸出貨物確認申告書の作成
22 中国の関税手続き
23 現地貿易企業の活用
24 中国における環境面からの輸出入管理

第4章 チャイナプラスワンの筆頭格ベトナム
25 経済成長著しいベトナムとその物流
26 大型船の入港可能なコンテナ港湾が必要
27 中国への貨物輸送の拡大に期待
28 整備の進むベトナム道路インフラ
29 緊急性の高い小口貨物の扱い
30 ベトナムで相次ぐ物流センターの建設
31 増加する中国の工場からベトナムへの出荷
32 第三国からの原材料輸入と日本への輸出
33 ベトナムへの輸出の流れ

第5章 充実した物流インフラを誇るタイ
34 インドシナ随一の物流インフラを誇るタイ
35 水深の浅いタイの港湾
36 「陸のASEAN」の小口貨物の一大拠点
37 物流センターの立地とリスクマネジメント
38 タイにおけるPL法への対応
39 タイからASEAN全域・中国への輸出入
40 特恵関税制度の適用のしくみ
41 アジアサプライチェーンの中核となるタイ

第6章 海のASEANの代表格インドネシア
42 港湾を多く持つインドネシア
43 コンテナ港の整備が課題
44 急がれる空港や鉄道のインフラの強化
45 巨大消費市場として注目されるインドネシア
46 インドネシアからASEAN全域・中国への輸出入
47 注意を要するインドネシアへの食品輸入
48 インドネシアの輸入規制

第7章 勢いを強めるASEAN  ミャンマー、ラオス、カンボジア、フィリピン、マレーシア
49 ミャンマーへの日本企業の進出熱
50 輸出先行政策を採用するミャンマー
51 東南アジアの物流の要衝となるラオス
52 日本企業の誘致に乗り出すカンボジア
53 フィリピンの輸入地域規制に注意
54 物流に力を入れるマレーシア
55 マレーシアへの輸出入で見落としがちな点

第8章 盤石なシンガポールと香港、岐路に立つ台湾
56 東南アジアの物流の中核・シンガポール
57 トレードネットでスムーズな輸出入管理
58 世界トップクラスのコンテナ取扱量を誇る
59 岐路に立つ台湾の貿易戦略
60 課題山積みの日本の国際物流インフラ

第9章 アジア物流のリスクと保険
61 アジア物流におけるリスク
62 海上貨物保険の種類とてん補範囲
63 貿易における保険の考え方
64 海上貨物の被害の分類
65 貨物保険の機能と見積りを把握
66 保険金請求に必要な手続き

コラム  
国際宅配便の活用ノウハウ
税関とは
特恵関税制度
避けたいアジアへの「ごみ輸出」
航空運賃体系の概要
AEO運送者制度
貿易EDI
国際物流拠点の立地
貿易代金の決済

主要参考文献
索引

はじめに

 内の少子高齢化、円高などの影響を受け、日本企業の「国外脱出」が進んでいます。製造業が国内工場を中国をはじめとするアジア諸国に移転すると、それに伴い物流企業も物流センターを海外に相次いで新設、さらに小売業もサービス業も中国・ASEAN(東南アジア諸国連合)の巨大市場に熱い視線を送るようになりました。
 日本企業のアジア進出は人口13億人の中国に留まらず、人口6億人のASEAN市場にも向けられています。そして、この流れのなかで、アジアワイドでのモノの流れと取引の流れ、すなわちアジア物流とアジア貿易の重要性もこれまで以上に高くなってきました。
 そこで本書では中国、ASEANと日本とのモノの流れであるアジア物流の重要なポイントを押さえつつ、貿易の実務について要点をわかりやすく解説することにしました。アジア物流の基本知識とすぐに役に立つアジア貿易の実務知識を身につけられるようにまとめました。アジア各国それぞれについて、必要な現地情報を提供しつつ、関連するアジア物流と貿易の基本知識を紹介していく形式をとりました。
 本書の構成は、まず第1章で国際物流に必要な基礎的知識を解説しました。国際物流のしくみと貿易の実務における入門的な知識をアジアを視点として整理してあります。
 次いで、第2章で中国、およびASEANと日本を結ぶグローバルネットワークにおけるモノの流れと商取引の流れを概観しました。
 第3章では中国物流について、そのしくみと貿易における実務知識をわかりやすく詳述しました。
 さらに第4章以下で同様にASEAN諸国を、いわゆる「陸のASEAN」と呼ばれるタイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーについて、情報の緊急度と重要度が高いと思われる順に並べ、それぞれの国際物流インフラと貿易実務について丁寧に説明しました。「チャイナプラスワン」の最有力国であるベトナム、日本の製造業が相次いで工場移転したタイ、スー・チー女史の政界復帰で欧米の経済支援が本格化する可能性が高いミャンマー、今後の成長が期待できるラオス・カンボジアについて、実務で必要な情報をまとめました。また、「海のASEAN」のなかで最も注目度の高いインドネシアについても取り上げ、国際物流と貿易実務についてわかりやすく説明しました。
 第8章では、中国とASEANを結ぶ中継貿易の拠点として、その重要度を高めている台湾、香港、シンガポールについて取り上げ、そのアジア物流おける役割と中継貿易にあたっての実務知識を整理しました。また、日本の置かれている立場についてもアジア物流の視点から解説しました。
 第9章では、アジアワイドの物流と貿易に関する保険について整理し、やさしく解説しました。
 本書を読むことで読者の皆さんがアジア物流と貿易に関する必須の知識をしっかりと押さえ、実務のお役に立てることができれば筆者にとって望外の喜びといえます。


 2013年1月
 鈴木邦成

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