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放電加工にかけた夢
―ソディック30年の軌跡―

定価(税込)  1,650円

著者
サイズ 四六判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-05444-0
コード C3034
発行月 2005年03月
ジャンル 経営

内容

日本の放電加工をリードする企業の一つ「ソディック」の30年の歴史を、創立から今日まで苦楽をともにしてきた創業者古川利彦(現名誉会長)がつづる企業発展の軌跡。顧客満足と技能開発にかけた同社が急成長の様子が生でわかる貴重な経営書。

目次

目 次 放電加工にかけた夢

――ソディック30年の軌跡



第1章 ソディックとは何か――創業までの系譜

ソディック創業前夜

そのころの私は

実用技術開発にかける

ジャパックスで打ち込んだ放電加工技術の開発

神様からの贈り物 電極無消耗回路の発明

ライバルに採用された電極無消耗回路

ジャパックスもようやくゴーサイン



第2章 ソディック――誕生と苦難と――

石油ショックがもたらした転機

分離・独立の決断

創立と社名の由来

歩みはじめたソディック

設立の苦難とプライドの狭間で

(株)牧野フライス製作所との業務提携

本当の独立

厳しかった資金繰り

社運をかけたNC放電加工機の開発

最大のピンチ

信用につながった住友銀行との取引開始



第3章 成長軌道へ――業容拡大と主力工場の建設

業容拡大と製造新拠点の確立

うれしい誤算「工場増設」

売上高も急拡大

社員の大移動



第4章 急成長のなかの東京証券取引所二部市場上場

一人一月一件の特許出願

ベンチャーキャピタルからも関心が・・・・

新技術開発ラッシュ

福井工場 第三期増設へ

創業一〇年で東証二部市場に上場

上場に財務部門が大活躍

加賀にも工場進出

FMS化した加賀工場



第5章 海外拠点づくりとタイへの進出

円高を契機に海外進出を検討

猛反対されたタイへの工場建設

部品も現地生産

タイ工場品質戦争

ついに達成したリニア機一万台生産



第6章 ジャパックスへの資本参加

顧客第一主義か、メーカ主導か

第二回石油ショックとジャパックスの不振

ジャパックスに資本参加



第7章 グローバル展開へ――中国・欧州にも拠点づくり

新興市場・中国に注目

契機になった上海交通大学との合弁

蘇州放電加工研究所との合弁

北京には販社を設立

友好的合弁解消で相互自立

グローバル化でリスク分散

EMOショー出展と欧州拠点の開拓

シカゴショーにも・・・・



第8章 経営多角化と分社化戦略

放電加工技術を生かした経営多角化

セラミック技術を事業化――ソディックニューマテリアル社の設立

NC開発にも参入

リニアモータの開発

NC技術を基盤に射出成形事業に参入

切削系の工作機械事業にも参入

ナノマシン事業と電子ビーム事業を立ち上げへ

消耗品販売事業会社「KHS」

メンテナンス子会社「J&S」を設立

精密金型とCAD/CAM事業

ソディックハイテック設立で子会社の管理機能強化



第9章 ソディックを支える頭脳と社内体制

放電加工技術と特許戦略

特許公開は最大の武器

研究者個人が特許出願

月一回の技術者会議が成果発表の場に

裏方を支えた総務部門



終 章 ソディックはどこへ行く

――こだわりの「顧客視点の事業展開」



付 章 談「ソディック30年を語る」



資 料 編

会社概要

ソディック事業の沿革

ソディック連結子会社

はじめに

は じ め に

人生には何度か転機が訪れる。転機は、努力した者にも努力しない者にも等しく訪れるが、それをつかむことができるのは努力した者のみだと思う。私自身がそうであった。また、ソディックの現経営陣や若い社員を見ていてもそのように感じる。

私は、二十歳のころ、それまで働いていたバイクの修理工場を辞め、放電加工機メーカのジャパックスに入社した。昼夜を問わず研究開発に没頭した結果、三次元加工に欠かせない電極無消耗回路を発明することができた。この発明は偶然だった。

ジャパックスから独立し、ソディックを創業したころ、資金繰りの問題に直面した。技術開発には絶対の自信があったが、資金が続かなければ事業は成り立たない。このときにも、ベンチャー企業に理解のある方に巡り会うことができた。以降、ソディックが事業拡大をするうえでの理解者となってくれた。

私が下した経営判断はすべて適切だったわけではない。日本経済は、高度経済成長の波に乗り、奇跡的な成長を遂げた。こうした外部環境が事業拡大を支えてきたことも大きい。

しかし、ソディック成長の源泉は「お客さまと一緒に考え、お客さまに役立つものを提供する」という考え方を基盤にする。お客さまを第一に考え、一心不乱に努力したからこそ、偶然の発明、理解者との出会い、などの転機をつかむことができた。

日本における放電加工の歴史は、井上潔先生、岡崎嘉平太先生、私の父である古川貞三の三人が研究開発に没頭し、実用化に成功したことに始まる。この岡山県人脈が放電加工のビッグバンにつながったといえる。

この三人による放電加工の実用化を第一世代とすると、三次元加工を可能にしたのを第二世代と位置付けることができる。放電加工機はこの三次元加工により金型製造に不可欠のものになった。この第二世代を支えたのは、ソディックであると自負している。

では、今後、放電加工はどのような方向に進むのだろうか。加工の寸法公差がマイクロメートルからサブミクロン単位へと微細化し、ナノ分野の領域に到達しつつある。この微細加工を実現するのが第三世代とすれば、研究開発はますます高度化、専門化し、同時に、専門技術を磨きつつ独立を図る優秀な人材が出てくるかもしれない。

私は、60歳を過ぎてからソディックの経営を客観的立場でみることができるようになった。これまで来た道を振り返る余裕もなく走ってきたが、やっと自分がこれまでやってきたことをまとめる心の余裕も生まれた。

社会に飛び出して40年近く立つが、その歴史は、ソディックとともにあり、いわば放電加工業界の歴史とともに歩んできたといえる。

いままで放電加工の歴史をつづった書籍が少なかったため、自分の足跡をまとめて後輩達に残したいと思った。

また、高い技術力を持ちながらも資金繰りの問題に直面し、行き詰まっているベンチャー企業の経営者の参考にもしてもらいたい。本書をひもといて経営課題の打開策が見つかれば幸いである。

最後に本書を記すに際し、これまでソディックの成長を支えてきた社員はもちろん、お客さま、販売代理店、協力企業の皆様に感謝したい。出版に協力いただいた日刊工業新聞社の石上明男氏、中原大輔氏、安久井建市氏にも感謝したい。

ソディック創業間もないころ、事業が成功するか失敗するかもわからない中で、当社が紹介された新聞記事をすべて切り抜いて、スクラップするなど、舞台裏から私を支え続けた妻、宏子には本当に感謝している。

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