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工場自動化のすすめ
本当に必要なものを見極める!産業用ロボット導入法

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-07822-4
コード C3034
発行月 2018年03月
ジャンル 経営

内容

製造業において自動化・省力化を実現する手法には、工程改善や作業改善などがある。その一つに産業用ロボットが挙げられる。まずは企業の実情に合わせた自動化・省力化の手法を検討し、その上で産業用ロボットの導入について考える必要性と、具体的なシステム例を挙げながらその手法を分かりやすく解説する。

宮川 孝文  著者プロフィール

(みやかわ たかふみ)
株式会社未来創造技術研究所 代表取締役

1957年7月生、東京都出身。
1980年3月に上智大学理工学部機械工学科卒業、同年4月日本光学工業株式会社(現ニコン)に入社し、映像機器(カメラ・交換レンズ)の生産技術や要素技術の開発に従事。2013年に早期退社。
2014年4月に法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科に入学。中小企業診断士とMBAを取得し、2015年3月に卒業。
2015年3月に技術コンサルティングを生業とする株式会社未来創造技術研究所を創業。
2015年4月に相模原市が計画し、さがみはら産業創造センターに設立した「さがみはらロボット導入支援センター」の計画段階から参画。
現在は、相模原市を核に地方自治体や中堅・中小企業からの依頼で、生産性向上コンサルティングを展開中。

・中小企業診断士
・日本ロボット学会 会員
・2015年〜 さがみはらロボット導入支援センター 統括コーディネーター
・2016年〜 法政大学大学院IM研究科 特任講師

目次

第1章 自動化・省力化のすすめ
―企業として永続するために―
1.1 なぜ、ものづくり産業にロボットが必要なのでしょうか
 ―迫り来る人材難に対応するためです―
1.2 産業用ロボット導入のメリットは?
 ―コスト削減だけではありません―
1.3 産業用ロボット導入のデメリットは?
 ―埃まみれになることです―

第2章 産業用ロボットと周辺ユニットについて
―産業用ロボットとはなんですか―
2.1 産業用ロボットとは
 ―まず知っておくべきこと―
2.2 いろいろな産業用ロボット
 ―産業用ロボットは個性的な姿をしています―
2.3 システムを作り上げるための周辺機器
 ―産業用ロボット本体だけでは仕事はできません―
2.4 協働ロボットについて
 ―人と一緒に仕事をします―

第3章 自動化・省力化を進める前に、知っておくべき知識
―生産性を上げるなら、まずはここから始めましょう―
3.1 組織力や企業体力に適した施策の重要性
 ―生産性向上策はロボット以外にもあります―
3.2 “気付く”ことから始めましょう
 ―職場に落ちている石ころをみつけましょう―
3.3 VEは生産性向上策における重要な思考方法です
 ―物事の本質を考えてみましょう―
3.4 IEを実践すれば必ず生産性は上がります
 ―少額投資でより良い成果が得られます―

第4章 導入に向けた心構えと準備
―ロボットメーカーやロボットSIerに相談する前に―
4.1 妄想を抱かないように
 ―ロボットはなんでもできるわけではありません―
4.2 前後工程・全体工程にも目を配りましょう
 ―人手作業をそのままロボットに置き換えないでください―
4.3 自動化向き設計を考えましょう
 ―容易に作業できるように見直します―
4.4 リスク・マネジメントもお忘れなく
 ―リスクの状態を評価し最善策を考えます―
4.5 ロボットメーカーやロボットSIerの選定は慎重に
 ―相性が良い企業を探します―
4.6 必要機能をリストアップしましょう
 ―最初の文書が重要です―
4.7 投資額査定をしましょう
 ―腹積もりします―
4.8 投資優先順位を決定しましょう
 ―腹を括ります―

第5章
思い描いたシステムの実現
―いよいよ自動化・省力化システムの設計〜稼働です―
5.1 要求仕様検討から装置完成・量産稼働までのスケジュール
 ―システム稼動までの日程感を示します―
5.2 要求仕様書の作成
 ―みんなで考えた必要な機能や性能を盛り込みます―
5.3 システム製作企業の選定・交渉
 ―ロボットメーカーやロボットSlerに投げ掛けます―
5.4 詳細仕様の協議
 ―ロボットメーカーやロボットSlerとの意思疎通を大切に―
5.5 設計・製作から組立調整
 ―ロボットメーカーやロボットSlerを信じて待ちます―
5.6 設置から稼働
 ―思い描いたシステムの完成です―
5.7 継続的な運用
 ―せっかく作ったシステムが埃まみれにならないように―

第6章
事例から学ぶ
産業用ロボットシステム
―自動化コンサルティングで提案した事例です―
6.1 パック包装作業の自動化システム
 ―労働生産性が2.2倍になったケース―
6.2 スポット溶接の自動化システム
 ―従業員の負担を軽減したケース―
6.3 ねじ転造加工の自動化システム
 ―ティーチングレスの稼動を可能にしたケース―
6.4 その他の提案事例
 ―自動化提案の3例です―

はじめに

はじめに

 本書は中堅・中小製造業の方々で、これから自社の生産性向上に取り組もうと考えている経営者の方や技術者の方に読んで頂ければと願い、執筆しました。これから自動化や省力化に取り組んでみたいけれど、一体どこから手を付けたら良いのだろうかと悩んでいる方も少なくないと思います。少しでもそのような方々の参考になれば、幸いです。基本的なことではありますが、ぜひ、知って頂きたいこと考えていることを書いています。
 生産性向上に努めることは、海外企業との競争に勝ち残り、日本のものづくり力を強固にするために重要な取り組みです。それは単に人件費削減による生産コスト低減だけではありません。生産コスト低減という目先の利益だけに捉われずに、私たちが考えなければならないことは、如何にして優れた人材を育成し続けるかであると思います。この点において生産性向上への取り組みが果たせる役割は大きいと考えています。どうしたらさらに働きやすい職場にできるのか、今まで以上の品質や精度を確保した上でもっと苦労しないで作る方法はないかなどを、働いているみんなで考えることで、職場が活性化され人材力も強化されます。自動化や省力化は人を削減するのではなく、人を活かす施策です。皆さんの企業で、自動化や省力化に取り組んで頂きたいと考えております。
 この施策について紹介するにあたって、本書では戸建住宅の建設の過程をイメージした章立てとしています。どのようなシステムを製作するかによって費用は大きく異なりますが、初めて導入を考えている中堅・中小製造業の場合の大まかなイメージ金額は、戸建住宅一軒分(土地代除く)の費用は掛かります。戸建て住宅と自動化・省力化システムでは使う目的や形など大きく異なりますが、計画から完成までの道筋や考え方は同じです。
 第1章は、なぜ必要なのかについてです。戸建住宅の購入を考える際にもいろいろな事情や目的があるでしょう。自動化・省力化システムも同様です。目先の事情に捉われずに本質的な目的を把握しましょう。
 第2章は、どのようなシステムがあるかどうかを調べます。住宅展示場やオープンハウスを見学に訪れることもあるでしょう。産業用ロボットも同様です。メーカーによって仕様も価格も異なります。まずは自社にはどのようなロボットが向きそうなのかを調査しましょう。
 第3章は、企業の地盤作りについてです。住宅をどのような地面に建設するのか。もし脆弱な地盤ならば、地盤改良が必要になります。まずは自社の組織基盤を強化しましょう。
 第4章は、構想段階についてです。住宅建設ではそれぞれの家族構成や生活スタイルなどを勘案して、間取りや設備などを家族で考えます。みんなで議論してどのようなシステムが好ましいのか、どこに解決すべき問題があるのかを検討しましょう。
 第5章は、具現化段階でのポイントの紹介です。住宅建設では住宅メーカーや工務店と具体的な仕様や価格、納期などを決定し、建設にかかります。発注側と受注側(ロボットメーカーやロボットSIer)との協議を重ねて、長期間使い続けられるようなシステムに作り上げましょう。
 第6章は、事例の紹介です。実際に稼働しているシステムを紹介します。同業他社で使っているシステムが自社に最適かどうかはわかりません。自社の実情に合わせて製造工程全体を見渡しながら、みんなで考えましょう。
 産業用ロボットは安い投資ではありません。自社の実態に合わないシステムを導入してしまったら、場合によっては企業の屋台骨を揺るがす事態に陥るかもしれません。ぜひ、慎重に検討してください。
2017年10月   
株式会社未来創造技術研究所 宮川 孝文

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