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これで納得!即実践!
分散分析と実験計画法

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 218頁
ISBNコード 978-4-526-07829-3
コード C3034
発行月 2018年03月
ジャンル 経営

内容

分散分析と実験計画法について、原理だけでなく、それぞれの使い道と使い方までを正しく理解できるよう丁寧に解説する。また理論だけでなく、実際にどのように使えばよいか理解できるようにエクセルを用いた実践方法についても解説する。

鈴木真人  著者プロフィール

(すずき まさと)
1958年 静岡県生まれ
1982年 芝浦工業大学工学部機械工学科卒業
同年 産業機器メーカーに入社
 以後、同社にて、タイムレコーダ、駐車場管理機器、集塵機、清掃機、電解水生成装置、デジタルタイムスタンプ、電子書名等の商品ならびに技術開発を担当。
【著作】
「バーチャル実験で体得する実践・品質工学」 日刊工業新聞 2007
「試して究める!品質工学MTシステム解析法入門」 日刊工業新聞 2012
「めざせ!最適設計実践・公差解析」 日刊工業新聞 2013
「今度こそ納得!難しくない品質工学」 日刊工業新聞 2016
「独習!信号処理」 秀和システム 2017

目次

第1章 分散分析を目的とした実験と実験計画法の活用
1・1 実験の本質
1・2 応答観察を目的とした実験について考える
1・3 分散分析と実験計画法の概要
1・4 システムと交互作用について
1・5 計測という行為と誤差の本質
1・6 計測結果の信頼性を高めるための努力 フィッシャーの3原則
1・7 分散分析を目的として因子を組みあわせて実験する理由とその効果
1・8 実験で得られたデータを分散分析で活用するには

第2章 統計学の基礎知識
2・1 無償ソフトウェアのダウンロードについて
2・2 母集団とサンプルの集め方
2・3 基本統計量
2・4 分布と正規分布
2・5 分散の加法性―統計学で2乗情報を使うもう1つの理由
2・6 中心極限定理―統計数理の源泉となる事実

第3章 相関と回帰分析
3・1 相関と相関の状況を可視化する散布図と相関係数の役割
3・2 偽相関、擬似相関
3・3 回帰分析―あきらかな因果関係がある相関から結果を予測する
3・4 寄与率―回帰分析結果のあてはまりのよさをあらわす指標
3・5 寄与率と相関係数の関係
3・6 Excelで行う回帰分析
3・7 くり返しがあるときの回帰分析
3・8 回帰式の信頼性を定量的に把握する

第4章 検  定
4・1 統計解析の結果から定量的基準に基づいた判断をするために
4・2 検定の考え方と進め方
4・3 χ2分布とχ2検定
4・4 F分布とF検定
4・5 p値という指標

第5章 分散分析
5・1 分散分析を実施する
5・2 2元配置実験の分散分析
5・3 3元配置実験
5・4 交互作用の変動を分解してみる

第6章 実験計画法の基礎
6・1 実験計画法の目的
6・2 ラテン方格法
6・3 L9直交表を使う

第7章 直交表の性質と割付のエ夫
7・1 直交表の性質を調べる
7・2 交互作用は要因効果にどのようにあらわれるか
7・3 直交表への割付
7・4 交互作用の影響を軽減するための割付の工夫

第8章 分散分析の展開
8・1 誤差情報の信頼性を高めるためのプーリング
8・2 純変動と寄与率
8・3 実験計画と分散分析結果を比較してみる

はじめに

はじめに

 2007年の『バーチャル実験で体得する実践・品質工学』をはじめとして、『試して究める!品質工学MTシステム解析法入門』、『めざせ!最適設計実践・公差解析』、『今度こそ納得!難しくない品質工学』と合計4冊の書籍を日刊工業新聞社様より出版していただくことができました。
 これがご縁となって、日刊工業新聞社様が開催される技術セミナーにおいて、品質工学の『パラメータ設計』と『MTシステム』、『公差解析』などの講師も担当させていただくことになりました。
 昨年の春、『実験計画法』の講義はできますか、とお声をかけていただきました。もちろん、喜んでお請けしたのですが、ひとつだけ、セミナー内容についてこちらからの要望をお伝えました。
 それは、本書でもくり返し説明していることなのですが、実験計画法は、『分散分析』という統計学の解析手法によるデータ解析を、最小限の費用と手間で実施するための道具であり、主は分散分析であることをしっかりと認識し、これを活用できるような講義内容にしたい、ということです。
 モノゴトのふるまいは、単独の要因のみが関与していることはほとんどなく、複数の要因がからみあってそのふるまいに寄与し、それを支配しています。分散分析とは、モノゴトのふるまいに関与しているであろういくつかの要因それぞれに対して、いくつかの選択肢を取りあげて実験し、その結果を統計学の手法を使って各要因がどの程度ふるまいにかかわっているのか、を定量的に分析するための手法です。
 常々、皆様は分散分析で得られるような情報を目的として、実験を立案し実施しているのではないでしょうか。
 ところが、「実験計画法を活用することで、実験回数を大幅に削減でき、時間とコストをかけなくても正しい結果が得られる」ということが世の中に喧伝されているようで、類書や多くの技術セミナーでは、最初に『実験計画(法)』という冠がついています。しかし、前述のように実験計画法は分散分析を実施するための道具にすぎません。主は、あくまで分散分析です。
 本書では、まず、分散分析を目的とする実験はどのように行うべきか、ということを実験という活動の本質から解説します。また、分散分析では非常に重要な情報となる偶然誤差についても説明しています。
 つぎに、分散分析のメカニズムを理解するには統計学の基礎知識が必要不可欠ですから、こちらについてもExcelで制作したツールやシミュレータを使って、確実に理解できるように解説しています。
 さらに、回帰分析、検定といった少し高度な統計学の手法についても解説し、十分に統計に関する知識をもっていただいたうえで分散分析の解説に進みます。ですから、分散分析は決して難解な手法ではない、ということをきっと理解していただけることでしょう。
 そして、いよいよ実験計画法についての解説にはいります。本来、すべての要因の選択肢を、総あたりで組みあわせて実験しなければ分散分析は実施できないのですが、実験計画法を使うことで、総あたりの組みあわせから抜粋した少数の実験のみで分散分析が実施できる理由と、その効果や問題点について説明します。
 また、モノゴトに関与する複数の要因間には、『交互作用』という分散分析で解析した結果得られる情報に、悪影響を及ぼす状況が存在することもあります。この交互作用についての解説と、あわせて交互作用の影響を受けにくくするための実験計画の立案方法や、交互作用の悪影響を軽減するためのデータ解析方法についても説明しました。
 総あたりの実験、および、実験計画法を使った実験で得られたデータを分散分析で解析するには、Excelを活用しなければいけません。そこで、本書の読者の皆様には、筆者がいつも実践している分散分析のためのExcelフォーマットや、実施例をダウンロードできるようにしました。また、統計学や実験計画法で使用する直交表についての学習を支援するツール群もダウンロードできますので、あわせて活用してください。
 最後に、分散分析と実験計画法の書籍の企画を、日刊工業新聞社様に意見具申していただきました、同社イベント事業部の野寺陽介様、書籍化にむけてご尽力いただきました出版局の木村文香様、そして、編集、校正をしてくださいました㈱日刊工業出版プロダクションの北川元様に感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 ちょうど、本書を執筆するきっかけとなったセミナーの準備をしているときに父が亡くなり、そして、まもなく原稿が完成するというときに母が他界しました。
 本書を今は亡き両親にささげます。

2018年2月8日 鈴木真人

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