現在在庫がありません

今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい包装の本

定価(税込)  1,540円

著者
著者
著者
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06480-7
コード C3034
発行月 2010年06月
ジャンル ビジネス

内容

 包装は“ものを包む”ことを中心として、流通・物流、メーカー、包装材料、包装機械、加工方法、被包装物などその技術の範囲は多岐に渡る。これを包装業界の初心者にとって必須の知識をまとめ、身近な事例とともにわかりやすく解説している。
※本書は「工業包装」と「消費者包装」両方をカバー

石谷 孝佑  著者プロフィール

(いしたに たかすけ) 
日本食品包装協会 理事長
1943年鳥取県生まれ、農学博士
1967年東京農工大学農芸化学科卒。農水省食品総合研究所入所、1980年同研究所食品包装研室長。1990年農業研究センター総合研究チーム長、1996年同作物生理品質部長。1999年国際農研企画調整部長・副所長。2002年日中農業研究センター首席顧問(北京)。2005年より現職、フードシステム学会理事、青果物鮮度保持包装研究会会長、農流技研理事、食品産業センター評議員など
編著書に「食品と包装」(1982)、「食品包装便覧」(1988)、「機能性・食品包装技術ハンドブック」(1989)、「食品工業総合事典」(1993)、「食品包装用語辞典」(1993)、「最新機能包装実用事典」(1994)、「包装技術便覧」(1995)、「機能性・食品包材の開発と応用」(1998、新版2006)、「食品と乾燥」、「食品と熟成」(2008)、他多数

水口 眞一  著者プロフィール

(みなくち しんいち) 
水口技術士事務所 所長
1938年神奈川県生まれ、技術士
1960年凸版印刷入社、技術部長、販売促進部長、開発部長、研究所所長を歴任し、2005年東京自働機械製作所に企画部長として入社。日本技術協会技術参与、日本包装機械工業会参与、日刊工業新聞社「包装技術学校」副委員長、技術士包装物流会元会長、日本食糧新聞社表彰審査委員など
編著書に「包装実務ハンドブック」(2001)、「リサイクル・省資源包装」(2001)、「機能性・環境対応方法材料」(2001)、「輸送・工業包装の技術」(監修、2002)、「包装機械とメカニズム」(2002)、「パッケージ」(2004)、「Q&A規制・基準の手引き(加除式)」(2000~現在)、「包装技術学校テキスト12冊」(1990~2010)、他多数

大須賀 弘  著者プロフィール

(おおすが ひろし) 
大須賀技術士事務所 所長
1938年生まれ、技術士
1961年ユニチカ入社、フィルム事業開発室、フィルム技術サービス課長、プラスチック技術サービス部長、プラスチック事業本部理事を経て、1996年定年退社。1997年、ニットーパック入社、茨城工場長、管理責任者としてISO9001認証取得、2001年退社。
ISO9000審査員、日本食品包装協会顧問、神山包装材料技術顧問
編著書に「包装環境便覧」(1994)、「食品包装とPL法」(1995)、「包装技術便覧」(1995)、「食品・医薬品包装ハンドブック」(2000)、「包装実務ハンドブック」(2001)、「新・食品包装用フィルム」(2004)、「包装材料評価法の科学」(2009)、他多数

目次

第1章 包装にはどんな目的があるの?
 1.「包装」の意味は?
 2.「包装」の考え方と包装資材の範囲
 3.「包装」を支える技術とその範囲
 4.包装の起源
 5.20世紀の包装の歴史
 6.新しい包装と技術
 7.巨大な包装産業の構成と規模
 8.包装の機能と包材の機能性
 9.包装の持つ内容物の保護性
 10.包装の簡便性
 11.包装の快適性
 12.包装の形態からみた分類
 13.包装による食品保存技法の分類
 14.微生物による変敗の種類と変敗防止法
 15.化学的変質の種類と変質防止法
 16.物理的変質の種類と変質防止法
 17.商品の情報伝達の役割

第2章 包装に使われる材料
 18.アルミ缶、スチール缶とコンポジット缶
 19.アルミ箔とスチール箔
 20.ガラス容器
 21.ガラス蒸着とアルミ・アルミナ蒸着
 22.紙は包材の王様
 23.段ボール包装
 24.紙器・液体紙容器、紙管など
 25.包装用機能紙
 26.プラスチック包材
 27.プラスチックフィルム・シート
 28.プラスチック袋の機能と形態
 29.プラスチックトレイとカップ
 30.プラスチックボトル・チューブ
 31.ラップフィルム
 32.その他のプラスチック包装資材ものにはどんなものがある

第3章 包装されるものにはどんなものがあるの?
 33.コンテナ、木箱・木枠など
 34.重量物の輸送包装
 35.BIB、BIC、BID、ポリ容器など
 36.ギフト包装
 37.家電・精密機械の包装
 38.電子部品の包装
 39.日用品の包装
 40.日用品の環境配慮包装
 41.医薬品の包装
 42.多水分食品用の包装
 43.化学劣化を防止する包装
 44.商品の保香包装、移り香防止包装
 45.乾燥物を湿気から守る
 46.テイクアウト食品の便利さを高める
 47.青果物の鮮度を保持する

第4章 包装機を中心とする包装システム
 48.充填包装機と充填方法
 49.縦ピロー包装、給袋充填包装、小箱詰め包装
 50.横ピロー包装、上包み包装
 51.真空・ガス置換包装
 52.成袋・充填・封緘のインライン包装
 53.無菌充填包装システム
 54.レトルト殺菌包装システム
 55.クリーン包装(無菌化包装)

第5章 さまざまな機能性包装
 56.ガス遮断包装
 57.緩衝包装
 58.水分調整・防湿包装
 59.携帯性・易開封性・再封性包装
 60.電子レンジ食品の包装
 61.環境にやさしい包装
 62.包装廃棄物の処理法と再利用
 63.情報で守られる包装食品等
 64.バリアフリー包装
 65.包装のユニバーサル・デザイン
 66.いたずら防止防袋とチャイルドレジスタント包装

【コラム】
●自然界にある包装
●ナイロンの発明裏話
●包装の用途別使用量とその重要性
●日々進化する包装機械
●日本の包装は世界一

巻末資料
参考文献
索引

はじめに

  包装は、私達の日常生活に欠かせないものであり、毎日何かでお世話になっています。毎日食べる食品も必ず包装されていますし、たとえ農家の庭先で売られている裸の農産物でも、必ず袋や箱に入れて持ち帰ります。毎日使う歯磨きから整髪料・化粧品、病院などでもらう薬まで、全てが包装されています。また、パソコンやデジカメなどの精密機器類も、工場から消費者まで届ける輸送中に破損しないよう、しっかりと包装されています。さらに日本では、お礼の品などを渡すときには心遣いとして包んで渡すことが習慣になっており、包装された商品やお金も風呂敷や袱紗(ふくさ)に包んで渡します。これは「心を包んで渡す」という日本人の「つつましい」気持ちを表すものといえます。

 このように包装は、中身を保護したり、便利に持ち運んだり、中身の素性や取扱いなどを説明したり、相手に対する心遣いから美しく包装するなど、非常に重要な役割を担っています。また近年では、食品などに異物や毒物を入れられる危害から中身と人を守る意味でも包装が重要になっています。

 包装は、1940年代後半の戦後の荒廃した時代には、缶や瓶、木箱などが便利に再利用されていました。買い物の際の包材として、青果物は新聞紙の再利用、魚介類は経木、肉類は竹の皮、卵では籾殻(もみ がら)を入れて輸送し新聞紙で包装して渡すなど、天然素材を利用したものがほとんどでした。それが瞬く間にプラスチック包材が便利に使われるようになりました。1950年代の後半には、当時の忙しい時代を反映して、即席麺や粉末ジュース・粉末調味料、魚肉ハム・ソーセージなど、簡単に食べられるインスタント食品が大量に出回るようになり、インスタント時代といわれるようになりました。このような簡便食品が可能になったのも、ポリセロやポリ塩化ビニリデンなどの優れた包材の開発によるものです。1960年代には、これにポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどの優れた包材が加わり、金属缶、ガラス瓶、木箱、紙・紙箱で包装されていたものにも、順次プラスチックや段ボールが普及していきました。

  1970年代は、欧米の進んだ生活を追い求めた時代であり、消費生活を支える包装も欧米の先進的で合理的な包装資材・技術を導入し、これを日本流に変えながら豊かな消費文化を支える重要な役割を担ってきました。国民生活が豊かになるにつれて、付加価値の高い様々な商品が作られるようになり、包装にも、機能的に優れ、商品の品質保持・流通に適した包材が強く求められるようになりました。包材の機能も多様化・高度化し、様々な機能を付与した包材が開発されました。同時に包装ゴミの問題も深刻になり、包装廃棄物を処理するために、易廃棄性、易分別性、生分解性などの機能を持った包材も開発されるようになりました。

 1980年代には、当時のバブル経済を反映して、様々な機能性包材を開発する一大ブームが起こり、「日本発の新技術」も数多く開発されました。これらの日本の包装技術が「アクティブパッケージ」として世界に紹介され、欧米ではこれをさらに発展させた技術開発が行われ、多くの書物が刊行され、技術的にも基礎的にも進化しています。

 包装は極めて学際的な技術領域であり、紙・金属・ガラス・プラスチックなどの原材料の製造から、包材原料への一次加工、印刷・製袋・成型等の二次加工、包材の商品への利用等、多くの技術分野の知識と経験が集積されて初めて効果的な「包装」が可能になります。日本の包装技術は、そのきめ細やかさでは世界一になっていますが、包装の技術的発展があまりにも速く、またあまりにもニーズが卑近であり多様であったため、残念ながら体系的に包装の教育を受ける機会がほとんどなく、学問としても充分に発展することなく今日に至っています。

 本書が、包装の日常生活における重要性とその応用範囲の広さや奥深さの理解に役立ち、包装の技術開発や利用を志す方々のお役に立てば、望外の喜びとするものです。

2010年6月
一般社団法人 日本食品包装協会 
理事長 石谷孝佑

現在在庫がありません