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絵ときでわかる
3次元CADの本
選び方・使い方・メリットの出し方

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06428-9
コード C3053
発行月 2010年03月
ジャンル 機械

内容

本書は、3次元CAD(3次元データ)はどんな役に立つのか、CADからラピッドプロトタイピングや加工にいたるまで3次元利用の一部始終をわかりやすく解説するとともに、どんなことをすればよいのか、どうすれば利益を出すことができるかをコツを紹介した本。初めの一歩を踏み出すためのガイドとなることを目的としている。

水野 操  著者プロフィール

(みずの みさお)

1967年東京生まれ。1992年Embry-Riddle Aeronautical University(米国フロリダ州)航空宇宙工学修士課程修了。同年、日本マークに入社し非線形の解析支援業務に携わる。その後日本SDRCにて、大手自動車会社数社において3次元CAD、PDMの導入に携わる。また、コンサルティング会社キャップジェミニ・アーンストアンドヤングでは、大手家電メーカーに対する開発プロセスコンサルティング業務とそれに伴うPLMツール導入に従事。その後、シンク・スリー株式会社の日本法人の立ち上げにマーケティング担当として参画後、オートデスク株式会社では製造ソリューションのビジネスディベロプメントを担当する。
2004年にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し代表取締役に就任。現在は同社にて、オリジナルブランド展開やコンサルティング業務を推進。(社)首都圏産業活性化協会コーディネータ。

目次

はじめに

第1章 実は身近な3次元データ
1 実は身近にある3次元データ
2 デザイン業務周りの3次元モデル
3 設計者周りの3次元データ
4 製造周りの3次元データ
5 営業にとっての3次元データ
6 マーケティング周りの3次元データ
7 クライアントにとっての3次元データ
8 小規模な企業の3次元データ
9 自動車産業における3次元の活用
10 家電業界と3次元CAD
11 産業機械分野における3次元CAD
12 製造業以外(建築・土木・ジュエリー)における3次元データ
13 コンテンツ産業における3次元データ
14 3次元のメリットとそれを享受するための勘どころ

第2章 3次元データとはどんなもの
15 3次元データって何?
16 3次元データのファイル形式
17 3次元データはどのように構成されているか
18 3次元スキャナーのデータは3次元データなのか
19 曲線や曲面はこう定義され
20 滑らかな面とはそもそも何か
21 ソリッドのデータはどのように作られているのか
22 なぜ同じソリッドなのに意思疎通ができないのか
23 CGに向いていること、CADに向いていること
24 2次元のデータは3次元になるのか

第3章 3次元データの中身を知ろう!
25 開発プロセスと3次元データ
26 設計データと3次元形状
27 3次元モデリングの基本
28 3次元でのモデリングの流れ
29 生産性をあげるモデリングの考え方
30 3次元データと解析の関係
31 3次元データとデータマネジメント
32 3次元モデリングに向かうスタンスの変革
33 まずはアナログのすすめ
34 サーフェスモデラーとソリッドモデラーの間

第4章 システム選びはこうすれば良い
35 開発工程とツールの全体像を知る
36 ソリッドモデラーの特徴を知る
37 サーフェスモデラーとCGの特徴を知る
38 自分のニーズを確認する
39 バランスと充実度か機能的特徴か
40 どこから買えばよいのか
41 3次元CADと周辺データとの連携
42 主要機能ではないが見ておきたい項目
43 選び方の基準の決め方
44 導入コストの考え方
45 こうやって情報を集めよう
46 製品情報のここを見よう

第5章 こうすれば使えるようになる!
47 失敗しないための準備
48 うまく活かせる環境づくり(1)プロセス編
49 うまく活かせる環境づくり(2)人編
50 導入ステップ(1)教育
51 導入ステップ(2)自社への定着
52 3次元データを活かした開発プロセスを広げるヒント
53 成功するマイグレーションの考え方
54 導入を活かしたプロセス改革
55 継続するうえでの落とし穴と回避方法
56 ツールは変えるもの、使い分けるもの

第6章 元を取るための多様な3次元データ活用方法
57 シミュレーションとビジュアリゼーション
58 コラボレーションツールを活用する
59 バーチャルとリアルをつなぐRPの活用
60 業界を超えたスキルの応用
61 営業ツールとしての活用
62 アニメーションという新たなデータのソース
63 3次元モデリング人材のポジションの確立
64 3次元データの2次利用のすすめ
65 3次元活用の新たな取組み(1)3D-GAN
66 3次元活用の新たな取組み(2)masterpiece

コラム
3次元モデリングの人材不足と偏り
CADの歴史
モデリングと言語力
CADとCGの間にある思い込みの垣根
CADを入れる社長の態度
もっとモデラーに陽をあてよう

索引

はじめに

筆者が初めてCADやCAEの業界に足を踏み入れた当初、3次元CADはまだ高価で導入の敷居が高く、一部の大手メーカーに使われているのみであった。その後、ミッドレンジと呼ばれる廉価版の3次元CADが登場し、中小メーカーにも3次元CADの導入が進み、その裾野が広がってきた。特に最近のCADは、高度な構造解析や機構解析などの機能が組み込まれており、今や廉価版ではあっても、ひと昔前の高価なCADよりもはるかに高度な機能が手に入るようになった。
しかし、3次元CAD導入の敷居が低くなるのに比例して導入メーカーの3次元CAD活用のレベルも上がっているのかといえば、筆者の見たところ決してそうとはいえない。まだまだ一部の企業のみがその便利さ・旨みを享受しているに過ぎないのである。
では、3次元のモデリングや3次元データの本当の便利さ・旨みを享受するには、どうすれば良いのであろうか。その最も大事なポイントはデータをどう利用するかである。3次元によるモノづくり、というとどうしても機械設計などで使う3次元CADを考えてしまう。しかし、それだけが3次元のモデラーではない。実は映画やコマーシャルを作るために使用される3次元CGもデータの表現形式が異なるだけで、やはり3次元データであり、そこからモノを作ることもできるのである。つまり、映画やテレビといった従来まったくものづくりと関係のなかった業界が3次元データを通じて新にものづくりに参入してくる時代なのである。
実際、筆者の周りにもそのような新たな3次元の可能性に気がつき、3次元データの活用を試みようとしている人たちも増えてきている。ところが、今現在、網羅的に3次元CADやCG、モデリングについての情報や、世間にはどのようなモデリングツールがあるのか、と考えると実はそれがどこにも存在していない。 
そこで本書は、そのような人たちの何らかの手引きとなることを目指している。今までの3次元CADの本とは異なり、「3次元データ」をコアに、さまざまなツールや活用方法を総合的に関連付けることを試みた。実際、メカCADとCG、あるいはNURBSとBREPなどをいっしょに語っている例は少ないと思う。その意味ではより俯瞰的に3次元というものを見ることができるだろう。
第1章では、読者の中には3次元データにあまり馴染みのないという方もおられると思うが、実は私たちを取り巻くもので3次元モデリングが関わっていない例はほとんどないことを示した。そのうえで第2章と第3章では3次元データの中身、CADとCGではどう違うのか、などについて述べた。それを受けて第4章では一体ツールはどのように選んでいけばよいのか、第5章ではせっかく購入したツールを活用するには、どのようなことを心がければ良いのか、そして最後の第6章では、元を取り活用するための考え方を示した。
現在、3次元CADを使っている業界でも、従来のものづくりの流れを変えきれずに、2次元で最適だった流れで作業をしていることも多い。しかし、せっかく作った3次元データをわざわざ情報量の少ない2次元に置き換えることは、3次元データの使い方としては随分と損をしているということになる。では、どうすればよいのか。本書ではそのヒントを紹介した。

最後に、3次元データを活用した新たな取組みを推進している「3次元形状を活用する会(3D-GAN)」にお礼を申し上げたい。従来にない幅広い3次元データのとらえ方ができるようになったのは、この会の活動によるものが大きい。また、本書を執筆するにあたってthink3(株)はさまざまな画像をご提供いただいた。お礼を申し上げたい。
すでに3次元に関わっている人たちは、その経験を活かしつつ新たな3次元の活用方法を、またこれまで関わりのなかった人たちは、これをきっかけに新たな3次元の活用を進めるプレーヤーとなるきっかけの一助になれば幸いである。

2010年3月
水野 操

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