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きちんと知りたい!
軽自動車メカニズムの基礎知識

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07753-1
コード C3053
発行月 2017年10月
ジャンル 機械

内容

日本独自の規格である軽自動車を取り上げ、その歴史的経緯から紐解き、軽自動車の特性(「軽量・コンパクト」「低価格」「燃費向上」など)、仕組み、メカニズムについて、「軽自動車だからこその工夫」を紹介する。「丁寧でわかりやすいイラスト詳解図面」、「2頁見開き構成でサクサク読める本格的な内容」が特徴の図解本。

橋田 卓也  著者プロフィール

(はしだ たくや)
1958年大阪生まれ。1980年、理工関係の専門学校を卒業後、自動車メーカーの乗用車技術センターに入社、4WD車の開発を行う。1987年、自動車専門学校の教員となり、整備士養成のための教育に携わる。1993年、自動車鈑金塗装業界向け業界紙の編集者となり、以後編集長として業界の発展に尽力する。その後、独立して現在に至る。
◎著書:『 図解でわかるクルマのメカニズム』『図解でわかるエンジンのメカニズム』『自動車知りたいこと事典』(以上山海堂)、『きちんと知りたい! 自動車メカニズムの基礎知識』(日刊工業新聞社)ほか。

目次

CONTENTS

はじめに

第1章 軽自動車とは何か
1. 軽自動車の存在感
1-1 軽自動車は日本独自のカテゴリー
1-2 軽自動車が売れる理由(その1)
1-3 軽自動車が売れる理由(その2)
2. 軽自動車の種類
2-1 ボディ形状によるクルマの分類
2-2 軽自動車の種類(1) 乗用車
2-3 軽自動車の種類(2) 商用車
3. 現在の主流、軽ハイトワゴン
3-1 軽ハイトワゴンのルーツ
3-2 軽ハイトワゴン人気の理由
3-3 軽ハイトワゴンの人気モデル
COLUMN1 軽自動車の思い出① 昔の軽は強かった?

第2章 軽自動車の移り変わり
1. 軽自動車のサイズと性能
1-1 排気量と車体寸法(ボディサイズ)
1-2 エンジン搭載位置と駆動輪の関係
1-3 性能を知るための用語
2. 軽自動車の誕生と規格の変遷
2-1 戦後から1949年までの動き
2-2 軽自動車規格の制定と変更(その1)
2-3 軽自動車規格の制定と変更(その2)
2-4 排気量360cc時代(1955年~1975年)
2-5 排気量550cc時代(1976年~1989年)
2-6 排気量660cc時代(その1:1990年~1998年)
2-7 排気量660cc時代(その2:1998年~)
3. 時代を切り拓いた軽自動車
3-1 360cc時代(1) スバル360とホンダN360
3-2 360cc時代(2) スズライトとフェロー
3-3 360cc時代(3) マツダR360クーペと三菱360
3-4 550cc時代(1) アルトとミラ
3-5 550cc時代(2) レックス550とミニカアミ55
3-6 660cc時代(1) ミライースとアルト
3-7 660cc時代(2) eKワゴンとN-ONE
3-8 軽の4WD車 ジムニーとパジェロミニ
3-9 軽スポーツカー(1) コペンとホンダS660
3-10 軽スポーツカー(2) セブン160と平成ABCトリオ
COLUMN2 軽自動車の思い出② ミニカトッポの夢

第3章 軽自動車のエンジン
1. 軽自動車エンジンの基礎知識
1-1 一般的な軽自動車エンジン
1-2 4サイクルエンジンとは
1-3 エンジンを冷やすしくみ
2. なぜ直列3気筒なのか?
2-1 排気量、気筒数、シリンダー配列
2-2 軽自動車に直列3気筒が用いられる理由
3. なぜDOHC12バルブなのか?
3-1 バルブ開閉機構(システム)の役割
3-2 なぜ12バルブなのか(マルチバルブ化のメリット)
3-3 バルブタイミングとは何か?
3-4 バルブ開閉機構の種類とDOHCのメリット
3-5 可変バルブ機構(システム)
4. なぜ電子制御燃料噴射装置なのか?
4-1 燃料を供給するシステム
4-2 電子制御燃料噴射装置のメリット
5. エンジンの高出力化
5-1 高出力化の方法
5-2 軽自動車エンジンの高出力競争
6. 燃費、エコの追求
6-1 燃費、エコに配慮した排気装置の工夫
6-2 ダウンサイジングのメリット
6-3 好燃費の追求
6-4 新動力源によるエコの追求(その1)
6-5 新動力源によるエコの追求(その2)
COLUMN3 軽自動車の思い出③ 好きだった軽自動車(その1)

第4章 軽自動車の駆動系と足回り
1. 一般的な軽自動車の駆動系と足回り
1-1 駆動系と足回りの共通項
2. 軽自動車のトランスミッション
2-1 クラッチの構造と働き
2-2 トランスミッションによる変速の必要性
2-3 トランスミッションの役割と多段化の意味
2-4 M/Tの構造と作動
2-5 トルクコンバーターの構造と役割
2-6 CVTの考え方
2-7 CVTの構造としくみ
2-8 トランスミッションの新技術
3. 軽自動車の動力伝達
3-1 軽自動車の4WD
3-2 ディファレンシャルの構造と働き
3-3 差動制限型デフの作動
4. 軽自動車の足回り
4-1 ステアリング機構の構造と作動
4-2 パワーステアリングの構造と作動
4-3 サスペンションの役割
4-4 前輪に用いられるサスペンション
4-5 後輪に用いられるサスペンション
4-6 軽自動車に用いられるブレーキ
4-7 ABSとESC
4-8 タイヤの構造と種類
COLUMN4 軽自動車の思い出④ 好きだった軽自動車(その2)

第5章 軽自動車の安全性
1. 安全運転をサポートするシステム
1-1 エアバッグとシートベルトの進化
2. 安全運転支援システム
2-1 衝突被害軽減ブレーキ
2-2 安全運転支援システムの機能
3. 自動運転システム
3-1 自動運転レベルの定義
COLUMN5 軽自動車の思い出⑤ 好きだった軽自動車(その3)
OEM・共同開発車

おわりに
索 引
参考文献

はじめに

はじめに
 「はじめに」の冒頭から恐縮ですが、次頁のグラフを見てください。これは1975(昭和50)年以降の登録自動車(軽自動車の規格を超える大きさの自動車。小型自動車、普通自動車、大型特殊自動車など、10頁参照)と軽自動車の保有数の推移を表したものです。
 見ていただくとわかるように、登録自動車の保有台数は2000(平成12)年頃をピークとして徐々に減少しています。
 これに対して、日本独自の規格である軽自動車は、横ばいの時期はあるもののほぼ増加し続けているといっていい状況で、全体に対する軽自動車の割合は約4割に達しています。
 その理由はいろいろ考えられますが、軽自動車の商品価格や税金の安さ、ガソリン消費量の少なさといった経済的なこととともに(14頁参照)、運転のしやすさをもたらすサイズといった点が大きく影響しています(12頁参照)。運転に慣れたドライバーだけでなく、免許取り立てのフレッシュドライバーが運転に慣れるのに、ちょうどいいクルマとなっているのです。
 現在軽自動車は、公共交通機関が整備されている都市部は別として、地方では大切な交通手段の1つとして一家に1台はいうに及ばず、場所によっては1人に1台といっても過言ではないほど普及しています。

 軽自動車の「規格」が誕生したのは1949(昭和24)年でしたが、実質的に軽自動車が開発され始めたのは1955(昭和30)年に排気量が360ccに統一されてからだといえます(42頁参照)。
 生まれたばかりの軽自動車は、なんとか4人を乗せてある程度の距離を移動できるというものでしたが、その後排気量が550cc、660ccへと拡大され、ボディサイズも初期とは比べものにならないほど大きくなり、大人4人を乗せての長距離移動であっても、ほとんどストレスを感じない乗り物へとステップアップしてきました。
 本書では、こうして大きな成長を遂げ、今やなくてはならない存在となった軽自動車を取り上げ、軽自動車の概要、軽自動車が誕生した経緯とその頃のモデル、規格変更に伴う排気量やボディサイズの変遷とそれぞれの時期に足跡を残したモデル、軽自動車に特徴的なメカニズムとそれを理解するための基礎知識、最近の安全運転支援システムやエコロジー技術の特徴などについてまとめています。
 軽自動車のメカニズムを基本的なところから理解していただくのが本書の目的ですが、軽自動車のガイドブックとして、また懐かしい軽自動車のアーカイブとしても利用していただければ幸いです。
2017年9月吉日 
橋田 卓也

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