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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいプリント配線板の本
第2版

定価(税込)  1,620円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07857-6
コード C3034
発行月 2018年06月
ジャンル ビジネス

内容

プリント配線板の複雑な種類、特性、材料、工程などをわかりやすく1冊にまとめた本。初版では、多層化技術を中心にプリント配線板を紹介したが、第2版ではそれに加え、信頼性に関する項目も充実、新たな章として取り上げている。また、多層化技術では、スルーホールに関する技術、およびそれに関連しためっき技術についても、より詳しく解説している。

髙木 清  著者プロフィール

(たかぎ きよし)
1932年生まれ、1955年横浜国立大学工学部卒業。同年富士通㈱入社。電子材料、多層プリント配線板技術の研究開発に従事。1989年古河電気工業㈱、 ㈱ADEKAの顧問、1994年高木技術士事務所を開設、プリント配線板関連技術のコンサルタントとして現在に至る。

1971年技術士(電気電子部門)登録。㈳プリント回路学会(現、(一社)エレクトロニクス実装学会)理事、 ㈳日本電子回路工業会JIS原案作成委員などを歴任。
2011年(平成23年) ㈳エレクトロニクス実装学会、学会賞(平成22年度)受賞。
同学会、名誉会員。よこはま高度実装コンソーシアム理事、NPO法人サーキットネットワーク監事、(公社)化学工学会エレクトロニクス部会幹事。

著書: 「多層プリント配線板製造技術」1993年、「ビルドアップ多層プリント配線板技術」2000年、「よくわかるプリント配線板のできるまで(3版)」2011年。

共著:「プリント回路技術用語辞典(3版)」2010年、「入門プリント基板の回路設計ノート」 2009年、「プリント板と実装技術・キーテーマ&キーワードのすべて」2005年。(以上、いずれも、日刊工業新聞社刊)。


大久保利一  著者プロフィール

(おおくぼ としかず)
1957年生まれ。1980年大阪大学工学部卒業。1982年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。同年日本鉱業(株)(現 JX金属(株))入社。

1999年までリードフレーム、銅箔、プリント配線板、MCM、BGA等電子回路基板の製造技術(主にめっき技術)に関する研究開発に従事。その間、1987〜8年Case Western Reserve University(Cleveland OH,USA)で研究活動。

]1999年凸版印刷(株)に移籍し、引き続き電子回路基板の製造技術(主にめっき技術)に関する研究開発に従事。現在に至る。この間、大阪府大の社会人ドクターコースに入り2007年に博士(工学)を取得。また、2008〜2013年には、ASETドリームチッププロジェクトに参加。

著書(共著):近藤和夫編著「初歩から学ぶ微小めっき技術」第5章−2(工業調査会)2004年

委員:(一社)エレクトロニクス実装学会 学会誌編集委員しかず)

山内 仁  著者プロフィール

(やまうち じん)
1960年生まれ。

1982年 早稲田大学電子通信学科卒

1982年 富士通㈱入社。中小型コンピュータ中央処理装置向けCMOS LSI試験回路仕様策定およびLSI機能・特性試験技術開発に従事。

1993年 中小型コンピュータ向けMCM試験技術開発、ワークステーション向けMCM開発に従事。

1996年 プリント基板事業部にて、プリント基板製品の顧客技術サポートおよび、パソコン向けMCM開発に従事。

2002年 富士通インターコネクトテクノロジーズ㈱へ異動。半導体パッケージや多層基板向け技術営業を歴任。

現在、ビジネス開発統括部にて、マーケティングおよび新規ビジネス開発に従事。

委員:(一社)日本電子回路工業会 統合規格部会幹事として、部品内蔵電子回路基板規格(JPCA-EB01、JPCA-EB02)、電子回路基板規格(JPCA-UB01)、電子回路基板用語(JPCA-TD02)の規格策定に参加。

(一社)エレクトロニクス実装学会 学会誌編集委員、部品内蔵技術委員会副委員長、次世代配線板研究会幹事。

目次

第1章 電子機器の実装とプリント配線板


1 電子機器の例 「超大型から小型携帯機器までの種類」

2 機器内部の部品を搭載するのはプリント配線板 「機能を作る電子部品の接続」

3 たくさん種類のある電子部品 「機器を構成する電子部品」

4 実装階層と部品の接続 「パッケージレベルの小さな単位からマザーボードレベルまで」

5 半導体チップの接続法 「パッケージ基板と半導体チップの接続」

6 半導体集積回路の実装方法 「複数のチップの実装」

7 高密度配線と半導体の変化 「半導体チップの高集積化と基板の技術動向」


第2章 プリント配線板の構成と種類

8 プリント配線板が生まれるまでは 「プリント配線板がない頃の電子機器の構成」
9 配線のプリント化の歴史 「はじめは片面板で徐々に多層化した」

10 プリント配線板の構成・材料と用途 「片面板と両面板と多層板」

11 プリント配線板の導体パターン作製方法 「平面方向と板厚方向に導体を接続」

12 リジッド片面プリント配線板 「コストで有利な配線板」

13 めっきスルーホールプリント配線板 「両面板、多層板」
14 高密度配線も実現するめっきスルーホール法 「めっきスルーホール法のプロセス」

15 フレキシブルプリント配線板(FPC)の分類と構造 「柔軟性のあるプリント配線板」

16 半導体チップを搭載するプリント配線板 「サブストレート インターポーザ」

17 その他の多層プリント配線板の製造プロセス 「導電性ペーストによる接続」

18 ビルドアップ多層プリント配線板のプロセス 「ビルドアッププロセス」
19 各種のビルドアッププロセス 「パネルめっき法とセミアディティブ法」

20 ビルドアッププロセスの要素技術 「レーザ穴あけと導体層の形成」



第3章 プリント配線板の特性


21 プリント配線板に要求される特性 「電気 ・ 機械 ・ 化学的特性」

22 プリント配線板の直流的特性 「最も基本的な特性」

23 プリント配線板の交流的特性① 「高速 ・ 高周波化で重要な特性インピーダンスの整合」

24 プリント配線板の交流的特性② 「表皮効果」

25 プリント配線板の交流的特性③ 「伝搬速度と絶縁材料」

26 プリント配線板の交流的特性④ 「クロストーク」

27 プリント配線板の交流的特性⑤ 「電磁的両立性(EMC)設計」



第4章 プリント配線板の材料


28 導電材料と絶縁材料 「絶縁基板の形成」

29 導体材料 銅箔、ペースト 「導体材料としての銅」
30 基材としてのガラス布の材料 「基材はガラス布が主な材料」

31 積層板用絶縁樹脂 ・熱硬化性樹脂① 「汎用に使われているフェノール樹脂とエポキシ樹脂」

32 積層板用絶縁樹脂 ・熱硬化性樹脂② 「注目される高機能樹脂」

33 積層板用絶縁樹脂 ・熱可塑性樹脂 「熱に強い熱可塑性の配線板用樹脂材料」

34 リジッド用銅張積層板の種類 「剛性のあるプリント配線板」

35 ビルドアッププリント配線板用の絶縁基板 「高密度配線を実現する材料」

36 フレキシブルプリント配線板用の絶縁基板 「柔軟なプリント配線板を作る材料」



第5章 プリント配線板の設計と製造工程


37 回路設計とデータ作成 「CADとCAM」

38 アートワーク工程 「マスクフィルムを作る工程」

39 多層板の内層形成 「内層パターンの作製工程」

40 内層作製のための前処理 「研磨と洗浄」
41 感光性レジスト層の形成 「感光性レジストの種類」

42 マスクの露光と現像 「パターンの形成」
43 エッチング工程 「エッチング液(エッチャント)とエッチング性能」

44 積層工程 「多層板積層工程と穴加工」

45 積層前処理と積層編成 「黒化処理、銅表面エッチング、積層編成」

46 積層のための接着シート 「プリプレグの特性」

47 積層プレス加工と後処理 「編成品の一体化と解体、検査」

第6章 多層化プロセスのための穴加工とめっきと試験


48 機械式ドリルによる穴あけ 「めっきスルーホール法」

49 レーザドリルによる穴あけ 「ビルドアップ工法でのブラインドビア加工」

50 穴あけ加工の後工程 「デスミア、キャビティ加工、バックドリル」

51 プリント配線板に用いられるめっきの役割 「要求特性とめっきの品質」
52 無電解銅めっき 「反応と前処理プロセス」

53 電解銅めっき 「信頼性を確実とする電解銅めっき」

54 ソルダーレジストと端子の表面処理 「チップ部品などを接続するための最終表面処理」

55 マーキング印刷と外形等の加工 「各種の最終加工」
56 試験検査工程 「完成品検査の工程」

第7章 信頼性向上技術の進歩


57 ファインパターン形成のためのめっき法 「セミアディティブ法とフィルドビア法」

58 コアレス基板とスルーホールフィリング 「高多層ビルドアップ配線板の新技術」

59 ガラス布の進歩 「開繊処理とカップリング剤」

60 平滑面の密着性の保持 「伝送特性改善の方法」
61 接続の信頼性 「機械的特性と接続ビアの信頼性」

62 化学的特性と絶縁の信頼性 「プリント配線板の必要化学的特性」

63 絶縁信頼性の試験法と問題点 「HAST試験の課題」

64 部品との接続信頼性 「部品のはんだ付け」



第8章 プリント配線板の新展開


65 微細配線プロセスへの流れ 「MSAPプロセスへの流れ」

66 三次元実装や立体配線への流れ 「部品内蔵基板と立体的な実装技術」
67 今後の電子実装とプリント配線板 「ランドレスプリント配線板の可能性と課題」



【コラム】

●半導体チップの両面より端子の可能性

●技術は川上に流れた
●検査で付加価値を生まないもの(NVA)でしょうか?

●デジタル社会の落とし穴

●水平分業か? 垂直統合か?

●ソルダーレジスト(SR)と端子めっき
●開発国内、製造海外は続くのであろうか?

はじめに

 本書の初版は多くの方に読んでいただきました。その後、新しい大小のICT機器が多数出現しております。そこでは、IoT、センサ、人工知脳、ビッグデータ、クラウドシステムなどへの期待が高まってきています。これらを通し、社会インフラ関連システムにより官公庁や企業の活動が大きく変化し、生産工場の自動化やコンシューマー機器のインターネットを通しての制御などが議論されています。ここでは、膨大なデータを処理する数多くの種類の情報処理機器が活躍しています。

 これら機器の内部を見ますと、半導体デバイスをはじめ数えきれないほどの電子部品があり、これらをプリント配線板に搭載・接続した数多くのモジュール用電子実装基板を見ることができます。この部品を搭載・接続している板が『プリント配線板』です。

 情報処理では無数にあるアプリケーションソフトにより要望に応えておりますが、このソフトウェアは情報処理機器であるハードウェアがあってはじめて効果を出すものであり、電子部品を接続するプリント配線板があって、機能が発揮されます。

 このプリント配線板は一見したところ単なる板であり、材料が導電体と絶縁体で構成されている比較的単純に見えるものです。しかし、実際には導体配線は板の表面ばかりではなく、内部にも何層も配置され、配線も微細で、各種の特性はより厳しいものが要求されている大変高度で複雑なものです。

 このように複雑なものとなっているのは、半導体デバイスやその他の電子部品が進歩し、いかに使う人の要求に適う性能を達成するかを試行し、高度の技術開発を行った努力の結果で、プリント配線板も一体となって進歩してきたからです。

 プリント配線板は、この板の上に種類も数も多い電子部品を隙間なく取りつけて、必要な性能を持つ電子機器モジュールを作り上げていく土台となるものです。最新のプリント配線板は多くの場合、微細配線を有し、高速伝送をするために多層プリント配線を用いております。

 初版ではプリント配線板の基礎的なことを全般的に記述しましたが、第2版を上梓するにあたり、大久保氏、山内氏の参加を得て、広い視野で、その後の技術、ビジネスの進展に合わせ、プリント配線板の基礎、信頼性とともに、部品の実装との関係、新しい実装法などを加味しました。

 プリント配線板に関係する高度な材料の開発、微細化を実現するプロセスの要素技術と構築、信頼性を高めるための研究と部品実装との関わりなどをわかりやすく解説いたしました。本書が皆様のお役に立つことを祈るものです。

2018年吉日

執筆者代表 髙木 清

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