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この1冊ですべてがわかる
企業の地震対策Q&A100
第2版

定価(税込)  2,640円

著者
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サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-06838-6
コード C3034
発行月 2012年02月
ジャンル 経営

内容

東日本大震災以降、東海、東南海、首都直下型などさらに大きな被害もたらす地震がおこる可能性が高確率で指摘されている。本書は、日本の地震危険度最新版、さらに「つなみ」によるリスクマネジメントを加え、企業の地震対策のマニュアルとして実践的に使える第2版。

小林 誠  著者プロフィール

(こばやし まこと)
立命館大学経営学部客員教授、インターリスク総研主席研究員
1976年東京大学工学部卒。同年住友海上火災保険入社。リスクコンサルティング部門を経て、1993年1月より現職。専門は、自然災害等防災全般、リスク評価。主な業績は『事業継続の方法論?エスカレーション・ロジックモデルの試み(横幹連合、2011年)』『リスクベースのLCC研究の課題?損害保険の役割?(建築学会、2002年)』『海外の学校防犯対策に関する調査研究(社会安全研究財団、2002年)』『JIS Q 2001の適用例?中小企業への適用?(日本規格協会、2001年)』『企業の地震対策と危機管理(倉庫協会、2000年)』ほか多数。著書には『初心者のためのリスクマネジメントQ&A100(日刊工業新聞社、2011年)』『BCM(事業継続マネジメント)入門(共著、日本規格協会、2008年)』『企業の災害対策と事業継続計画、共著、リックテレコム、2007年』『事業継続マネジメント(BCM)構築の実際(監修、日本規格協会、2006年)』『この一冊ですべてがわかる リスクマネジメントシステム(共著、日刊工業新聞社、2002年)』ほか。危機管理システム学会理事、リスクマネジメント規格国内ワーキンググループ委員、BCMS運営委員会委員など。

服部 誠  著者プロフィール

(はっとり まこと)
株式会社インターリスク総研 コンサルティング第三部 上席コンサルタント
1998年名古屋大学大学院 工学研究課 修了
同年 住友海上火災保険(現 三井住友海上火災保険)入社
保険業務部門・リスクコンサルティング部門を経て、2002年7月より現職。
専門:自然災害などリスクマネジメント全般
実績:自然災害などのリスク評価や、財務への影響度分析、地震時の緊急時の緊急時対応や事業継続計画(BCP)の体制構築支援、保険事業・共済事業のリスク管理に関する助言など
著書:「実践リスクマネジメント」(共著、経済法令研究会、2007年)
資格:MBCI(英国BCI認定 事業継続プロフェッショナルメンバー)
  (社)不動産証券化協会認定マスター

目次

はじめに

第1章 わが国の地震危険度はどのくらいなのか?
1 地震はなぜ起こるのか?
 Q01 日本で地震が多いのはなぜなのか?
 Q02 地震の発生確率や大きさを知るにはどうしたらいいの?
 Q03 大地震はいつ起きるのか?
 Q04 東北地方太平洋沖地震により地震評価はどう変わるか?
2 地域別の地震危険度
 Q05 北海道地方の地震危険度は?
 Q06 東北地方の地震危険度は?
 Q07 宮城県の地震危険度は?
 Q08 関東地方の地震危険度は?
 Q09 東京の地震危険度は?
 Q10 中部地方の地震危険度は?
 Q11 愛知県の地震危険度は?
 Q12 近畿地方の地震危険度は?
 Q13 大阪の地震危険度は?
 Q14 中国・四国地方の地震危険度は?
 Q15 広島県の地震危険度は?
 Q16 九州地方の地震危険度は?
 Q17 福岡県の地震危険度は?

第2章 企業の地震対策はどうすべきか? ―考え方編
1 消防法を対策の基本に
 Q18 地震対応にはどんな法律があるのだろう?
 Q19 消防法が求める震災対策とは?
2 基本方針をしっかり決める
 Q20 なぜ方針を明確にする必要があるのか?
 Q21 災害シナリオを作るには?
 Q22 対策に抜けがないようにするにはどうするか?
 Q23 防災訓練を形骸化させないためには?
 Q24 自治体の地域防災計画との連携は必要か?
 Q25 地域との協働は必要か?
 Q26 地震対策はどの部門が所管すべきか?
3 被害想定をどう考えるか?
 Q27 リスクアセスメントはなぜ必要か?
 Q28 リスクアセスメントはどうやってやるのか?
 Q29 被害想定はなぜ必要か?
 Q30 被害想定はどうやってやるのか?
 Q31 脆弱性分析はなぜ必要か?

第3章 企業の地震対策はどうすべきか? ―実践編
1 検討プロセス
 Q32 地震対策の検討体制はどうすべきか?
 Q33 何事も情報は定量化すべきか?
 Q34 対策の精緻度はどのくらい必要なのか?
 Q35 マニュアル作成の鉄則は?
 Q36 検討の手順は?
 Q37 複数事業所をもつ企業の緊急時対応の検討はどうするか?
 Q38 地震対策マニュアル作成の考え方は?
2 事前対策
 Q39 対応組織の構造はどうすべきか?
 Q40 対応組織の任務とは?
 Q41 地震発生時、社員は退社させるべきなのか?
 Q42 災害時の相互支援・相互協力はすべきか?
 Q43 食糧などは何をどれくらい備蓄すればよいのか?
 Q44 応急・復旧資機材にはなにを備蓄するべきか?
 Q45 備蓄品の保管場所および配布はどうするか?
 Q46 救護資機材整備でのポイントはなに?
 Q47 通信のバックアップ対策はどうしたらよいのか?
 Q48 建物の耐震補強をするには?
 Q49 什器備品、装置等の地震対策は?
 Q50 緊急地震速報はどう使うか?
 Q51 津波避難はどうしたらよいのか?
 Q52 東海地震警戒宣言をどう考えるか?
 Q53 いつ社員を退社させるべきか?(警戒宣言対応)
3 初動期の対策
 Q54 初動対応事項の優先順位は?
 Q55 初動対応アクションリストとは?
 Q56 初動対応で注意することは?
 Q57 夜間・休日の地震対応は?
 Q58 非常参集はどう考えるか?
 Q59 要員の確保の考え方は?
 Q60 対策本部はいつ、どのように設置するか?
 Q61 安否確認システムとは?
 Q62 緊急情報センターの設置は有効か?
 Q63 被災事業所のマスコミ対応の考え方は?
 Q64 在宅時に被災した社員の安否確認で気をつけることは?
 Q65 設備の緊急停止は自動か手動か?
 Q66 避難の判断基準とは?
 Q67 被災社員の避難所の確保は?
 Q68 重要書類・物品の持ち出しは必要か?
 Q69 要救助者への対応の仕方は?

第4章 大規模地震に対応したBCPの作り方とは?
1 BCPとはなにか
 Q70 BCPの構成と必要な項目はなにか?
 Q71 BCPと改正消防法との関係は?
 Q72 BCPのひな形はないか?
 Q73 ビジネスインパクト分析のやり方は?
 Q74 自己診断はどうやってやるのか?
2 検討すべき対策
 Q75 警備・防犯対策で重視することはなにか?
 Q76 応援社員の衣食住の確保をどうするか?
 Q77 復旧対策の検討とは何を意味するのか?
 Q78 復旧資材・労力は簡単に手に入らなくなる?
 Q79 システムの復旧計画はどうしたらいいのか?
 Q80 システムバックアップか、iDCか?
 Q81 復旧作業の開始基準はあるのか?
 Q82 忙しいので記録などいらないのでは?
 Q83 緊急車輌はなにがいいか?
 Q84 復旧のための図面の保管方法は?
 Q85 地域支援や自治体支援もやらねばならないか?
 Q86 本社が被災したときはどうするか?
 Q87 生産・営業拠点の分散を検討すべきか?
 Q88 代替施設の手配はどう考えればよいか?
 Q89 社員の出社可否を把握するためには?
 Q90 取引先との連絡はなぜ必要なのか?
 Q91 非常電源を確保するには?
 Q92 輸送ルートまで考えるべきか?
 Q93 緊急に必要な資金の融資はどうしたらよいか?
 Q94 BCPの社員への周知方法は?
 Q95 対策の見直しはどうやるのか?

第5章 従業員の教育・訓練はどうすべきか?
 Q96 身を守る訓練を忘れていないか?
 Q97 社員の自宅での対策指導はどうやればいいか?
 Q98 意識啓発のための情報源にはどんなものがあるか?
 Q99 訓練にはどのような種類があるのか?
 Q100 図上訓練の注意事項は?

資料編
 column 低頻度巨大災害に対応すべきか
 column 事業所の津波危険度を知るには
 column 発生確率を考えすぎない
 column マジックナンバー7±2とは
 column 安否確認システム事例
 column 管理のための安否確認はやめよう
 column 本業で地域支援を
 column BCPのトリガーを明確に
 column 図上訓練ノウハウの入手方法は

参考文献

はじめに

は じ め に(改訂にあたって)

 大規模地震が発生すると、多くの人々が亡くなります。そしてその死は、当人だけではなく、近しい人々の人生にも重大な影響を与えます。一万人の方が亡くなれば、数十万人の方々の人生や生活がめちゃくちゃになることがあります。このことはなにも個人に限ったことではなく、震災による企業の倒産や廃業でも同じことです。個人も組織も、その死は社会的に共有されてしまうのです。
 残念ながらそういう大災害が起きてしまいました。東日本大震災です。
 東日本大震災は、破滅的な震動とそれに続く大津波によって、ほんの数分で企業の防災計画やBCP(事業継続計画)が決して十分なものではなかったことを証明してしまいました。また、この大震災によって私たちは巨大災害の被害は避けられないことを再認識させられました。
 奇しくも政府の復興構想会議がまとめた「復興への提言?悲惨のなかの希望?」でも災害時の被害をゼロではなく、最小化する減災の重要性が説かれました。減災は、従来のような構造物に頼る防御ではなく、防災教育の徹底等、ソフト(管理)対策を重視するものです。
 本書は、初版以来、消防法を基調とし、企業の体力に合った「身の丈サイズ」の減災対策の重要性を訴えてきました。たとえば、企業が津波に対する強固な防御策を講じることは不可能ですが、津波避難計画の策定と実施によって幾人かの従業員の命は助かるかもしれないという視点です。この改訂版では企業ができる津波避難対策を加筆しました。
 東日本大震災以後、首都直下地震をはじめとして巨大地震のリスクが高まっているといわれていますが、そのシナリオはまだまだ不透明です。こんな状況下では、次に起きる巨大地震の災害シナリオを想定することはできません。過去に起きた地震災害を教訓とすることはできますが、同じ地震災害は二度起きないのです。
 ある調査によると、東日本大震災後企業が見直す対策項目のトップは想定シナリオの見直しのようですが、今、企業がなすべきことは、どのような地震であれ、被災時に必要となる機能について、減災の視点から対策を見直すことではないでしょうか。
 企業のトップや防災担当の方々は、巨大災害に対する無力感に囚われず、大地震や津波などによって近しい人々が苦しまないよう、本書によって、自社にとって無理のない地震対策を再構築してみてはいかがでしょうか。
 日本は、まだ東日本大震災のただ中にあります。東日本大震災によってお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、そのご遺族や被災された方々には改めて心よりお見舞い申し上げます。
 なお、改訂版の執筆にあたっては、津波避難をはじめとして主に西日本の巨大地震・津波対策の普及促進の分野で活躍されている日本セイフティー災害研究所所長伊永勉氏に企業の津波対策のあり方などをご教示いただきました。ここに深く感謝の意を表します。

 2012年2月

小林 誠/服部 誠

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