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製品中の異物混入とその対策
異物分析の手法と実例

定価(税込)  3,740円

著者 1
著者 2
著者 3
サイズ A5判
ページ数 350頁
ISBNコード 978-4-526-06395-4
コード C3050
発行月 2010年04月
ジャンル 化学

内容

製品中の異物混入問題は、食品中の異物を中心にPL法問題とも絡み大きな企業リスクとして注目されている。本書は、メーカの品質保証担当者などを中心に製品中の異物とは何か、どのようにそれを調べ、どのようにその対策を立てるのかを、シチュエーションや材料ごとに事例を中心にわかりやすく解説する。

大武義人  著者プロフィール

(おおたけ よしと)
1972年 国立小山工業高等専門学校 工業化学科卒
1982年 (財)化学品検査協会〔現 一般財団法人 化学物質評価研究機構〕入会
2002年 高分子技術センター所長
2004年 理事
2002~2004年 長崎大学客員教授
2008~ 国立長岡技術科学大学客員教授
博士(工学)

著書
「競走用自転車タイヤ理論とその取り扱い方」、日本自転車振興会(1996)
「材料トラブル調査ファイル」、日刊工業新聞社(1999)共著
「高分子材料の事故原因究明とPL法」、アグネ技術センター(1999)
「ゴム・プラスチック材料のトラブルと対策―劣化と材料選択―」、日刊工業新聞社(2005)

受賞
日本ゴム協会優秀論文賞(1995)
マテリアルライフ学会優秀論文賞(2006)

渡邊智子  著者プロフィール

(わたなべ ともこ)
1987年 鹿児島大学農学部農芸化学科卒業
(財)化学品検査協会(現 一般財団法人 化学物質評価研究機構)入会
2005年 東京事業所 高分子技術部 技術第三課 課長
2008年 長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程 修了
博士(工学)

仲山和海  著者プロフィール

(なかやま かずみ)
1997年 国立有明工業高等専門学校 工業化学科 卒業
1999年 九州大学工学部応用物質化学科 卒業
(財)化学品検査協会(現 一般財団法人 化学物質評価研究機構)入会
2009年 長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程 修了
東京事業所 高分子技術部 技術第三課 副長
博士(工学)

目次

目次

まえがき

第1章 異物とは
 1.1 食品中に含まれる異物とPL法
 1.2 微小異物分析の手順と実際の分析

第2章 異物分析手順及び用いる装置とその特徴
 2.1 分析前の情報収集
 2.2 実体顕微鏡・SEM(走査型電子顕微鏡)・位相差顕微鏡
 2.3 FT―IR(フーリエ変換赤外分光分析)
 2.4 微小X線回折
 2.5 EPMA(電子線マイクロアナライザー)
 2.6 DSC(示差走査熱量計)
 2.7 PyGC/MS(熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計)

第3章 試料の採取と調整方法
 3.1 サンプリングの方法
 3.2 分析用試料の採取に必要な利便性の高い道具
 3.3 前処理・洗浄・抽出

第4章 異物分析の具体的手法と実例
 4.1 食品中の異物
4.1.1 ゴム・プラスチックなどの高分子材料
 事例4―1 乳飲料中に混入したNBR製黒色微小異物(ゴム1:NBR)
 事例4―2 水道水から発見されたEPDM製黒色異物(ゴム2:EPDM)
 事例4―3 ペットボトルに混入したフッ素ゴム製黒色異物(ゴム3:フッ素ゴム)
 事例4―4 ミネラルウォーターペットボトルのキャップ内側底部に付着した黒色発泡体異物(ゴム4:SBRとCRのブレンド体)
 事例4―5 牛乳に含まれていた灰色微小異物(ポリ塩化ビニル:PVC)
 事例4―6 コロッケの衣に付着していたラップフィルム状異物(ポリ塩化ビニル:PVC)
 事例4―7 弁当に混入した異物(ポリスチレン製ビービー弾)
4.1.2 包装材料
 事例4―8 ショートケーキに含まれていたPE・PP、PA、ポリエステルからなる4層の積層フィルム片
 事例4―9 焼うどんから発見された異物(PP製トレー)
 事例4―10 段ボールに付着したチューインガム(ポリ酢酸ビニル、タルク)
4.1.3 食品由来
 事例4―11 菓子パンに付着した異物(焦げ)
 事例4―12 菓子パンに混入した白色異物(ショ糖)
 事例4―13 パンから発見された錠剤のような異物(賦形剤のマンニトール、カルボキシメチルセルロース、乳糖)
 事例4―14 うどんから発見された錠剤のような異物(鎮痛解熱剤のアセトアミノフェン)
 事例4―15 ヨーグルトから発見された黒色異物(海苔)
 事例4―16 ヨーグルトに混入した黒色微小異物(黒ゴマ表皮:しゅう酸塩)
 事例4―17 お茶に混入していた黒褐色樹脂状異物(尿素樹脂)
4.1.4 鳥、小動物、昆虫の排泄物質
 事例4―18 パンに付着した鳥の糞のような異物(鳥の糞)
 事例4―19 段ボールに付着した白色斑点異物(クモの排泄物:グアニン) 
4.1.5 歯科材料
 事例4―20 食パンから発見された咀嚼中に自分自身の口から誤って食品中に混入した異物(歯)
 事例4―21 餃子から発見された異物(骨)
 事例4―22 炊込みご飯から発見された異物(歯科用アクリルレジン)
 事例4―23 カステラから発見された異物(コンポジットレジン)
 事例4―24 菓子パンから発見された異物(アマルガム)
 事例4―25 食パンから発見された金属(金銀パラジウム合金)
4.1.6 繊維製品
 事例4―26 工場内で発見されたホコリ(ポリエステル繊維、セルロース繊維、アクリル繊維)
 事例4―27 ご飯に付着した青色異物(紙)
4.1.7 金属製品・錆
 事例4―28 紙に付着した茶褐色異物(鉄錆)
 事例4―29 紙製品に付着した金属片(ステンレス鋼)
 事例4―30 包装袋に混入した金属片[ステープラ(ホッチキス)の針]
4.1.8 岩石・ガラス・陶磁器
 事例4―31 米飯から発見された異物(岩石)
 事例4―32 ヨーグルトに混入した黒色異物(砂塵)
 事例4―33 冷凍野菜から発見された異物(砂粒)
 事例4―34 カステラに混入したガラス状異物(ソーダ石灰ガラス)
 事例4―35 ミートボールから発見された異物(陶磁器の破片)
 事例4―36 ハンバーグから発見された異物(貝殻)
4.1.9 着色原因
 事例4―37 ゴマに付着した緑色異物(塗料)
 事例4―38 煮物に認められる黒斑(銅)
 事例4―39 菓子パンに認められる黒変(ステンレス鋼)
 事例4―40 ビスケットの表面に付着した濃紺色異物(食用色素)
4.1.10 加熱の有無
 事例4―41 加工食品に混入した異物(ポリスチレン片の加熱の有無)
 4.2 加硫ゴム中の異物
4.2.1 ゴム・プラスチック成形品表面に現れるブルーム分析
 事例4―42 ゴム製品のブルーム(加硫促進剤PZ)
 事例4―43 ゴム手袋表面の白色異物(ブルーム現象:硫黄)
 事例4―44 ゴム製品表面の白色物質[クレー(ケイ酸アルミニウム)、炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛]
4.2.2 ゴム・プラスチック中に異物が存在するとどうなるか
4.2.3 分散不良
 事例4―45 NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)製品の異物(加硫促進剤DM)
4.2.4 異種ゴムの混入
 事例4―46 ゴム製品の比重が通常品と異なる原因(フッ素ゴム中にNBRが混入)
4.2.5 異物としての離型剤
 4.3 プラスチック中の異物
4.3.1 プラスチック成形品中の異物とその生成(フィッシュアイ、焼け焦げ)
4.3.2 プラスチック成形品の付着物
 事例4―47 ポリスチレン製ケースに混入した異物(植物片)
 事例4―48 包装フィルムに混入した黒色および褐色の異物(PEとPET樹脂の劣化物)
 4.4 食品への異物混入はどこで生じたか?(混入時の特定化)
 事例4―49 ケーキに混入した異物(HIPS)
4.4.1 虫やカビなど生物
 事例4―50 シーツに付着したダニ
 事例4―51 布製バッグのシミ(カビ)
 事例4―52 歯科用ホースに見られた桃色異物(カビ:フザリウム属)
4.4.2 昆虫の異物と昆虫によるパッケージの食害

第5章 異味異臭の分析
 5.1 嗅覚の特徴
5.1.1 匂いの感知
5.1.2 匂いの質と分類
 5.2 匂い物質の特徴
5.2.1 匂い物質の条件
5.2.2 匂いと化学構造
 5.3 異臭分析の手順及び手法
5.3.1 異臭分析手順
5.3.2 異臭分析手法
 5.4 実際の異臭分析事例
 事例5―1 清涼飲料水製造装置用EPDMパッキンのヘッドスペース法を用いた異臭分析
 事例5―2 ポリエチレン(PE)製買い物袋のTCT―GC/MSによる異臭分析 
 事例5―3 そうめんのヘッドスペース法による異臭分析
 事例5―4 魚類珍味のヘッドスペース法による異臭分析
 事例5―5 レトルト食品の異味・異臭分析
 事例5―6 天ぷら油の劣化による異味異臭とその検出方法
 事例5―7 ソーセージの異味分析

第6章 ゴム製品中、建材中、天然鉱物中に異物として微量含む
アスベストの分析
 6.1 アスベストの分析方法
6.1.1 前処理
6.1.2 定性分析方法
6.1.3 定量分析方法
 6.2 天然鉱物中のアスベスト分析

あとがき~異物混入・異味異臭・クレームゼロをめざして

索引

はじめに

まえがき
 
食品中の異物(Extraneous Materials)、一般工業分野の異物(Foreign Matter)には、付着物、混入物、変質物、析出物などがあげられ、ゴムやプラスチック製品における事故原因究明の一つにも異物混入があげられる。とくに、有機材料の破壊の要因として、異物の介在による材料としての不均一性が生じ、そのための応力集中により脆性破壊が誘発されたり、添加剤の混練がうまくいかずに分散不良が生じて、添加剤自身が異物となり得ることも珍しくない。

 食品分野の異物は、生産、貯蔵、流通過程での不都合な環境、取り扱い方、製造方法などに伴って、食品中に混入、迷入または発生したあらゆる固形物を指すが、一方で異物クレームには消費者が誤って混入し「パン製品に歯科充填材が混入」、食事中に他の食品が混入した「ヨーグルトに海苔やゴマの破片が混入」、「子供が飲んでいた飲料に食べていた菓子が口から混入」、「お年寄りが飲んでいた飲料にその前に飲んでいた医薬品が口から混入」などユーザー自身が原因となる事例も多く、クレーム処理対策の点からも迅速で精度の高い分析が必要になる。さらに、近年食品包装が美麗かつ完璧に行われているが、その結果、包装材表面に見られるわずかな異物(多くは成形加工時の焼けなど)が外観不良となり、パッケージとしての機能に何ら遜色はなく、また、食品の品質にまったく異状はないにもかかわらず、充填されている食品の商品価値を著しく低下せしめる理由で全品回収される、やや品質過剰とも思えるケースもある。

 食品の場合、異物混入は食中毒の次に警戒すべき重大事故である。とくに、より小さい異物の場合、切り刻まれてしまい、原型をとどめていず、さらに組成も同一であるため、異物鑑定が困難をきわめ、まさに現場技術屋泣かせといっても過言ではない。

 また、異味、異臭は異物とはやや異なるが、食品そのものから生ずる異味異臭、食品をパッケージするプラスチックからも発生する異味異臭、これらも異物の一種であり、重大な問題に発展する可能性があるため、それらの分析手法についても事例を中心に記した。

 また、ゴムや建材に含む微量のアスベストの分析手法についても、異物分析手段のひとつとして現場技術屋ができるだけ実践できるように詳細に具体的に記した。これは、未だにゴム成形品(特に輸入品)中に含まれているためである。

 本書が食品の製造者、品質管理者、ゴム・プラスチックの現場技術者の日常業務に少しでも御役に立てば本望である。

2010年4月  大武義人
一般財団法人 化学物質評価研究機構
〒345―0043 埼玉県北葛飾郡杉戸町下高野1600番地

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