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きちんと知りたい!
バイクメンテとチューニングの実用知識

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07981-8
コード C3053
発行月 2019年06月
ジャンル 機械

内容

メカニズムを豊富な図面と共に丁寧に解説する技術書・「きちんと知りたい!」シリーズのバイクメンテ編。“しくみ”の部分に焦点をあて、メカニズムだけでなくユーティリティ、メンテナンス、チューニングなど、バイクをより深く知りたい人にとって興味深い内容を多数収録。

小川直紀  著者プロフィール

(おがわ なおき)
1965年大阪生まれ。1985年、岡山職業訓練短期大学校自動車課卒(2級自動車整備士免許取得)。自動車ディーラー勤務を経て、1989年、自動車整備関連の出版社に入社。各種出版物の編集作業のほか、各種講習会、安全衛生特別教育での講師も担当する。自動車整備職業訓練指導員・自動車車体整備職業訓練指導員。
◎著書:『図解でわかるバイクのメカニズム』『とことんやるバイクメンテナンス』『バイク知りたいこと事典』『図解でわかるバイクのチューニング』(以上山海堂)、『きちんと知りたい! バイクメカニズムの基礎知識』(日刊工業新聞社)ほか。

目次

はじめに

第1章 エンジン本体編
1. エンジン本体
1-1 吸排気のタイミングとバルブオーバーラップ
1-2 バルブクリアランスの役割
1-3 バルブクリアランスの調整
1-4 カムシャフトのメンテナンスと交換
1-5 シリンダーヘッドのメンテナンス(その1)
1-6 シリンダーヘッドのメンテナンス(その2)
1-7 燃焼室の形状と高圧縮化
1-8 排気量をアップする方法
1-9 エンジンチューニングと燃料
COLUMN 1 エンジン本体のチューニング

第2章 エンジン補機類編
1. 吸気系
1-1 吸気装置の役割
1-2 フューエルインジェクションの概要
1-3 吸気抵抗の低減と吸入効率の向上
1-4 エアフィルターの種類とチューニング
1-5 エアクリーナーのメンテナンス
1-6 キャブレターの構造とメンテナンス
1-7 キャブレターのセッティング
1-8 セッティングの進め方
1-9 FCRキャブレターのセッティング(1)
1-10 FCRキャブレターのセッティング(2)
1-11 フューエルインジェクションのセッティング
2. 排気系
2-1 排気装置の役割
2-2 マフラーの種類と構造
2-3 マフラーのメンテナンス
2-4 マフラーのチューニング
2-5 サイレンサーのチューニング
3. 冷却系
3-1 冷却装置の役割と構造
3-2 水冷式冷却装置のメンテナンス
3-3 ラジエターのメンテナンスとチューニング
4. 潤滑系
4-1 潤滑装置の役割
4-2 エンジンオイルの種類
4-3 エンジンオイルの交換
4-4 オイルフィルターの交換
4-5 オイルクーラーの役割
4-6 オイル上がり、オイル下がり

第3章 エンジン電装系編
1. 点火装置
1-2 点火装置の役割と種類
1-2 イグニッションコイルの役割と交換
1-3 点火プラグの役割とメンテナンス
2. 発電・充電装置
2-1 発電装置の構造と役割
2-2 バッテリーの種類とメンテナンス
3. エンジン制御装置
3-1 エンジン制御技術の概要
3-2 エンジン制御装置のセッティング

第4章 動力伝達機構編
1. 変速装置
1-1 動力の伝達と減速作用
1-2 1次減速機構の種類と構造
1-3 2次減速機構の種類
1-4 2次減速機構のメンテナンス
1-5 2次減速機構のチューニング
1-6 クロスミッションの構造とねらい
2. クラッチ
2-1 クラッチの種類と構造
2-2 クラッチ周りのメンテナンス
2-3 強化クラッチとクラッチ容量
2-4 スリッパークラッチ
COLUMN4 動力伝達機構のチューニング

第5章 フレームと足回り編
1. フレームとスイングアーム
1-1 フレーム、スイングアーム形状と剛性
1-2 ホイールアライメントと操縦性
1-3 フレームとスイングアームの補強
1-4 フレームとスイングアームの材料
2. サスペンション
2-1 フロントサスペンションの形式
2-2 フロントフォークのメンテナンスとチューニング
2-3 リヤサスペンションの種類・構造とメンテナンス
2-4 リヤサスペンションユニットの交換
2-5 サスペンションの調整機能
2-6 ダンパーの減衰力調整
2-7 ハンドル周りの振動
3. ブレーキ
3-1 ブレーキの種類と構造
3-2 ブレーキマスターシリンダーの構造
3-3 マスターシリンダーとブレーキキャリパーの種類
3-4 ブレーキのメンテナンス
3-5 ブレーキホースとブレーキフルード
3-6 ABS(アンチロックブレーキシステム)
4. タイヤとホイール
4-1 タイヤの種類と構造
4-2 タイヤサイズとトレッドパターン
4-3 ホイールの種類
4-4 タイヤの日常点検
4-5 ホイールのメンテナンスと交換
4-6 レース用タイヤと公道用タイヤ
COLUMN 5 フレームと足回りのチューニング

参考文献
索引
おわりに

はじめに

◎バイクとバイクチューニングの過去・現在
 チューニングとは本来、調整・調律・同調という意味であり、バラツキを修正することを言います。
 1980年代頃までのバイクは、現在と比べると製造や加工、品質管理の技術が低く、またコンピューターによる各種解析技術なども一般的ではなかったため、部品のバラツキや強度などに余裕をみた構造設計がされていました。
 チューニングとは、これらのバラツキ(余裕)を解消することで本来の性能を引き出すことでした。また、チューニングの方法も経験と勘をもとにした加工がほとんどで、その効果には「精神的なもの」が含まれていました。
 現在は、製造や加工、品質管理の技術向上やコンピューターによるシミュレーション、解析技術の進歩により、部品のバラツキはほとんど解消され、チューニングの効果も事前に確認をしたうえで反映されています。このため、エンジン出力や車体強度、操縦性などはもちろん、付属するタイヤやオイルなども含めて、少し前のレース車両を超えるレベルにまで到達しています。
 製造や加工技術の高度化は、バイクメーカーに限った話ではありません。チューニングパーツを製造するメーカーやチューニングショップも同様に高度化しています。
 また、インターネットの普及により、海外でしか手に入らなかったパーツが手軽に入手でき、チューニングに関するさまざまな情報を共有できる時代となりました。キュブレターを電子制御燃料噴射に変更したり、ターボチャージャーやスーパーチャージャーを搭載したりする猛者が現れるなど、これまではバイクメーカーにしかできなかったようなチューニングが可能な時代になっています。
 一方バイクの安全性についても、ABS(アンチロックブレーキシステム)やTRC(トラクションコントロール)などが装備され、非常に高いレベルが求められています。転倒事故を防ぐためにライダーの意思とは関係なくバイクを電子制御技術でコントロールしており、ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)による介入内容も年々高度化・複雑化しています。また、環境にかかる負荷をできるだけ抑えるための環境性能の追求も、地球で生きる者として当然の義務になっています。
 これらの「安全性」と「環境」への配慮が重視されるのは、チューニングであっても同様です。

◎バイクチューニングで大切なこと
 さきほども述べたように、最近の安全性や環境性能の飛躍的な向上は、その多くが電子制御化によってもたらされたものです。そのため、ちょっとしたメンテナンス作業であっても故障診断機などのコンピューターが必要になるなど、自分の好みの反映や他のバイクとの差別化という面では、非常にハードルが高くなっています。
 最新技術で製造したチューニングパーツは、以前のものとは比べものにならないほどの高品質になっており、チューニングの手法や工作機械も非常に高度化しています。このような最新テクノロジーを駆使することで、動力性能の向上と乗りやすさ、環境性能を高い次元でバランスさせ、30年前、40年前の旧車が驚くようなパフォーマンスを発揮することが可能となっています。
 行き過ぎた制御機能に対する反発からではないのでしょうが、実際に1970年代や80年代のバイクをレストア+チューニングして乗っているライダーも増えています。

 以上のように、チューニングの手法や環境は大きく変わっていますが、まずはチューニング本来の意味や、チューニングすることのメリット・デメリットを知ることが大前提となります。そのためには、バイクの基本的なメカニズムをきちんと理解することが重要です。そして、自分にとっての理想のバイクを正しく思い描くことができれば、チューニングによってより自分にフィットさせることができ、バイクにより一層の愛着を持つことができます。
 この本の内容が、バイクとバイクチューニングの理解を進めるための一助になれば幸いです。
2019年6月吉日 小川 直紀

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