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決定版!「調達・購買」戦略の教科書

定価(税込)  2,700円

著者
サイズ A5判
ページ数 182頁
ISBNコード 978-4-526-07739-5
コード C3034
発行月 2017年08月
ジャンル 経営 ビジネス

内容

好評「調達・購買の教科書」の戦略版。”自ら調達業務を取り巻く現状を、情報収集、分析できるようになる””目的に応じて、調達業務における、部門、品種、組織設計の戦略構築を可能とする””自発的・自律的に戦略を考えられる、強い調達・購買部門を実現できる”「調達・購買」戦略に必要な知識をすべて網羅。

坂口孝則  著者プロフィール

(さかぐち たかのり)
大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。とくに企業内調達業務研修については他講師からの乗り換え依頼が相次ぐ。100ページを超える資料を使った情熱的な講義が大好評。また、調達・購買担当者同士の情報交換ができる場、「購買ネットワーク会」発起人。バイヤーの立場から見た営業のあり方や、商売のあり方についても多くの情報発信を行う。

「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『大震災のとき! 企業の調達・購買部門はこう動いた』(日刊工業新聞社)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書30作。

ホームページ「未来調達研究所」より、坂口孝則の手による無料教材がダウンロード可能。業界最大の購読者数を誇る。

●メールアドレス:sakaguchitakanori@future-procurement.com
●ホームページ「未来調達研究所」:http://www.future-procurement.com/
●Twitter:@earthcream

目次

目次


はじめに
本書の構成

第1章 調達戦略の考え方
調達戦略を考えるにあたっての極論
これまでの調達戦略の問題点
 本書における調達戦略構築にたいする基本姿勢

第2章 自社理念と調達戦略の深掘り
理念と調達戦略合致の重要性
 企業理念・ビジョンと実務の不一致
 企業理念・ビジョンの分解
 上司の役割は大きい
調達方針
 初期浸透と高次浸透

第3章 全体戦略
見たくない現実を見る重要性
 見たくない現実①原材料が原価を支配する
 見たくない現実②為替変動で利益が吹き飛ぶ
 見たくない現実③脆弱な調達構造
 5-Forces
 SWOT分析
 変形SWOT分析
コラム「日本経営の幻像」

第4章 品種戦略
内外作検討
 変動費について
 固定費について
 三つのパターン
 パターン1の場合
 パターン2の場合
 パターン3の場合
技術動向分析
 技術動向調査は体制づくりから
 海外勢をお忘れなく
 会議で話すべきこと
 技術勉強のための三つ
品種戦略現状把握の雛形
 市場環境分析の重要性
 品種環境分析四つの観点
 環境分析のキーワード化
 サプライヤ淘汰
 異業種プレイヤー分析
 ニーズ変化
 他社の調達分析
 自社調達の時系列分析
サプライヤ依存度分析
 自社内ハーフィンダールインデックスの作成
 サプライヤ依存度
 適正な依存度は存在するか
 サプライヤ経営戦略分析

第5章 組織戦略
I-Rフレームワーク
 四つの象限について
 I-Rフレームワークと調達戦略
SSCとBPOの概要
 SSCの効果はあるか
 BPOの導入ステップ
業務の分解
 業務分解サンプル
 業務分解と付加価値分析
組織形態分析
 代表的な組織分類
 組織を考える際に重要なこと
 役割別人工数計算
 調達人員の関与分類
 全社員に占める調達人員分析

コラム「調達人員のこれから」
THINKからDOへ
経験主義2.0へ
個人主義2.0とチーム主義への回帰
調達人員総コンサルタントの時代

第6章 問題分析
調達戦略構築のはじまり
新メソッド(カード)で目標設定
 ①目標はとりあえず立てる
 ②現状の悲惨さを味わう
 ③最悪から戦略を考える

第7章 発酵
会社の性質
事業拡大と調達・購買業務
次世代の潮流
戦略論の本質

第8章 解決策創発
最高の将来を考える
 ④解決策を創発させる
 調達戦略報告会の実施
 計画を作る際に気をつけたいKPI
 これまで誤解されていたKPI
 美的な戦略を目指す

第9章 補講
鉱物性燃料の影響度調査
為替動向分析
 購買力平価について
 さまざまなケース
 具体的な購買力平価の計算方法
 エクセルによる購買力平価の計算
自社の為替変動予想
 決算書による事実の確認
 計算による確認準備
 計算による確認
特定事業のライフサイクル
 S字カーブと事業発展段階
 S字カーブの予想
 調達戦略への応用
KPIの設定方法
 分析結果と施策
 KPIは根性論ではなく統計論
 調達におけるKPI定義


ロングコラム「IoTと調達」
「行動にフォーカスする時代になった」
「モノからコトではなく、すでにコトからカタの時代がやってきている」
「製造業から情報製造業に脱皮せねばならない」
1.FIFOの終焉
2.設備投資の明確化
3.ABC分析の実現化
4.PLCM2.0のはじまり

おわりに

はじめに

はじめに


 いま大金をドブに捨てる会社が増えています。
 コンサルタントなどに「調達・購買戦略」を作ってもらうためです。しかし、そのほとんどはしばらくすると使われないまま、報告書だけが部長席うしろのキャビネットでお休みしています。社内関係者に何人もヒアリングし、そして会議を重ね、スケジュールも作成し、時間と費用を莫大にかけた結果がこのザマです。
 その「調達・購買戦略」は、コンサルタントだけが作っているわけではありません。調達マネージャーや実務担当者も関わっています。また、コンサルタントは、戦略が使えないとわかって、資料を作成しているわけではありません。むしろ真剣に向き合っていることがほとんどです。しかし、使えない。だから結局は自分で作るしかありません。
 ただ同時に、調達・購買戦略の概要や他社事例を説明するのではなく、具体的な構築方法やツールを説明する書籍はありませんでした。
 この書籍は、次を可能にします。
・調達業務を取り巻く現状を、自ら情報収集し、そして分析できるようになる
・目的に応じて、調達業務における、部門・品種・組織設計の戦略構築ができるようになる
・自発的・自律的に戦略を考えられる、強い調達・購買部門を創出できる
 調達戦略構築にあたっての問題意識は次の通りです。
〈①調達戦略構築の前に情報を収集しなければならない〉
 自ら調達・購買戦略を構築する際に、いきなり、戦略を書き出すひとがいます。その場合、ほとんどが現状追認の無意味なものになります。
 製品の市場がどうなっているのか。社会的変化や、サプライヤの新規参入。サプライヤのコストレベルはどうで、経営状態はどうなっているのか。そして、社内外のニーズはどう変化しているのか……。それらを調べるほうが優先です。むしろ、調べている過程で、無意識のうちに戦略が想起できます。
 本書では、できる限り、情報収集や分析の観点を提示したいと思います。あなたがすでにやっているものにくわえ、本書にある分析を実施すれば、これまでにない厚みをもったデータ分析ができます。
〈②これまでにない戦略を引き出すツールがなければならない〉
 おなじことを繰り返して、違う結果を求めるひとがいます。残念ながら、その祈りは徒労に終わります。違う結果を求めるならば、違う手段によらねばなりません。これまで、調達・購買戦略を語ろうと思えば、他社のベストプラクティス(成功事例)を紹介するとか、戦略の概念を語るのがせいぜいでした。ただ、誰もはっきりいいませんが、あまりに条件が違いすぎるので、他社事例は役に立ちません。同じ業界であっても、他社は他社にすぎません。また、戦略論はかっこよすぎるので、「○○社の営業課長は、いつも非協力的だ」という、幼稚な、しかし切実な問題意識を無視してきました。美辞麗句やカタカナが横行し、ほんとうに解決せねばならない、身の丈の問題が、存在しないかのように振る舞っていたのです。
 私たちに必要なのは、具体的に、どうやって自分たちのオリジナルの戦略を作るかと、そのツールです。本書では、カードを使った調達戦略法についてご紹介します。
〈③調達部門みずからが戦略を思考せねばならない〉
 冒頭でコンサルタントの例をあげました。コンサルタントが去り、実行しようとする段階で、自分ごとのように感じられません。危機感、切迫感、自発性がないのです。そして、どうしてもこれを成し遂げなければならない熱量が絶望的に不足しています。
 もちろん、これはコンサルタントに依頼しない場合も同様です。調達戦略を書く行為と調達戦略報告会そのものが目的になっている場合は、そのうち形骸化していきます。証拠に、「今期の調達は上手くいきませんでした」と報告している例など見た経験がありません。いつも、表面上は上手くいっている。しかし、心の底では、無思考・無思想であると当事者がわかっているため、なんら調達戦略が存在しない状況になっているのです。
 本書では、幼稚であっても、借り物ではない、自らの戦略を作るお手伝いをします。業務をもっとも知っているのは現場です。しかも、業務のなかでもっとも面白い戦略を他人に任せるのはもったいない。戦略構築は、みずからの意思を取り戻すことを指すと私は考えています。本書は、調達人員の復興宣言でもあります。

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