買い物かごへ

顧客は展示会で見つけなさい
確実に集客・商談を増やす48の法則

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07830-9
コード C3034
発行月 2018年03月
ジャンル 経営

内容

展示会に出展する企業が増加している。そこには展示会ならではのメリットがあるからだ。本書では、その効果・メリットを最大限に取り込むために、出展のコンセプト、考え方、自社の技術、製品を伝えるメッセージやブースの設計、そして商談のフォローまで、すべてを網羅。展示会で商談を勝ち取るリアルなノウハウを詳解する。

弓削 徹  著者プロフィール

(ゆげ とおる)
東京・浅草生まれ。日本の土台である製造業をその下から支えるマーケティングコンサルタントとして活動。
クリエイター時代からSONY、サントリーなど2,200社のマーケティング企画、展示会出展にたずさわる。そのなかで得たキャッチコピー、デザインをはじめ心理学や色彩学などの知見にもとづき、低予算でも来場者を引きつけ、成約を呼び込む出展手法にたどりつく。支援先企業には「取引先はすべて展示会で見つけた」「展示会に出さえすればウチは成長できる」などの声をもらう。

商工会議所で500回以上講演のほか、ラジオ番組へのコメンテーター出演、経済誌へ寄稿を行う。[ノートパソコン]の名付け親。
主な著書に「転がす技術 なぜ、あの会社は畑違いの環境ビジネスで成功できたのか」(日刊工業新聞社)、「地方創生! それでも輝く地方企業の理由」(KKベストブック)がある。
弓削徹サイトwww.yugetoru.com

目次

第1章 基礎編
なぜネットの時代に展示会が活況なのか
1 よくある展示会のカン違い
2 展示会出展9つの効果
3 助成金を活用しなければソンをする
4 ウェブと連携してこそ展示会は盛り上がる
5 展示会は準備が9割
出展お知らせメール文例

第2章 準備編
出展効果を最大化する準備の仕方
1 目的・コンセプトを決めてシートをつくる
2 ゴールを数値化して明確にする
3 名刺を集めてはいけない
4 展示会の分類と種類を知る
5 展示会選びのコツはズラすこと
6 展示ブースには5つのタイプがある
7 自社の「ウリ」「強み」を見つける方法
8 展示要素を決めて“目玉”はひとつに絞る
9 展示する要素をリストアップする
10 差がつく販促ツールのつくり方
11 案内状送付・事前告知を徹底する
12 上手な外注業者の選び方・依頼の仕方
出展コンセプト・クロスシートのテンプレート
Column 外国人来場者への対策も考えておく

第3章 設営編
来場者の目をひくブースはこうつくる
1 小企業の90%のブースは何も伝えていない
2 成功したければコストはかけるな
3 一等地は通路幅とブースの向きで決まる
4 30メートル手前から発見してもらう方法
5 わかりやすい集客の仕掛けをつくる
6 ブースレイアウトは人の動線を意識する
7 ツールの効果で圧倒的に目立つ方法
8 来場者に刺さるキャッチコピーの書き方
9 ブースのカラー戦略でここまで変わる
展示会出展コスト計算例
展示会に効くキャッチコピーの選び方

第4章 運営編
訪問者が途切れないブースはこう運営する
1 スタッフ編成とマニュアルで省力化する
2 時間を決めてアポを入れておく
3 ミニセミナー開催で来場の理由をつくる
4 来場者へのムリな声かけはしない
5 ブースでの応対はこれで100点
6 刺さるセールストークを磨いて共有する
7 効果的なアンケートはこう作成する
アンケートシート例
8 情報や気づきはリアルタイムで共有する
9 出展の前後でプレスリリースを発信する
来場者コンタクトシート例

第5章 商談編
案件のタマゴを商談に育てる方法
1 訪問者をS・A・B・Cランクに分ける
2 顧客リストは短期・長期計画で追いかける
3 自社の黄金の受注パターンを知っておく
4 特別なオファーで本気度を伸ばす Aランク対策
5 メール活用で反応率を高める Bランク対策
6 メルマガで見込み客を育成する Cランク対策
7 展示会活用をデータで判断する効果測定
来場お礼メール文例

第6章 発展編
展示会をより強力な武器とするために
1 よい運営とゴール達成ができたか反省会をもつ
2 ウェブを展示会後の受け皿として整備する
3 同じ展示会への出展は3回までにしておく
4 共同出展・キャラバン運営という選択もある
5 世界へ売りたいなら海外展示会に出展する
6 他社ブースから学ぶ10のチェックポイント
出展の告知プレスリリース例

付録 展示会やることスケジュール表例

はじめに

はじめに

売り込みが嫌われる時代は展示会で販路開拓すればいい!

展示会の成否は予算では決まらない
 ある小企業が展示会に出展したときのことです。思いきって2小間出展にしたのですが、なんと通路を挟んで真向かいの3小間ブースに、奇遇にも取引先の中堅企業も出展してきていました。
 その取引先へはOEM供給をしていますので、両社が展示する商品の機能・効果はほぼ同じ。しかも取引先企業は予算をかけているらしく、専門の設営業者による曲線の演出も美しい木工仕上げで、まるで銀座の高級店舗さながらのブースでした。
 こちら(仮にA社とします)のほうはといえば、スタッフ総出で手作りした、低予算が丸出しのブース。このままなら、集客数の勝負の結果は見えています。
 しかし、規模と予算では決まらないところが展示会の面白さ。いざ開場すると、A社ブースは訪問者や通路に立ち止まって眺める来場者が引きも切らずの大混雑。
 一方、高級感あふれる向かいのブースは閑散としてスタッフさんも手持ちぶさた。そのうち、A社のブースと通路に収まりきらない訪問者を向かいのブースに場所を借りて接客する始末です。
 このA社は私の支援先企業であり、まだ社員が4〜5名の規模。面白いやら、申し訳ないやらで笑いをかみ殺しながら様子を眺めていました。A社がかけた予算は、おそらくお向かいの5分の1。それでいて得られた商談数は10倍以上でしょうから、費用対効果としては50倍超の差がついたはずです。
 この現場を体験したときに、展示会の成否を決めるものは予算やデザインではない、明解なメッセージのチカラだと確信することができました。

なぜ展示会を活用する会社が増えているのか
 いまは展示会シーンが活況であり、出展する企業は増加し、展示会の種類も増えています。設営業者も受注件数の上昇にうれしい悲鳴を上げています。私も、商工会議所から展示会活用のセミナー講師としてお呼びいただく回数が多くなってきました。
 また、私の支援先企業でも「展示会の効果が大きくなっている」「展示会に出てみたい」という話を聞く機会が増えています。理由はもちろん、展示会が販路開拓と業績拡大の強力な武器になるからです。費用対効果が高いからです。
 その背景には、インターネットを使ったマーケティング手法の行き詰まりがあるといえます。この10年、コストをかけずに販路開拓、集客をするならウェブサイトやSNSを活用せよと、万能であるかのように語られてきました。
 しかし、現実にはウェブサイトやランディングページなどが増えすぎてしまい、立派な企業サイトをつくっても砂漠に砂粒がひとつ増えたくらいのインパクトしか与えられない。
 訪問者を誘引しようと、リスティング広告を出稿しても、クリック単価の高騰で、モノが売れても結局は赤字になってしまう。
 ウェブ広告会社に駆け込めば、コンテンツマーケティングやマーケティングオートメーションという、わかったような、わからないような手法をすすめられる。ところが、そこに手間とコストを注ぎ込んでも、思うような結果は得られない…。
 つまり、インターネットはすでに飽和状態であり、過当競争の時代に入っているのです。
 インターネット集客のプロであり、優位な技術をもっているはずのIT企業やSEOサービスなどの会社が、率先して展示会に出展しているのですから間違いありません。amazonが高級スーパーを買収したり、楽天が家電量販チェーンと提携するなど、ネット企業も競争の激化でリアル事業に展開するのがトレンドなのです。

いちばん出会いたいど真ん中のお客様に会える
 それでは、従来からの人的営業による販路開拓はどうでしょうか。
 テレアポなどの手法はいやがられ、成果が出づらくなっている。飛び込み営業も同様です。潜在顧客が商品や技術の最新情報に自由にアクセスできるようになったいまでは、「必要なときに連絡するから来ないでくれ」と言われている気がします。
 それに、いまほど“売り込み”が嫌われる時代もありません。売り込む側の会社も、飛び込み営業ばかりを命じつづけていたら、若い社員はどんどん辞めていってしまうでしょう。
 こうした環境変化を受け、ようやく中小企業は方向転換をはじめました。より有効な新規開拓の手法が展示会であると気づいたのです。
 調査データを見ても、開催される展示会の種類は増えつづけており、出展社や来場者の数も増加しています。公共の助成金も、展示会を対象としたものに注力されるようになってきたと感じます。
 展示会のメリットのひとつは、ふだん接点を持ちにくいド真ん中の顧客、たとえば大手企業の設計や製品開発の担当者などと出会えること。
 しかも、アタマを下げてお願いする営業ではなく、課題に悩むお客様を受け入れて優位に商談を進めるというスタイル。有能な社員に飛び込み営業をさせてモチベーションを折ってしまうのではなく、課題解決の情報を教えて差し上げたり、体験の場を提供して商談化をはかるほうが何倍も有益でしょう。
 しかし、設営業者の何社かに聞いたところ、「新規」はそれほど増えていないという話。「出展していた会社はさらに回数を増やしているが、出展していなかった会社が新たに取り組むケースは少ない」というのです。
 ある会社は「5年先まで出展予約したいくらいです」と笑い、ある会社は「やはり展示会はコストが見合わないですね」と吐き捨てる──。
 つまり、上手な出展で結果を出している会社と、成果が上がらずに展示会をあきらめた会社との間に、大きな格差ができてしまっているのです。

なぜ成果の出る会社とダメな会社があるのか
 「展示会は役に立たない」と考えている社長さんと出会うことは少なからずあります。みなさん、「展示会はコストがかかるだけ」で「効果が見えない」という不満を述べます。それも、ちゃんとコンセプトを考え、おカネもかけてブースを発注したうえでの結果です。
 では、なぜきちんと計画して出展したはずの展示会が成果を上げられず、コスト倒れになるのでしょうか。
 いちばんわかりやすい原因は、「メッセージが伝わらないブース」。よくキャッチコピー作成セミナーで例に出すのですが、展示会はダメなキャッチコピーのチャンピオン大会のようなものです。
 私のような仕事をしている人間が、何度読んでも「何が新しいのか?、どうすごいのか?、どこが差別化点なのか?」がさっぱりわからない。社名だけで人が吸い込まれていく大手企業のブースならよいのですが、無名の会社なら「あなたの課題をこう解決します」と明示していなければ、立ち寄る理由がありません。その他、展示会に失敗する会社が陥りがちなワナとは、次のようなものです。
・業界定番の展示会を選んで出展する
・デザインのよい目立つブースをつくる
・とにかく名刺の数をたくさん集める
・展示会終了後の営業フォローが大切
「いずれも、正しいことなのではないか」とお考えでしたら、あなたも展示会のワナにはまりかけている可能性があります。

あなたの会社も展示会の成果を3倍にできる
 私は、マーケティングコンサルタントとして、大手企業の巨大ブースから、中小企業や個人ビジネスの1小間ブースまでの展示会出展を企画・プロデュースしてきました。
 それも、コンセプト立案だけでなく、出展商品の選定と展示会選択、ブースのデザイン設計、ポスターやバナー、カタログの実制作から、はては一日かけてブース設営に汗を流す現場までも経験してきました。
 私がプロデュースした支援先企業の出展ブースがあまりにも訪問者が多いので、それを聞きつけた主催社が「どうなっているのか」と見に来たこともありました。
 さまざまな会社の出展とトータルに関わる経験から痛感したのは、展示会という“立体的な”販促ツールは、プランナーや広告代理店、設営業者、デザイナー、コピーライターなど、あらゆる立場のスキルを統合した視点で発想していかなければならないということです。

 本書は、川上から川下までを知る現場系コンサルタントの立場から、リアルな展示会活用のノウハウについて書いたものです。
 展示会の選び方からコンセプトの策定法、ブース設計、キャッチコピーやポスターのつくり方、そして獲得名刺のフォローまで。章立ての順番通りに読み、考えて決定し、実行に移していただければ、1度の出展で1年分の見込み客を仕込むことができるはずです。
 さらに、商品のウリを特定する方法にも触れており、いわばマーケティング全般に関わるノウハウも含んでいます。
 実践的なマニュアルとして本書を活用していただければ、ヒト・モノ・カネ・情報に自信のない中小零細企業でも展示会の成果を3倍にすることができる。さぁ、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。

2018年3月 
弓削 徹(ゆげ・とおる)

買い物かごへ