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自動車用リチウムイオン電池

定価(税込)  2,640円

編著
サイズ A5判
ページ数 190頁
ISBNコード 978-4-526-06592-7
コード C3043
発行月 2010年12月
ジャンル 化学

内容

自動車の電動化は電池がカギを握っており、中でもリチウムイオン電池はその本命として期待される。本書は、電気自動車の普及の切り札となるリチウイオン電池と、その性能のブレークスルーのカギを握る材料技術を現行材料に次世代材料も含めて解説する。

金村聖志  著者プロフィール

首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授

目次

目次

はじめに  

第I部 基本編
第1章 リチウムイオン電池の原理と材料構成
1.1 リチウムイオン電池の特徴  
1.2 反応機構  
1.3 正極活物質  
1.4 負極材料  
1.5 電解質  
1.6 セパレータ  
1.7 バインダー  
1.8 導電剤  
1.9 その他の部材  

第2章 自動車用リチウムイオン電池の課題
2.1 用途拡大するリチウムイオン電池  
2.2 エネルギー戦略と電気自動車  
2.3 電気自動車からの性能要求  
2.4 現在のリチウムイオン電池の実力  
2.5 リチウムイオン電池のエネルギー密度  
2.6 リチウムイオン電池の安全性  
2.7 リチウムイオン電池の製造  
2.8 リチウムイオン電池のコスト  

第3章 自動車用リチウムイオン電池の開発の方向
3.1 現状のリチウムイオン電池の問題点  
3.2 電池用材料  
3.3 製造技術  

第II部 部材編
正極材
1.正極材の開発状況  
2.Li―M―O三元系における従来の基本材料設計  
3.遷移金属複合層状岩塩製化合物  
4.LiMO2―LiM′O3系正極  
5.鉄系電極材料  
6.酸素酸塩系(四元系)材料  
 6.1 オリビン型酸素酸塩  
 6.2 Ⅷ、ⅩⅣ族新規オキソ酸塩  
 6.3 フッ化オキソ酸塩  
 6.4 バナジウムリン酸塩  
 6.5 ピロリン酸塩  

負極材
1.炭素系負極材料  
 1.1 炭素系負極の機能と問題点  
 1.2 炭素系負極材料の変遷  
 1.3 黒鉛負極の特性  
 1.4 黒鉛負極上での皮膜形成  
2.難黒鉛化性炭素負極  
3.高電位Li4Ti5O12負極  
4.スズ系合金負極  
5.次世代負極材料  
 5.1 窒化物負極  
 5.2 コンバージョン負極  
 5.3 シリコン負極  

電解質
1.電解質の機能と問題点  
2.現行の電解質材料  
 2.1 電気伝導率  
 2.2 電位窓  
 2.3 凝固点  
 2.4 熱安定性  
3.次世代の電解質材料  
 3.1 電解質材料の開発状況  
 3.2 有機電解液系  
 3.2 イオン液体系  
 3.3 個体電解質系  

セパレータ
1.各種蓄電デバイスのセパレータの基本機能  
2.現行のリチウムイオン電池用セパレータ  
 2.1 リチウムイオン電池用セパレータの製法と種類  
 2.2 セパレータのシャットダウン機能  
 2.3 シャットダウン機能とリチウムイオン電池の安全性  
3.次世代セパレータの技術開発動向  
 3.1 リチウムイオン電池に関する公開特許の全体状況  
 3.2 セパレータに関する公開特許の解析  
 3.3 次世代セパレータ技術  

バインダー
1.バインダーの機能  
2.現行のバインダー材料  
 2.1 負極用バインダーの種類と特徴  
 2.2 正極用バインダーの種類と特徴  
3.バインダーの問題点および技術動向 
 3.1 分散特性  
 3.2 活物質の保持特性  
3.次世代バインダー材料の開発  

索引  

はじめに

 地球の環境を脅かす二酸化炭素の削減に向けて多くの努力が世界中でなされている。その中でエネルギーをいかに大切に使用するかが一つの重要な課題となっている。また、自然エネルギーをどのようにして有効に我々の社会に取り入れて行くのかが議論されている。これらの課題の解決には、電気エネルギーを有効に蓄積し使用することが必須となっているように思われる。このような背景の中で、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄えることができる蓄電池に対する期待は大きい。
 200年前ぐらいから電池に関する研究が行われ、種々の電池が開発されてきた。鉛蓄電池やニッケルカドミウム電池、あるいはニッケル水素電池が登場し、種々の携帯機器に使用されてきた。そして、20年ほど前にリチウムイオン電池が開発され、携帯電話やノート型コンピューターの電源として普及してきた。リチウムイオン電池の普及はすさまじく、多くの機器で現在使用されている。その理由としてリチウムイオン電池が有する高いエネルギー密度が挙げられる。また、充電と放電を行った場合のエネルギー変換効率も高く、電気エネルギーを貯蔵する上で優れた性能を有する。最近になり、このリチウムイオン電池を電気自動車用の電池として使用することが進められている。
 残念ながら、現在のリチウムイオン電池の性能は自動車用として十分とは言えない状況である。しかし、新しい材料や新しい構造を考案することで、さらにこの電池のエネルギー密度を改善することが可能であることも事実である。そのため、多くの研究者がこの電池の性能向上に力を注いでいる。
 本書では、リチウムイオン電池の構造や反応、またエネルギー密度の考え方を理解していただくために、リチウムイオン電池の基本について記述している。リチウムイオン電池の部材については、その後の章で最新の研究を含めて紹介している。正極活物質、負極活物質、セパレータ、バインダー、電解質について可能な限り多くの情報を提供するようにしている。
 リチウムイオン電池が電気自動車の電源として実際に使用されるには、多くの研究が今後も必要であり、この電池に興味をもつ読者にとって本書が有益となることを期待する。
2010年 12月 

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