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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい バイオエタノールの本

定価(税込)  1,540円

編著
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編著
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06083-0
コード C3034
発行月 2008年06月
ジャンル ビジネス 化学

内容

バイオエタノールはトウモロコシや木材などから作られるカーボンニュートラルなエネルギー資源。廃木材や稲わらを使った地球環境にやさしい技術も始まっている。本書は、いま注目のバイオエタノールについて原料、作り方、使い方などわかりやすく解説する。

目次

目次



第1章 バイオエタノールってなに?

1 自動車燃料になるエタノール「植物由来のガソリン代替燃料」

2 どんな種類の自動車に使えるの?「「ガソリン車」と「ディーゼル車」」

3 バイオマスの利用と炭素の循環「バイオマスエネルギー」

4 バイオエタノールと二酸化炭素削減効果「地球温暖化対策」

5 バイオエタノールは究極の蒸留酒「お酒と同じつくり方?」

6 カビを利用した糖化酵素の生産「多糖を単糖に分解する」

7 酵母を利用したエタノール発酵「パン酵母はエタノールもつくる」

8 バイオエタノールは何からつくるの?「糖が原料」

9 バイオエタノール大国アメリカの現状「トウモロコシが主な原料」

10 バイオエタノール大国ブラジルの現状「サトウキビが主原料」

11 2010年の目標とバイオガソリンの導入「日本での普及の取り組み」

12 国産バイオエタノールを普及させるには?「セルロース系原料の利活用」

第2章 バイオエタノールができるまで

13 原料によるつくり方の違い「サトウキビ、トウモロコシ、木、草」

14 木の中の成分はどんなもの「セルロース、ヘミセルロース、リグニン」

15 木からつくるのはなぜ難しい?「木材組織とセルロースの構造」

16 木からつくる方法「硫酸糖化と酵素糖化」

17 酵素の種類と働き「セルラーゼとは」

18 酵素で分解しやすくするには「酵素糖化のための前処理法」

19 木からできる糖の種類「木の種類による違い」

20 C6糖のエタノール発酵「酵母による発酵」

21 C5糖のエタノール発酵「遺伝子組み換え微生物の利用」

22 エタノールの濃縮「単蒸留の限界─共沸─」

23 水を除く方法「最近の無水化技術」

24 酵素をセルロースに接近しやすくする「最新の酵素糖化前処理技術」

25 木質からのバイオエタノール生産技術の動向「バイオテクノロジーで微生物を育てる」

第3章 バイオエタノールの原料

26 バイオエタノールをつくれる3種類の原料「糖、デンプン、セルロース」

27 サトウキビと糖蜜「ブラジルなどで大量生産」

28 サトウダイコンとスウィートソルガム「その他の砂糖作物」

29 トウモロコシ「アメリカでの主要原料」

30 稲、麦「主食にもなる大切な資源」

31 サツマイモ、ジャガイモ、キャッサバ「3つの主要な種類」

32 リグノセルロース「第3のバイオエタノール原料」

33 針葉樹「建築廃材からバイオエタノール生産」

34 広葉樹「早生樹からバイオエタノール生産」

35 草本系バイオマス「草や農業残渣からバイオエタノールをつくる」

36 廃棄物を使おう「これからのバイオエタノール原料」

第4章 バイオエタノールの使い方

37 燃料としてのガソリンとエタノールの比較「初期の車はエタノール車」

38 バイオガソリンの販売開始「ETBE」

39 バイオエタノール直接混合方式「E3」

40 バイオエタノール利用は世界の潮流「海外でのE5、E10」

41 バイオエタノール利用の先進国「海外でのE25、E85、E100」

42 日本でのバイオエタノール利用法「直接混合かETBEか」

43 どんな混合率でもOKの車「FFV(フレックス燃料車)」

44 アルコールの新しい用途「不凍液や試料への添加」

45 バイオマスコンビナート「カーボンニュートラルな化学産業を目指す」

46 自動車レースにもバイオエタノール「インディ500でも使用」

第5章 その他のバイオ燃料はどんなもの?

47 バイオディーゼル燃料(BDF)とは?「ヨーロッパで広く普及」

48 廃食油、植物油からディーゼル燃料をつくる「第一世代BDF」

49 天ぷら廃油も使いよう「地方自治体の回収、リサイクルの取り組み」

50 菜種・ひまわりからBDF「循環型バイオマスタウン」

51 パーム油からBDF「熱帯地域でのプランテーション」

52 BDFには賞味期限がある?「BDFの品質と規格」

53 粗パーム油の水素化処理法「水素化BDF」

54 食料と競合しない廃棄物系バイオマス「第二世代BDFとは?」

55 液状の炭化水素燃料をつくる「BTL」

56 クリーンディーゼルの潮流 「EU諸国では主流」

57 その他の新燃料 「DMEなど」

第6章 もっと知りたい!バイオエタノール事情

58 バイオエタノール生産と食料問題「食料とバイオエタノールの競合」

59 バイオエタノールの価格「望まれる低価格」

60 バイオエタノール生産に適した植物の開発「新しいバイオマス原料」

61 再生紙?それともバイオエタノール「古紙のリサイクル」

62 里山を有効活用しよう「山林整備、休耕地の再利用」

63 環境にやさしく効率も良い前処理は?「直接酸糖化法と酵素糖化法のメリット・デメリット」

64 糖化酵素の開発とコスト「高セルラーゼ生産菌の研究」

65 次世代型エタノール発酵微生物「遺伝子組み換え技術と育種技術の融合」

66 ETBEと直接混合の現状と普及は?「両方の方式でスタートした日本」

67 望まれる第二世代バイオエタノール製造技術の確立「バイオエタノールの将来」

68 バイオブタノール「バイオエタノールの後継者?」

【コラム】

石油が無くなる?

セルロースの不思議

バイオエタノールは物価高の原因か?

オクタン価

ガソリンとディーゼル、どっちがお得?エタノールvs.BDF

省エネリバウンド

参考文献

索引

はじめに

はじめに

昨今の空前のバイオ燃料ブームは、世界的な食料不足を増幅させているだけではないかと疑問や不安を感じている方も多いと思います。本来、カーボンニュートラルであるバイオマス由来のバイオ燃料は、炭酸ガス増大による地球温暖化問題解決の切り札になり、かつ1バーレル100ドルをゆうに越えた原油価格や石炭高騰等の問題を抱える化石エネルギーを代替する唯一の再生可能な炭化水素資源であるはずです。どうしてこんな状況になってしまったのでしょうか?

ブラジルのサトウキビやアメリカのトウモロコシ等の食料と競合する農産物がバイオ燃料の原料として大量に消費されることが、種々の農産物や牛肉・食料等の価格高騰を招いているようなマスコミの論調もありますが、これは人類にとって最も重要な食料(水資源、土地利用も含めて)と地球環境問題、エネルギー問題が三重苦(トリレンマ)となっていることは否めない事実です。

このような状況で、京都議定書の第一約束期間を迎え、国内外でより一層の炭酸ガス削減が求められており、カーボンニュートラルで再生可能なバイオマス由来の液体燃料を製造することによって、世界のエネルギーの大半を担っている石油、天然ガス、石炭等の化石資源を代替することが、バイオマスや太陽光、風力等の再生可能エネルギーの重要な役割であるはずです。その中で、バイオマス資源は、未利用の木質系を中心に草本系の天然バイオマスや、農産廃棄物系、古紙、生ごみ等の廃棄物系バイオマスが各地域で分散して存在するため、その効率の良い収集・運搬システムを構築し、バイオエタノールやバイオディーゼル燃料等の原料として利活用することが、本来の“バイオマス・ニッポン総合戦略”で謳われた精神であり、目的です。食料と競合しないリグノセルロース系バイオマス資源を効率良く収集・前処理して、エタノール等の輸送用燃料に変換するトータルシステムおよびその製造技術の開発は、経済性・環境性に優れたバイオ燃料製造プロセスを“適原料・適地”で実証し、実用化する上で、必要不可欠であると言えます。当然のことながら、バイオ燃料生産に関わる環境・社会影響(エネルギー安定供給、食料安全保障、生態系・水・土壌・大気環境への影響等)については、社会受容性と持続可能性が担保されることが大前提です。

今回の“トコトンやさしいバイオエタノール”では、上述したような本来のバイオマス由来燃料(特に、バイオエタノール)の役割を読者の皆さんに理解して頂き、人類のエネルギー・環境・食料問題の解決に向けた良い知恵を見出す一助になればと期待しています。

平成20年6月

(独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター長 坂西 欣也

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