現在在庫がありません

今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい触媒の本

定価(税込)  1,540円

編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05811-0
コード C3034
発行月 2007年02月
ジャンル ビジネス 化学

内容

触媒の基本的なしくみや種類から、エネルギー環境分野・グリーンケミストリーへの応用までをやさしく解説。

項目 触媒って何だろう 触媒は何からできているの 意外な触媒の利用法 グリーンケミストリーと触媒 ほか

目次

第1章

触媒って何だろう





1 そもそも触媒って何だろう?「触媒の意味」

2 触媒はいつからあるの?「触媒の発見と歴史」

3 大気汚染防止は触媒が主役「環境保全に貢献する触媒」

4 触媒が作り出す多様な材料「もの作りに活躍する触媒」

5 酵素は自然が作った絶妙の触媒「生命活動になくてはならない触媒」

6 元素の手の数が化学反応のヒント「触媒のための化学反応入門」

7 化学結合の組み換えを促進する「触媒の働き」

8 触媒が活躍するための3つの要素「活性・選択性・寿命」

9 活性はどうして決まるか?「反応速度と活性点」

10 選択性はどうして決まるか?「触媒作用機構」

11 寿命はどうして決まるか?「一時被毒と永久被毒」

12 触媒に触れなければ反応できない「吸着と配位」









第2章

触媒はどんな形をしているか





13 溶けて働く触媒と溶けずに働く触媒「均一系触媒と不均一系触媒」

14 酸性、アルカリ性の溶液が触媒になる「均一系酸・塩基触媒」

15 表面が酸性を示す固体の触媒「何度でも使える固体酸」

16 規則正しい孔が反応を制御する「ゼオライト触媒」

17 高価な貴金属が触媒に「水素分子や酸素分子を活性化させる金属触媒」

18 1gで体育館分の面積を持つ粉「触媒担体と担持金属触媒」

19 金属の酸化物に酸素が出入りする「酸素分子を活性化する酸化物触媒」

20 有機溶媒に溶けて働く金属「精密な反応が得意な錯体触媒」

21 鍵と鍵穴で反応を厳密制御する「生物が作る酵素触媒」

22 触媒反応が進む現場を見る「触媒の表面を電子顕微鏡で拡大」









第3章

エネルギー・環境と触媒





23 環境破壊を未然に防ぐ触媒「硫黄や窒素を取り除く水素化脱硫」

24 石油から水素ができる!「スチームリフォーミング」

25 重質油をガソリンに変換させる「石油の品位を高める接触分解」

26 砂状触媒が効率よく循環する「流動接触分解」

27 1人2役の接触改質「高オクタン価ガソリン基材と水素の製造」

28 窒素酸化物を無害化する公害防止技術「日本発の排煙脱硝」

29 有害3成分を一挙に除去する触媒「厳しい条件をクリアした自動車三元触媒」

30 炎の出ないクリーンな燃焼「有害物質除去と暖房に活躍」

31 触媒反応で発電する燃料電池「キーとなる電極触媒」

32 触媒の力で高品位液体燃料に転換「多様な石油代替エネルギー」









第4章

触媒を駆使する化学産業





33 化学産業は働き者の「縁の下の力持ち」「携帯電話を解剖して分かること」

34 食料危機を救った触媒「空気中の窒素からアンモニアを合成」

35 資源の制約を脱却した硝酸製造「アンモニアからの硝酸合成プロセス」

36 化学工業の変遷と触媒の活躍「石炭化学から石油化学へ」

37 化学プロセスにも無触媒反応がある「ナフサの熱分解反応」

38 水素化は化学プロセスの基本反応「水素ガスを反応させる金属触媒」

39 「高圧法」ポリエチレンの製造「ラジカルの連鎖を引き起こす触媒」

40 高品質のポリマーの合成「重合法を飛躍させたチーグラー触媒」

41 空気中の酸素を原料にする業「部分酸化はピンポイント反応法」

42 炭素結合を増やして基礎原料を多様化「ベンゼン環に枝をつけるアルキル化」

43 水によって起こる化学反応「水和と脱水」

44 有毒ガスを有用物質に変える「メタノールと一酸化炭素で酢酸を作る」

45 高機能物質の合成に活躍する触媒「ファインケミカルズの合成」

46 使われた触媒はどうなるの「触媒の回収・リサイクル」









第5章

グリーンケミストリーと触媒





47 グリーンケミストリーとは「環境にやさしい21世紀の化学」

48 触媒の進化で製法がシンプルになる「ポリプロピレン製造プロセスの変遷」

49 プロセスに塩素を使わないクリーンな触媒「エチレンオキシド」

50 燃料ガスを直接原料に「ブタン法無水マレイン酸」

51 青酸を使わない日本発の触媒技術「イソブチレン直酸法によるメタクリル酸合成」

52 過酸化水素を原料とするクリーンな合成「プロピレンオキシドとオキシム」

53 65年目に実現したグリーンプロセス「ナイロン製造のためのゼオライト触媒」

54 欲しいものだけを作るバイオ法「アクリルアミドの合成」

55 廃棄物を資源に変える「循環型社会と触媒」









第6章

意外な触媒の利用





56 家電製品でも触媒が活躍「身近に利用される触媒燃焼技術」

57 ジェット機の秘密「オゾン分解触媒」

58 植物ホルモンを除去するしくみ「果物、野菜の鮮度保持」

59 光が触媒作用を生み出す「用途が広がる光触媒」

60 水をきれいにする触媒「汚染物質を分解する」

61 触媒でメンテフリーに「触媒栓式蓄電池」

62 宇宙で活躍する触媒技術「人工衛星姿勢制御」









第7章

ノーベル賞と触媒





63 右手化合物と左手化合物を作り分ける「不斉水素化反応」

64 酸化反応でも不斉反応「シャープレス酸化」

65 不思議なオレフィンの再編成「オレフィンメタセシス」

66 100%硫酸よりも強い超強酸「炭化水素の反応に新たな展開」

67 オゾン層の破壊を警告「フロンがオゾン分解触媒に」



【コラム】

●「負触媒」はあるか いつのまにか死語に

●触媒の研究開発と実用化 その長い道のり

●環境保全用触媒が大幅に拡大 触媒出荷統計

●新しい酸化触媒発明のエピソード 瓢箪から駒のアンモ酸化触媒

●夢の触媒 持続的発展のために

●触媒がセンサーになる ガス検知から血液検査まで



●元素の周期律表(元素索引)

●参考書

●索引

●奥付

はじめに

触媒は人々の生活を支える上で非常に重要な役割を果たしている物質です。また変化に富んでいて大変面白い物質でもあります。しかしながらそれが働いている現場は分子の世界なので、小さくて目で見ることができません。それを見てきたように説明しようというのがこの本です。



一体、触媒とはどのような物質で、どのような役割をしているのでしょうか?化学の教科書では「反応物質よりも相対的に少量で、反応速度を促進させ、それ自身は反応中消費されない物質」と定義されています。読者の皆さんはこのような説明だけでは、ほとんど理解していただけないと思います。近代社会にあっては化学技術の黒子のような?触媒?が、優れた性能を持つ多くの製品の供給をも可能とし、また、環境を保全する技術の中心的な役割を担い、人々の健康で豊かな生活をもたらしているのです。



化学技術によって、量的に大きなプラスチックや合成繊維、あるいは、量的にはこれらに及ばなくても精密な合成技術を必要とする、医薬、農薬、染料、洗剤、塗料、接着剤など、人類にとってもはや欠くことができない物質が次々と新しく合成されてきました。これらの技術はすべて触媒技術に関連しているといわれています。



化学技術はこのほかエネルギー分野でも重要な役割を果たしています。性能が高く環境にやさしい燃料を供給するためのプロセスには必ず触媒技術が組み込まれています。また触媒は自動車の排ガスを浄化するなど、大気環境保全の立役者でもあります。



触媒の面白いところは、不可能と思われていたことを可能にする化学の不思議です。今後、資源問題、地球環境問題に関係した課題の解決にも触媒が重要な役割を果たすでしょう。このことからも多くの方々に興味を持っていただきたいと思います。



本書は多くの触媒学会の会員が原稿を執筆し、編集委員会が加筆訂正したもので、内容についての責任は編集委員会にあります。化学が専門でない方でも理解いただけるよう、イラストを入れながら、できる限り平易に記述したつもりです。また、企画と編集に当たっては日刊工業新聞社、出版局書籍編集部に大変お世話になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。



平成19年2月



触媒学会「トコトンやさしい触媒の本」編集委員会

委員長 瀬川幸一

現在在庫がありません