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はじめよう!TRIZで低コスト設計

定価(税込)  1,980円

著者
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サイズ A5判
ページ数 186頁
ISBNコード 978-4-526-06182-0
コード C3053
発行月 2008年12月
ジャンル 機械

内容

本書では今までのぜい肉落としのようなコストダウンのやり方とは異なり、設計段階から積極的にアイデアを取り入れていくやり方を提案。アイデア発想ツールとしてその有効性が認められているTRIZを低コスト設計に活用する方法を解説する。設計者向けの実用書だが、「わかりやすく」「読みやすく」構成している。

目次

目次







まえがき





第1章 低コスト設計に、なぜTRIZか



1.1 製品の進化を支配する2つの因子

1.2 技術の進化もS字カーブ

1.3 進化の前半は複雑化が武器

1.4 進化の後半は集約化が重要

1.5 トップランナー方式とトヨタ式ムダ取り





第2章 トップランナー方式のコスト低減法



2.1 工業製品はどんどん複雑になっている

2.2 複雑化は信頼性を落とすという常識は、うそ

2.3 ポイントは機能のモジュール化

2.4 技術は理屈じゃない

2.5 TRIZは科学でなく、技術だ





第3章 トヨタ式ムダ取りに学ぶコスト低減法



3.1 コストダウンとは品質を高めること

3.2 逆転の発想

3.3 ムダではなく、ムラを探す

3.4 機能展開は問題の可視化手段

3.5 機能展開の失敗例

3.6 機能展開のコツ





第4章 技術の複雑化に役立つアイデア発想法



4.1 一回り小さい構造を内部に持たせよう:入れ子発想

(1)階層構造を意識しよう

(2)入れ子発想にトライ

4.2 何かを加えてバランスをとる:釣り合い発想

(1)バランスにまつわる"ことわざ"を覗く

(2)"はかり"は2000年以上の歴史がある

(3)釣り合い発想にトライ

4.3 転ばぬ先の筋トレ:先取り反作用発想

(1)予防接種は先取り反作用の例

(2)引張コイルばねにも先取り反作用!?

(3)先取り反作用発想にトライ

4.4 人の振り見て、わが振り直せ:フィードバック発想

(1)レギュラーにするかハイオクにするか、車のガソリンの話

(2)フィードバックという言葉の起源

(3)フィードバック発想にトライ

4.5 あなた自身のヒューズ持っていますか:事前保護発想

(1)大空に飛び出す:スカイダイビングの危険回避法

(2)異常時は回転力を伝えない「トルクリミッター」という機械要素

(3)事前保護発想にトライ

4.6 お節介って必要なんです:仲介発想

(1)日本を救うか光触媒技術

(2)仲介発想にトライ





第5章 技術の集約化に役立つアイデア発想法



5.1 分ければ資源、混ぜればゴミ:分離発想

(1)多機能化する製品と取扱説明書

(2)分離発想にトライ

5.2 部分を目的達成に特化せよ:局所的性質発想

(1)さまざまな形の鳥たちのくちばしは、なんのため?

(2)存在理由は何か、それが特化の形

(3)局所的性質発想にトライ

5.3 同じ事を他所でもやっていませんか:併合発想

(1)日本史にみられる“併合”

(2)併合発想にトライ

5.4 融通の利く人とモノは大切です:汎用性発想

(1)ユニバーサルで便利なUSB(Universal Serial Bass)

(2)汎用性発想にトライ

5.5 継続は力なり:有用作用の継続発想

(1)薬効時間を活かす薬の飲み方、使い方

(2)バッテリーは長持ちが一番

(3)有用作用の継続発想にトライ

5.6 異能を組み合せると凄いことが可能:複合材料発想

(1)ドライバーの話

(2)飛行機の機体材料・CFRP

(3)複合材料発想にトライ





あとがき

参考文献

はじめに

まえがき

―コストダウンの新しい視点―





現在、日本には台湾や中国などから安価な製品が大量に輸入されています。このような状況下でコストの高い国内生産では、太刀打ちできないのでしょうか。いや、そんなことはないはずです。従来のような製造部門のコストダウン努力だけでなく、開発設計部門のコストダウンには、まだまだ改善の余地があります。

技術者個人の固有技術に頼るだけでなく、組織的・集中的に製品のコスト低減を行うプロジェクトチームを作っている企業も少なくありません。

本書は、このような状況で活用されることを狙いとしています。



従来のコストダウン活動では、部品やモジュールの共通化による効率化や、機能を分析してアイデアを出すVAなどの方法を用いていました。

本書は、新しい視点の提案です。それは、アイデア発想法「TRIZ(トゥリーズ)」を活用して効率的に低コスト設計を行うやり方です。

「え! TRIZでコストダウンができるのですか?」

できるのです。TRIZの有効性は世界中で広く知られており、その具体的な手法を紹介する書籍は数多く出版されています。しかし残念ながら、コストダウンに狙いを絞った解説書は見当たらないのが現状です。最適な解説書が世の中に存在しないなら、自分たちで作ろう。そこで筆者らは、TRIZのデータベースからコストダウンに有効な12個の発明原理を厳選し、その解説書を作成することにしました。

TRIZをご存知の方は、"発明原理""サブ原理"の言葉には慣れていることでしょう。しかし、"原理"という表現に違和感を持っている方もいます。したがって、あえて"原理"という用語は使わずに、"発想視点"としました。

全世界から数百万件の特許エッセンスを凝集したTRIZ。企業の最重要課題のコストダウンに、TRIZの強力なパワーを活用しない手はありません。

TRIZを網羅的に解説するのでなく、コストダウンに関係した項目を重点的に解説します。その方が、TRIZの有効性をより効率的に実感できると考えたからです。



TRIZは科学的手法ではありません。技術的手法です。

科学と技術は違います。科学は真理の追求ですから、一定の手順を踏めば誰がやっても同じ結果が得られます。再現性が科学の命です。

それに対して技術は違います。理屈より目的達成を最優先します。誰が、どのようにやったかで、結果が異なります。やり方に工夫や創造性があるから、簡単にはまねされません。これこそが技術の醍醐味です。だから、他社より優位に立つこともでき、独創的なアイデアの特許も取得できるのです。

TRIZは、そのような創造力のある技術者を手助けするツールです。TRIZの中には、コストダウンに対する先人達の思想が流れています。本書は、その思想を厳選抽出し、それに対応した発想法を紹介します。

優れたアイデアを出すには、常識や既成概念のこだわりを捨て、手順やルールにとらわれず、頭を柔軟にして課題に対処することが重要です。

本書を活用して低コスト設計を実現し、厳しい価格競争に対処できるとしたら、筆者らの大きな喜びです。そのような設計が数多く実現されることを期待したいと思います。

なお、本書は第1章から第3章を長谷部が、第4章、第5章を小池が執筆分担しました。



本書をまとめるに当たり、さまざまな人のお世話になりました。あらためてお礼を申し上げます。

前著「はじめよう!カンタンTRIZ」に引き続き、後藤一雄さんには多くのイラストを担当いただきました。日刊工業新聞社の平川容子さんには、企画段階から大変お世話になりました。お礼を申し上げます。その他、一人ひとりのお名前は挙げられませんが、特に株式会社リコーの方々には、さまざまな面において力になっていただきました。感謝いたします。



2008年12月

著者

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