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おもしろサイエンス
色の科学

定価(税込)  1,650円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 164頁
ISBNコード 978-4-526-06871-3
コード C3034
発行月 2012年04月
ジャンル ビジネス 化学

キーワード

内容

色とは、光の反射を人間の目がとらえて感じる感覚であり、生活の中での様々な物の識別などにも使われる基本的な要素だ。本書では、「色とは何か?」から、「色のいろいろな使い方、その心理的効果」にいたるまでを、科学的な視点からおもしろいエピソードを中心に紐解いていく。

山口英一  著者プロフィール

(やまぐち えいいち)
1929年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒、法務省入省。法務省保護観察官として触法少年、受刑者の面接審査にあたり、民間企業に転じて日立ハイテクノロジー(株)や日鉱金属商事(株)でカラーテレビ、新幹線、新金属材料等の研究開発、さらにレアメタル、非鉄金属等の素材の開発研究に従事。その後、フォード中央研究所で世界戦略を狙いとして環境の研究等に携わり、さらに、海外技術提携、開発研究等を手掛けるため、東邦商事の関係会社としてアイキョーインターナショナル(株)を設立。現在、五感教育研究所代表のほか、アイキョーインターナショナル代表、国際開発学会会員、国際生産工学アカデミーロシア正会員、(財)国際青少年育成振興財団評議員、日本カトリックスカウト協議会相談役名誉会長などを務めている。

五感教育研究所  著者プロフィール

近代化に伴う弊害を少しでも緩和するため、五感の重要性を再認識し、五感を使う意欲を起こさせると同時に、自然観察を通して感性と想像力を身につけさせることを目的に設立。大学教授を中心とする専門スタッフが教育現場等への積極的な講演や専門知識教室、医療・社会福祉居室、自然体験教室なども開催している。主な活動内容は「創造性開発のための社員教育」「幼児・児童・生徒のための五感教育の企画」「退職後の活力ある生き方を考えるための社員教育」「地域住民のための自然観察及び環境教育」「福祉・医療に携わる人々を対象とする五感教育」「老人の機能回復または機能維持のための五感教育」「キャンプ等野外文化活動、各種イベントの企画立案」―など。

目次

はじめに

第1章   色っていったい何だろう?
光と人間の目の構造の深い関係―人間の目は三つの色に別々に反応している
視細胞は光の三原色それぞれを敏感に感じ取る―色覚異常とは「区別のつきにくい色がある」こと
フルカラーとは1670万色―人の目で見える色は通常187万色?
〝光の波長〟ってどんなもの?―夕焼け空は波長の長い赤い色に占領される
光のスペクトル―シャボン玉は光の色のショー
色の原理には「光の三原色」と「色の三原色」がある―印刷物などの場合は光の吸収体
加法混色と減法混色の〝違い〟がわかる方法―パソコンの画面の色とその印刷の色
同じ減法混色でも違いがある―加法と減法が複雑に入り混じるカラー写真印刷
色を伝える方法は3つある―「色の名前」「色の属性」「計測した値」
色調は「色の印象を表す」方法―明度と彩度が複合されたもの
同じ色でもその範囲は実に広範囲―色には「基本色彩語」というのがある
基本色名は13色と無彩色3種類―系統色は基本色名に修飾語をつけたもの
慣用色名は色のイメージを区別するため―伝統色名には万葉の昔からのものも

第2章   大事な色のイメージとその活用
色は気持ちをコントロールする―明るい色は迫ってくるように見える「進出色」
補色の関係が生活の中でも重要な要素―より良いイメージや目立たせる効果
人間が好む色はアースカラー(青)―地球上のどこに行っても溢れている色
電光掲示板は加法混色の原理を応用―1つの色があるとないとでは大違い
公に用いられている色がある―「安全色彩」や「配管系の識別表示」
視覚情報の象徴は企業のシンボルマーク―1985年以降、多色化が一気に進む
色の誤認は明るさが足りなくても起こる―見る物に対する色の先入観でも間違う
膨張色・進出色は主として暖色系―収縮色・後退色は寒色系の色に多い
紫の高貴なイメージは世界共通―黄色はファミレスなどで多様されている色
灰色はあまり自己主張しない調和イメージ―自己主張を強くする色・黒
季節のイメージ色は多くない―赤・青・白・緑などに集中傾向
色はコーディネートの重要要素―自他共に心理効果に大きな影響
文化や言語が違うと色の見方、感じ方も違ってくる―世界では太陽の色は「白」や「青」もある
日本のリンゴは「赤」く―ヨーロッパのリンゴは「緑」に

第3章   色の上手な使い方、色は体とも密接な関係
実感している「色の持つ健康効果」―緑のリラックス、冷え症には赤
色で自然治癒力、免疫力を高めていく―病院の色は自然な色を基調したものが多い
介護の色は薄く色が入ったものがいい―色が手助けをするサインに
色で様々な心理状態を醸し出す―解毒、殺菌作用や糖尿病などへの作用も?
スポーツにも色は大きな比重を占める―「色のパワー」の効果は計り知れない
青い柔道着の勝率は50・7%とか―サッカーでは赤ユニフォームが高い勝率
色の識別には0・2秒かかる―鍛えても色を識別する時間は短縮されない
色を活用する精神医学―患部に色を貼る治療法なども
色にこだわり料理を色で訴える日本料理―全体をカラフルにし、栄養バランスも整う歳を重ねると色の見え方は変化する―白が黄色に見える「黄変化」
3歳まではたくさん色の刺激を与える―18歳くらいまでが色彩感覚を培う時期
爪の「色」には要注意―ガンなどの恐ろしい病気の併発も
紀元前に遡るカラーセラピーの歴史―アリストテレスも治療薬として勧めた?
人間の発達に関連する総合的な研究「色彩心理学」―空海やゲーテの色彩論もベースに

第4章   人間がもっている五感と色の関係
五感で色を求め安らぐ―それは皮膚の放射エネルギー感覚?
五感の中で「視覚」の高さは絶対的―男女別では〝耳男・鼻女〟の傾向
色は音とも深い関係がある―〝色光オルガン〟を作ろうとした作曲家も
ドレミファソラシドにも色がある―音の波長の違いに対応した色彩を想起させる?
ピンとくる色は男性の場合、単純明快―女性は色の幅が広く柔軟
20代、30代女性には共通の色が多い―働く女性はファッションが大きく影響
視覚には幅広いイメージ言語性がある―色に対するイメージは年齢よって変化する
青く書いた「赤」という文字を「赤」と読めるか―色を優先して認識する「ストループ効果」
色は学問にもなっている―色彩学は幅広い分野に及んでいる

コラム  
光の研究は400年前に始まった―しかし明確な論理付けには至っていない
虹は本当に七色?
七夕の五色の短冊の色は元々の色とは違う
闘牛の赤は、牛ではなく人間を興奮させるため?
宝石には無限の色がある?石の特性で反射・吸収する光の色が違う
武田、真田、井伊の「赤備え」
白黒映画のくれたもの― ①
白黒映画のくれたもの― ②
ヘレン・ケラーには〝色が見えていた〟

はじめに

 つい70年ほど前まで、映画は白黒であることが当たり前でした。それがカラー映画になったとき、画面がなんと鮮やかに感じたことか。スクリーンの偶には「総天然色」という、それこそ「これがカラーだ!」と言わんばかりの文字が入っていました。
 また、テレビも最初は白黒でした。カラーテレビというものが登場したとき、当時の女優さんやタレントさんの〝色〟をカラーテレビで見たいと思った人も少なくなかったでしょう。現在は逆に、白黒の画面などに出会うと、新鮮な感じさえ抱きます。古いモノトーンの映画は、時代を感じさせると同時に、そこに登場する女優や男優の姿に、一種独特の雰囲気さえ感じさせてくれます。
 色というものは、それほどまでに私たちの感覚の奥底にあるものを引き出してくれます。
 もし、日々の生活の中に色がなかったとしたら―それは、当たり前と思っていたものを区別することに迷わされ、いろいろなことの判断を混乱させられるのではないでしょうか。色とは、前述したように心の中の感覚とともに、生活の中での様々な物の識別など、生活の基本的な、そして根元的なものなのです。色は、簡単に言ってしまえば光の反射を人間の目がとらえて感じる感覚でしかありません。しかしそれがとても重要で、私たちの生活に大きな影響を与えているのです。
 本書ではまず、「色とは何か?」「なぜそう見えるのか?」ということから始め、「光と色の関係」、「色のいろいろな使い方、効果」などにいたるまでを、科学的な視点からの解説を中心に、基本的な疑問、色の測定、おもしろい具体的なエピソードなどを含めて分かりやすく紐解いていきます。
 監修は、人間の体の五感の研究者で、色と五感の関係についての研究でも有名な「五感教育研究所」代表の山口英一氏です。

二〇一二年四月
五感教育研究所

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