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絵とき「塑性加工」基礎のきそ

定価(税込)  1,980円

著者
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サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-06007-6
コード C3053
発行月 2008年02月
ジャンル 機械

内容

塑性加工とは、金属に物理的な力を加えて変形させる加工のことで、金属加工の基本中の基本。プレス加工や板金加工、押出し、圧延などさまざまな加工法を事例を交えてわかりやすく解説。初心者はもとよりモノづくりに関心のある者向けの絶好の入門書。

町田輝史  著者プロフィール

1963年 室蘭工業大学工学部卒業
 富士製鐵(株)のち新日本製鐵(株) 技術員
1972年 東京大学生産技術研究所 研究嘱託
1974年 玉川大学工学部 講師のち助教授、教授
1977年 工学博士(東京大学)
2006年 葉月温心・材料加工ミッション主宰
 日本工業大学 教授
 国立大学法人・室蘭工業大学 客員教授
専 攻:材料加工学、技術者養育成システム。
著 書:分かりやすい材料強さ学(オーム社)、技術リポート上達法(大河出版)、接合―技術の全容と可能性―(編著、コロナ社)など。

古閑伸裕  著者プロフィール

1978年 日本工業大学に勤務、現在に至る
 教授、博士(工学)
著 書:プレス打抜き加工、塑性加工便覧、塑性加工要覧、塑性加工入門、マグネシウム加工技術、教育用塑性加工3D動画(CD)
受 賞:型技術協会技術賞
 日本マグネシウム協会技術功労賞
 日本塑性加工学会教育賞

目次

はじめに

第1章 塑性加工とは
1―1 成形加工技術のいろいろ
1―2 塑性加工法の分類
1―3 塑性加工の主な特長

第2章 塑性加工の力と変形
2―1 力と変形の表現 
2―2 引張試験 
2―3 真応力と真ひずみ 
2―4 加工硬化と塑性異方性 
2―5 いろいろな方向から同時に力がかかる場合の取り扱い 
2―6 加工度の表現 
2―7 加工温度による加工の分類 

第3章 塑性加工機械と金型
3―1 プレス機械 
3―2 金型 

第4章 圧延
4―1 圧延の原理 
4―2 板の圧延 
4―3 棒線、形、管(パイプ)の圧延 

第5章 鍛造
5―1 鍛造とは 
5―2 鍛造機と鍛造加工力 
5―3 金型と潤滑剤 
5―4 熱間鍛造 
5―5 冷間鍛造 
5―6 回転鍛造 
5―7 粉末鍛造 

第6章 押出し
6―1 押出しとは 
6―2 押出しの様式 
6―3 押出しの変形 

第7章 引抜き
7―1 引抜きとは 
7―2 引抜きの様式 
7―3 条線の加工 

第8章 板材および管の加工
8―1 板やパイプの成形加工とは 
8―2 板やパイプのプレス加工法 
8―3 板やパイプの専用機による成形 

第9章 塑性を用いる接合・複合
9―1 接合・複合とは 
9―2 接合に用いられる変形挙動 
9―3 変形流動を利用した接合・複合 

第10章 基礎塑性学(補遺)
10―1 真応力と真ひずみの定義
10―2 真応力、真ひずみ、公称応力、公称ひずみの関係 
10―3 応力―ひずみ曲線と塑性ヒステリシス 
10―4 降伏条件の意味 
10―5 相当応力と相当ひずみ 
10―6 ひずみ速度 
10―7 応力―ひずみ曲線の近似形および塑性仕事 
10―8 塑性異方性 
10―9 力学的挙動への2、3の影響因子 

索引

はじめに

 ほんとうに高い山は、すそ野が広いものです。富士山は、ひところ日本の代名詞にもなった、秀麗な日本最高峰の山ですが、その裾野は静岡県と山梨県に広く及んでいます。広さが高さをつくるのでしょう。
 加工とは、一言でいえば、“もの”の形を変えて“新たなもの”を作る作業です。ものとは材料や素材で、新たなものとは製品や部品です。工業製品は、芸術品と違って、たいてい同じものをたくさん作りますから、もっとも楽に所望の形を得たほうがよいはずです。楽にというのは、お金、時間、手間をかけずに……というような意味です。
 このとき、幅広く物事を知っていたほうが、それだけ楽な道を選択する幅が広がるので有利になります。つまり、さまざまな加工法を知っておいたほうがよいということです。モノづくり業では、溶かして型に流し込んで作ろうか、削って形を整えようか、変形させようか、変形するにしてもどの手でいこうか……などと、いつも計画段階で、頭の中でまず取捨選択します。
 ちょうど登山で頂上を極めるのに、誰とご一緒しようか、どのように近づき、どのルートをとろうか、どこで休みを取ろうか……などと、考えるのに似ています。計画は、もっとも楽しい時かもしれませんね。
 絵ときシリーズの中で刊行される本書「塑性加工基礎のきそ」は、“もの”を変形することによって“新しいもの”にする加工法の手引きです。形を変える方法のうち、主に金属に力を加えて変形する加工法、塑性加工について、さまざまな手法とそれを取り扱うに必要な基礎知識を紹介することにしました。なるべく楽に読めるようにと心がけました。
 これを通読することで、学生やモノづくり関係者など初心者はこの世界をだいたい理解できるでしょう。興味が出たら、上級書や固有技術書でもっと詳しく知るとよいでしょう。また、加工の専門技術者であっても、技術知識を整理したり、別の楽な作り方を考える素材に使えるでしょう。裾野の広がりが、読者の本当に高い山を出現させる一助になるように期待します。比較的わかりやすい実践的技術であるとしても、不正確に陥らずに、なるべく平易に必要事項を書き表そうとして苦労した著者たちの心からの願いです。
 著者たちは脱稿の今、すこし安らぎを覚えながら、執筆のきっかけと終始変わらぬ励ましをくださった日刊工業新聞社出版局・野崎伸一さんに最大に感謝します。この素晴らしい絵とき加工法シリーズ企画の成功に、本書がいくぶんでも貢献できれば……と念願して筆を擱きます。

 2007年12月  町田輝史 古閑伸裕 

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