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BCPができたら次の一手がこれだ!
あなたが主役のやさしいBCM

定価(税込)  2,200円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07009-9
コード C3034
発行月 2013年01月
ジャンル 経営

内容

今、せっかく作ったBCPをいかに社内に根付かせるか、組織が本当の危機管理能力をいかに育成するかが問題となっている。そこで本書は、形式論にならず、具体性と実践性を主として、この問題解決に役立つBCM(ビジネスコンテニューマネジメント:いかに事業を継続させていくかのマネジメント)を解説していく。

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昆 正和  著者プロフィール

(こん まさかず)
事業継続研究家、BCP策定支援アドバイザー、AMBCI(英国BCI認定会員)、防災士、翻訳家。1986年東京都立大学経済学部卒業。環境保全機器メーカー、ソフトウェア開発会社で長年にわたって経営企画・マーケティング業務を経験後、IT及び企業情報系の産業翻訳家として独立。2001年の9・11テロでBCP(Business Continuity Plan)という危機管理手法が機能した事例に興味を持ち、以来ディザスターリカバリーのテクニックや事業継続計画の構築・運用方法、リスク管理のあり方について独自に調査・研究を進めている。主に中小企業製造業から介護福祉事業まで幅広く策定支援やアドバイスを行っている。研修セミナーや講演の実績も多数。

主な著書:
「どんな会社でも必ず役立つあなたが作るやさしいBCP 第2版」(日刊工業新聞社)、「実践BCP策定マニュアル第2版」(オーム社)

目次

はじめに

CHAPTER1 BCPを作った人もこれから作る人も
1.分かったようで分からないBCM
 1 問題の核心はどこにある?
 2 ビジョンやイメージがはっきりしない
 3 BCPの出来不出来が分からない
 4 知識とノウハウが不足している
2.何はともあれ"そもそも会議"を開こう
 1 初志貫徹会議もしくは「そもそも会議」
 2 BCPの基本形を思い出そう
 3 BCPの視野をどこまでとるか
 4 災害だよ!全員集合
 5 初動対応のここをチェック
 6 事業継続対応と復旧活動のここをチェック
 7 目次の構成・補助ツール
 8 BCP達成度チェックリスト
3.これだけは外せないBCP5つの鉄則
 1 BCPの“範囲”を視野に入れる
 2 被害想定は簡潔に書く
 3 初動対応でズッコケないために
 4 時間とプライオリティを意識してますか?
 5 これがダメなら全部ダメ!?

CHAPTER2 BCPの良し悪しはこれで分かる!
1.BCPを活かせない悩み
 1 所詮BCPは業務文書の1つに過ぎない!?
 2 いつわりの安心感と納得感
 3 BCPの良し悪しは文書チェックから
2.知る人ぞ知る検証手段-机上演習
 1 何かと勘違いされやすい「机上演習」
 2 なぜBCPの検証と役割の確認に役立つのか
3.さてさてその作り方は……
 1 まずは演習の役割を決めよう
 2 立案・作成から実施・評価まで一挙公開
 3 どこからテーマを持ってくる?
 4 目的・目標・範囲の決め方
 5 検証ポイントの設定
 6 検証ポイントを演習シナリオ?質問にブレークダウンする
4.演習に臨んで顔で笑って心で泣いて
 1 準備作業(3カ月?当日)
 2 まずはオリエンテーションでリラックス
 3 さあ開始だ?白熱する討論とちょっと待って討論
 4 評価は妥当でひょうか?
 5 演習結果のまとめ、報告、そして改善へ

CHAPTER3 訓練!訓練!訓練!
1.訓練する時間がないとお嘆きの貴兄に
 1 私はいま忙しいのだ症候群
 2 訓練から得られる"気づき"の価値
 3 やりがいのある訓練とは
2.手始めにやってみたい実地訓練
 1 2つの基本的な防災訓練
 2 たかがされどの避難訓練
 3 簡単にできると思うな安否確認訓練
 4 あれよしこれダメの緊急点検訓練
 5 わいわいがやがやの総合訓練
3.机上演習と図上訓練
 1“図上訓練”は机上演習と同じ?
 2 こんなはずではなかった訓練【机上】【図上】
 3 社長が不在でさあ困った訓練【机上】
 4 火山災害訓練【机上】【図上】
 5 津波災害訓練【机上】【図上】
 6 パンデミック対応訓練【机上】
4.会社の「顔」「口」「心臓」を鍛えるコミュニケーション訓練
 1 まずは顧客対応訓練で口慣らし
 2 危機広報訓練(基礎編)
 3 危機広報訓練(応用編)

CHAPTER4 本音で語ろう急がば回れのBCM
1.本当にやらなければいけないこと
 1 明日の災害に立ち向かえますか?
 2 PDCAなんていらない?
 3 形よりも重視すべきは「レジリエンス」
 4 やるべき事とやらなくてよい事の区別
2.まずはお膳立てをしよう
 1 社長がダメなら社長の奥さんを
 2 目標の設定なくして明日のBCMなし
 3 メンテナンスはBCMのいろはの「い」
3.見直したよキミ!と言われるために
 1 「見直し」のきっかけは何か
 2 演習から明らかになった改善点
 3 良くも悪くも事業を取り巻く環境に変化が生じたとき
 4 災害に関わる条例や想定が発表・変更されたとき
4.たまにはBCMの通信簿をつけてみよう
 1 人は目標と現実のギャップにパワーを感じる
 2 BCMの通信簿のつけ方
 3 それぞれの記録をどうやって取るか
 4 回れ回れBCM

APPENDIX サンプル書式集
1.机上演習スケジューリングシート
2.机上演習プランニングシート
3.ナレーション?質問作成シート
4.机上演習プレゼンテーション
5.机上演習評価シート
6.机上演習参加者アンケート
7.机上演習結果報告

はじめに

本書は前著『どんな会社でも必ず役立つ あなたが作るやさしいBCP 第2版』の姉妹本です。テーマの中心は「事業継続管理」です。事業継続管理は別名事業継続マネジメント(Business Continuity Management:BCM)とも呼ばれ、災害が起こった時はいつでも素早く対処できるように平素から実践的な態勢を確立および維持する活動のことを指します。

 BCPの完成後にBCMが必要不可欠であることは前著でも強調しているとおりですが、BCPを作りっぱなしにせず、いかに「災害に立ち向かう態勢の確立」のために活かし、社内に根付かせるかは依然として多くの防災担当者、BCP担当者の頭痛の種であり、永遠の課題であると言っても過言ではありません。演習・訓練しかり、見直ししかり、メンテナンスしかりです。やらなければいけないことは分かっているが「どうすればいいのか」が分からない、あるいはうまくいかない。これに応えるのが本書です。

 通常タイトルに○○管理という言葉がつく実務系の本は、無味乾燥な文書管理や手続き論が中心で、日常業務に余計な負担が増えて尻込みしたくなるような印象を与えるものですが、本書は多くの点で類書とは2味も3味も異なります。現実的な線で必須とされる活動要素のみを無理なく業務の中に組み込む方法を提案しています。目次の概要は次の通りです。

 「CHAPTER1:BCPを作った人もこれから作る人も」はBCPのおさらい編です。BCP策定の基本形、手順、必ず盛り込むべき事柄、うっかり犯しやすい失敗例などを、ポイントを絞って紹介しています。なお、初めてBCPに取り組む方は、まず前著をお読みいただいて基本的なことがらを身に付けていただくようお勧めします。

 「CHAPTER2:BCPの良し悪しはこれで分かる!」では、多くの企業は文書として完成したBCPがどれだけ実際に役に立つのかを検証する手段を持っていません。本書では欧米で最もポピュラーなBCPの検証方法として知られている「机上演習」の詳しい手順を分かりやすく説明します。机上演習は机上という自由度を活かし、さまざまな想定外の訓練に活かすこともできます。

 「CHAPTER3:訓練!訓練!訓練!」では、訓練の重要性を説きます。BCPはスポーツと同じでトレーニング(訓練)なしには少しも上達は望めません。外部の専門家の手を借りずとも社内だけで訓練を企画・立案・実施・評価するための方法についても紹介しています。訓練のシナリオや想定のシチュエーションといったものは、事務局担当者のやる気さえあれば、どんなパターンでも作りだせる、というのが筆者の持論です。

 「CHAPTER4:本音で語ろう急がば回れのBCM」ではCHAPTER2のBCPの検証とCHAPTER3の訓練をもとに、BCMを組織に段階的に定着・浸透させていく(=危機に対していつでも対処できる組織力を作る)にはどうすればよいかを語ります。BCMは原則論ではISOでおなじみのPDCAという業務改善サイクルを適用するものとされていますが、本書ではPDCAに馴染みのない読者にも分かるように、より簡潔で直感的な活動サイクルを提案しています。

 各章には、随所にいくつかの「Coffee Break」を挿入しています(初出:日本実業出版社 企業実務2012年1月号~11月号『会社と社員の災害・危機対応力を高める!』より)。これらは単なる気分転換用のエピソードではありません。工夫しだいで机上演習や各種訓練のシナリオとして使えることを狙って書いたものです。本書を一読したあとにぜひ応用してみてください。
 また、巻末(APPENDIX)には机上演習を企画しシナリオや検証ポイントを設定し、演習を実施して評価結果を得るための一連のサンプルツールを添付しています。おもにCHAPTER2に基づいたテンプレートですが、CHAPTER3のさまざまな訓練を組み立てる際にも役立つことは言うまでもありません。

 本書は全体を通して「演習・訓練」の色合いが濃くなっています。これから事業継続の国際規格ISO22301に挑戦しようという人々は、規格の要求事項をいかに満たすかという側面だけに視界を絞りがちですが、枝葉を落とした実践的なBCMの活動サイクルの一例として本書をお読みいただくことも有用ではないでしょうか。
 例によって所々ユニークな表現や言い回しが見られますが、これも読者の皆さんに重要なポイントを印象付けるための工夫です。書名の「あなたが主役の……」は、BCMは事務局担当者が片手間に一人でこつこつ行う内職仕事ではなく、全社員一人ひとりの自主的な取り組み姿勢にかかっています、という意味を込めてつけました。

 BCPは作ったものの持てあまし気味の皆さん、BCPの運用管理に関しては足元が今ひとつ不確かで宙ぶらりん、もし大きな災害が起こればまっさきに自分が逃げ出したくなるかも、と自信不足に悩んでおられる皆さん、本書を読んで「災害よ、いつでも来い!」の組織力向上に役立ててください。


2013年1月1日 
昆正和

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