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はじめての乾燥技術

定価(税込)  2,160円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06720-4
コード C3043
発行月 2011年07月
ジャンル 化学

内容

乾燥に携わる人がまずここから始める入門書。はじめて乾燥技術を扱う人にもわかるよう、「ものを乾燥する」というのはどういうことかから、乾燥機の選定の考え方の基本までを図や事例とともにやさしく解説する。本書で乾燥技術に必須の基礎知識を身につけることができる。使用する用語・数式の意味の丁寧な解説も特徴。

中村正秋  著者プロフィール

(なかむら まさあき)
1965年 名古屋大学卒業(工学部化学工学科)
1970年 名古屋大学大学院博士課程満了
(工学研究科化学工学専攻)
1982年 8 月~1984年 3 月 Research Associate, National Research Council, Canada
1994年 名古屋大学教授(工学部分子化学工学科)
1997年 名古屋大学大学院教授
(工学研究科分子化学工学専攻)
2004年 名古屋大学大学院教授(工学研究科化学・生物工学専攻 分子化学工学分野)
2006年 名古屋大学名誉教授
工学博士
専門:化学工学(伝熱工学、反応装置工学、資源・環境学)
著書:「初歩から学ぶ乾燥技術」(共著)、「分離技術ハンドブック」(共著)、「セラミックマシナリーハンドブック」(共著)、「化学工学ハンドブック」(共著)、「粉体工学ハンドブック」(共著)、「化学反応操作」(共著)、「移動層工学」(共編、共著)
HP:http://ntechx.com/

立元雄治  著者プロフィール

(たてもと ゆうじ)
1995年 名古屋大学卒業(工学部分子化学工学科)
2000年 名古屋大学大学院博士課程満了
(工学研究科分子化学工学専攻)
2000年 静岡大学教務員(工学部物質工学科)
2005年 静岡大学助手(同上)
2006年 静岡大学助教授(同上)
2007年 静岡大学准教授(同上)
博士(工学)
専門:化学工学(乾燥工学、粉体工学)
著書:「初歩から学ぶ乾燥技術」(共著)、「分離技術ハンドブック」(共著)、「スラリーの安定化技術と調製事例」(共著)、「エレクトロニクス分野における精密塗布・乾燥技術」(共著)、「乾燥大全集」(共著)、「過熱水蒸気技術集成」(共著)

目次

第1章 乾燥とは何か《乾燥の必要性》  
   (1.1) 乾燥は水分の蒸発・昇華現象  
   (1.2) 乾燥のはじまり  
   (1.3) 乾燥操作は、なぜ必要か
     ―籾米の乾燥:米は生きている―  
   (1.4) 乾燥に必要な熱エネルギーの伝わり方  
   (1.5) 乾燥操作の種類 ―伝導乾燥・対流乾燥・輻射乾燥―  
   (1.6) 乾燥は、生活に潤いをもたらす(1)
     ―インスタントコーヒーの製造―  
   (1.7) 乾燥は、生活に潤いをもたらす(2)
     ―インスタントコーヒーの乾燥―  
    コラム1 郷に入っては、郷に従う  

第2章 湿った物質はなぜ乾くか《湿度の話》  
   (2.1) 湿度とは何か ―相対湿度と絶対湿度―  
   (2.2) 空気に含まれる水蒸気には限界がある
     ―飽和水蒸気圧の測定―  
   (2.3) 飽和水蒸気圧の求め方  
   (2.4) 相対湿度(関係湿度)  
   (2.5) 絶対湿度  
   (2.6) 絶対湿度と相対湿度の関係  
   (2.7) 湿球温度の測定 ―乾湿球温度計―  
   (2.8) 湿度図表  
   (2.9) 等湿球温度線と断熱冷却線  
   (2.10)湿度図表を使って湿球温度を読みとる  
   (2.11)露点 ―朝露多ければ、晴れ―  
    コラム2 湿球温度を計算で求める方法  

第3章 乾燥はどのように進むか《乾燥の基礎》  
   (3.1) 乾燥による重量と温度の変化   
   (3.2) 湿った材料に含まれる水分の表し方
     ―乾き基準含水率と湿り基準含水率―  
   (3.3) 乾き基準含水率を使うのはなぜか  
   (3.4) 定率乾燥期間と減率乾燥期間 ―乾燥速度―  
   (3.5) 乾燥特性曲線 ―限界含水率と平衡含水率―  
   (3.6) 限界含水率と平衡含水率 ―温度と相対湿度の影響―  
   (3.7) 定率乾燥速度は材料によらない ―外的要因で決まる―  
   (3.8) 定率乾燥期間があるのはなぜか
     ―湿り材料内の水分移動―  
   (3.9) 定率乾燥速度の表し方  
    コラム3 Excel(R)を使って数式を解く  

第4章 湿った物質をはやく乾かすには《乾燥速度の話》  
   (4.1) 定率乾燥速度を速くする方法
     ―どういう対策が考えられるか―  
   (4.2) 熱風の風速を上げて乾燥を速める   
   (4.3) 熱風の温度を上げて乾燥を速める  
   (4.4) 材料を小さく砕いて乾燥を速める  
   (4.5) むやみに速く乾かすのは、問題だ
     ―限界含水率が高くなる―  
   (4.6) 速く乾かすと限界含水率が大きくなる理由
     ―湿り材料を連通管にたとえる―  
   (4.7) 材料によって限界含水率が異なる理由
     ―水分移動と連通管―  
   (4.8) 粉粒体の熱風乾燥 ―粉粒体に特有な問題―  
   (4.9) 噴霧液滴の蒸発(1)  
   (4.10)噴霧液滴の蒸発(2)  
    コラム4 乾燥機に関する最近の動向
     ―公開特許・関連学会から見た動向―  

第5章 乾燥の事例と乾燥機の選び方《乾燥機の話》  
   (5.1) 乾燥機の選び方(1) ―材料加熱方式による選び方、乾燥する材料の量による選び方―  
   (5.2) 乾燥機の選び方(2)
     ―乾燥の目的による選び方、材料の形状や性質による選び方―  
   (5.3) 液状材料の乾燥 ―噴霧乾燥機―  
   (5.4) 粉粒状材料の乾燥(1) ―流動層乾燥機―  
   (5.5) 粉粒状材料の乾燥(2) ―気流乾燥機―  
   (5.6) 粉粒状材料の乾燥(3)
     ―回転乾燥機(ロータリードライヤー)―  
   (5.7) 熱に弱い材料の乾燥(1) ―真空乾燥機とその原理―  
   (5.8) 熱に弱い材料の乾燥(2) ―様々な真空乾燥機―  
   (5.9) 熱に弱い材料の乾燥(3) ―真空凍結乾燥機―  
   (5.10)固有形状材料の乾燥(1) ―箱型乾燥機―  
   (5.11)固有形状材料の乾燥(2)
     ―トンネル乾燥機、バンド乾燥機―  
   (5.12)シート状材料の乾燥
     ―噴出流乾燥機(ノズルジェットドライヤー)、多円筒乾燥機(シリンダードライヤー)―  
   (5.13)塗装・塗布物の乾燥 ―赤外線乾燥機―  
   (5.14)スラリー状材料の乾燥
     ―円筒乾燥機(ドラムドライヤー)―  
   (5.15)泥状材料の乾燥(1) ―排出汚泥の現状―  
   (5.16)泥状材料の乾燥(2) ―撹拌乾燥機―  
   (5.17)空気の乾燥(除湿) ―吸着方式、冷却方式―  
   (5.18)水蒸気で乾かす ―過熱水蒸気乾燥―  
   (5.19)油で乾かす ―インスタント麺の製造工程における乾燥―  
   (5.20)特殊な乾燥方法(1)
     ―うるしの乾燥(重合反応、硬化)―  
   (5.21) 特殊な乾燥方法(2)
     ―米の乾燥食品(アルファ化、膨化)―  
    コラム5 乾燥にかかわる災害  

第6章 省エネルギー・トラブル対策・安全対策
《乾燥機のトラブル対策の話》  
   (6.1) 乾燥前の省エネルギー対策 ―機械的脱水の利用―  
   (6.2) 乾燥機の省エネルギー対策(1)
     ―熱風の温度と流量の最適化―  
   (6.3) 乾燥機の省エネルギー対策(2)
     ―排出熱風からの熱回収―  
   (6.4) 乾燥機の省エネルギー対策(3)
     ―その他の省エネルギー対策―  
   (6.5) 乾燥機のトラブル対策(1)
     ―乾燥ムラ(含水率不均一)―  
   (6.6) 乾燥機のトラブル対策(2)
     ―乾燥時の含水率を均一にする方法―  
   (6.7) 乾燥機のトラブル対策(3)
     ―乾燥不足:乾燥速度が低い―  
   (6.8) 乾燥機のトラブル対策(4)
     ―乾燥不足:乾燥速度の向上法―  
   (6.9) 乾燥機の安全対策(1)
     ―可燃性溶剤使用時の安全対策、火災・爆発の防止―  
   (6.10) 乾燥機の安全対策(2)
     ―可燃性粉体の安全化、粉じん爆発の防止―  
    コラム6 粉末酒の製造 ―アルコールの粉末化―

はじめに

 天気の良い日、洗濯物を太陽に向かって広げ、乾燥させます。これを天日乾燥といい、何千年も前から行われている方法です。では、なぜ湿ったものが乾くのでしょうか。乾燥が終わるまでの時間は、何によって決まるのでしょうか。乾燥をはやく終わらせるには、どうしたらよいのでしょうか。いろいろな疑問が湧いてきます。
 乾燥の仕事を新しく始める技術者には乾燥の必要性について、すでに乾燥の仕事をしている技術者にはトラブル対策について考えていただける入門書を目指し、次の内容で構成しました。
  第1章 乾燥とは何か 《乾燥の必要性》
  第2章 湿った物質はなぜ乾くか 《湿度の話》
  第3章 乾燥はどのように進むか 《乾燥の基礎》
  第4章 湿った物質をはやく乾かすには 《乾燥速度の話》
  第5章 乾燥の事例と乾燥機の選び方 《乾燥機の話》
  第6章 省エネルギー・トラブル対策・安全対策 《乾燥機のトラブル対策の話》
 乾燥に携わる技術者には、新しい乾燥機を設計・製作する、あるいはすでに持っている乾燥機を使って材料を乾燥させる、といった役割があります。そのために関係するいろいろな因子・要素を数式にまとめ、これを解いて具体的な数値を示す必要があります。そのための有効な方法を本書の中で示しました。
 ここをもっとやさしく、ここをもっとわかりやすく、という声を聞かせていただければ、次の機会に反映させたいと思います。
 田中さゆり氏(日刊工業新聞社書籍編集部)が再三熱心に勧めてくださったので本書の執筆に取りかかりました。その後も叱咤激励していただき、やっと完成に漕ぎつくことができました。同氏に深く感謝いたします。

2011年7月
中村正秋 

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