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めっき作業の基礎知識 Q&A

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 180頁
ISBNコード 978-4-526-06731-0
コード C3057
発行月 2011年08月
ジャンル 金属

内容

めっき加工は、作業者の技量にその出来映えが大きく左右される。それだけに作業の勘どころを押さえ、力量を高めることが常に求められている。本書は初級めっき加工従事者のための入門書で、技量向上のための知識やノウハウが満載!

星野芳明  著者プロフィール

(ほしの よしあき)
1944年 東京都に生まれる
1971年 横浜国立大学工学部応用化学科卒業
1978年 株式会社キザイ(旧社名日本化学機材株式会社)退社
(1966年入社以来めっき技術、排水処理技術の研究開発および現場導入指導を担当)
1979年 環境計量士(1977年登録)作業環境測定士(1979年登録)により、環境計量、環境改善の技術指導に取り組む
1987年 技術士登録により、星野技術士事務所開設し、現在に至る
1991年 労働安全コンサルタント登録により、生産設備機械安全対策に取り組む

現在 株式会社ハイテクノ技術スタッフ・上級表面処理講座講師
東京都鍍金工業組合高等職業訓練学校 電気めっき科講師
日本技術士会、埼玉県技術士会所属
労働安全衛生コンサルタント会所属
社団法人表面技術協会会員

著書 「めっき加工のトラブル対策」「現場で役立つめっき加工の勘どころ」「めっき加工のツボとコツQ&A」以上日刊工業新聞社、「バレルめっき」槇書店 など

目次

はじめに  

第1章 めっき生産管理(工程管理、品質管理)
Q1―1 めっき加工における生産管理では、何がポイントになりますか?(その1)  
Q1―2 めっき加工における生産管理について、他に注意する点は?(その2)  
Q1―3 めっき加工における工程管理について教えてください  
Q1―4 生産管理の仕組みおよびめっき加工の流れと役割について教えてください  
Q1―5 めっき加工における工程管理、品質管理を推進する人(Man)の役割について教えてください  
Q1―6 電解めっきにおけるめっき膜厚の均一化を生産管理する人(Man)の役割について教えてください  

第2章 化学、電気化学の基礎
Q2―1 めっき工程管理で必要な専門用語にはどんなものがありますか?  
Q2―2 電気化学反応を理解し管理するためにはどうすればいいのですか?  
Q2―3 電解質水溶液と錯体水溶液について教えてください  
Q2―4 電解質水溶液と中和滴定分析について教えてください(その1 酸と塩基の中和反応)  
Q2―5 電解質水溶液と中和滴定分析について教えてください(その2 塩基性塩の中和反応)  
Q2―6 電解めっき析出量と膜厚の管理について教えてください  
Q2―7 各種元素(原子)のイオン価と反応性について教えてください  
Q2―8 各族の元素(原子)の性質と反応性について教えてください  
Q2―9 遷移元素(金属)の性質について教えてください(その1)  
Q2―10 遷移元素(金属)の性質について教えてください(その2)  

第3章 付帯設備の役割と管理
Q3―1 ひっかけ治具の役割と管理について教えてください  
Q3―2 バレルの役割と管理について教えてください  
Q3―3 ろ過機の役割と管理について教えてください  
Q3―4 かくはんの役割と管理について教えてください  
Q3―5 整流器の管理に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―6 電源電圧と浴電圧の管理に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―7 自動制御型整流器の管理に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―8 超音波に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―9 超音波発振装置の管理に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―10 局所排気装置の設計に関してどのような基礎知識が必要ですか?  
Q3―11 局所排気装置の管理に関してどのような基礎知識が必要ですか?  

第4章 被めっき物素材の成形加工の役割と管理
Q4―1 被めっき物の材質とめっき加工の役割について教えてください  
Q4―2 被めっき物の成形加工と加工油について教えてください  
Q4―3 被めっき物の成形加工前後の熱処理について教えてください  
Q4―4 一次加工としての塑性加工とめっき品質管理について教えてください  
Q4―5 プレス加工の欠陥とめっき品質管理について教えてください(その1)  
Q4―6 プレス加工の欠陥とめっき品質管理について教えてください(その2)  
Q4―7 プレス加工の欠陥とめっき品質管理について教えてください(その3)  
Q4―8 切削加工の欠陥や研削加工の欠陥とめっき品質管理について教えてください  

第5章 前処理工程の役割と管理
Q5―1 前処理工程での脱脂洗浄の種類と役割について教えてください  
Q5―2 アルカリ脱脂剤はどのように選定すればいいのでしょうか?  
Q5―3 アルカリ脱脂洗浄に効果的な物理的補助装置の種類について教えてください  
Q5―4 アルカリ脱脂剤に含まれる界面活性剤にはどのような働きがあるのですか?  
Q5―5 アルカリ脱脂洗浄の温度効果について教えてください  
Q5―6 アルカリ脱脂剤の管理と老化について教えてください  
Q5―7 アルカリ脱脂剤の濃度分析について教えてください  
Q5―8 アルカリ脱脂剤に含まれるケイ酸塩の管理について教えてください  
Q5―9 アルカリ脱脂洗浄効果の確認と管理はどうすればいいのですか  
Q5―10 酸洗処理の目的について教えてください  
Q5―11 酸洗処理と酸エッチング処理の違いとは?(鉄鋼素材の場合)  
Q5―12 酸洗処理と酸エッチング処理の違いとは?(銅合金素材の場合)  
Q5―13 酸電解(陰極)洗浄の役割と管理について教えてください  
Q5―14 アルカリ電解洗浄とは?(鉄鋼素材の場合)  
Q5―15 アルカリ電解洗浄とは?(非鉄素材の場合)  
Q5―16 活性化の役割と管理について教えてください  
Q5―17 ストライクめっきの役割と管理について教えてください  

第6章 めっき工程の役割と管理
Q6―1 シアン化銅めっき浴の役割と管理について教えてください(その1)  
Q6―2 シアン化銅めっき浴の役割と管理について教えてください(その2)  
Q6―3 シアン化銅めっき浴のPR電解と管理について教えてください(その3)  
Q6―4 硫酸銅めっき浴の役割と管理について教えてください  
Q6―5 硫酸銅めっき浴中の塩素イオンの役割と管理について教えてください  
Q6―6 めっきの役割;光沢のある外観を作り出すためには何が必要ですか?  
Q6―7 ワット浴ニッケルめっき中のほう酸の役割と管理について教えてください  
Q6―8 スルファミン酸ニッケルめっき浴の役割と管理について教えてください  
Q6―9 被覆力を高めるための管理とは?  
Q6―10 均一電着性を高めるための管理とは?  
Q6―11 バイポーラ現象による析出異常の防止管理とは?  
Q6―12 陽極はどのように管理すればいいのでしょうか?  

第7章 後処理工程の役割と管理
Q7―1 水洗槽はどのように管理すればいいのでしょうか?  
Q7―2 多段向流水洗槽の管理について教えてください  
Q7―3 水と水洗浄の管理はどのようにすればいいのでしょうか?  
Q7―4 乾燥工程の役割と管理について教えてください  
Q7―5 バレルめっき方式における乾燥工程の管理について教えてください  
Q7―6 ひっかけ治具方式における乾燥工程の管理はどのようにすればいいのでしょうか?

はじめに

 めっき加工は永い歴史を背景に従来から経験、熟練、勘が不可欠とされていました。近年、着々と学問的理論付けが行われ、それに関する書籍や逆にめっきの基礎に関して『めっきの基礎』、『めっきの基礎のきそ』などという表題の書籍が多く出版されています。
 筆者は、めっき現場で発生する品質トラブルの原因と対策およびトラブルを未然防止するための勘どころやめっき加工のツボ(原理原則)とコツ(作業ポイント)などについての書籍を出版してきました。
 めっき加工は、電気化学反応を利用して表面改質をする関係上、めっきの工程管理にいろいろな要因が絡み合って品質できばえに影響を与え、同じように管理しているはずなのに品質トラブルに遭遇することが常であります。
 これは筆者が思うところ、まさにゴルフのコースマネジメントとよく似ています。
 例えば、図・1に示すように、めっき技術とゴルフ技術のプロセス志向が類似しています。めっきやゴルフなど歴史のある技術には、しっかりした原理・原則があります。さらに現場、現物、現象をよく観察してプロセス志向(工程管理)することで品質安定化が比較的容易にはかれるという優れた技術でもあります。
 さらに、各工程の難易度、技術の正確性、管理ポイントと管理方法などについても図・2に示すめっき技術の工程管理(プロセスマネジメント)と図・3に示すゴルフ技術の工程管理(コースマネジメント)とを比較してみますと、かなり多くの類似点があることがわかると思います。ゴルフを興ずる人は、ゴルフが好き、原理・原則を極めたい、品質(スコアメイク)を安定化したいなど、多くの欲望が現場、現物、現象をよく観察し、図・4に示すような目標を持って技術レベルを高め、その結果、品質できばえに反映するのです。
 ゴルフについてはこのくらいにして本題に入ることにしましょう。図・2に示したように、めっきの工程管理において、品質できばえまたは品質トラブルに対して前処理工程の影響度が大きく品質トラブルの約80%が前処理工程にあると言っても過言ではありません。
 そのような観点から、本書ではめっき工程管理の基礎として、管理すべき2大項目
 (1)金属素材表面の前処理と電気化学反応の制御(control)と管理(management)
 (2)物理的要素(設備、治具など)の制御(control)と工夫管理(management)
に関して取り上げ、金属素材の成形加工側面、前処理工程側面、下地めっき側面、後処理工程側面および化学、電気化学の基礎の面から主な小項目70を拾い上げ、それぞれの役割や管理方法などに関する基礎知識をQ&Aの方式でまとめてみました。
 めっきの生産管理(工程管理、品質管理)をレベルアップさせるのに本書が一助となればと考えています。さらに望むこととして、本書が読者諸氏のめっき加工実務において必要なときのテキストや参考書として活用していただければ幸いです。

 2011年6月 著者

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