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ISO10002/JIS Q10002:2005 苦情対応マネジメントシステムの上手な構築と運用

定価(税込)  2,640円

著者
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サイズ A5判
ページ数 178頁
ISBNコード 978-4-526-06037-3
コード C3034
発行月 2008年03月
ジャンル 経営

内容

本書は、ISO10002の規格の狙いと概要をわかりやすく解説するとともにマネジメントシステムの上手な構築・運用を目指し、手順を追って解説する。特に不慣れな評価方法や調査については具体的な事例を挙げて紹介する。

下島和彦  著者プロフィール

下島 和彦(しもじま かずひこ)
1962年生まれ。1986年、電気通信大学電気通信学部卒業。
現在、東京海上日動リスクコンサルティング株式会社主席研究員。苦情対応マネジメントシステム、コンプライアンス、個人情報保護、情報セキュリティに関するコンサルティングに従事。
著 書 『ISO 10002:2004/JIS Q 10002:2005 苦情対応のための指針 規格の解説』(共著)、日本規格協会)。『ISO 10002 苦情対応プロセスの構築と実践』(共著)、日科技連出版社。『すぐに使える苦情対応マニュアル・手順の作り方』(共著)、日科技連出版社。『個人情報保護対策マニュアル』(共著)、PHP研究所。『プライバシーマーク対応 個人情報保護マネジメントシステムの構築実例集』(共著)、日科技連出版社。

清水口咲子  著者プロフィール

清水口咲子(しみずぐち さきこ)
1978年生まれ。2002年、東北大学大学院理学研究科修了。
現在、東京海上日動リスクコンサルティング株式会社主任研究員。苦情対応マネジメントシステム、コンプライアンス、個人情報保護、情報セキュリティに関するコンサルティングに従事。
著 書 『SEならこれだけは知っておきたい個人情報保護とリスクマネジメント』(共著)、ソフトリサーチセンター。『プライバシーマーク対応 個人情報保護マネジメントシステムの構築実例集』(共著)、日科技連出版社。

河野幸子  著者プロフィール

河野 幸子(こうの さちこ)
1976年生まれ。1999年、獨協大学法学部法律学科卒業。
東京海上火災保険株式会社を経て、現在東京海上日動リスクコンサルティング株式会社にて、苦情対応マネジメントシステム、コンプライアンスに関するコンサルティングに従事。

目次

まえがき

第1章 苦情対応マネジメントシステム
 ISO 10002とは 
1.1 苦情対応の国際規格化づくり 
 (1) ISOの規格化作業 
 (2) ISO規格化の提案へ 
 (3) 消費者保護3規格の発行へ 
 (4) 3規格の相互関係 
 (5) 品質マネジメント規格との関係 

1.2 ISO10002が要求すること 
 (1) 苦情対応マネジメントシステムとは 
 (2) 苦 情 と は 
 (3) 顧客の期待と苦情対応 
 (4) ISO10002導入の効果 
 (5) 苦情対応マネジメントシステムの導入 
 (6) ISO10002を理解するために 
 (7) ISO10002の基本事項 
 (8) 守るべき9つの基本原則 
 (9) コミットメントと方針 
 (10) 責任および権限 
 (11) 計画および設計 
 (12) 苦情対応の実施 
 (13) 維持および改善 
 (14) 苦情対応プロセスのマネジメントレビュー 
 (15) 附属書の活用 

第2章 ISO10002構築の手順 
2.1 ISOに準拠した仕組みづくり 
2.2 ISO10002に準拠した構築の手順―7つのステップ― 
ステップ1 体制を整備する 
 ポイント① 顧客接点部門を洗い出す 
 ポイント② 後方支援部門も巻き込む 
 ポイント③ トップマネジメントの関与が最も重要 
 ポイント④ 推進部門はどこが担うべきか 
 ポイント⑤ 事務局は何人必要か 
 ポイント⑥ 内部監査体制を確立する 
 ポイント⑦ ISO10002が対象とする部門とは 
 ポイント⑧ ISO10002体制全体を定義する 
 ポイント⑨ 各階層、各部門の責任と権限を定義する 
ステップ2 現状のプロセスを分析し、リスクを評価する 
 ポイント① 顧客接点部門ごとに対応フローを作成する 
 ポイント② 対応後の業務プロセスでもフローを作成する 
 ポイント③ 応答性に関わるパスを洗い出し評価する 
 ポイント④ 客観性に関わるパスを洗い出し評価する 
 ポイント⑤ その他の重要なリスクの観点を評価する 
ステップ3 モニタリングの仕組みをつくる 
 ポイント① 苦情を受けた際の報告手順を定める 
 ポイント② 受け付けた苦情と対応経過を記録する 
 ポイント③ 苦情対応結果の満足度を測定する 
 ポイント④ マネジメントシステムの活動結果を記録する 
ステップ4 苦情情報の共有、分析の方法を検討する 
 ポイント① 苦情情報を共有する 
 ポイント② 個人情報を保護する 
 ポイント③ 開示請求対応の準備を行う 
 ポイント④ 苦情情報を分析する 
 ポイント⑤ 是正・予防処置の仕組みをつくる 
ステップ5 文書体系を整備する 
 ポイント① 苦情対応方針を策定する 
 ポイント② 苦情対応手順を文書化する 
 ポイント③ モニタリングと是正予防処置の手順を策定する 
 ポイント④ マネジメントシステムの運用手順を策定する 
 ポイント⑤ マネジメントシステムの計画書を策定する 
ステップ6 内部監査とマネジメントレビューを実施する 
 ポイント① 自己点検を行う 
 ポイント② 内部監査を行う 
 ポイント③ マネジメントレビューを行う 
ステップ7 自己適合宣言を行う 
 ポイント① 適合性評価を行う 
 ポイント② 第三者機関による評価を受ける 
 ポイント③ 適合宣言書を作成し公開する 

第3章 ISO10002実践のポイント 
3.1 監視(モニタリング)と満足度調査 
 (1) 苦情対応プロセスの監視の目的 
 (2) 苦情対応プロセスの監視と改善 
 (3) 苦情内容の監視 
 (4) 満足度調査の目的 
 (5) 満足度調査の方法 
 (6) 満足度調査の対象を広げる 
3.2 自己適合宣言の方法 
 (1) ISO10002に適合したら 
 (2) どこまで達成すれば宣言できるか? 
 (3) 自己適合宣言の作用と効果 
 (4) 自己適合宣言のための規格 
 (5) 自己適合宣言の実施方法 
 (6) 不実の宣言 
3.3 内部監査の方法 
 (1) 内部監査の目的とは 
 (2) 内部監査を行う人 
 (3) 内部監査の方法 
3.4 顧客とのコミュニケーション 
 (1) 苦情受付方法・窓口の公表 
 (2) 苦情対応プロセスの公表 
 (3) 苦情対応結果の公表 
 (4) 公 表 手 段 

第4章 ISO10002導入の事例 
4.1 苦情対応マネジメントシステムに取り組む2つのタイプ 
4.2 国内における先進企業の事例 
事例1 顧客情報管理部門の設置により、会社全体が関与する苦情対応体制を構築した損害保険会社A社の例 
事例2 品質マネジメントシステムの強化として、ISO10002を導入した社会福祉法人B会の場合 
4.3 先進国(オーストラリア)の事例 
事例3 顧客対応部門を強化した電力会社C社の事例 
事例4 直接苦情を受け、サービス向上を目指す州政府機関D局の事例 

参 考 文 献
索   引

はじめに

 本書は、苦情対応マネジメントシステムに関する国際規格ISO 10002の導入・活用に向けて、その基本からマネジメントシステム構築の手順までを、7つのステップを追って解説するとともに、既に取組みを進めている国内外の先進事例を紹介するものである。

 ISO 10002は、顧客からの苦情を経営課題としてとらえ、組織全体で解決するためにどのような仕組みが必要かを示した規格である。

 規格では、
 ・顧客の立場に立って迅速に対応する
 ・人によって態度を変えず公平に対応する
 ・苦情の対象となった個人を責めるのではなく、組織として改善する
 ・苦情の根本原因を探り、再発を防止する
などの基本原則が要求される。

 これらの原則は、誰もが賛同するものではあるが、同時に組織内の一個人の努力だけでは達成し得ないものでもある。常に基本原則に則った苦情対応を行うためには、トップマネジメントの関与の下、内部部門も巻き込んだ組織全体での活動、すなわちマネジメントシステムの構築が不可欠である。

 ISO 10002は、発行から数年が経過し本格的な普及期に入りつつある。しかし残念なことに消費者を裏切るような不祥事は、相変わらず発生している。こうした背景には、消費者の苦情を軽視してきた組織の体質の問題があるといえるだろう。消費者の目が厳しい今こそ、この規格に取り組むことの重要性が増してきている。コンプライアンスの推進から顧客満足の向上まで、組織がISO 10002に取り組む動機はさまざまであるが、顧客の声を経営に取り込むためには、ISO 10002は非常に有効である。多くの組織が、ISO 10002を活用し、より顧客の声に耳を傾けるようになることを願ってやまない。

2008年3月
著 者 一 同 

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