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アンテナの特性と解法の基礎技術

定価(税込)  2,860円

著者
サイズ A5判
ページ数 288頁
ISBNコード 978-4-526-06621-4
コード C3054
発行月 2011年02月
ジャンル 電気・電子

内容

無線通信では、アンテナが必要不可欠であり、通信品質はアンテナの良し悪しに左右されると言っても過言ではない。本書は、アンテナの特性とその特性を求める解法の基礎的な技術について説明する本。大学、企業でアンテナの特性と解法の基礎技術を勉強し、新しいアンテナの開発、研究に役立てたいと強く望んでいる人のための入門書。

平沢一紘  著者プロフィール

(ひらさわ かずひろ)
昭和39年、慶應義塾大学工学部電気工学科卒、昭和46年、Syracuse Univ. 大学院終了。Ph. D. 。以降、Syracuse Univ. 、筑波大学、MIT、Inst. for Infocomm Research、東京農工大学等でコンピュータによるアンテナ解析、設計の研究に従事。現在、筑波大学名誉教授。既刊書:「小形・平面アンテナ」(共著)平成8年8月(電子情報通信学会)、「電磁気学演習」(共著)平成20年4月(培風館)など。

目次

まえがき  

序章 無線通信の歴史と電波の利用状況
0.1 無線通信に関連した出来事  
0.2 電波の利用状況  
 ひとこと  
 問題  

第1章 アンテナ特性の基礎知識
 ひとこと  
 問題  

第2章 インピーダンス
2.1 複素電圧、複素電流  
2.2 インピーダンス、アドミタンス  
2.3 RLC回路のインピーダンス  
2.4 ダイポールアンテナのインピーダンス  
2.5 ループアンテナのインピーダンス  
2.6 モノポールアンテナと半円形ループアンテナ  
2.7 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第3章 遠方電磁界と放射パターン
3.1 複素電磁界  
3.2 遠方電磁界  
3.3 放射パターン  
  3.3.1 微小ダイポールアンテナ  
  3.3.2 微小ループアンテナ  
  3.3.3 ダイポールアンテナ  
  3.3.4 ループアンテナ  
3.4 電界と磁界の境界条件  
3.5 無限大グランド板とイメージアンテナ  
3.6 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第4章 送信アンテナと受信アンテナ
4.1 送信アンテナと受信アンテナの端子間の回路表示  
4.2 送信アンテナと受信アンテナの等価回路  
4.3 送信アンテナと受信アンテナを流れる電流  
4.4 受信アンテナの受信電力と再放射電力  
  4.4.1 入力電力、受信電力、再放射電力の関係  
  4.4.2 ダイポールアンテナ  
  4.4.3 ループアンテナ  
4.5 送信特性と受信特性の可逆性  
  4.5.1 送信機と受信機を含む送受アンテナシステム  
  4.5.2 2本のアンテナ端子における電圧と電流に関する可逆定理  
  4.5.3 1本のアンテナの送信、受信パターンの可逆性  
  4.5.4 アレーアンテナの送信、受信パターンの可逆性  
4.6 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第5章 アンテナ端子間の相互結合
5.1 アドミタンス行列[Y]とインピーダンス行列[Z]  
5.2 受信端短絡時の相互アドミタンスY21  
5.3 受信端開放時の相互インピーダンスZ21  
5.4 平行ダイポールアンテナ間の相互結合  
5.5 直線上に配置されたダイポール間の相互結合  
5.6 平行でないダイポール間の相互結合  
5.7 円形ループアンテナ間の相互結合  
5.8 ダイポールアンテナ間に反射素子がある場合の相互結合  
5.9 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第6章 利得、効率、実効面積、散乱断面積
6.1 送信アンテナの指向性利得と電力利得  
6.2 送信アンテナの効率  
6.3 送信アンテナの動作利得  
6.4 受信電力と最大実効面積  
6.5 最大実効面積と指向性利得の関係  
6.6 実効面積と電力利得の関係  
6.7 散乱断面積  
6.8 フリスの伝達公式  
6.9 レーダー方程式  
6.10 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第7章 周波数帯域
7.1 帯域幅  
  7.1.1 反射係数  
  7.1.2 電圧定在波比(VSWR)  
  7.1.3 利得  
  7.1.4 動作利得  
7.2 多周波数帯共用アンテナ  
7.3 広帯域アンテナ  
7.4 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第8章 偏波
8.1 偏波の種類  
8.2 直線偏波  
8.3 円偏波  
8.4 楕円偏波  
8.5 軸比  
8.6 偏波効率  
  8.6.1 入射波が直線偏波、受信アンテナが直線偏波の場合  
  8.6.2 入射波が右旋円偏波、受信アンテナが右旋円偏波の場合  
  8.6.3 入射波が右旋円偏波、受信アンテナが左旋円偏波の場合  
  8.6.4 入射波が右旋円偏波、受信アンテナが直線偏波の場合  
8.7 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第9章 グランド板近傍のアンテナ特性
9.1 利得  
9.2 ダイポールアンテナ  
  9.2.1 グランド板に平行なダイポールアンテナ  
  9.2.2 グランド板に垂直なダイポールアンテナ  
9.3 ループアンテナ  
  9.3.1 グランド板に平行なループアンテナ  
  9.3.2 グランド板に垂直なループアンテナ  
9.4 携帯無線機用アンテナの放射パターン  
9.5 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第10章 反射鏡アンテナ
10.1 コーナリフレクタアンテナ  
10.2 パラボラアンテナ  
10.3 カセグレンアンテナ  
10.4 グレゴリアンアンテナ  
10.5 オフセットアンテナ  
10.6 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第11章 アレーアンテナ
11.1 アレーアンテナの働き  
11.2 アレーアンテナの遠方電界  
11.3 線形アレー  
  11.3.1 平行アレー  
  11.3.2 コリニア・アレー  
11.4 円形アレー  
11.5 平面アレー  
11.6 八木・宇田アレー  
11.7 フェーズト・アレー  
11.8 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

第12章 アダプティブアレー
12.1 アダプティブアレーアンテナの働き  
12.2 受信アンテナ端子の電圧  
12.3 アレーの出力電力  
12.4 アンテナ端子電圧間の相関行列  
12.5 希望波電力と(妨害波電力+雑音電力)の比(SINR)  
12.6 代表的なアルゴリズム  
  12.6.1 サイドローブキャンセラー法(Sidelobe Canceller method)
(SC法)  
  12.6.2 最大SN比法(Maximum Signal to Noise ratio method)
(MSN法)  
  12.6.3 最小平均2乗誤差法(Minimum Mean Square Error method)
(MMSE法)  
12.7 MMSE法を用いたMIMO(Multiple―Input Multiple―Output)  
12.8 まとめ  
 ひとこと  
 問題  

付録(複素数、ベクトル、微分、積分、電磁界などに関する公式) 

参考文献

はじめに

 アンテナは、放送、携帯電話、無線LAN、衛星通信、レーダーなど、私たちの身近なところで広く使われている。電波を送り出す送信アンテナと電波を受け取る受信アンテナが必要不可欠であるため、アンテナは、これらのシステムの特性を左右する重要な要素のひとつである。
 本書は、大学、企業でアンテナの特性と解法の基礎技術を勉強し、新しいアンテナの開発、研究に役立てたいと強く望んでいる人のための入門書を目指している。アンテナ工学の分野では、マクスウェルの方程式、電界ベクトル、磁界ベクトルが沢山出てきて、電気回路の電圧、電流に比べて理解しにくいのが現状である。そこで、正確さを少し犠牲にする場合もあるが、電気回路と基本的なベクトルの知識だけを用いて、アンテナ特性と解法を説明する。また、理解の助けとなるように、数値計算例を多く載せた。本書の数値計算例は、全て、パソコンを用いて計算してある。プログラムは第1章の「ひとこと」の参考文献にあるので、ぜひ試していただきたい。
 序章では、無線通信に関連した発明、発見、実用化などの歴史を説明し、周波数帯と電波の利用状況を簡単にまとめる。第1章には、第2章から第12章までの概要を示してあるので、第1章を読んで、本書の内容の大筋を理解していただきたい。その上で、第2章から第12章までを読んでいただければ、各章の全体像がつかみ易いと思う。第2章から第11章までが基礎である。アンテナの特性と解法に必要な基礎技術を大体カバーしている。これらをしっかり頭に入れて、種々の分野のアンテナ研究、設計に役立たせてほしい。さらに興味のある読者は第12章のアダプティブアレーを読んでいただきたい。各章の終わりには、問題(解答付き)を載せてあるので、理解を深めるために、ぜひ試していただきたい。
 最後に、本書を書くことをすすめていただいた東京農工大学の宇野亨教授、いろいろディスカッションをしていただいた東京農工大学の鈴木康夫教授、有馬卓司講師に深く感謝いたします。また、本書の出版にあたって、お世話になった日刊工業新聞社鈴木徹氏に感謝の意を表します。

2010年11月

  東京都小金井市 東京農工大学工学部において平沢 一紘 

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