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外注品質管理入門
基礎から無検査システムの導入まで

定価(税込)  2,808円

著者
サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-06941-3
コード C3034
発行月 2012年09月
ジャンル 生産管理

内容

外注した製品の品質は、一般的には自社内で製造するより劣ることが多い。こうした損失を防ぐために発注側の企業は外注先の生産体制および製品の管理、改善を行う。本書ではこの外注品質管理の考え方を解説し、さらに、外注先での品質保証体制が確立した後に納入品に対する受入検査を省略する、無検査システムの導入までを解説する。

西塚 宏  著者プロフィール

(にしづか ひろし)
1941年生まれ
学 歴:1963年(S38)中央大学法学部法律学科卒業
    1965年(S40)中央大学法学部政治学科卒業
    1968年(S43)UCLA Corporate Strategy Course修了
略 歴:1980年 日本ミネチェアベアリング 社長室、常任顧問(NMBエレクトロニクス担当)
    1983年 京阪電線 取締役 生産技術研究所 所長
    1984年 矢崎総業自動車事業部 顧問
    1985年 産業能率大学 事業本部講師、コンサルタント、産能大マネジメントスクール講師
    現在 (株)トランスファー テクノロジー コーポレーション代表取締役
       全能連認定 マスター・マネジメント・コンサルタント J―MCMC 認定番号 13031
       国際ライセンスCMC 認定番号 13023
指導分野:経営戦略の策定および実践プロセスの指導・研修
     企業再生、株式上場・M&Aのコンサルティング
     ジャストインタイム・セル生産システムの構築運用の指導・研修
おもな著書
『常勝企業の経営戦略』『経営戦略の原点』(以上、玉川大学出版部)
『大競争時代の社長の戦略ノート』『不良ゼロ・クレームゼロのための完全生産のしくみと実践』『新製品の開発、生産化、マーケティング戦略』『工場改善の定石』『生産ルネッサンス』(以上、産業能率大学出版部)
『M&Aハンドブック』『株式公開のしくみ』(以上、コンサルスタッフ)
『工場経営のためのチェックリスト』『ムダ・ムラ・ムリの見つけ方となくし方』『工場改善推進総合マニュアル』(以上、日刊工業新聞社)
『海外安全規格マニュアル』(新技術開発センター)
『製品検査システム』(総合技術センター)
ほか多数。

E―mail RXX03153@nifty.ne.jp

目次

はじめに  

第1章 外注品質管理序論
1.1 日本における外注品質管理の意義
 1.1.1 外注品質管理の必要性
 1.1.2 外注工場のわが国製造事業所に占める位置
 1.1.3 外注品質事故の及ぼす影響と外注品質管理の問題点
1.2 外注品質管理の目的と推進の努力目標
 1.2.1 外注品質管理の目的
 1.2.2 外注品質管理推進の努力目標
1.3 外注品質管理の定義
 1.3.1 用語の定義
 1.3.2 外注品と購入品
1.4 外注品質管理の機能

第2章 外注品質管理の進め方の基本理念
2.1 外注品質管理を成功させる基本的考え方
 2.1.1 相互理解、相互信頼と共存共栄
 2.1.2 風土に合った分相応の独創的な管理体制
 2.1.3 品質・価格・納期の三位一体と反対の合一
 2.1.4 中小企業の持ち味を活かせ
 2.1.5 企業間競争と自然淘汰
 2.1.6 外注単価に見合った管理と同一品質の認識
 2.1.7 マグレガーのX理論とY理論の使い分け
 2.1.8 証拠資料で品質保証
 2.1.9 新しい品質管理と社内標準化の理解と導入・推進・定着
 2.1.10 品質管理は人質管理
 2.1.11 小集団活動
 2.1.12 教 育
 2.1.13 自社の品質管理の歴史を活用
2.2 外注工場の品質保証活動の基本的な考え方
2.3 買手と売手の品質管理10原則

第3章 発注メーカー側における外注品質管理の進め方
3.1 外注品質管理方針の明示
3.2 外注工場の選定
3.3 外注工場の層別(分類)
3.4 発注メーカー側の外注品質管理組織
3.5 要求品質の明確化と指示の徹底
 3.5.1 要求品質の明確化と指示の徹底の意義
 3.5.2 図面およびその変更管理の要点
3.6 外注品不良の再発防止システムと外注品質会議
 3.6.1 メーカークレームとは
 3.6.2 メーカークレーム処理の要点
3.7 外注品質意識の動機づけ
 3.7.1 基本的考え方
 3.7.2 不良改善対策書と立入検査
 3.7.3 品質管理方針の明示と目標値の設定
 3.7.4 品質向上のための教育・行事
 3.7.5 外注品質を向上させる仕掛け
 3.7.6 発注メーカーの見学会と完成品説明会
 3.7.7 ボーナス・ペナルティ(BP)制度
 3.7.8 各種検定や制度などの活用
3.8 外注工場の指導育成
 3.8.1 発注メーカーのリーダーシップ
 3.8.2 外注工場指導員の人選と教育
 3.8.3 外注工場の指導要領
 3.8.4 発注メーカーへの依存度による外注工場の指導法
3.9 外注工場の監査
 3.9.1 外注工場の監査の意義
 3.9.2 外注工場の監査方法
 3.9.3 外注工場品質管理チェック項目

第4章 発注メーカーの受入検査の進め方
4.1 受入検査の問題点
4.2 受入検査の基礎知識
 4.2.1 受入監査の意義
 4.2.2 受入検査の実際
4.3 受入検査の組織編制
4.4 受入検査の種類とその活用
 4.4.1 持込検査と出張検査
 4.4.2 全数検査・抜取検査・チェック検査・無検査
4.5 受入検査規格
 4.5.1 受入検査規格の作成要領
 4.5.2 受入検査規格のあり方
4.6 受入検査設備
 4.6.1 受入検査設備の問題点
 4.6.2 受入検査の設備管理の要点
4.7 受入検査の手続き
 4.7.1 提検
 4.7.2 初回品の取扱い
 4.7.3 合格品・不合格品・特採品の処置
 4.7.4 受入検査成績の通知
4.8 受入検査の進め方の要点
 4.8.1 受入検査員の教育
 4.8.2 検査の調整
 4.8.3 不良再発防止の検討期間と受入検査日数
 4.8.4 品質事故の補償問題
 4.8.5 受入検査の合理化
 4.8.6 受入検査合格品の後工程での不良発生の問題

第5章 外注工場における品質管理の進め方
5.1 経営幹部の認識
 5.1.1 品質第一主義の理念
 5.1.2 品質水準の認識
 5.1.3 経営者の不良損失金額に対する認識
 5.1.4 経営者のリーダーシップ
 5.1.5 外注工場経営者の性格と得手・不得手の問題
5.2 品質管理方針の明示と品質管理制度の設定
 5.2.1 品質管理方針と教育方針の明示
 5.2.2 品質管理制度の設定
 5.2.3 標準化の進め方
5.3 外注工場の品質管理組織編制
 5.3.1 組織編制の考え方
 5.3.2 組織編制の要点
5.4 要求品質の把握と品質打合せの徹底
5.5 資材の品質管理
 5.5.1 管理の概要
 5.5.2 管理の要点
5.6 製造工程の管理
 5.6.1 管理の概要とQC工程図
 5.6.2 製造作業標準
 5.6.3 異常あるいは不良の報告と是正処置制度の設定
 5.6.4 工程検査の実施
 5.6.5 その他の管理や工夫
5.7 製造設備の管理
 5.7.1 管理の概要と設備管理概要表
 5.7.2 設備管理制度の設定
 5.7.3 設備管理の要点
5.8 治工具、測定機器の管理
 5.8.1 治工具の管理
 5.8.2 測定機器の管理
5.9 図面、仕様書、規格などの資料の管理
 5.9.1 外注工場での図面とその変更管理の意義
 5.9.2 図面とその変更管理
5.10 作業者教育
 5.10.1 作業者教育の意味
 5.10.2 教育の方法
 5.10.3 作業者教育の事例
5.11 品質管理教育
 5.11.1 品質管理教育の意義
 5.11.2 品質管理教育の方法
 5.11.3 教育の内容と対象
 5.11.4 教育の要点
 5.11.5 品質管理教育カリキュラム
5.12 統計的品質管理の教育
 5.12.1 統計的品質管理教育の意義
 5.12.2 統計的品質管理教育の内容と方法
 5.12.3 統計的品質管理の実際
5.13 品質記録
 5.13.1 データを役立てる
 5.13.2 品質記録作成上の問題点
5.14 整理整頓の意義
5.15 その他の管理の要点
 5.15.1 外注工場の下請工場の管理
 5.15.2 外注工場の検査体制
 5.15.3 品質管理の進め方の要点の問題

第6章 外注工場における製品検査の進め方
6.1 製品検査の意義
 6.1.1 検査の定義と機能
 6.1.2 検査の目的と効果
 6.1.3 検査の権限と責任
6.2 検査業務
 6.2.1 検査業務の分担
 6.2.2 検査業務の内容
6.3 外注工場の検査組織
 6.3.1 外注工場の検査組織編制の要領
 6.3.2 組織編制の方法
 6.3.3 外注工場の製品検査部門のあり方
6.4 外注工場の製品検査
 6.4.1 外注工場の製品検査と問題点
 6.4.2 外注工場の工程検査の意義
 6.4.3 外注工場における工程検査の種類とその活用
6.5 検査の自動化
 6.5.1 外注工場の製品検査の自動化とは
 6.5.2 検査の自動化の目的と着眼点
 6.5.3 検査の自動化の進め方
6.6 外注工場の検査データ
 6.6.1 外注工場の検査データの意義
 6.6.2 検査データ作成上の問題点と事例

第7章 外注品質管理の重要ポイント
7.1 無検査制度
 7.1.1 無検査制度とは
 7.1.2 無検査制度の方法
 7.1.3 公共機関の検査制度
 7.1.4 品質証明協定書の例
7.2 官能検査
 7.2.1 官能検査の意義
 7.2.2 官能検査の進め方
 7.2.3 官能検査の基準の設定
7.3 特採の処理方法
 7.3.1 特採の意義
 7.3.2 特採の種類
 7.3.3 特採の進め方
7.4 外注工場の特殊工程の管理
 7.4.1 特殊工程とは
 7.4.2 特殊工程の管理方法
 7.4.3 外注工場の特殊工程の審査と格付
7.5 外注品質と納期管理
 7.5.1 納期管理の現況と合理化の基本
 7.5.2 多品種少量生産と外注品質
 7.5.3 短納期の注文と外注品質
 7.5.4 在庫の減少と外注品質
 7.5.5 工程変更と外注品質
7.6 発注メーカーにおける外注品質管理実践10箇条
7.7 外注工場における品質管理実践10箇条

第8章 外注品質改善と無検査システムの導入・構築・運用
8.1 外注工場の指導育成の必要性
 8.1.1 外注工場の現状
 8.1.2 外注工場の指導育成の基本的条件
8.2 外注工場の品質管理が向上しない原因
8.3 今後の外注工場の品質保証体制のあり方
8.4 外注工場への発注に際して、発注メーカーとして検討すべき事項
 8.4.1 生産性および品質維持を考えた図面のあり方
 8.4.2 品質を中心とした多面的な外注工場の検討
 8.4.3 適正なQCDが得られるための発注先の選定
 8.4.4 適正なリードタイムで発注
 8.4.5 適正な価格で発注
8.5 外注工場の品質保証体制確立の手順
 8.5.1 QC診断による品質保証体制の評価
 8.5.2 評価の分析
 8.5.3 不良再発防止策
8.6 無検査制度と実施手順
 8.6.1 無検査実施要領の作成
 8.6.2 無検査実施上の問題点

あとがき
参考文献

はじめに

今、私たちは歴史の転換期にいる。ドル、ユーロに対する円高は続いている。原発廃止の世論が高まり、仮に廃止になればさらに電気代が上がるであろう。これらの要因が重なり日本ではコスト高になるため、当然製造業の海外移転は続く。移転した各企業は、移転先で外注工場を指導育成する。かくて、海外の製品も高品質を実現するようになった。海外においても、国内同様のサプライチェーンが構築されているのである。
 3.11東日本大震災の後、東北地方のサプライチェーンは寸断された。発注メーカーを頂点とするピラミッド構造が一時崩壊したのである。このとき、外注品質管理の重要性が改めて認識された。
 産業革命後、英国が世界の工場であった。それがヨーロッパに広がり、第一次大戦後は、米国が世界の工場になった。第二次世界大戦後は、日本が世界の工場になった。日本のバブル経済崩壊後は、中国が世界の工場になった。中国で激しい労働争議が起き、中国プラスワンが経営課題となった。プラスワンはベトナム、インドネシア、タイ、インド、スリランカなどへの進出である。
 自動車会社は、中国プラスワン以外にも、北米、南米、ヨーロッパへと世界中に進出している。日本の製造業はグローバル化した。外注工場も海外移転しグローバル化しつつある。
 最近多くなったのは、日本の発注メーカーが、海外の外注工場に発注する例である。自社の系列外もある。購入品を含め資材の海外調達が増えて、製品のコストダウンが実現された。顕著なのは、海外調達品で“高品質”を実現したことである。
 本書は、国内だけでなく海外の発注メーカーにも適用できる。品質、価格、納期は、達成するべき共通の生産管理の課題だからである。
 今日的潮流としては、受入検査をなくして、無検査にする傾向が顕著になった。ただ単に無検査にすればよいということではない。品質重視の姿勢を変えてはならない。手順を踏んで無検査システムを導入することである。
 これからの外注品質の維持と向上のために、発注メーカーと外注工場は、どのような考え方、対策と検査や品質管理体制で協力し合って品質保証活動を進めて行くべきかをまとめたのが本書である。
 本書によって、外注品質管理を正しく理解することにより、自信をもって日常業務に精励されたい。


2012年9月
西塚 宏 

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