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設計実務に活かす!
実感の材料力学

定価(税込)  2,530円

著者
サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-06755-6
コード C3053
発行月 2011年09月
ジャンル 機械

内容

本書は、材料力学をあらためて機械設計という視点から考え、実務に使える材料力学を提示することを狙っている。設計という体感に基づく作業に活かすエッセンスを解説。具体的な要素や装置を例に解析例を示し学習する。これまで材料力学を使いこなせない、設計に役立てられないと諦めていた設計者に材料力学の活かし方をじっくり学んでもらうための本。

大滝英征  著者プロフィール

(おおたき ひでゆき)
埼玉大学・名誉教授
経 歴
 1972 東京大学大学院工学研究科(工学博士 ボルト・ナット結合体の疲れ)
 1972 通産省工業技術院機械技術研究所
 1982 同 安全公害部安全設計課長
 1983 埼玉大学工学部助教授
 1987 同 教授
 現在 同 名誉教授
著 書
 1 山本,大滝 他:JIS使い方シリーズ ねじ締結体設計のポイント
   (1992初版,2002改定版)日本規格協会
 2 大滝:確率・統計手法による寸法公差決定法[1992]日刊工業新聞社
 3 大滝:機械設計計算プログラム集(昭和62)日刊工業新聞社
 4 大滝:機械機構設計ノート(昭和61)日刊工業新聞社
 5 大滝:まるごと実用設計[計算便利帳](2002)日刊工業新聞社
 6 機械設計便覧編集委員会:機械設計便覧(1992)丸善
 7 北郷,大滝:機械の事典[1980]朝倉書店
 8 大滝;新・機械設計学(2003)数理工学社
 9 大滝;最新JIS準拠機械製図(2005)数理工学社
 10 機械の疲労強度設計法(2007)日刊工業新聞社

目次

はじめに 

第1章 なぜ市販の材料力学の書籍は設計に 役立たないのか?
1.1 部品形状とそこに生じる内力

第2章 機械設計に役立つ材料力学へ
2.1 機械部品の支持方法の理解を深める
2.2 機械部品を支持する軸受

第3章 内力の分布から機械部品の強度を評価する
3.1 最弱個所を探求する
   3.1.1 力線による最弱個所の探求
3.2 最弱個所には応力集中が起こる
   3.2.1 応力集中とSaint―Venantの原理
   3.2.2 応力の集中度を示す評価値(応力集中係数α)の把握

第4章 材料力学での解析のためのモデル化
4.1 まず最初に構造体のモデル化および外力のモデル化を行う
4.2 軸のモデル化
   4.2.1 回転系のねじり解析の場合のモデル化
   4.2.2 横方向から見た軸系に注目して解析(曲げに関する解析)する場合のモデル化
   4.2.3 材料力学上の数理的処理を行う際の軸のモデル化の具体例

第5章 引張荷重および圧縮荷重の解析
5.1 解析の留意点と数理的処理の基本
   5.1.1 2次元的な解析結果と3次元的な解析結果との関わり
   5.1.2 引張荷重あるいは圧縮荷重を受ける場合の数理的処理
   5.1.3 複雑な構造体に向けての数理的処理の簡便化
   5.1.4 設計に役立てる解析例
    例題1 プレス機構(2つの部材から構成されていると見なせるような構造体)
    例題2 トグルクランプ機構
    例題3 かさ歯車を有する軸に働く軸力
    例題4 はすば歯車を有する軸に働く軸荷重
   5.1.5 斜めに配置された複数の棒状の部材より構成される構造体
   5.1.6 設計に役立てる解析例
    例題1 4つの棒状部材が組み合わさって構成される構造体
    例題2 ねじ締結体
5.2 エレベータのロープに加わる引張力
   5.2.1 エレベータ機構のモデル化
   5.2.2 ロープに加わる引張力の解析
5.3 ネット状の構造体に加わる引張力
   5.3.1 ネット状の構造体のモデル化
   5.3.2 ロープに加わる引張力の解析
5.4 クローラ・チェーン(フラット・シュー)に加わる引張力
   5.4.1 クローラ・チェーンのモデル化
   5.4.2 クローラ・チェーンにかかる引張力
5.5 半無限体に加わる圧縮力
   5.5.1 ボルト・ナットのねじ山に加わる荷重と断面力
5.6 棒状部材の軸方向に加わる圧縮力
   5.6.1 両端が自由の細長い棒に圧縮荷重が作用した場合の棒の曲線
   5.6.2 ハニカム構造のメンバーの応力解析
5.7 2物体が接触し互いに加えあう圧縮力 (動力伝達部の圧縮力)
   5.7.1 歯車の歯面における接触部曲率半径
   5.7.2 球体が狭い隙間へ侵入した場合
   参考 Hertzの接触理論
5.8 複数部材からなる構造物 ―荷重分担の掌握と数理化処理解析
   5.8.1 軸受内部の転動体に加わる荷重
   5.8.2 ゼネバ式間欠機構のローラに加わる荷重
   5.8.3 ブレーキ機構のライニングに加わる荷重

第6章 せん断力および曲げモーメントの解析
6.1 せん断力,曲げモーメントが負荷する場合の構成方程式の誘導
   6.1.1 断面力同士の関係
   6.1.2 断面力と応力との関係
   6.1.3 断面力と変位の関係(構成方程式の誘導)
   6.1.4 Fz,Fy,My,Mzが複合化して作用する場合
6.2 材料力学における数理的処理過程をよく把握すること
   6.2.1 解析は段階を追って進める
    例題 両端固定の軸について数理的処理過程をたどる
   6.2.2 設計に役立てる解析例
    例題1 片持ちの棒状部材に分布荷重が負荷する場合
    例題2 両端固定の棒状部材に曲げ荷重が負荷する場合
    例題3 2軸方向から横荷重,曲げ荷重が負荷する場合
   6.2.3 軸部材の応力集中係数αの把握
   6.2.4 段付き軸および溝付き軸の応力分布
6.3 突起のある軸状部材の応力分布
   6.3.1 突起の付け根近傍での応力分布
   6.3.2 基準応力の選び方
   6.3.3 種々の切欠きのある場合についての応力集中係数の推察
    参考 部材内部にある切欠きについてのデータ利用
6.4 特異な構造体の変形および曲げの解析
   6.4.1 オーバーハングした軸に圧縮荷重等が負荷する場合の変形
   6.4.2 曲がった板材の先端部に剛体的な部材が取り付けられた 場合の曲げ
   6.4.3 板材の先端部に剛体的な部材が取り付けられた場合の曲げ
   6.4.4 軸の先端部に接触子が取り付けられた部材の曲げ
   6.4.5 筒体で支持された棒状部材の曲げ
   6.4.6 円柱に巻きついた部材に負荷する曲げモーメントおよび 引張力
   6.4.7 円柱に沿っての板材の曲げ
   6.4.8 ダイスによる板材の曲げ
6.5 特異な構造体の材料力学上の数理的処理法
   6.5.1 部材のたわみと軸方向変位との関係
   6.5.2 荷重負荷点に生じる摩擦
   6.5.3 多くのピンで支持された部材の曲げ
   6.5.4 多くのピンで支持された部材に曲げ荷重が負荷する場合,各ピンに負荷する曲げ荷重
   6.5.5 積層板に荷重が負荷した場合の荷重分布
   6.5.6 締め付け座面に傾きがある場合のボルトに生じる断面力

はじめに

 材料力学は,振動学でも有名なStephen P. Timoshenkoによって体系付けられ,その内容は数理学的に極めて美しくまとめ上げられている。日本でもStephen P. Timoshenkoに倣った数理学的な扱いを主にした材料力学の書籍が数多く発行されてきている。
 材料力学は機械設計にも資するといわれているが,実際的な装置にどのように適用すればよいか明確でない。たとえば,装置をモデル化する方法や適用すべき諸式を書籍から探し出そうとしても,類例すら見付からない。というのも,市販の材料力学の書籍は美的ともいえる数理的な処理が主であり,機械設計という一種の体感に基づく泥臭い作業には適合していないとすら言える。市販の材料力学の書籍を機械設計という観点から見直す必要があろう。
 元来,材料力学は設計での課題解決へ向けて道を切り拓いて行く斧でありナタである。研ぎ澄まされたナイフやカミソリ(弾性論や有限要素法等がそれに該当する)ではない。設計対象の大胆なモデル化とそれに基づく解析のための仮定そして数理的な処理が伴う。得られた結果に対する適切な評価も必要で,これらを導き出す根源は“経験”と“直感”である。我々が描く図面は“経験”と“直感”に基づいている。図面と材料力学,まさしく表裏一体のものであるといえる。
 本書では,図面に描かれる構造体を対象として材料力学上の数理的処理法について述べる。

2011年9月 
著者

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