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図解 金属3D積層造形のきそ

定価(税込)  2,700円

著者
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サイズ A5判
ページ数 194頁
ISBNコード 978-4-526-07755-5
コード C3053
発行月 2017年10月
ジャンル 機械

内容

金属3D積層造形はこれまでの他の加工法ではできなかった形状の製品の作製や、製造期間の大幅な短縮が可能とされ、今後のものづくりに与える影響は大きい。本書では、金属3D積層造形の基盤となる原理・基礎理論とともに、実際の装置利用に関わる内容について具体例を用いて解説する。

京極 秀樹  著者プロフィール

(きょうごく ひでき)
1979年愛媛大学大学院工学研究科修了、1979年広島県立呉工業試験場研究員、1989年工学博士(東京工業大学)、1993年近畿大学工学部助教授、1999年同教授、2001年テキサス大学オースティン校客員研究員、2008年~2014年近畿大学工学部・学部長、2014年技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構プロジェクトリーダー、2015年近畿大学評議員、現在に至る。日本機械学会フェロー。
専門 金属積層造形技術、材料工学

池庄司 敏孝  著者プロフィール

(いけしょうじ としたか)
1993年東京工業大学工学部卒業、1995年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了、1998年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)、同年東京工業大学工学部助手、2006年NASA Goddard Space Flight Center客員研究員、2007年東京工業大学大学院助教、2015年近畿大学次世代基盤技術研究所准教授、現在に至る。
専門 金属積層造形技術、接合工学、航空宇宙工学

目次

目  次


はじめに

序 章
3Dプリンタが実現する新たな“ものづくり”

第1章 AM技術とは
1.1 AM技術の歴史
1.2 分類と概要
1.3 金属積層造形の特徴
1.4 パウダーベッド方式とデポジション方式
【演習問題】
コラム1

第2章 粉末特性と造形方式
2.1 粉末特性
2.1.1 金属積層造形に求められる粉末特性と評価法
2.1.2 粉末製造法
2.1.3 金属積層造形で使用される粉末
2.2 造形方式
2.2.1 パウダーベッド方式
2.2.2 デポジション方式
2.2.3 その他の方式
【演習問題】
コラム2

第3章 金属積層造形プロセス
3.1 金属積層造形プロセスの概要
3.2 走査パターン
3.3 レーザ積層造形プロセス
3.4 電子ビーム積層造形プロセス
3.5 レーザ積層造形と電子ビーム積層造形の比較
【演習問題】
コラム3

第4章 プロセス現象の解析
4.1 シミュレーションの概要
4.2 溶融凝固現象解析
4.3 組織制御
4.4 熱変形解析
【演習問題】
コラム4

第5章 造形条件の探索と材料評価
5.1 プロセスパラメータ
5.2 プロセスマップの作成
5.3 主な欠陥と発生原因
5.4 機械的性質
5.5 組織解析
5.6 形状測定
【演習問題】
コラム5

第6章 製品設計の考え方
6.1 基本形状の設計法
6.2 サポート設計
6.3 トポロジー最適化
6.4 ラティス構造の適用
6.5 適用例
【演習問題】
コラム6

終 章 次世代型3D プリンタによる“ものづくり”
新たな“ものづくり”の在り方
コラム7

演習問題の解答例

はじめに

はじめに

 アディティブ・マニュファクチャリング(Additive Manufacturing;AM)と呼ばれる新たな技術が次世代の加工技術として注目されている。本技術は、従来の加工法では不可能な三次元複雑形状品の加工が可能になるとともに、デジタルマニュファクチャリング技術であることから、IoT(Internet ofThings;モノのインターネット)などとの整合性がよいため、将来の有力な加工法の1つとして認識されている。
 本技術の装置は 3Dプリンタと呼ばれることが多く、1980年に名古屋市工業技術研究所・小玉秀男博士による紫外線硬化樹脂を利用した光造形に端を発するといわれている。その後、現在の3Dシステムズ社が開発した光造形装置やストラタシス社が開発した溶融物堆積法(FDM)による装置は試作品の作製技術として発展してきた。
 金属については、テキサス大学オースティン校のDeckard氏とBeaman氏により現在のパウダーベッド方式の装置が開発され、当大学のベンチャー育成事業により設立された DTM社により1992年に初号機が発売された。その後、EOS社により1994年に金属粉末を直接焼結する方法によるパウダーベッド方式の装置が開発された。しかし、当時は、十分な密度と強度を得ることは難しく、新たな金属加工法として認知されなかった。
 金属3Dプリンタについては、2000年代後半になって、装置の改良と併せて、高出力ファイバーレーザ、ソフトウェアや粉末の開発もあって、高密度・高強度の造形体が作製できるようになった。本技術に関する基本特許切れによる樹脂用3Dプリンタのブームが起こり、2013年にはアメリカ・オバマ大統領(当時)が一般教書演説で3Dプリンタによる製造業の復活を目指すとして、以後、金属に関する3Dプリンタの利用が加速した。
 このような中、我が国においても樹脂用3Dプリンタは普及してきたものの、金属3Dプリンタについては非常に高価であることもあり、導入企業はまだ少ないのが現状である。このため、金属積層造形技術に関する情報が少なく、また学習のためのテキストは、技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)による「設計者・技術者のための金属積層造形技術入門」のみである。
 本書は、ページ数にも限りがあり、レーザによるパウダーベッド方式の金属積層造形技術を中心に述べているため、金属積層造形技術を網羅的に紹介しているTRAFAMのテキストも大いに参照願いたい。
 本書は、金属積層造形技術に関する理解を深めるために、基盤となる原理・基礎理論を記述するとともに、実際に装置利用に関わる内容もできるだけ具体例を示して記述している。第1章ではAM技術の概要、第2章で粉末特性と造形方式、第3章では金属積層造形プロセス、第4章ではプロセス現象の解析、第5章では造形条件の探索と材料評価、第6章では製品設計の考え方と適用事例、終章では次世代型3Dプリンタによる“ものづくり”について述べている。一部、TRAFAMプロジェクトで得られた内容を引用している。TRAFAM事務局並びに組合員各位に深謝の意を表す。
 本書が、読者のAM技術の理解に役立ち、我が国におけるAM技術の展開に寄与できれば幸いである。
 最後に、本書執筆にあたり多くの資料を提供していただいた関係者の皆様、また資料作成に協力していただいた近畿大学次世代基盤技術研究所研究員・米原牧子博士、TRAFAM近畿大学広島分室研究員・中村和也氏、近畿大学大学院システム工学研究科大学院生・今井堅君、立花悠介君に深謝の意を表す。さらに、このような機会を与えてくださり、発刊に際しご尽力いただいた日刊工業新聞社出版局・原田英典氏、土坂裕子氏ならびに関係各位に深く感謝する。
2017年10月 
京極 秀樹、池庄司 敏孝

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