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未来の科学者との対話IX
―第9回神奈川大学 全国高校生理科・科学論文大賞受賞作品集―

定価(税込)  1,760円

編者
サイズ A5判
ページ数 304頁
ISBNコード 978-4-526-06691-7
コード C3050
発行月 2011年06月
ジャンル その他

内容

神奈川大学が理科教育を支援する試みとして実施している「全国高校生理科・科学論文大賞」(審査委員長:長倉三郎)の第9回受賞作品集。大賞1編、優秀賞3編、努力賞15編を収録。未来への期待が膨らむオリジナル研究が満載。

目次

はじめに
「神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞」審査委員長
長倉 三郎

審査委員講評
宇宙のなぞとパスカル  上田誠也
基礎を大切に夢は高く大きく掲げよ  田畑米穂
楽しく本質を追う  中村桂子
敢えて苦言をいくつか  細矢治夫
改めて先行研究の引用について  竹内敬人
レベルの高い“高校生らしい研究”が揃った 永田一清

大賞論文
テッポウユリの雌しべ内部の驚くべき変化
      名古屋市立向陽高等学校 SSクラス309テッポウユリ研究グループ

優秀賞論文
オリジナル装置による水生昆虫の流下現象解析
      栃木県立宇都宮工業高等学校 生産システム研究部
美しい縞模様の沈殿を生じるリーゼガング現象
      駒場東邦高等学校 化学部リーゼ班
微生物を用いた環境問題改善への道
      愛媛県立松山南高等学校 西宮俊介

努力賞論文
農薬を使わずに草丈を制御する方法
      青森県立名久井農業高等学校 チーム フローラ フォトニクス
こうすれば理科好きな子どもたちが増える
      東京大学教育学部附属中等教育学校 田中成美
肉眼で星を見るとモノクロなのはなぜか
      玉川学園高等部 山田隆裕
その岩石の素性を追え!II
      静岡北高等学校 科学部 地学班
タンポポ2389株の継時的調査
      京都府立北嵯峨高等学校 生物部
水を吸った使い捨ておむつから水を戻せるのか?
      京都市立堀川高等学校 田中美優
残飯から生まれるエネルギー
      大阪府立農芸高等学校 藤田清音
本校にある石棺の考古学的研究
      兵庫県立加古川東高等学校 地学部(石棺班)
冬と春でゴム球の反発係数値が異なる理由
      広島県立広島国泰寺高等学校 理数ゼミ物理班
オオサンショウウオを守るために
      高川学園高等学校 科学部
ストロボが捉えたカエデの実の飛行力
      徳島県立三好高等学校 2年有志
授業で学んだ「運動の第二法則」の再確認
      愛媛県立宇和高等学校 2年物理愛好会
身近な飲料には、どんな物質が含まれているのか
      福岡県立鞍手高等学校 科学部
渋川春海に学ぶ和算の研究
      明治学園中学高等学校 野相祥平
カステラのパサつきを防げ!
      長崎県立島原農業高等学校 食品加工部

第9回神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞
団体奨励賞受賞校、応募論文一覧

神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞の概要

あとがき

はじめに

審査委員長 長倉三郎

 「神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞」は、今回で第9回を迎えました。2002年の幕開けから回数を重ね、全国から数多くの応募論文が寄せられるようになり、本大賞が高等学校における理科教育に定着しつつあることを実感しております。若者の理科離れが叫ばれる中、本大賞が理科教育の一助となっているとすれば、大変喜ばしいことです。

 今回は、全国49の高校から71編の論文が寄せられました。応募論文数38編から始まった本大賞は以来、多少の増減はあるものの論文数は着実に増えております。第1回から第9回までの応募論文を総計いたしますと、その数は585編にものぼります。
 応募論文数は前回の73編から71編とほぼ横ばいではありますが、初めて本大賞に論文を応募された高校の数だけを見ると、前回の14校から22校へと大きく増加いたしました。応募総数だけでなく、こうした点から見ても、本大賞が多くの高等学校に認知され、教育現場において活用していただいていることを示しているものと考えます。

 これまでもご紹介しておりますように、本大賞の論文審査は二段階審査で進められます。学内教員によって組織された専門委員会が、専門的立場から応募論文を審査評価し、第二段審査を担当する審査委員会に受賞候補論文を推薦します。これを受けて審査委員会は、大賞1編と優秀賞3編、さらに努力賞15編と団体奨励賞5校を選びます。専門的立場から多数の論文応募を的確に評価していただいた専門委員会の西久保委員長をはじめ多くの関係者の方々には、深く感謝の意を表します。

 今回、大賞に輝いた名古屋市立向陽高等学校、SSクラス309テッポウユリ研究グループの「テッポウユリの雌しべにおける糖の役割」をはじめ、受賞論文は、いずれの論文も高校生らしい新鮮な着眼点と、明確なビジョンを備えた内容であったと感じています。特に大賞を受賞した名古屋市立向陽高等学校、SSクラス309テッポウユリ研究グループの「テッポウユリの雌しべにおける糖の役割」は、地道な作業を積み重ね、花粉管の伸長のために存在する糖が、花柱細胞の浸透圧の調整に使われていることなどに迫った努力の結晶です。

 優秀賞を受賞した3編からは、それぞれ大きな可能性と若者らしい柔軟な感性が感じられました。独自に開発した光センサーによるリアルタイム計測の有用性を示した栃木県立宇都宮工業高等学校、生産システム研究部の「チラカゲロウの流下に及ぼす諸要因の影響」、古くからよく知られているリーゼガングリング現象に挑んだ駒場東邦高等学校、化学部リーゼ班の「ヨウ化鉛(Ⅱ)によるリーゼガングリングの研究」、優秀賞唯一の個人研究であり、個人研究であるからこその苦労が垣間見えた愛媛県立松山南高等学校、西宮俊介さんの「油脂分解細菌による環境浄化の研究」など、実に多彩で独創的な論文の数々でした。

 そうした魅力は、努力賞論文や惜しくも受賞を逃した論文にも、もちろん感じられたものです。今回の結果にとどまることなく、自らが挑んだテーマをさらに掘り下げてもよいでしょうし、そうした経験を生かして新たなテーマを追い求めてもいいでしょう。この若き日の無限の好奇心と探究心がきっかけとなり、時代を牽引する科学者が誕生することを期待しますし、本書を通じて高校生が、本大賞への応募を目指し、ひいては未来の科学者として活躍されることを強く願ってやみません。
(審査委員講評も兼ねる)

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