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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい建築材料の本

定価(税込)  1,650円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08016-6
コード C3034
発行月 2019年10月
ジャンル 土木・建築

内容

建築材料は種類が多く、素材ごとに適した場所で使われている。本書は伝統的な材料から最新のものまで、多種にわたる建築材料について一つずつ取り上げ、材料ごとの特徴や使われ方、施工作業などをやさしく解説する。

大垣賀津雄  著者プロフィール

(おおがき かづお)
ものつくり大学技能工芸学部建設学科 教授、博士(工学)
専門:鋼構造、複合構造、橋梁工学
1961年 大阪府生まれ
1986年 大阪市立大学大学院前期博士課程修了
1986年 川崎重工業株式会社入社、鉄構事業部に配属
2000年 長岡技術科学大学より学位取得 博士(工学)
2011年 川崎重工業株式会社マーケティング本部新市場開発部長
2015年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科教授、現在に至る

大塚秀三  著者プロフィール

(おおつか しゅうぞう)
ものつくり大学技能工芸学部建設学科 教授、博士(工学)
専門:コンクリート工学、建築材料施工
1993年 川口通正建築研究所入所
2005年 ものつくり大学技能工芸学部建設技能工芸学科卒業
2007年 ものつくり大学技能工芸学部建設技能工芸学科助教
2013年 日本大学大学院理工学研究科博士後期課程建築学専攻 修了
2013年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科准教授
2018年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科教授、現在に至る

目次

第1章 建築材料とは
1 建築材料の概要「建築材料は人体の構成と似ている」
2 建築材料の規格と関連法規「建築材料の規格と工事種別ごとの仕様書を適用」
3 建築材料の分類方法「様々な分類方法で区別される建築材料」
4 建築材料の要求性能「建築物に要求される性能に応じた建築材料」
5 建築材料の環境・リサイクル「循環型社会の3Rが建築事業者に求められる」

第2章 建築材料として使われる木材
6 木材の種類「針葉樹と広葉樹の特徴と使われ方」
7 木材の原産地「木材の産地は多国籍」
8 木材の組織構造「樹種によって組織構造が異なる」
9 木材の変形「水分の状態によって形が変わる」
10 木材の強度「水分、欠点の有無、載荷方向によって異なる」
11 木材の製材「適材適所に丸太から木取り」
12 構造用製材の規格「日本農林規格によって定められる」
13 木材の経年変化「老化と劣化の二種類がある」
14 構造用集成材「寸法の自由度が高く、木の良いとこ取り」

第3章 さまざまな種類がある鋼材
15 建築用鋼材「引張強度が高く超高層建築に使われる」
16 建築用形鋼「形、寸法、材質の違いで多くの種類がある」
17 建築用軽量形鋼「倉庫や鉄骨造の建築の母屋、胴縁に使用する」
18 建築用鋼管「高層建築の柱部材に鋼管もしくは角形鋼管が使われる」
19 基礎工事用山留め「山留め材は建築物の地下や基礎の建設に必要」
20 ステンレス鋼「ステンレス鋼は耐食性、耐熱性、加工性、強度に優れる」
21 耐候性鋼「建築分野では耐候性鋼をコールテン鋼と呼ぶ」
22 高力ボルト「建築鉄骨のボルト接合には高力ボルトを使用」
23 鋼材の溶接「建築鉄骨工場ではガスシールドアーク溶接が多い」
24 木造用接合金物「強度とじん性を確保するために配置」
25 張力構造用ケーブル「構造用ケーブルで大空間建築を創出する」
26 コンクリート建築に必要な鉄筋「引張り力やせん断破壊に抵抗するため鉄筋を配置」
27 アルミニウムなど非鉄金属「マンガン、マグネシウムなどを加えたアルミニウム合金」

第4章 建築に欠かせないコンクリート
28 コンクリートの歴史「コンクリートは古代の材料?」
29 コンクリートの構成材料「コンクリートは汎用的かつ土着的な材料!?」
30 コンクリートの調合「コンクリートの調合とは材料の構成割合を定めること」
31 コンクリートの種類「様々な観点から分類できる」
32 レディーミクストコンクリート「日本産業規格に規定されるコンクリートの一種」
33 プレキャストコンクリート「プレキャストコンクリートは専用の製造設備で作られる」
34 フレッシュコンクリート「時間とともに変化する性質の見極めが必要」
35 コンクリートの強度「強度のうち圧縮強度が最も重要」
36 コンクリートの施工「労働集約型の作業となる」
37 コンクリートの耐久性「コンクリートの劣化は内外の因子によって生じる」
38 コンクリートの仕上がり「材料、施工、経年変化の影響を受ける」

第5章 建築を引き立てる仕上げ材料
39 木質系ボード「木材の小片や繊維を成形して作成」
40 合板「単板を積層接着させたもの」
41 フローリング「単層と複層がある」
42 金属製仕上げ材「ガルバリウム鋼板の屋根材、外壁材が増加」
43 セメント系ボード類「石灰質やセメント由来の成形材料」
44 ポリマーセメントモルタル「セメントとポリマーを混ぜ、性能を上げる」
45 せっこうボード「芯材のせっこうを厚紙でサンドした材料」
46 陶磁器タイル「粘土を焼成して作られる」
47 れんが「普通れんが、建築用れんが、耐火れんがを区別」
48 瓦「形状と粘土の焼き方による品質で分類」
49 衛生陶器「衛生的で美しくあることが重要」
50 ガラス「壁、床面、階段、手すりなどに利用」
51 カーテンウォール「荷重を負担しない非耐力壁」
52 石材「古代からポピュラーな建築材料」
53 左官材料(漆喰)「消石灰、ノリ、スサ、砂、水を練り混ぜて作る」
54 仕上塗材「厚い塗膜を形成する化粧材」
55 プラスチック、FRP「軽量で腐食しない、自由に成形できる新材料」
56 塗料「表面保護と美装を目的とする」
57 壁紙「紙製以外が主流の壁紙」
58 畳「平安時代から現代まで使われている」
59 カーペット「歴史は三千年前にさかのぼる」
60 表面含浸材「はっ水してコンクリートを保護する」

第6章 建築の性能を高める機能性材料
61 防水材料「防水材料はアスファルト系、シート系、塗膜系」
62 シーリング材「建築部材の目地や隙間を埋める」
63 接着剤「床材、壁材、天井材など仕上げ材の接合に多用」
64 防火・耐火材料「耐火試験で加熱時間に対する性能を規定」
65 透過性材料「アクリル、ポリカーボネートの適用が増加」
66 断熱材料「屋内外の熱移動を減らす材料」
67 防音・吸音材料「RC製の壁や床は防音効果が大きい」
68 免震装置「建築物と地盤の間に設置して地震の揺れを吸収」

コラム
●スカイツリーの溶接はすごい
●スカイツリーの制振構造
●マリーナベイサンズの架設
●ねじれたビル
●小麦わらで作った板
●土の建築

参考文献
索引

はじめに

 建築は身近な存在であり、様々な建築様式があります。人類の生活文化や生産技術の発展に伴って建築様式は変化してきました。同時に建築を構成する材料も進歩しており、新しい建築材料の発明や新工法の適用が、新たな建築構造を誕生させる原動力となっています。
 最近の建築材料は多様化しており、限られた紙面の中で全ての情報を記載することは困難です。そのため、本書では製造者の視点ではなく使用者の視点で、建築材料の選定から適用方法までの要点を提示すべく努めました。建築業界に就職されて実務に携わる方々、あるいは建築業界を志す学生さんに、本書を利用して頂ければ幸甚です。
 本書は第1章で、建築材料の歴史、規格、分類方法、性能、および環境・リサイクルについて紹介しています。第2章では、木材について、その種類、原産地、組織、変形、強度、製材、規格、および経年変化などを記載しています。また、木質系材料として、集成材の種類と特徴について示しました。第3章では鋼材について解説し、鋼材の種類、形鋼、軽量形鋼、鋼管、山留め、ステンレス鋼、耐候性鋼、高力ボルト、溶接、接合金物、ケーブル、鉄筋、および非鉄金属などを説明しています。第4章ではコンクリートを説明しており、歴史、構成材料、調合、種類、強度、施工、耐久性、および仕上がりについて記載すると共に、レディーミクストコンクリート、プレキャストコンクリート、フレッシュコンクリートなどの用語を解説しています。さらに、第5章の仕上げ材料では、パーティクルボード、木質系ボード、合板、フローリング、金属製仕上げ材、セメント系ボード類、ポリマーセメントモルタル、せっこうボード、陶磁器タイル、れんが、瓦、衛生陶器、ガラス、カーテンウォール、石材、左官材料、仕上塗材、プラスチック、FRP、塗料、壁紙、畳、カーペット、表面含浸材などについて説明しています。最後に、第6章の機能性材料では、防水材、シーリング材、接着剤、防火・耐火材料、透過性材料、断熱材料、防音・吸音材料、および免震装置について解説しています。
 本書を執筆した著者陣は、住宅・ビルの設計経験や鉄骨製作会社での勤務経験があります。また、現在の勤務先であるものつくり大学では、実物に近いサイズの様々な建築材料を用いた実習や、卒業研究の指導を行っています。本書に掲載した建築材料のほとんどは実際に授業で使用しているものであり、日頃から学生さんに説明しています。その感覚で、建築のことがよく分からない人にとっても読み続けられるよう心掛けました。イラスト、写真、表などを多く取り入れ、できる限りやさしい表現を心掛けたつもりです。
 最後に、本書を執筆するに際して、多くの企業の方から写真や情報のご提供にご協力頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。また、建築材料を網羅的に掲載しましたが、建築材料は非常に広範囲に渡るため、そのすべてを取り上げることができませんでした。掲載内容が簡単なものも含めて、お許し願いたいと思います。
 本書がこれから建築の仕事に携わる若い方々にとって、建築材料に興味を抱いてもらう契機となり、日本の高度な技術や技能の伝承に結び付けば幸いです。

2019年10月
大垣賀津雄、大塚秀三

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