買い物かごへ

今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいIoTの本

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07874-3
コード C3034
発行月 2018年08月
ジャンル ビジネス

内容

いまIoT(モノのインターネット化)が話題だが、応用範囲が広く、全体像が見えにくい傾向がある。本書では、IoTがいかなる社会を創り出すかを紹介し、IoTを形成する先端技術の基礎をやさしく解説。技術面では、インテリジェント・センサの役割を中心に紹介。わかりやすい例を取り上げ、IoTを身近に感じられるように構成している。

山﨑弘郎  著者プロフィール

(やまさき ひろお)
1932年、東京生まれ。東京大学工学部応用物理学科卒。横河電機(株)入社、工業計測用センサの研究開発に従事。
1975年 東京大学教授就任、計測工学、センサ工学、信号処理の研究と教育に従事。
1993年 定年退官、同年 横河電機(株)常務取締役、1995年(株)横河総合研究所取締役会長を歴任。

東京大学名誉教授、工学博士。
1989年度 計測自動制御学会会長、1996年 科学技術庁長官賞、1997年 紫綬褒章。
1997年~インドネシア国立バンドン工科大学テクニカルアドバイザー。

主な著書(センサ関係)
『電気電子計測の基礎』電気学会(2005)
『センシングの基礎』シリーズ現代工学入門 岩波書店(2005)
『センサフュージョン?実世界の能動的理解と知的再構成?』(共編著)コロナ社(1992)
『センサ工学の基礎 第2版』オーム社(2014)
『センサ工学』(共編著)朝倉書店(1982)
『センサのはなし』日刊工業新聞社(1982)
『トコトンやさしいセンサの本 第2版』日刊工業新聞社(2014)
『計測技術の基礎』(共著)コロナ社(2009)
『渦流量計の創造』(共著)日本工業出版(2015)など
URL:http://homepage-hyamasaki.private.coocan.jp/s

目次

第1章 IoTでは何がどう変わるのか
1 スケジュール駆動からイベント駆動社会へ「IoT社会」
2 スケジュール支配の問題点「社会の変化に対応できるIoT社会」
3 イベント駆動社会におけるセンサ「人が起動するセンサと人と対話するセンサの役割」
4 つながる技術がもたらすもの「インターネットにつながってからの急速な変化」
5 インターネットの成立と発展「モノとモノをつなぐインフラ」
6 IoT社会で生まれる新しいサービス「交通や医療も変わる」
7 IoTがめざすもの「世界の政策と日本のSociety5.0」
第1章 まとめと補足

第2章 IoTネットワークでの役割分担とは
8 IoT社会における情報の形と予知「未来情報の信頼性」
9 イベント駆動情報の役割「監視制御から最適化」
10 大量データの処理「情報の集合が生む価値」
11 クラウド・サービス・プロバイダーの役割「エッジ・コンピューティングとフォグ・コンピューティング」
12 情報の流れを制御管理するデバイス「分散処理制御」
13 IoT社会における無線通信システム「無線ネットワーク」
14 IoTセンサ情報を処理するプロセッサ「IoTに必要なデバイス」
第2章 まとめと補足

第3章 ビッグデータ処理をどうIoTに活用する
15 認知、判断、制御機能の分散と集中「ビッグデータ処理機能」
16 ディジタル情報の特徴「アナログの限界」
17 パターン情報の認識と処理「モデル化技術の進歩」
18 対象識別のための情報処理「監視カメラの認識技術」
19 クラウドデータの活用「クラウド能力にふさわしいビジネス」
20 品質データの集積と活用「IoTと品質維持」
第3章 まとめと補足

第4章 IoT技術の主役はインテリジェント・センサ
21 センサデバイスへのニーズ「IoT時代のセンサ」
22 ディジタル出力型センサデバイスの原理と構造「物理量センサ」
23 物理量センサのほかに化学量センサが必要「化学量センサ」
24 アナログ出力型センサデバイスの原理と構造「センサデバイス」
25 センサの知能に対する要請「センシング・インテリジェンスの役割」
26 イメージセンサとディスプレイの原理と構造「イメージ情報を捉えるセンサ」
27 アナログデータのディジタル変換の仕組み「A/D変換回路」
第4章 まとめと補足 76

第5章 広域ネットワークの情報技術で重要なこと
28 データの代表性を支配するサンプリング定理「サンプリングデータの代表性」
29 データの時間的密度と周波数帯域「人の声のサンプリング」
30 センサの空間的密度と合理的配置「空間サンプリング」
31 情報の中断が重要な特徴「見守りと救援」
32 センサ情報の収集と活用「サンプリング周期」
33 センサ情報伝送の仕組み「プロトコル」
第5章 まとめと補足

第6章 IoTを推進する革新的技術
34 AIの進歩(1)「機械学習」
35 AIの進歩(2)「深層学習」
36 自動運転の技術「人と機械の役割分担」
37 実世界とサイバーとの接点「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」
38 機械が人に合わせる情報交流「センシング・インテリジェンス」
39 ロボット技術の展開「人とロボットの協調作業」
40 電子機器のソフト化「機能の多様化と不可視化」
41 加算的モノづくり「3Dプリンタ」
第6章 まとめと補足

第7章 IoTでつながるビジネスの実例
42 つながるエンジン 保守のビジネス化「IoTプラットフォーム」
43 建設機械管理から工事の情報化「ICTソリューション」
44 リモートメンテナンス「遠隔保守」
45 農工商融合によるイベント駆動型農業「植物工場とセンサ活用」
46 車の所有からシェアリングへ「カーシェアリング」
47 ゲストとホストをネットで結びつける「民泊ビジネス」
48 乗客のスマホにつながるサービス「次世代列車情報管理システム」
49 つながるタコグラフが価値を生む「商用車クラウドサービス」
50 AIを活用した未病患者の発見「医療IoT」
第7章 まとめと補足

第8章 IoT社会の課題
51 セキュリティ確保のための機能分散「サイバーテロの恐怖」
52 顔が見えない社会「責任の明確化」
53 製品は壊れてもサービスは続く「構想設計の重要性」
54 イベント駆動になり切れない医療資源の偏在「医療サービスとIoT」
55 ビジネスモデルの崩壊とビジネス組織の変革「企業の転機」
56 なんとかなりませんかパスワード社会「個人セキュリティの強化」
57 人材の育成「IoT社会のオープン化」
第8章 まとめと補足

【コラム】
●IoT社会で消えていくもの
●老朽化した下水管の修復
●ロングテール現象
●エネルギー(エナジー)・ハーベスティング
●メータの自動検針
●シンギュラリティ
●仮想現実感
●重要な製品構想段階の検討と設計手法

参考文献




はじめに

 新しいIoT社会への移行、スケジュール駆動からイベント駆動社会へのパラダイム変化の全体像をつかみたいとの思いが、この本を書くことの動機でした。そして、それをわかりやすく専門技術に片寄らずに伝えたいというのが、この本の狙いです。
 いま、スケジュール駆動の社会で、いろいろなところにほころびが見えています。
 学齢に達したら学校で決められたスケジュールに従って授業を受けることができます。その一方で、受験に備えて塾が増加し教育の姿をゆがめています。
 季節というスケジュールと天候に支配される農業では、従業者の減少と高齢化、需要とのミスマッチによる生産品の価格の暴落などによって、生産者が苦しめられています。
 誰にでも開かれたネットにスマートフォンやパソコンなどを接続し、スケジュールに関係なく好きな時間に最新の情報にアクセスできる身近な端末に移る人が増え、テレビ離れが目立ちます。
 車を所有せず、必要な時刻や場所でスマホやインターネットで予約して車を使用できるカーシェアリングが普及しました。店舗からネットショッピングへの移行、宅急便の増加など、人の意思や状況の変化で起動されるイベント駆動社会に向かって、社会の枠組みが大きく変わる時代にさしかかっていることを示しています。
 これらのIoT社会への変革を、限られた紙面ですが、幅広くやさしく全体像を描き出したいとの強い願いで本書に挑戦しました。
 このシリーズの特徴である、わかりやすいかどうか、絵を多用して視覚に訴えることで明日の社会を正しく描き出せたか、については、読者の皆様のご判断を待つよりほかありません。
 社会を駆動するインテリジェントセンサ、クラウドに置かれた大容量データベース、深層学習機能を進化させた人工知能(AI)などが人の意向を読み取って活躍し、インターネットが新しいインフラとなる社会が、すべての人に希望と機会を与え、幸せをもたらすことを心から願っています。
 著作に当たり、多くの著作や資料などを参考にさせて頂きました。著者の方々にあらためて感謝いたします。また、本書の実現にあたり、大変お世話になりました日刊工業新聞社の鈴木徹氏をはじめ関係の方々に厚く御礼を申し上げます。

2018年8月  
山﨑 弘郎


買い物かごへ