買い物かごへ

SiP/BGA基板設計入門

定価(税込)  3,080円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-06654-2
コード C3054
発行月 2011年03月
ジャンル 電気・電子

内容

複数のシステム機能をひとつのパッケージに収めたSiP(システム・イン・パッケージ)と多くの最新携帯機器などで使用されている高密度パッケージBGA(ボール・グリッド・アレイ)について、その設計技術、熱対策、ノイズ対策、システム協調設計などについて解説した入門書。

前田真一  著者プロフィール

(まえだ しんいち)
東京生まれ
東海大学工学部電子工学科卒業
株式会社東京計器入社
バリッドロジックシステムズ社入社、米国勤務
ケイデンスデザインシステムズ社に変更、日本帰国
ケイデンスデザインシステムズ社退社、渡米
2002年 KEI Systems社を米国ニューハンプシャー州で創設
日米で、高速電子回路システムの設計、開発コンサルタント業務に従事

著書 「見てわかる高速回路のノイズ解析」、「見てわかる高密度実装技術」、「Ghz時代の超高速回路ノイズ入門」、「Allegroで学ぶ 実践プリント配線板設計」、「IBISガイドブック」(共著)工業調査会、「入門電子部品の実装技術ノート」(共著)日刊工業新聞社(2010)

目次

まえがき

1章 システムICによる最適、効率化設計  
1.1  SiPの登場  
1.2  SoCによる高機能化  
1.3  SoCとSiPの違い  
1.4  SoCを実現するASIC設計  
1.5  IPによる設計の効率化  
1.6  IPを使ったASIC設計  
1.7  特定用途向けASIC  
1.8  SiP/SoC時代のPCB  

2章 SiP設計  
2.1  SiPの形態  
2.2  SiPの特徴と設計  
2.3  ハイブリッドICの配線  
2.4  ハイブリッドICの配線パターン作成  
2.5  ハイブリッドICの設計ツール  
2.6  マイクロ波IC(MIC)  
2.7  マイクロ波ICの設計ツール  
2.8  マイクロモジュール  
2.9  マルチチップモジュール(MCM)  

3章 インターポーザーとBGAパッケージ接続  
3.1  インターポーザーと設計環境  
3.2  ICチップの実装  
3.3  ワイヤーボンディング(WB)接続  
3.4  TAB(Tape Automated Bonding)接続  
3.5  フリップチップ(FC)接続  
3.6  異方性導電フィルム(ACF)による実装  
3.7  バンプとメッキ  
3.8  パッケージと基板の接続  
3.9  パッケージ内基板(インターポーザー)  
3.10 特殊な基板材料  
3.11 パッケージ設計  

4章 CSP/PoPの3D実装設計  
4.1  3D実装への取組み  
4.2  3D実装の接続技術  
4.3  SiPのメリット  
4.4  TSV(Through Silicon Via)技術  
4.5  TCI(Through Chip Interface)技術  
4.6  SiP導入の判断  
4.7  PoP(Package on Package)技術  

5章 BGAパッケージと熱設計  
5.1  パッケージング(封止)と熱  
5.2  3D実装と熱の問題  
5.3  熱の発生と伝播  
5.4  パッケージ内の熱の発生と伝播  
5.5  PCBの熱の伝わり  
5.6  基板からの放熱と基板/パッケージ設計  
5.7  ビアと熱  
5.8  パッケージ表面からの放熱とヒートシンク  
5.9  特殊な冷却装置  
5.10 熱シミュレータ  
5.11 熱伝導解析  
5.12 熱抵抗  
5.13 熱抵抗計算例  
5.14 対流(流体)熱解析  
5.15 熱応力  
5.16 ICの消費電力と発熱量  

6章 伝送線路設計
―高速、多ピンBGAパッケージ内配線設計のポイント  
6.1  伝送線路  
6.2  プレーティング配線と反射  
6.3  リファレンスプレーンと層構成  
6.4  プレーンの分割とリターン電流  
6.5  ビアによるプレーンの切り欠き  
6.6  電源、グランドのダイパッドとボール配置  
6.7  電源供給ライン(PDN)とプレーンの安定  
6.8  クロストーク・ノイズ  
6.9  クロストーク低減とガードパターン  
6.10 グランドバウンズ、SSN、PDN  
6.11 SSOノイズのメカニズム  
6.12 オン・パッケージ・コンデンサ  
6.13 ジッタ  
6.14 EMI  
6.15 EMI対策  

7章 BGAパッケージ設計
―ICと基板性能を引き出すポイント  
7.1  パッケージ設計の変遷と位置  
7.2  SoCとインターポーザー設計  
7.3  汎用ASICへの志向  
7.4  BGAパッケージの設計  
7.5  コンカレントエンジニアリング  
7.6  コラボレーション  
7.7  協調設計  
7.8  BGAインターポーザー設計  
7.9  協調設計によるピン配置の最適化設計  
7.10 パッケージと基板一体化の伝送線路解析  
7.11 電源供給回路(PDN=Power Delivery Network)の検討  
7.12 協調設計例/ICの消費電力情報  
7.13 シミュレータとモデル  

索引

はじめに

 いま、SiPやSoCの設計ではICチップや回路の設計だけでなく、BGAパッケージの設計が重要な設計項目として注目されてきている。
 特にSiPでは1パッケージの中に複数のチップや部品を集積するので、BGAパッケージの設計は、基板のレイアウト配線に合わせたはんだボールの配置だけではなく、パッケージ内基板(インターポーザー)の配線の電気特性や電源系統の電源ネット設計、さらに封止と放熱設計など多岐にわたっている。
 JEDECと呼ばれる国際的な組織により標準化がなされているICパッケージは、標準品として提供され、システム設計者は基板設計のためにパッケージピンのピッチと信号割付情報だけでよかったが、ICの集積度が高くなるとともに、ICの消費電力の増大と発熱量の上昇が問題となった。また、基板の高密度実装のため、挿入ピンタイプ以外に小型化した表面実装パッケージや熱特性の良いパッケージなどが要求されるようになってきた。
 このような背景からICベンダーは、同一ICに対して2~3種類のパッケージモデルを提供し、ユーザーがパッケージを選択できるようにした。ユーザーは基板への実装面積や基板製造の歩留まり、熱設計などを考慮して、最適なパッケージを選べるようになった。ここで初めて、ユーザーはICのパッケージに関心を持ったといえる。
 SoCの大容量化、高速化はASICの普及をもたらしたが、この大容量化、高速化は同時に同時スイッチングノイズと配線の電気特性の問題をもたらした。
 ASICはユーザー独自のICであり、標準ICでシステムを組んでいたときとは異なる問題が発生した。システム設計者がパッケージの特性を認識する必要が生じた。さらにSiPの考えが出てくると、パッケージの設計はIC設計者からシステム設計者への移行が促されるようになってきた。
 今や、ICの持つ性能をシステムで十分に発揮するためには、パッケージの最適設計は欠かせないものとなっている。パッケージの最適設計を実現するためには、システム設計者とIC設計者の協調が欠かせない。
 システム設計者がパッケージ設計を理解し、IC設計者と協調してシステムに合わせたパッケージ設計を実現する必要性が高まっている。すなわち、基板とパッケージを一体で検討、設計する必要が出てきたのだ。
 本書では、このような背景をもとに、ASICのSiP/BGAパッケージのインターポーザー設計に必要なパッケージング技術、熱対策、高速信号特性、電源ネット設計の紹介をしている。さらに、インターポーザーの設計は必ず基板設計を前提として設計されるものであり、この視点に立っての協調設計手法についても解説した。
 今後、インターポーザー設計はICベンダー寄りの設計から、システム設計者寄りへと視点が移り、設計者もシステム寄りの広い視点が要求されることになる。
 本書がこのような新しい視点の設計者に少しでもお役に立てれば幸いである。
2011年3月
前田真一

買い物かごへ