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Q&Aでわかる リスクベース設計のポイント
―安全設計の手引き―

定価(税込)  2,420円

著者
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サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-05645-1
コード C3053
発行月 2006年03月
ジャンル 機械

内容

本書では、場当たり的な安全対策ではなく、当初段階で予想されるリスクをしっかりと見積もり、そこから必要な対策のみを立てていく設計の考え方と方法について具体的な実例を交えて、Q&Aによりわかりやすく解説した入門書。的外れな安全対策や非効率な安全対策を廃し、より本質的な安全の作りこみを目指す。

野田尚昭  著者プロフィール

1984年 九州大学大学院機械工学専攻博士課程修了
同 年 九州工業大学講師
1985年 米国リーハイ大学客員研究員
1987年 九州工業大学助教授
2003年 九州工業大学教授
現職  九州工業大学教授
著書  「Stress Intensity Factors Handbook」Vol. 4 & Vol. 5, Elsevier $ Society of Material Science, Japan(共著)
「人と職場の安全工学」,§(社)日本プラントメンテナンス協会(共著)

堀田源治  著者プロフィール

1979年 九州工業大学 第2部機械工学科卒
同 年 日本国有鉄道九州支社(現JR九州)入社
1985年 (株)メイテック
1995年 (株)日鉄エレックス
現職  (株)日鉄エレックス 技術管理部 機械技術グループ 部長代理
九州工業大学非常勤講師・大分大学非常勤講師/技術士(機械部門)
著書  「人と職場の安全工学」,§(社)日本プラントメンテナンス協会(共著)
「いまの時代の技術者倫理」,(社)日本プラントメンテナンス協会

目次

まえがき

第1章 リスクベースの安全設計
Q1 なぜ安全設計が必要なのか,そもそも設計者が安全を考える必要があるのか
Q2 リスクベース設計とはなにか,またなぜそれが必要か
Q3 リスクアセスメントとはなにか,またどう設定するか
Q4 本質安全化とはなにか,またどのようにすればよいか
Q5 安全性を定量化できるか,またどう設計に反映していくか

第2章 リスクベース設計とリスクアセスメント
Q6 リスクベース設計はPL対策に役立つか
Q7 リスクベース設計に必要なリスク抽出の基準とはなにか.公的に認められる根拠はあるのか
Q8 リスク抽出は具体的にどのように行うか
Q9 ISO13849に基づくリスク評価はどのように行うか
Q10 リスクのレベルに応じた安全対策のレベルとはなにか
事例 食品用粉体攪拌機のリスクアセスメント事例

第3章 安全対策カテゴリとフェールセーフ
Q11 安全対策のレベル(安全対策カテゴリ)はなぜ必要か
Q12 安全対策カテゴリの一つである危険検出システムや安全検出システムとはどんなものか
Q13 安全対策カテゴリごとの対策内容とはどんなものか
Q14 安全対策カテゴリ4の連続的チェックとはどんなしくみか
Q15 安全対策カテゴリ3,4の具体的事例はどうなるか
Q16 安全装置の機能保障はどう実現するか
Q17 リスクベース設計の根幹であるフェールセーフ設計とはなにか
Q18 フェールセーフ設計の具体例にはどんなものがあるか

第4章 本質安全と安全率
Q19 本質安全=絶対的安全か
Q20 安全対策カテゴリ4を満たす安全装置を利用すれば本質安全が実現するか
Q21 設計においては,本質安全を実現するにはどうすればよいか
Q22 機械装置の安全率はその装置のどの部位の安全率を指すか
Q23 安全率と信頼性の関係はどうなっているか
Q24 信頼性向上に安全率を使いさえすれば,合理的に安全設計が成り立つか

第5章 危険回避と国際安全規格
Q25 安全装置を適切に使えば安全設計は必要ないか
Q26 安全装置を取り付けるとリスクが拡散するとはどういうことか
Q27 国際安全規格とはなにか,またどんな特徴があるか
Q28 国際安全規格では誤操作にどう対処しているか

第6章 人間工学とアクセシブルデザイン
Q29 機械装置の危険区域を隔離するとき,その隔離寸法はどんな基準で定めるか
Q30 設計基準となる最小必要隔離寸法はあるか
Q31 多様な誤操作が考えられるにもかかわらず,本質安全化は可能か
Q32 年齢・性別などさまざまな作業者に対応したリスクアセスメント策定は可能か
Q33 アクセシブルデザインとはなにか.リスクベース設計とどう関係しているのか
Q34 アクセシブルデザインは具体的にどうすればよいか

第7章 環境適合性とライフサイクルセーフティ
Q35 環境安全と安全設計はどう関係するか
Q36 環境安全を設計に反映するにはどのような項目に配慮すべきか
Q37 産業用自動化機のリサイクル性に配慮するにはどうすればよいか
Q38 材料の安全性をどう考えるか.また設計時にどこまで配慮すればよいか

第8章 設計リスク管理と信頼性・安全性
Q39 信頼性と安全性とはどんな関係か
Q40 安全装置の信頼性は機械装置自体の安全性にどう関わるか
Q41 機械装置・安全装置が故障しても災害にならないようにするにはどうすればよいか
Q42 信頼性ブロック線図とはなにか
Q43 安全装置をさらに付加すれば安全は確保されるか
Q44 安全装置さえ故障しなければ本当に安全か
Q45 そもそも設計方針そのものが間違っていないかをいつチェックするのか
Q46 システム安全工学とはなにか
Q47 信頼性解析技法とはなにか,安全性まで解析できるのか

第9章 実際の機械設備の安全対策
実例1 ねじの緩みの安全対策
Q48 すべてを考慮するリスクベース設計は現実的なのか
Q49 実際にリスク範囲と大きさを絞るのは困難ではないのか
Q50 ねじの緩みにまつわるリスクにはどんなものが考えられるか
Q51 ねじの緩みの原因はどう考えられるか
Q52 ねじ緩み防止の具体的方策はどうすればよいか
実例2 ガスケットレスフランジの安全対策
Q53 実際の食品製造装置の配管を例にとったリスクアセスメントでは,どんな検討がなされるのか
Q54 ガスケットの損傷リスクが大きいと結論されたが,これの本質安全化はどのようになされるか
Q55 本質安全化の結果,ガスケットレスフランジが検討されたが,これはサニタリー管にも採用できるか

あとがき
索  引

はじめに

経済のグローバル化と自由化の中で人命尊重と環境保全による安全社会の実現が世界的潮流となっている.わが国においても原発や食品に関する不祥事,連続的な爆発・火災事故などを通して,国民のもっとも望む安全・安心がおびやかされるようになってきた.
 近年,東京・六本木ヒルズで発生した回転ドアによる男児の死亡事故,公園の遊具での子供の指切断事故,三菱ふそう製トラックのタイヤの脱輪事故など重大な結果を招いた事故が相次いで発生している.中でも,2002年に発生したトラックから脱輪したタイヤの直撃によって主婦が死亡した事件は世間の安全技術に関する不安感を募らせ,設計段階における安全への取組み姿勢が大きくクローズアップされる契機となった.
 最近の厳しい経営環境にあって,事故・災害の発生は信用失墜につながり,企業の経営基盤を揺るがす.いまや安全は消費者の信頼を確保するための経営上の重大戦略となっているのである.一方,製品の安全性は設計の段階でほぼ決まるといっても過言ではない.技術者は,自らが設計した機械や製品に対して安全性に責任がもてる設計方法を構築していくことが必須になりつつある.
 このような中で,新しい安全設計手法としてリスクベース設計が提唱されている.リスクベース設計とは,従来の安全設計が先ず構造ありきで,その構造が防ぎ得るリスクのみを回避するのと異なり,先ずリスクありきで,そのリスクの評価に応じた構造を設計するという特徴を持つ.さらにリスクベース設計が目指すものは,製品のライフサイクルに渡り,その製品に係わる全ての人を対象とする安全である.
 本書では,このような新しい視点での安全設計に必要な概念と特徴,手引きや資料となる法規・規格類に関して説明するとともに,リスクベース設計の具体例などについて,現場で直面することの多いテーマを取り上げ,解決策を紹介する.
2006年3月 著者

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