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英語でKaizen!トヨタ生産方式
―第2版―

定価(税込)  1,980円

著者
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サイズ B5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-06015-1
コード C3034
発行月 2008年01月
ジャンル 生産管理

内容

トヨタ生産方式(TPS)に精通した著者が、トヨタ初の外国人正社員でトヨタの海外展開の創成期においてTPS推進に大いに貢献したジョン・シュック氏の協力を得て、実際の会話や正式な資料作成などにも活用できる細かい表現の違いを解説。第1版の英語表現を見直し、ブラッシュアップするとともに、現場で使えるプリント教材を新たに加えた。

成沢俊子  著者プロフィール

1983年~2002年NECに勤務。金融庁勤務を経て、PEC産業教育センターにて改善を研究。人間環境大学非常勤講師。"Learning to See"「トヨタ生産方式にもとづく『モノ』と『情報』の流れ図で現場の見方を変えよう!!」(2001)、"Creating Level Pull"「トヨタ生産方式にもとづく『ちょろ引き』で生産管理を改革しよう!!」(2006)(ともに日刊工業新聞社)の翻訳者。

目次

はじめに(成沢俊子)Introduction

Chapter1
初めて学ぶトヨタ生産方式
Let's Learn TPS
[ 1 ] ムダとは? What is Waste?
[ 2 ] トヨタ生産方式とは? What is TPS?
[ 3 ] TPSが人と設備に求めるもの TPS puts People and Machines together!

Chapter2
ジャスト・イン・タイム
Just-in-Time with Flow, Pull and Heijunka
[ 1 ] ジャスト・イン・タイム What is Just-in-Time?
[ 2 ] 流れ化 What is Continuous Flow?
[ 3 ] 後工程引き取り Do Not Push Anything, Anywhere, at Any Time.
[ 4 ] モノの置き方 Placing Things to Eliminate Waste
[ 5 ] かんばん What is Kanban?
[ 6 ] 平準化 What is Heijunka?
[ 7 ] ペースメーカー What is a Pacemaker?

Chapter3
自働化と設備改善
Jidoka and Machines
[ 1 ] 自働化 What is Jidoka?
[ 2 ] 稼働率と可動率 Operating Rate vs. Operational Availability
[ 3 ] 段取り改善 Setup Reduction
[ 4 ] 人と機械の仕事を分ける Separating Human Work and Machine Work

Chapter4
工程の安定化
Process Stability
[ 1 ] 自工程品質保証 What is Zone Control?
[ 2 ] 標準作業 What is Standardized Work?
[ 3 ] 目で見る管理 Visual Management―How to manage visually

Chapter5
改善に終わりなし
The Lean Journey
[ 1 ] 限量経営―人と設備―
Genryou Management―Labor Linearity and Capital Linearity―
[ 2 ] 全員参加―実践会、創意くふう提案制度―
Employee Involvement―Practical Kaizen Training & Suggestion Programs
[ 3 ] わたしたちの改善
Develop Your Own Kaizen Guidelines!

付録-1
改善フォーム集
Forms
[ 1 ] 生産管理板 Production Analysis Board
[ 2 ] 作業分析シート Process Study Sheet
[ 3 ] 作業者バランスチャート Operator Balance Chart
[ 4 ] 標準作業 1:工程別能力表 Standardized Work 1:Process Capacity Sheet
[ 5 ] 標準作業 2:標準作業組み合わせ票
Standardized Work 2:Standardized Work Combination Table
[ 6 ] 標準作業 3:標準作業票 Standardized Work 3:Standardized Work Chart
[ 7 ] 標準作業 4:標準作業指導書 Standardized Work 4:Job Instruction Sheet
[ 8 ] スキル管理板 Skills Training Matrix


付録-2
プリント教材
Training Materials
発想の転換、3つ … Three Key Changes in Thinking
[ 1 ] 利益とは? ~原価主義からの脱却~ How do you make a profit?
[ 2 ] 「能率」とは? What is your philosophy of efficiency?
[ 3 ] つくり過ぎが最も悪いムダ! Overproduction:The worst form of waste!

改善の原則、4つ … Four Key Principles to Pursue Kaizen
リードタイム、工数、設備、製造不良を限りなくゼロに近づけよう!
Lead time, manpower, machines and defects are to be pursued down to "zero"
[ 1 ] リードタイム短縮は、加工時間よりも停滞時間に目を向ける!
Lead time:Focus your eyes on stagnating time rather than processing time!
[ 2 ] 工数削減のポイントは、動きと働きの違いに注目!
Manpower:Distinguish value-creating work from just moving!
[ 3 ] 設備改善の前にまず工程改善、作業改善!
Machines:Do Flow and Motion Kaizen before Machine Kaizen!
[ 4 ] 「つくったところですぐ検査!」が製造不良ゼロへの道!
Quality:Inspect products one-by-one immediately at the source process!

ワードリスト&索引
Word List & Index

日本語索引 Index in Japanese
英語索引 Index in English

読者の皆さんへ―あとがきに代えて(成沢俊子、ジョン・シュック)Postscript
参考文献 Bibliography
著者紹介 About the Authors

はじめに

Introduction to the Second Edition

In the spirit of continuous kaizen, we are pleased to introduce this second edition of Kaizen Express. In addition to numerous small improvements, we have added a new section of simple, easy-to-use training materials as Appendix-2. We look forward to your feedback - as you continue your own kaizen journey, we will do the same with Kaizen Express!


T. Narusawa and J. Shook,
February, 2008

第2版の発行にあたり

継続的改善の精神に則り、「英語でkaizen! トヨタ生産方式」(英語名:Kaizen Express)の第2版を皆さんにお届けすることができるのは幸いです。今回の改版では、多くの細かい改善点に加え、簡潔で使いやすい教材を付録―2として追加しました。読者の皆さんからのフィードバックをいただければ幸いです。皆さんが皆さん自身の改善の旅を続けるのと同じように、私たちもまた本書の改善を続けたいと願っています。

成沢俊子、ジョン・シュック
2008年1月


本書は、月刊誌「工場管理」の連載「なんて言えばいいの? KAIZEN」(2005年10月号~2007年5月号)をもとにまとめたものです。単行本化に際し、John Shook氏より幅広く深い助言を得ました。本書はLean Enterprise Institute(LEI)の研究成果から多くを引用して成り立っています。本書出版にあたり、LEIの創立者でありチェアマンであるWomack博士に深く感謝申し上げます。
海外工場の人々に改善を伝える仕事に初めて出会ったのは、1990年代半ばのことでした。当然のように自身の英語力不足を痛感する日々でしたが、同時に、単に英語にするだけでは伝えきれない何かがあることにも気づいていました。時を経て、2005年の秋から再び中国と東南アジアの工場を頻繁に訪れる機会を得た私は、海外工場で改善を教えなければならない日本の製造業の人々がずいぶんたくさんいることを知るようになりました。今日、日本の大きな企業にとって、海外生産は当たり前と言えるくらいになっており(すでに空洞化の議論を越え、所与の条件になっているとさえ言えるかもしれません)、またそれゆえ、海外工場の生産性向上は日本人にとっても重要な課題です。低賃金の労働力という見方だけで海外生産をとらえているなら、早晩行き詰ってしまうでしょう。加えて、人・モノ・エネルギーのムダ遣いを世界的規模で改善すべきであることは論を俟たないはずです。
Shook氏の手になる"Learning to See1)"を翻訳して以来、多くの方から「英語のよい教材を教えて」とたずねられ、LEIのワークブックシリーズや用語集2)を紹介してきましたが、「やはり英語だけでは使いにくい」というのが筆者を含む普通の日本人の本音でもありました。「工場管理」編集長の矢島氏(当時)から連載のお話をいただいた時、このような内容なら多くの人の役に立つのではと考えたのは上述の経験からです。本書の構成は、海外工場で「座学+実践」のセッションを何回かに分けて行う場合の対訳教材として、そのまま使えるように考えました。読者の皆さんは、国内の工場で、おそらく同じような構成のトレーニングを経験されているものと想像していましたが、海外でもそれをやってみたいと考える人が予想以上に多いことを連載中に知り、本書では生産管理板をはじめとする基本的なフォームのいくつかを追加しました。
連載中、構成・内容ともに、海外の改善の仲間と交わした会話から多くの着想を得ました。彼らとの対話なしには、この連載を続けることはできなかったでしょう。ちょうど連載期間と重なるこの間、一緒に改善に取り組んでくれた海外工場の皆さん、その機会を与えてくださった企業の皆さんに、この場をお借りして御礼申し上げます。もとより、海外工場で改善を学ぶ機会を下さったのはPEC産業教育センター所長の山田日登志先生です。トヨタ生産方式をどのように学ぶかについて、長い間ご指導いただいてきましたこと、深く感謝申し上げます。
日刊工業新聞社出版局「工場管理」編集長の矢島俊克氏、平井瑛子氏には連載開始から現在まで、多くの励ましをいただきました。本書の出版は、同局書籍編集部長・奥村功氏、同部・加藤真澄氏のお力によるものです。本書の出版に関わって下さった皆様方に、改めて御礼申し上げます。
ところで、トヨタ生産方式に学び、それを海外に持って行くということに関心のある方なら、トヨタ自動車の皆さんがどのようにそれを実行されたのかについても深い興味を抱いているはずです。筆者もその一人です。トヨタ生産方式の海外への伝播を追ううちに"Learning to See"と出会い、Shook氏を知るようになった筆者は彼を通して、1980年代前半からトヨタが気の遠くなるような努力を傾けて北米へ出て行ったことを知り、トヨタに対し改めて深い尊敬の念を抱くようになりました。Shook氏は80年代前半にトヨタ本社が正規社員として雇用した最初の(当時は唯一の)外国人でした。後に彼はトヨタ本社初の米国人管理職ともなるのですが、それはまさにNUMMI3)の設立準備からケンタッキーへの本格進出の時期であり、後の世界展開の礎を築いた期間でもありました。この間、「トヨタのやり方」を米国へ(そしてその他の国々へ)持って行くために彼が果した役割は非常に大きかったと想像します(Womack博士や、後のLiker教授他の研究に大きな影響を与えたことでも彼はよく知られています)。本書で紹介したトヨタ生産方式の英語表現のほとんどはShook氏とその仲間が続けてきた実践と考察に依拠しており、後学の徒として深い感謝を捧げるものです。もちろん英語表現のみならず彼らの実践自体も実に興味深く、筆者も多くを学んできました。しかしそれ以上に、Shook氏を最初に雇用したトヨタ人事部の慧眼、さらには、まず優秀なアメリカ人をトヨタ本社で採用しなければならないと考えたトップマネジメントこそ、おそるべしと言わねばならないでしょう。「トヨタのやり方」からすれば、当然の方針であり行動であったのかもしれません。そのもとをたどれば、やはり「トヨタのやり方」が人を基盤として成り立っていること、今も昔も一貫して人を尊重することをとても大切にしているということに行き着くのだろうと考えます。
筆者自身も含め、一般に、日本人は心のなかで人の気持ちを思いやることはできても、それを表に出すことは得意ではありません。「オープン・マインド」について、私たちは外国の人々から学ぶべきことがもっとあるように思うのです。海外工場での改善活動は、それを学ぶ得難いチャンスでもあるでしょう。本書が海外工場で改善を進めようとする読者の皆さんのお役に立てるのなら、とてもうれしいことです。皆さんの活動が、より楽しく、実りあるものでありますように!

2007年7月
成沢 俊子


1. Learning to See: LEI,1998, 邦訳「トヨタ生産方式にもとづく『モノ』と『情報』の流れ図で現場の見方を変えよう!!」(日刊工業新聞社)
2. 用語集:Lean Lexicon (LEI, Version 3.0, September 2006)
3. NUMMI: New United Motor Manufacturing, Inc. トヨタ自動車とGMの合弁による自動車製造会社。1984年設立。在カリフォルニア州。

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