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図解!本気の製造業「管理会計」実践マニュアル
経営カイゼン(コストダウン、在庫管理、原価計算)にしっかり取り組む

定価(税込)  2,160円

著者
編集
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-07882-8
コード C3034
発行月 2018年09月
ジャンル 生産管理

内容

管理会計を軸に製造業の経営カイゼンに取り組むための本。コストの内訳を正しく理解することからはじめ、変動費と固定費それぞれの管理目標を立て、最終的に損益計算書を根本から立て直し、目的に合った管理会計を導入する。2頁見開き構成で読みやすい「本気で書かれた」入門書。

吉川武文  著者プロフィール

(よしかわ たけふみ)
公認会計士・生産技術者
 東京工業大学・工学部修士卒。大手メーカーでカイゼンやコストダウンによる子会社再建、自動化、製品開発、研究開発など 30年の技術系キャリアを有する異色の公認会計士。出願特許多数。従来のモノづくりの在り方に強く疑問を感じ、業務の傍ら会計を研究。会計士試験に合格後、監査法人トーマツのマネージャー等を経て、現在は外資系の大手グローバル企業の工場長として実地に経営に携わり付加価値会計を実践、王子経営研究会の有志と共に本気の製造業の復活を目指して活動中。日本中の現場で「技術者だったのになぜ会計士?」と問われるたびに「コストの知識なくしてコストの管理はできません」と説明しなければならないモノづくりの現状を変えたいと願う。信条は「ヒトはコストではなく資源」 著書に「モノづくりを支える管理会計の強化書」「生産技術革新によるコストダウンの強化書」「図解!製造業の管理会計入門」など 6冊。

☆王子経営研究会
 「ヒトが生き生きと働くための仕組みを提供する」 なかなか利益が出ない! 会社全体に活力が感じられない! といった悩みが広がっています。経営層の方は、株主や銀行など外部からのプレッシャーに耐えながら、精緻な予算制度や人事評価制度を導入して成果を出そうとします。従業員の方は、困難とも思える予算や KPIを突き付けられ、時に上司に机を叩かれながら、あらゆるテクニックを駆使して与えられた目標を達成しようと頑張ります。そしてふと「会社はこれでよくなるんだろうか」という想いに囚われたりするかもしれません。20世紀のヒトは作業者でした。作業を合理的に管理するための仕組みがいくつもデザインされました。実は、日頃当たり前の経営管理ツールとして使われている予算管理制度や人事評価制度もまた作業を管理するためのものだったのです。しかし経済社会の環境が大きく変わってしまった今日、単なる作業者を超える創造力を従業員から引き出そうと模索している経営者の方々が多いのではないでしょうか? 王子経営研究会は、公認会計士、弁護士、社会保険労務士、IT専門家のパワーを結集し、既存の思考に囚われず「ヒトが生き生きと働くための仕組み」で、日本の会社を元気にする専門家集団です。



目次

経営判断に使える数値を!

Ⅰ.コストダウンのマニュアル 経営カイゼンの基本中の基本
1 最初にやるべきこと…コストの内訳を把握する 当たり前のようでいて、案外と実行されていないこと
2 必要な情報を集める サプライチェーンを辿って点検すれば、漏れなく費用を把握できる
3 ところで、コストって何ですか? これがぐらついていたら、経営カイゼンは始まらない
4 混ぜるな、キケン! 変動費と固定費 見過ごしてはならない、変動費と固定費の管理目標の違い
5 何をコスト管理の対象にするかを決める コストなら標準値を定め、実績と比較し、差異を毎日管理する
6 コストダウンは作業者だけの責任ではない! 新しい競争力の源泉と、ターゲットの変化に目を向ける
7 経営カイゼンの最終目標は、損益計算書の改善! 損益計算書の読み方マニュアル、見かけの難しさに惑わされない
8 難解な会計言葉を整理する 製造費用と売上原価、販売費および一般管理費、営業外費用など
9 儲かるはずがなかった! 古い会計が進歩を妨げる 今までの損益計算書が抱えていた三つの致命的限界
10 経営目的に合ったツールをデザインする 経営カイゼンのために、どうしても必要なもの
11 付加価値とは何かを考える 一言でいえば、買ったものと売ったものの差
12 利益を出す前に、やるべきことがある! 会社が真に目指すべきは付加価値の最大化
コラム 技術力って、何だろう?

Ⅱ.SCMのカイゼン・マニュアル
13 100年前の成功モデルを振り返る フォード自動車が達成したコストハーフ
14 精神論だけで戦わない サプライチェーンの視点に立ち、正しいコストダウンを目指す
15 会社の組織を点検する 生産技術者を、いつまで工場に閉じ込めておくのか?
16 逃げまわる費用に注意する サプライチェーンの分断が引き起こす致命的判断ミス
17 達成目標は費用ごとに決める 気合いだけではコストは下がらないことを確認する
18 財務会計では経営カイゼンできないことを理解する 工場を叩くためにデザインされた会計の限界
19 勘定科目法を実際にやってみる 変動費と固定費は、管理の目的で区分する
20 会社の未来をシミュレーションする このまま売りまくるか? 無人化工場を目指すか?
21 「かせぐ」と「わける」を区別する 管理の目的、タイミング、責任者が異なる二つの活動
コラム 遊んでいるのは誰だ?

Ⅲ.在庫管理のカイゼン・マニュアル
22 なぜ在庫を減らすのか? その理由を考える 期末日在庫だけを減らすという喜劇と悲劇を卒業する
23 貸借対照表で在庫の全体を把握する 目に見えるものだけが在庫じゃない! 在庫の内訳も把握する
24 流動比率にも気を配らなければ完結しない! 在庫削減の目標は、借入金を減らすこと
25 在庫を持って良い/悪いを判断する 在庫を持つことのメリットとデメリット、きちんと金額で評価する
26 正しい在庫回転数を求める 古い在庫回転数は茶番! 適切な経営判断に使えない
27 実際の在庫金利を計算してみる 在庫金利、在庫管理上の差異と財務管理上の差異
28 在庫は毎日管理する 在庫金利を、コストと位置づけて日次で管理する方法
29 死に筋在庫を減らし、売れ筋在庫はしっかり持つ ゼロ在庫よ、さらば! 必要なのは踏み出す勇気
30 使いやすく、作り変えてしまえばよい! 管理したいものを管理するための貸借対照表と損益計算書を作る
コラム なぜ、まじめな班長が叱られるのか?

Ⅳ.生産性のカイゼン・マニュアル
31 ムダ取りという名のムダを止める コストの内訳に注意を払わなければ、新しい勝負所が見えてこない
32 原価構造の変化を知る その一歩のムダ取りは、何円のコストダウンになりますか?
33 60年間も同じことをやらない これからのカイゼン、新しい勝負所はサプライチェーン全体
34 安易な自動化に注意する 自動化すればモノづくりの進化は止まり、余剰在庫を持ちたくなる
35 カイゼン不正と戦う 作業日誌を隠す…それがカイゼンの現実だった
36 標準時間をどうやって決めたらよいか? 多くの現場で、深刻な問題になっていること
37 生産性を見るための二つの指標を導入する 生産性を問われてこそ、ヒトは力強く成長する
38 手待ち時間を制する者が、明日を制する! 生産時間ではなく、手待ち時間の使い方こそが未来を決める
39 手待ち、手待ち、手待ちを作れ! 手待ち時間は、新しい価値創造のゆりかご
40 これからは全員がホワイトカラー ホワイトカラーの生産性を高めるために必要なもの
41 現場の作業カイゼンが製造業をダメにしていた それはタダ働きの要求、コンプライアンス違反だった
コラム 衝撃! カイゼンが起こしたストライキ

Ⅴ.原価計算のカイゼン・マニュアル
42 あるべき原価計算を考える 原点に立ち返り、原価計算の目的を確認する
43 原価が何でできているかを整理する 材料費・労務費・経費 五つのコストと三つの資源
44 原価計算に開いた大穴を埋める 原価管理に、外注物流費と在庫金利を組み込む
45 計算の実際、まず費目別計算をやる 材料費と間接材料費、変動労務費、外注加工費の計算
46 次に製品別計算をやる 総合原価か?個別原価か?製造プロセスに合った方法を選ぶ
47 そして標準原価計算をやる 標準原価は原価を安定させ、目標管理にも使われる
48 外注物流費も目標管理をする 製造原価ではなくても、売上原価を構成すべき重要な活動
49 例えば軍手代の話 直課vs配賦を考える 便宜的固定費の配賦計算
50 固定費を配賦すべきでない理由を考える 固定費配賦の本質からくる危険性
51 固定費を配賦しない会計があった! 財務会計の全部原価計算と、管理会計の直接原価計算
52 サプライチェーン全体を一体管理するための会計 二つの管理会計…直接原価計算と付加価値会計
コラム これが付加価値の会計!

Ⅵ.意思決定のカイゼン・マニュアル
53 三つの曖昧が原価計算を台なしにしていた! どんなに精密な配賦も、土台が危うければ不毛な計算
54 昔、すごい人がいた? 配賦計算が多くの会社でブラックボックス化している
55 負け犬をもっと負け犬にする方法 固定費配賦という発想が生む自滅のスパイラル
56 もう売り逃げはできない! 固定費を配賦せずに売価を決めるということ
57 生産維持/生産中止の意思決定をする 固定費配賦に合理性がないならば、変動費だけで判断すべき
58 配賦が止めた新鋭工場 固定費の配賦は経営資源を余らせる
59 設計費を配賦する?/しない? 製品に責任転嫁せず、設計者が自分自身の生産性に責任を負う
60 固定費をカバーしきれない時はどうするか? 手遅れになる前に手を打ち、比較の時代を生き延びる!
61 財務会計では未来をシミュレーションできない! 経営上の課題が見えない! ビジネモデルの限界が見えない!
62 なぜ、いつまでも変われないのか? 会計が変わらなければ、会社人の行動も変わらない!
63 逃げ回る固定費を捕まえる 不正の温床! 多くの会計不正が固定費の操作で行われてきた
コラム それでも固定費を配賦しますか?

Ⅶ.設備投資のカイゼン・マニュアル
64 何もしなければジリ貧になる! 新しいサプライチェーンを創るためのバリューチェーンの活動
65 お金はどこからやってくるかを考える 社内留保はタダじゃない! 実は銀行から借りるよりも高コスト
66 目標のWACCを決めて周知する WACCを達成しなければ会社の株価は上昇しない!
67 「勘と気合」の設備投資を卒業する 回収期間法も危うい! このままでは経営責任を果たせない!
68 お金の価値はなぜ変わる? 割引計算は、運用機会ではなく運用義務であることに注意
69 知らなきゃ世界と戦えない! IRRを使いこなす モノとカネの生産性をIRRで管理する
70 エクセルでIRRを計算する IRRがWACCを上回れば、会社は力強く成長する
71 自動化投資を成功させる 自動化が陥りやすい致命的な失敗を回避する
72 研究開発を成功させる 早さか? 独自性か?ミッションを見定めプロジェクトを管理する
73 IoTの会計、コストと売価の新戦略!
74 株式会社って何だろう?
コラム 自分のお金が増えない理由

Ⅷ.キャッシュフロー経営のカイゼン・マニュアル
75 キャッシュフロー計算書の構造を知る 損益計算書があてにならなくなったので作られた新しい財務諸表
76 元気な会社と危ない会社を見分ける 営業活動のCF、投資活動のCF、財務活動のCFの読み方
77 見えない取引と戦う 損益計算書では見えない三つのキャッシュ危険に注意する
78 究極の恐怖、ブラックホールを退治する それはキャッシュを吸い込み、財務諸表に表れない
79 減価償却という旧弊を卒業、埋没原価を作らない 固定資産の取得と減価償却が、第二のブラックホール
80 これで世界と戦える! 真の経営カイゼンのためには、事業の真実に向き合うことが不可欠
コラム 目をつぶって運転する会社

Ⅸ.未来工場のカイゼン・マニュアル
81 1995年、乗り遅れた日本 今やアフリカの大地でさえネットやケータイは当たり前!
82 誰も安い扇風機を選ばなかった! それなのに全員がコストダウンすると答えた
83 速度、速度、速度が命! 価値はどこにあるのか? 発想を変え、新たな価値を取りにいく!
84 平準化生産を深追いしない どこで差がついているのか? プロダクトアウトの発想を止める!
85 未来工場のカイゼン・マニュアル ハイテクを駆使して目指すのは投資業か?創造業か?
86 会計で経営カイゼンのPDCAをしっかり回す これがなければどう経営? 会計は夢を実現する力!
87 カイゼンを改善する 工場からサプライチェーンへ、更にバリューチェーンへの広がり
88 世界を変える気概! 原点に戻り儲かる会社を作る お客様の役に立てば儲かる/立たなければ儲からない
89 夢を思い描き、人を育てる まずヒトが回らなければ、会社は何も回らない!
90 願って前に進まなければ何も実現しない! 明確なミッションこそが、ヒトを育て技術を強くする
91 日はまた昇る! 日本の製造業が今やるべきこと 経営を正常化し、パラダイムシフトを成功させるための10の行動
コラム 他社の製品を売るという提案

日本の輝きを取り戻せ

はじめに

経営判断に使える数値を!

 永らく「技術立国」「モノづくりの国」と言われてきた日本ですが、最近、なんだか様子が変です。

 「コストが下がらない!」
 「利益が出ない!!」
 「事業の明日が見えない…」

 そんな場面にしばしば遭遇します。いったい、日本のモノづくりはどうなってしまったのでしょうか?切羽詰まった製造業では不祥事も続いています。

 「コストダウンも、在庫削減も、設備保全やムダ取りやリストラも全てやった。それなのに会社は元気にならない」
 「これから、どうしたらよいのかわからない」
 「今、何をすべきかわからない」

 そんな声も耳にします。実は…
 日本が誇ってきたモノづくりのセオリーは今から60年も前に作られたものでした。
 そして、当たり前のことが、全く当たり前になされていません。例えば以下はどうでしょう?

 □現場にやらせているカイゼンの効果が何円になるのかを金額で把握していますか?
 □工場内だけでなく、サプライチェーン全体を見渡したカイゼンをやっていますか?
 □サプライチェーン全体の活動を担える組織を整備していますか?
 □生産技術部の皆さんは、今は何に取り組んでいますか?
 □コスト目標と実績の差が毎日確認できる仕組みがありますか?
 □期末1日の在庫削減ではなく平均在庫を管理していますか? 在庫の金利は具体的に何円ですか?
 □工場内の在庫削減だけでなく、売上債権の管理にも同じくらい目を配っていますか?
 □自社のWACC(ワック)を知っていますか? それが関係者に周知されていますか?
 □事業の付加価値を数値で見える化する仕組みがありますか?
 □ホワイトカラーの生産性をどのように測定し評価していますか?

 やるべきことは、まだまだたくさんあるはずです。本当に本気なら!
 それは、進化が止まってしまった日本のモノづくりに、ほんの少し「会計」という光を当てることで見えてくるものです。しかもその会計は、いわゆる財務会計のような難解なものではありません。

 では、これから一つずつ順番に見て参りましょう。
 1日も早く、日本のモノづくりの輝きが復活することを祈りつつ。

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