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わかる!使える!ばね入門
<基礎知識><設計・選定><勘どころ>

定価(税込)  1,944円

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サイズ A5判
ページ数 168頁
ISBNコード 978-4-526-07996-2
コード C3053
発行月 2019年08月
ジャンル その他 機械

内容

道具や機械にはさまざまな部品が使われている。中でも、ばねは復元力を利用するという他の部品には見られない特徴を持つ機械部品。自動車1台あたり4000~5000個のばねが使用されていると言われる。本書では、ばねの機能、設計や選定、使うための要点や注意点などを解説。

日本ばね学会  著者プロフィール

1947年 ばねの総合的技術向上のために、日本バネ工業会、自動車技術会、鉄道車両工業協会の三者が世話人となり、ばね技術研究会(現在の日本ばね学会)を創立。2005年に名称を日本ばね学会に変更。

主な出版物
・ばね(改訂第4版):丸善(2008)
・ばねの設計と製造・信頼性:日刊工業新聞社(2001)
・ばね用材料とその特性:日刊工業新聞社(2000)
・ばねの種類と用途例:日刊工業新聞社(1998)
・ばねの有限要素法解析:日刊工業新聞社(1997)

目次

はじめに

第1章 
ばねの使い方・使われ方

1 ばねの種類と形状
・ばねの定義
・ばねの分類(機能について)

2 ばねの使用例 自動車部品で使われるばね
・自動車に使われるばねの種類
・自動車懸架用板ばね
・自動車懸架用コイルばね
・エンジンに使われるばね(バルブスプリング)
・トランスミッション(AT/CVT)に使用される皿ばね
・シートに使われるばね(シートスプリング)
・部品を固定する(留める)ばね(ファスナーばね)
・シートベルトに使われるばね(ぜんまい)
・遠隔操作(コントロールケーブル)のばね

3 ばねの使用例 自動車以外の使用例
・大形ばね(建設機械用)
・鉄道に使われるばね① 車両用軸ばね
・鉄道に使われるばね② レール締結ばね
・パソコンに使われるばね(HDD用サスペンション)
・構造物のばね(シャッター用ねじりばね)
・プラント配管に使われるばね類
・宇宙で使われるばね
・空気ばねを使ったサスペンション
・電子部品や回路で使われるばね(コンタクトプローブ)
・体内で使用されるばね(ガイドワイヤー、ステント)

4 知っておきたいばねの作り方
・製造法の違い 冷間成形と熱間成形
・線ばねの製造 コイリング
・板ばねの製造 薄板ばね(順送プレス)
・端面研削
・バリ取り
・製造の基礎① ばねの熱処理(低温焼なまし)
・製造の基礎② ばねの熱処理(オーステンパー)

第2章 
ばね設計および選び方の段取り

1 ばねが使われる環境に適した材料
・耐熱性・耐低温特性が要求される環境
・耐疲労性が要求されるばね
・導電性および非磁性
・銅合金系ばね材料
・腐食環境
・クリーンルームで使用されるばね

2 用途に合った材料の選択
・ばね材料の選択
・ピアノ線と硬鋼線
・オイルテンパー線
・ばね用ステンレス鋼線
・ばね用鋼帯① ばね用冷間圧延鋼帯
・ばね用鋼帯② ばね用ステンレス鋼帯
・耐熱ばね材料

3 設計の基礎
・力と応力
・材料強度
・ばね定数
・コイルばねの設計
・薄板ばねの設計
・皿ばねの設計
・疲労破壊を防ぐには
・ばねのへたり
・ばねの残留応力

4 知っておきたいばねの選定
・寿命と安全係数の考え方
・コイルばねのフック形状
・引張りコイルばねの初張力
・コイルばねの座面形状
・縦横比と直角度
・特性の指定方法(図面指示)
・指定荷重とばね定数

第3章 
ばねを使うための要点

1 用途環境に合った対応
・ばねの寿命を向上させる技術① ショットピーニング
・ばねの寿命を向上させる技術② セッチング
・形状を安定化させる技術 プレスクエンチとプレステンパー
・耐食性を向上させる技術① 表面処理(めっき)
・耐食性を向上させる技術② その他(リン酸亜鉛皮膜など)
・環境脆化

2 ばね試験と品質
・ばねおよびばね材料の検査・試験
・材料試験(引張り試験)
・硬さ試験
・各種ばねの試験方法
・ばねの測定・計測方法① 線ばね
・ばねの測定・計測方法② 薄板ばね
・残留応力測定
・疲労試験機
・腐食試験
・ばね破面の見方と折損原因の調べ方

コラム
・ばねの生産量はどのくらい?
・コイルばね材料の強度
・失敗を成功に

・参考文献
・索 引

はじめに

 「ばね」という言葉は、人に様々なイメージを抱かせます。「ばね」の語源は「跳ねる」から変化したという説があります。一般の言葉としては「バネ」とカタカナ書きをすることが多いようです。「悔しさをバネにして頑張る」「ハンディをバネにして飛躍する」などと日常の会話で使われています。この時には、機械要素(機械を構成する最小の機能単位)としての「ばね」を指しているわけではありません。「跳ねる」「飛ぶ」というようなイメージで、「跳ねるもの」とか「飛ぶもの」に置き換えることができ、また「エネルギー」「力」「飛躍」などの言葉に置き換えた方が適当な場合もあります。ちょっと考えると「バネ」がなぜ「エネルギー」となるのか、「バネ」がなぜ「力」となるのかわかりません。
 国語辞典(広辞苑)で「ばね」を調べると、(1)鋼などの弾性を利用して、ひずみエネルギーを蓄え、または衝撃を緩和する作用をするもの。(板ばね・コイルばね・竹の子ばね・渦巻きばねなど)、(2)転じて、はねる力、弾力性、(3)比喩的に、飛躍・発展などのきっかけ、という説明があります。文頭に書いたことは(2)および(3)の説明になります。技術者は、「ばね」と聞いて前述(1)を思い浮かべるでしょう。機械は多くの機械要素が集まって出来上がっていますが、「ばね」などの機械要素が1つでも正確に機能しなければ動いてくれません。
 では、機械要素としての「ばね」とはどんなものでしょうか? 「ばね」はどのように使われているのでしょうか? そして、「ばね」はどのように使ったらよいのでしょうか? 本書は、これから「ばね」を使ってみようという人や「ばね」に興味がある人のための入門書です。読者は「ばねに関心のある人」や「ばねを使いたい人」で、主に「ばねのユーザー」を念頭に置いています。一方、「ばねを作る人」にとっても、「ばねのユーザー」すなわち「機械などを設計・製造」する人の考えを知らなければなりません。したがって「ばねを作る人」にも向けた内容にもなっています。
 本書の制作に携わった「日本ばね学会」は、「ばね」を作る人だけでなく、「ばね」を使う人も集まり、「ばね」に関する技術の向上を目指しています。本書の執筆はその「日本ばね学会」の会員を中心に、さらに「ばね」に関わっている専門家にお願いし、「日本ばね学会」のワーキングチームが全体を監修しております。第1章は「ばね」がどのようなところで、どのように使われているのか、第2章はこれから「ばね」を使ってみようという人のための、ばねの材料と設計に関する基礎事項、第3章は実際に「ばね」を使うために知っておいてほしい事項となっています。また、本書の用語や漢字、かな遣いなどの表記については、JIS用語やばね用語にこだわらず、一般にわかりやすい新聞用語を基準にしています。
 なお、「ばね」についてより詳しく知りたい方は、日本ばね学会編『ばね(第4版)』などがありますのでご参照ください。さらに、ばねに関心のある方は、「日本ばね学会」のホームページをご覧いただき、入会いただければ幸いです。

2019年8月
書籍制作ワーキングチームリーダー 大沢 基明

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