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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい 2次電池の本

定価(税込)  1,540円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06401-2
コード C3034
発行月 2010年02月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

太陽光発電や風力発電などを利用する際の電力貯蔵装置として、また電気自動車の普及・発展の鍵を握るキーテクノロジーとして2次電池が注目されている。本書は、その2次電池の歴史、しくみから、各分野での応用、リサイクルまでをわかりやすく解説、紹介する。

細田 條  著者プロフィール

(ほそだ まみち)
1966年3月工学院大学機械工学科卒業。マイクロ精機(株)、東京無線器材(株)、オリエンタルモーター(株)を経て(技術・製品開発および生産現場を担当)、2003年に独立。独立後は中小企業診断士の資格を得て、技術・経営コンサルタントとして活動中。
1966年3月工学院大学機械工学科卒業。マイクロ精機(株)、東京無線器材(株)、オリエンタルモーター(株)を経て(技術・製品開発および生産現場を担当)、2003年に独立。独立後は中小企業診断士の資格を得て、技術・経営コンサルタントとして活動中。



主な著書等(共著を含む)

「中小企業診断士・合格完全対策2004、2005、2006」(経林書房)

「うかる!電験3種・精選問題」(経林書房、2005)

「今後の新自動車燃料、家庭燃料等の動向について」(福島県石油商業組合、2005)

「みんなの5S『基本のキ』」(JTEX、2006)

「『技術・技能伝承』実践マニュアル」(中央経済社、2007)

「現場力を高める『見える化』の実践」(JTEX、2008)

目次

目次



第1章 注目を浴びる2次電池

1 2次電池が注目される背景 「クローズアップされる2次電池の活用」

2 持続可能な社会システム構築への動き 「蓄電技術に注目が集まる」

3 カーボンオフセットという取組み 「CO2発生量の抑制」

4 スマートグリッドとは何か 「インターネットのエネルギー版」

5 エネルギー管理システムとスマートグリッド 「電力供給網を再構築」

6 電気自動車のキーテクノロジー 「2次電池の性能向上と低コスト化」

7 2次電池と電気自動車 「電池以外はすでに確立した技術領域」

8 社会インフラとしての2次電池 「クリアすべきいくつかのハードル」

9 2次電池以外のエネルギー蓄積技術 「高いエネルギー密度を目指す」

10 直流給電のメリット 「変換が効率を下げている」

11 経済産業省の取組み 「高性能2次電池開発を後押し」



第2章 電池のはなし

12 電池とは何か 「1次電池、2次電池、燃料電池」

13 1次電池と2次電池とは 「放電特性に違い」

14 ボルタ電池と ダニエル電池 「電池は江戸時代に日本に上陸」

15 1世紀半を迎えた鉛蓄電池 「最もポピュラーな蓄電池」

16 実は危険なリチウム電池 「1次電池や2次電池に利用されるリチウム」

17 身近になった燃料電池 「低炭素社会へのキーテクノロジー」

18 地球温暖化対策に実力を発揮する太陽電池 「面積が発電量の太陽電池」

19 コンデンサが電池になる電気二重層キャパシタ 「大電流の急速充放電特性を持つ」



第3章 やさしい電池の化学

20 化学反応は原子が電子をやりとりすること「原子の電子配列が重要なカギ」

21 酸化反応と還元反応 「酸素が反応すること」

22 酸素がなくても酸化還元反応というの?「酸素が関与しない反応」

23 酸化数でみた酸化還元反応 「酸化数がバロメータになる」

24 酸化反応と還元反応の起きる場所を離す「電気が起きる基本」

25 可逆反応と不可逆反応「エネルギーの流れる方向」

26 反応にはきっかけが必要「エネルギー障壁は自然の秩序を保つ存在」

27 電極の触媒作用 「触媒が電池の効率を上げる」

28 やりとりする電子を決める電子配置(1)「満席になると安定する電子配置」

29 やりとりする電子を決める電子配置(2)「原子核から最も遠くにある電子が動く」

30 ルール違反のd、f軌道電子「反応にかかわる電子の数が変化」

31 新材料の探索が続く「2次電池の材料に適した特性」



第4章 いろいろな2次電池の反応と特徴

32 鉛蓄電池「自動車用のバッテリーで知られる」

33 ニッケルカドミウム電池「大電流放電が可能」

34 ニッケル水素電池「有害物質を含まない」

35 金属リチウム2次電池「電池容量を巨大化できる可能性」

36 リチウムイオン電池「過充電、過放電に弱い」

37 ナトリウム硫黄電池(NAS電池) 「風力発電や太陽光発電の出力安定化」

38 リチウム硫黄電池「デントライトの問題が残る」

39 リチウム空気電池「現状のリチウムイオン電池の約300倍の容量」

40 リチウム─銅2次電池「現状のリチウムイオン電池の5倍以上の容量」



第5章 2次電池の使いかた

41 いろいろな2次電池「安全でコンパクトなものへ進化」

42 リチウムイオン2次電池は日本人の発明「エネルギー効率の高い2次電池が必要」

43 リチウムイオン2次電池の電極材料「一長一短ある電極材料」

44 定電流・定電圧充電「リチウムイオン2次電池の充電特性」

45 必ず起きる内部放電(自己放電)「避けようのない放電」

46 メモリー効果「電圧低下の謎」

47 リチウムイオン電池の危険要因「さまざまな事故原因」

48 非接触で充電する「置くだけで充電ができる」

49 リチウムイオン電池の充放電制御「セルを制御して安全に充電」



第6章 さまざまな用途に利用される2次電池

50 機器の動作電源を供給する「電池の基本的な使用法」

51 非常用電源への利用「いざというときに役に立つ」

52 動作電源供給とエネルギー回収「エネルギーをムダにしない」

53 出力変動の大きな電源の補完「自然エネルギーの助っ人役」

54 電力需要変動への追従性向上「使うときが必要なとき」

55 独立した自然エネルギーの利用効率向上「孤立していても大丈夫」

56 分散した微小エネルギーの収集「すべてのエネルギーを電気に変えて蓄積」



第7章 2次電池のリサイクル

57 2次電池のリサイクルの状況 「希少金属を集める」

58 企業活動と2次電池のリサイクル 「適正処理をすることが大事」

59 水銀使用乾電池の埋立実験 「埋め立てても安全?」

60 ボタン電池のリサイクル 「回収ボックスに投入」

61 小型2次電池のリサイクル 「一般消費者の意識向上が重要」

62 使用済み電池の電気残量 「電池の寿命と残量」

63 一般社団法人JBRCの活動 「積極的なリサイクルを目指す」

64 資源有効利用促進法 「人類の持続的な発展が根本にある」

65 廃棄物の処理と清掃に関する法律 「廃棄物を少なく」

66 173の国などが締約するバーゼル条約 「勝手に他国へゴミを運んではいけない」

67 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律 「勝手に輸出入すると処罰される」



【コラム】

●温暖化防止対策の科学的な裏付け

●リチウムイオンを超える次世代2次電池

●人の出会いも化学変化!?

●自然の猛威に対応する葦のように、新たな知見を手に入れてきた人類

●燃料電池とリチウムイオン2次電池

●2次電池にも発想の転換を

●規制はできたので、あとは教育



参考文献



索引

はじめに

はじめに
 今日、2次電池がこれほど多く使われるようになったのは、パソコンや携帯電話などの携帯情報機器の普及に負うところが大きいのではないでしょうか。携帯電話の普及が進むのは通信方式がデジタル化されて以降の1990年代後半あたりからで、ここ十数年で2次電池の使用量が急増したことになります。もちろんそれ以前にもいろいろな携帯機器に2次電池が使われていましたが、充電器を含めた価格は高価であり、乾電池(1次電池)を使用することが多かったのです。

 携帯情報機器の急激な普及を背景に、2次電池は高機能化と低価格化が進みました。これらに使われている2次電池は主に薄い角型のリチウムイオン電池ですが、この電池ケースの低コスト化が電池価格の引き下げに大きく貢献しました。以前の電池ケースは、アルミ板材を電子ビーム溶接して角型形状に仕上げていました。多大な溶接時間がかかるうえ、溶接部分の気密テストが必要であるなど、生産コストがとても高くついていました。

 解決したのは東京墨田区で町工場を経営する岡野雅行氏(岡野工業(株)社長)です。アルミの板材をプレス金型で深絞り成形することで電池ケースの製品化に成功したのです。深絞り成形技術そのものは昔からありますが、形状と深絞りの度合いが並はずれていたのです。製作時間は一気に100分の1程度になったようです。しかも溶接部分がないため気密テストの必要もなく、品質も向上したといいます。まさに一石三鳥の成果でした。

 2次電池の開発では、とかく電池反応のメカニズムに焦点があたりがちですが、製品として完成させるには周辺の技術の開発が成否を分ける大きな要素になり得ることを示す好例でしょう。

 一方で、電池の反応や特徴、使い方などについて私たちはどの程度知っているでしょうか。改めて問いかけてみると、実はよくは知らないことが多いのではないでしょうか。本書では、エネルギー技術のキーデバイスとして注目されている2次電池について、多方面にわたりわかりやすく解説することを心がけました。読者の皆様の疑問に少しでも応えることができたならば幸いです。

2010年2月
細田 條

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