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ものづくり現場の微粒子ゴミ対策

定価(税込)  2,808円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-06110-3
コード C3053
発行月 2008年08月
ジャンル 機械

内容

研磨工程、電着塗装工程、放電加工、溶接工程などにおける微粒子、粉塵微粒子が機械加工品質、および生産性能に与える影響がクローズアップされている。本書では、製造工程における微粒子対策の基礎知識を解説し、実際の製造工程別にその分離、除去技術を紹介する。

目次

目 次





はじめに



第1章 製造現場における微粒子ゴミとは



1. 1 ようこそ微粒子ゴミの世界へ

(1)微粒子ゴミとは

(2)微粒子ゴミの対策効果

1. 2 微粒子ゴミの特徴

(1)微粒子ゴミの性状

(2)微粒子ゴミのものづくりへの影響

1. 3 微粒子ゴミと他の微粒子との違い

(1)微粒子ゴミの大きさ

(2)その他の微粒子との比較



第2章 製造工程における微粒子ゴミ混入問題



2. 1 製造現場が抱える問題

(1)一般的製造現場の問題点

(2)製造現場の諸問題に、いかに微粒子ゴミが影響を与えているのか

2. 2 微粒子ゴミを対策することの技術的背景及び時代背景

(1)QDC改善のさらなる要求と製造設備更新期間の延長

(2)製造現場からの熟練者及び設備保全的周辺作業要員の削減

2. 3 5S活動との違い

(1)5S活動の限界

(2)5Sを超えた系統立てた取り組みの必要性



第3章 微粒子ゴミ対策の基礎技術



3. 1 微粒子ゴミ対策の分類

3. 2 洗浄による微粒子ゴミ対策

3. 2. 1 洗浄の基本

(1)洗浄の目的

(2)汚れの種類

(3)洗浄レベル

3. 2. 2 洗浄方式

(1)湿式洗浄

(2)乾式洗浄

3. 2. 3 粒子汚れと洗浄機構

3. 2. 4 洗浄剤の種類

(1)水系洗浄剤

(2)準水性洗浄剤

(3)非水系洗浄剤

3. 2. 5 洗浄方法

(1)浸漬洗浄における汚染管理

(2)蒸気洗浄

3. 2. 6 乾燥方法

(1)乾燥方式の種類

(2)蒸気加熱乾燥

3. 2. 7 洗浄システム構築

(1)洗浄システム構築ステップ

3. 2. 8 洗浄システムの具体例

(1)炭化水素系洗浄剤の洗浄評価例

(2)水系及び準水系洗浄システム構成

(3)プリント基板の水系洗浄工程例



3. 2. 9 環境への配慮と化学物質の管理

(1)環境への配慮

(2)化学物質管理

3. 2. 10 洗浄技術の動向

(1)湿式洗浄方法と洗浄剤

(2)新しい洗浄方式の動向

〈引用文献〉

〈参考文献〉

3. 3 沈殿とろ過の基礎技術

3. 3. 1 はじめに

3. 3. 2 ゴミの大きさと処理プロセス

3. 3. 3 沈降分離

(1)単一粒子の沈降

(2)細かい粒子の沈降

(3)凝集に用いる薬品

(4)凝集沈殿装置

3. 3. 4 ろ 過

(1)砂ろ過装置

(2)マイクロストレーナ

(3)膜分離

3. 4 シーリングの基礎技術

(1)磁性流体シール

(2)オイルシール

(3)ラビリンスシール

(4)メカニカルシール

(5)グランドパッキン

3. 5 その他の基礎技術

(1)磁気吸着

(2)サイクロン

(3)遠心分離

(4)オイルフィルタ

(5)超臨界流体

(6)エジェクタ(またはエゼクタ)



第4章 微粒子ゴミの計測と分析



4. 1 微粒子ゴミの計測

(1)はじめに

(2)微粒子ゴミ計測の原理

(3)具体的な計測方法や機器

(4)まとめ

4. 2 微粒子ゴミの分析

(1)なぜ今、微粒子ゴミを分析したいのか?

(2)微粒子ゴミを特徴づけるもの

(3)分析装置の原理と特徴

(4)分析装置の選び方

(5)微粒子ゴミの犯人捜し

(6)まとめ



第5章 製造工程別の微粒子ゴミの分離・除去技術



5. 1 研削加工

5. 1. 1 研削加工における微粒子ゴミ

(1)研削加工の概要

(2)研削加工における微粒子ゴミとその大きさ

5. 1. 2 微粒子ゴミが研削加工工程に与える影響

(1)製造品質の低下

(2)工具及びクーラントの寿命短縮化

(3)砥石交換、切粉除去作業などによる稼働率の低下

(4)設備故障

(5)環境悪化

(6)まとめ

5. 1. 3 微粒子ゴミの対策方法

(1)基本的考え方

(2)具体的方策

(3)改善効果

5. 1. 4 クーラントクリーン化の製品

(1)NAX─CS

(2)NAX─CP

5. 2 金属溶融加工

5. 2. 1 はじめに

5. 2. 2 溶接作業を含む金属の溶融を利用する加工で発生する

微粒子ゴミ

5. 2. 3 溶接フュームの発生メカニズム

(1)金属系フュームの発生メカニズムと発生量

(2)溶滴の移行形態

(3)油煙系フュームの発生

5. 2. 4 微粒子ゴミのもたらす問題

(1)フュームのもたらす問題

(2)加工時に発生するガス

5. 2. 5 フュームの規制に関する法令、計測方法及び管理

(1)フュームの規制に関する法体系

(2)金属の溶融を利用する加工法で法的な規制の対象となる加工法

(3)粉じん作業で求められる規制

(4)「作業環境測定基準」、「作業環境評価基準」及び「評価に基づく処置」

5. 2. 6 作業現場での発生実態

(1)JIS規格に制定された溶接フューム、溶接ガスの計測方法

(2)熱間圧延鋼板及び亜鉛めっき鋼板の溶接で発生するフュームの発生量

(3)作業現場である溶接製造ラインでの溶接フュームの発生実態

5. 2. 7 溶接フュームの低減化技術

(1)溶接設備仕様、副資材の選択による溶接フュームの低減効果

(2)溶接セルからの排出フュームの処理方法

〈参考文献〉

5. 3 形彫り放電加工

5. 3. 1 形彫り放電加工時の加工屑(微粒子ゴミ)の発生の影響

5. 3. 2 形彫り放電加工

(1)形彫り放電加工の概要

(2)形彫り放電加工機の特徴

(3)加工屑(微粒子ゴミ)の回収と加工液の浄化

5. 3. 3 加工屑(微粒子ゴミ)

5. 3. 4 加工屑(微粒子ゴミ)の影響

(1)マイナス側面

(2)プラス側面

5. 3. 5 加工屑(微粒子ゴミ)除去方法

〈参考文献〉

5. 4 塗 装

5. 4. 1 微粒子ゴミ対策の基本的な考え方

(1)今、塗装工場では?

(2)見える化

(3)微粒子ゴミの発生原因と結果との関係

(4)「見える化」のアプローチ方法

5. 4. 2 「見える化」の視点

(1)『見える化』の3つの視点

(2)発生現象の「見える化」

(3)発生現場の「見える化」

(4)情報の「見える化」

5. 4. 3 不具合情報の「見える化」

(1)検査記録の付け方

(2)指標の数値化

(3)目標設定のポイント

(4)改善効果

(5)不具合成績の「見える化」

5. 4. 4 不具合原因の「見える化」

(1)調査方法

(2)微粒子ゴミの発生原因と指標(手直し率)との関係

(3)改善アプローチの記録

5. 4. 5 不具合原因の「見える化」手法の紹介

(1)風速と風向

(2)浮遊する微粒子ゴミの「見える化」

(3)浮遊する微粒子ゴミの定量化による「見える化」

(4)搬送経路の微粒子ゴミの「見える化」

(5)塗装工場全体のマッピングによる「見える化」

(6)新しい「見える化」技術の紹介

5. 4. 6 不具合対策事例の紹介

(1)原理原則と対策事例

(2)前処理や電着塗装工程の微粒子ゴミの「見える化」

5. 4. 7 対策推進状況の「見える化」

(1)対策推進状況の「見える化」事例

(2)「見える化」とは

(3)微粒子ゴミ対策の極意

5. 5 表面処理

5. 5. 1 表面処理とは

5. 5. 2 表面処理での微粒子ゴミの発生源

(1)洗浄・前処理工程での微粒子ゴミ

(2)表面処理工程での微粒子ゴミ

(3)ワーク搬送工程での微粒子ゴミ

5. 5. 3 微粒子ゴミの対策方法

(1)洗浄・前処理工程での微粒子ゴミの対策

(2)表面処理工程での微粒子ゴミの対策

(3)ワーク搬送工程での微粒子ゴミの対策

5. 5. 4 まとめ

【コラム】空気中の微粒子ゴミ対策

5. 6 射出成形加工

5. 6. 1 はじめに

5. 6. 2 湿度

5. 6. 2. 1 湿度の定義

5. 6. 2. 2 年間の気温、湿度の推移

5. 6. 2. 3 暖房による湿度低下

5. 6. 3 静電気の帯電

5. 6. 3. 1 静電気発生の機構

5. 6. 3. 2 射出成形における静電気帯電

5. 6. 3. 3 成形品の帯電による問題

5. 6. 4 加湿による静電気防止

5. 6. 5 湿度コントロール製品

5. 7 食品製造

5. 7. 1 微細形状異物類

5. 7. 2 鉄系微粒子ゴミの分離・除去技術

5. 7. 3 マグネットフィルタの構成

5. 7. 4 マグネットフィルタの用途と分類

5. 7. 5 安全性

5. 7. 6 金属異物検出機

5. 7. 7 マグネットフィルタ以外の異物分離装置

5. 7. 8 まとめ

〈参考文献〉



関連機関・企業情報

索 引

はじめに

はじめに





日本のものづくりの優位性として、高品位・高品質、高信頼性、安全性、そして長寿命、高コストパフォーマンスなどが挙げられている。しかしながら、韓国、台湾、中国などのアジア諸国の台頭が著しく、これら優位性のさらなる強化が望まれている。そのための共通的な課題として、微粒子ゴミ問題が挙げられているものの、これまであまり大きくは取り上げられてこなかった。そこで、(社)砥粒加工学会では、2007年7月に微粒子問題専門委員会を設置し、これらの問題について、幅広い産業分野にわたって横断的な検討を行うこととした。

微粒子には、何らかの要因によりすでに大気中に存在する微粒子、生産活動の中で生じてしまう微粒子、逆に生産活動により積極的に創りだす微粒子などがある。これらは、製品の品質、寿命、信頼性、安全性などに影響を及ぼすとともに、製造装置、製造工具などの寿命、性能、そして、人体や環境にも影響を及ぼすことが経験的に知られ、それぞれ個別の対策がなされている。しかしながら、これら微粒子の発生源とその形状・形態には種々のものがあり、その対策は容易ではない。したがって、これら微粒子問題の効果的で完璧な対策技術はまだ確立されていないのが現状である。そこで、本専門委員会では、ものづくりにおける微粒子問題の現状とその対策技術について横断的に調査することにより、これらの解決のための新しい対策技術を創出し、精密加工技術をはじめとして、広く産業の発展に寄与することを基本方針として、活動を行っている。

本書は、その活動の一環として行われた調査結果を体系的に整理してまとめたものである。第1章では、ここで取り扱う微粒子ゴミの定義を行い、第2章では、製造工程で具体的にどのような微粒子問題が生じているのかを事例で示し、第3章では、それら微粒子問題への対策として実施されている技術を中心にその原理をやさしく解説している。そして第4章では、その計測と分析技術を示し、第5章ではものづくり現場で実際に行われている個別の微粒子対策を、研削加工、溶接加工、放電加工、塗装、表面処理、食品加工と広範な事例で示している。本書により、微粒子対策の基本原理から、それらの応用まで幅広く学ぶことができ、読者各位の現場で大いにご活用いただけるものと思う。また、異分野の読者にとっても、抱えている問題の解決に向けて、多くのヒントが得られることと思う。本書が、各読者の現場で大いに活用され、日本のものづくりの優位性がさらに高められることを期待したい。

本専門委員会では、今後、さらに事例調査を行い、微粒子の新しい制御法として期待できる技術、微粒子のリサイクル技術などの検討も行うとともに、微粒子問題の新しい解決策について検討していきたいと考えている。今後の成果にご期待を頂ければと思う。



末筆ながら、本書の発刊に際して、種々のご支援と励ましをいただきました日刊工業新聞社出版局 鈴木徹副部長、ならびに本専門委員会副委員長 森田裕之氏に、心より感謝申し上げます。



平成20年6月

(社)砥粒加工学会 微粒子問題専門委員会・・・・

委員長 上智大学理工学部 清水伸二

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