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図解でナットク! 二次電池
-基礎と応用技術の最前線-

定価(税込)  2,420円

編著
編著
編著
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-06612-2
コード C3054
発行月 2011年02月
ジャンル 電気・電子

内容

これまで二次電池産業は日本が世界を牽引してきたが、近年、海外勢の追い上げが厳しく、国際間で新型電池開発競争が激化している。本書は、二次電池を産業的に利用する立場の読者向けて、各種二次電池の原理、特徴、最新の活用例、今後の展開などを図解で解説する。

小林哲彦  著者プロフィール

(こばやし てつひこ)
独立行政法人産業技術総合研究所
ユビキタスエネルギー研究部門 部門長

宮崎義憲  著者プロフィール

(みやざき よしのり)
独立行政法人産業技術総合研究所
ユビキタスエネルギー研究部門 副部門長

太田 璋  著者プロフィール

(おおた あきら)
技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター
専務理事

目次

目次 


はじめに

第1編  二次電池とは何か

第1章 二次電池の基礎のきそ
1. 電池とは
2. 電池の電気化学
(1)なぜ電池から電気が出てくるのか?
(2)充電では何が起こっているのか?
(3)通常の化学反応と電気化学反応の違い
(4)電解液におけるイオンの移動
(5)電池の起電力とイオン化傾向
3. 電池の歴史
(1)電池の始まり
(2)20世紀の電池の進歩:一次電池
(3)20世紀の電池の進歩:二次電池

第2章 それぞれの二次電池
1. 鉛蓄電池
(1)鉛蓄電池の特徴と構造
(2)動作原理(化学反応)
(3)鉛蓄電池の活用例①
(4)鉛蓄電池の活用例②
2. ニッケル・カドミウム蓄電池
3. ニッケル水素電池
(1)電池の特徴と反応機構
(2)水素吸蔵合金と負極材料
(3)新しい合金負極材料
(4)ニッケル正極とセパレータ
4. リチウムイオン電池
(1)リチウム(Li)二次電池の特長と課題
(2)負極と電池特性
(3)正極と電池特性
(4)電解液と電池特性
(5)リチウムポリマー電池
(6)コイン形リチウム二次電池
5. ナトリウム・硫黄電池
(1)高エネルギー密度で大容量
(2)構造と特徴
(3)いろいろな使いみち
6. レドックスフロー電池

第3章 電池の周辺技術
1. キャパシタ
(1)電池との違い
(2)構成材料
(3)特徴と用途
2. 燃料電池
(1)燃料電池は発電所
(2)燃料電池と電池の違いは?
(3)種類と特徴
(4)発電システム
(5)発電システムの用途例
(6)携帯機器用燃料電池
3. 未来型二次電池
(1)高エネルギー密度電池:リチウム―硫黄電池
(2)高エネルギー密度電池:空気電池
(3)安全・安心を実現する電池:固体電池
(4)安全・安心を実現する電池:リチウム以外の負極を使った電池
(5)安全・安心を実現する電池:人体に優しい電池
4. 揚水発電
5. 太陽電池、熱電池(熱電素子)
6. 無接点充電


第2編  用途から見た二次電池

第1章 情報・通信技術
1. ノートPC
(1)基本構成
(2)充放電制御
2. 携帯電話、PDA
(1)携帯機器に最適なリチウムイオン電池
(2)携帯機器と電池の上手な使い方

第2章 家庭用・小型産業用
1. 電動工具
(1)電動工具用リチウムイオン電池パック
(2)充電制御と放電制御
(3)安全制御と工具展開
2. ゴルフカート
3. ロボット
4. 大容量・高電圧リチウムイオン電池システム

第3章 大型産業用
1. エレベータ
2. 港湾クレーン
3. フォークリフト

第4章 交通システム
1. 環境調和型自動車の比較
2. ハイブリッド車
(1)トヨタ方式
(2)ホンダ方式
(3)プラグインハイブリッド車
3. 電気自動車
(1)現状の問題点と対策
(2)電気自動車電池の充電
4. 燃料電池車
(1)ホンダ方式
(2)トヨタ方式
5. 電車、バス
6. ハイブリッド鉄道車両
7. 電動二輪車
(1)電池
(2)中国での電動自転車事情
8. 環境調和型自動車と新交通システム

第5章 電力系統用
1. 風力発電(WF)
2. 太陽光発電(PV)
3. ロードコンディショナー/一般家庭設置型蓄電システム
4. スマートグリッド
(1)より効率的な電力利用のために
(2)日本型次世代グリッド

第6章 宇宙・深海
1. 宇宙探査機
2. 潜水調査船

電池の理解を助ける用語

索引
執筆者一覧

はじめに

電気を蓄える(はじめに)

 私たちは、普段なにげなく電気を使っています。電気は、各種の一次エネルギーから比較的高効率で変換して得ることができる、二次エネルギー(エネルギー媒体)です。水力発電、火力発電、原子力発電、太陽光発電では、それぞれ位置エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換しています。電気は、電力系統(グリッド)により遠方にまで送電することが可能です。照明器具やモータ(電動機)などを用いれば、容易に好きな場所で光や動力を得ることができます。情報の伝達にも電気エネルギーは欠かすことができません。電気の使用に当たっては、基本的に排ガスや排水が出ないのも大きな特徴となっています。
 このような、われわれにとって大変便利でクリーンな電気ですが、弱点もあります。電力系統から離れた移動体や孤立系で電気を使おうとすると、その場で発電するか、さもなければ電気を蓄えて持ち運ぶことが必要になります。エネルギーの中には化学エネルギーや位置エネルギーのように蓄えやすいものもありますが、電気エネルギーは熱エネルギーや光エネルギーなどと同じように比較的蓄えにくいエネルギーと言えます。そこで、効率よく電気を蓄える技術の開発が必要となります。また電力系統内において、電力の消費(需要)と発電(供給)を常に時間的に一致させるのは容易ではありませんので、ここでも電力を蓄えるバッファの機能が必要になります。
 携帯電話やノートパソコン、電動アシスト自転車などでは、電気を蓄えて持ち運ぶ二次電池(蓄電池、バッテリー)がすでにお馴染みの存在になっています。最近、地球環境問題やエネルギー問題と関連して、環境調和型自動車(ハイブリッド車や電気自動車)や再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)への関心が高まっていますが、これらの新技術においても二次電池は極めて重要な役割を演じようとしています。より長時間、より長距離、より長寿命、より安価など、二次電池技術に対する要望もますます高まり、世界中で激しい技術開発競争になっています。
 本書では、ユビキタス情報社会や持続発展社会のキーテクノロジーの1つと言われる二次電池やその関連技術について、基本原理を概説するとともに、実際に二次電池を使う側の立場からも蓄電技術について述べています。さまざまな分野での「二次電池の活用事例」を広く紹介している点は、本書の大きな特徴と考えています。今後ますます進むであろう「各種技術の電動化」において、蓄電技術を上手く取り込んで行くための参考書として本書をご活用いただければ幸甚です。

 2011年2月
 小林哲彦 
 宮崎義憲 
 太田 璋 

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