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一番最初に読む設備保全の本

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-07737-1
コード C3053
発行月 2017年08月
ジャンル 機械

内容

製造分野の保全には、「機械保全」「電気保全」「設備保全」があり、どれ一つとして欠かせない存在。本書はそのうち「設備保全」のイロハから設備保全の基本構成要素、設備保全法の紹介、設備保全の全体PDCA、設備保全体制のあり方など、設備保全の要素すべてを全くの初心者でもわかる内容で解説する。

吉川達志  著者プロフィール

(よしかわ たつし)
国立大学卒業後、大手製鉄会社入社、現場ライン長など経験。20 年勤務。その後、コンサルティング会社へ転職。この間、50 を上回る事業所の指導を実施、大手企業から中小企業まで、現場第一線から経営マネジメントまで幅広く指導経験を持つ。現在はコンサルタントとして活躍中。
指導分野は、設備保全全般、品質向上、5S、改善活動、安全活動など多岐にわたる。
執筆は、機械保全関連、実際の企業活動、安全関連の雑誌など多数ある。

目次

目 次

はじめに

第1章 故障は、なぜ起きるの?
―設備保全の使命―
1-1 故障の定義と設備保全という活動
1-2 「故障」と「故障予備軍」 ~ガタがガタを呼ぶ!
1-3 故障の原因「悪玉微欠陥」
1-4 どうして「微欠陥」は悪玉なのか? ~微欠陥の「完全排除」の意味
1-5 設備の設計仕様と劣化 ~設備は必ず劣化する!
1-6 設備が壊れた! ~故障の直接原因
1-7 設備を壊した! ~故障原因の6つの「人の行動」
1-8 「設備保全」活動の進め方
~設備保全はリスクマネジメント!
1-9 保全体制構築の進化

第2章 設備保全ってなにをするの?
―計画主導の論理的保全体制を創る―
2-1 設備や機械の保全活動
2-2 「計画主導の論理的保全体制」を創る
2-3 3つの設備保全基本要素:「信頼性」「網羅性」「経済性」
2-4 3つの保全基本行動:「操る」「見張る」「戻す」
2-5 「設備保全」はどう進めるの? ~「計画主導の論理的設備保全」
2-6 「計画主導」「論理的」の意味

第3章 設備保全体制を創る
―故障ゼロ化、ゼロ維持体制の構築、改善・進化の体制―
3-1 設備保全体制を創る ~3つの構築ステージ
3-2 第1ステージ:故障ゼロ化
3-2-1 故障ゼロ化へのルート
3-2-2 故障発生のメカニズム
3-2-3 フェーズ2「故障の削減活動」
3-3 第2ステージ:「ゼロ」を維持する「設備保全体制」を創る
3-3-1 設備保全体制の全体PDCAシステム
3-3-2 サブシステム(1):標準類/基準類の整備
3-3-3 サブシステム(2):日常保全実施
3-3-4 サブシステム(3):日常整備、トラブル対応
3-3-5 サブシステム(4):保全工事実施計画(月次、および年次定期保全)
3-3-6 サブシステム(5):工事の実行
3-3-7 サブシステム(6):検収・評価
3-3-8 サブシステム(7):長期保全計画
3-3-9 サブシステム(8):設備台帳
3-3-10 サブシステム(9):予備品管理
3-3-11 サブシステム(10):予算/実績管理
3-4 保全体制構築プログラム
3-5 第3ステージ:設備保全の改善・進化
3-5-1 改良保全、保全予防
3-5-2 信頼性の進化 ~設備診断技術の高度化
3-5-3 RCMのトライ ~保全活動の高度化

第4章 データマネジメント
―指標をマネジメントする―
4-1 「データマネジメント」は、なぜ、必要か?
4-2 データマネジメントの実際
4-3 「論理」から保全データシステムの体系を構築する
4-4 「月報」「年報」を作ろう

第5章 保全費をマネジメントする
5-1 「保全費」は経営活動の重要な指標!
5-2 「保全費」の構造を考えてみよう!
5-3 「予算」を作る、「実績」をフォローする
5-4 設備保全レベルと保全費

第6章 保全活動を実践する
―設備別・機械別保全活動―
6-1 設備別・機械別保全活動
6-2 分類1、2:連続大量生産設備の保全体制
6-3 分類3、4:多品種少量生産設備の保全体制

第7章 人材の育成
7-1 人材育成の必要性
7-2 会社ごとに設備保全人材は異なる!
7-3 設備保全に必要なスキル
7-4 教育の3点セット:「教材」「先生」「場」の整備
7-5 「自ら考える力」を養成しよう
7-6 育成の仕組み

最後に

はじめに

はじめに
維持の信頼性を革新する『アグレッシブメインテナンス』の勧め

 「設備保全」ってなんだろう? 多くの人は「設備を整備する腕」と思うのではないだろうか? それはそれで間違いではない。しかし、「『設備の機能』を維持・改善し、不良のない安定した生産を継続する」のが、本来の「設備保全」なのである。ひとつ例をあげると、「修繕費を削減しろ!」というのではなく「最適な修繕費で生産を安定させろ!」というのが正解だ。しかし、故障や不良は「ゼロで当たり前」の指標であり、これを継続するためにどんなに一生懸命な活動であってもその結果が「ゼロの継続」のため、経営層からは評価されにくい。そこで、現場や設備技術サイドの「月々保全・日々保全から年次工事までを含む設備保全」と「経営サイドの収益追求」を一致させる活動が不可欠になる。これが「設備保全」の重要な目的である。「設備」の保全ではなく「設備の機能」の保全という視点だ。
 もうひとつ重要なことは、「この本で示した通りの保全体制をやれ」ということではなく、この本で示した「設備保全」の全体感、体制・システム、データマネジメントなどの意味合いをよく理解し、自分の工場の「設備保全」の弱点に気づき、そこを改善し、設備保全体制を進化させ続けることである。「設備保全」をやっていない工場はない。故障が多くその修復に追われている、保全体制を構築しているが修繕費が高止まりだ、運転員は設備に関心がなく操業だけだ、など、保全体制が中途半端な工場も多いのではないだろうか? 世の中は急速に変化している。労働環境も大きく変化した。その中で昔から培ってきた保全体制が通じるだろうか? 今後、5年先、10年先を考えた時、その時の設備や人に合わせた新たな「設備保全体制・システム」が必要になる。もう一度、自分の工場の「保全体制・システムの現状」と「将来のあるべき体制・システム」を考え、「設備保全」体制を高度化してほしい。設備は技術の進化によって、どんどん進化・進歩していく。一方、人は鍛えれば必ず成長し、期待に応えるはずだ。そのためには、人が活きいき活動し、その中で成長する「体制・仕組み」が必要である。これがもうひとつのこの本の目的である。
 最近、様々な工場へお邪魔すると、設備保全部門を持たない会社が増えてきた。大きな会社でも「紙」により設備保全活動が行われている。このような会社では、設備保全の一つひとつの活動はされているものの、全体の設備保全活動が粛々と回転し、設備が保全されているとは言い難い。本書で設備保全について、基本から理解し、「故障ゼロ、不良ゼロの生産」を継続できる「体制構築」「役割分担」「人材育成」を行ってほしい。
 この本は「一番最初に読む」シリーズの第3弾である。「設備保全」とは、実際に設備に触れる活動が行われていることを前提に、管理者が中心となって考え構築していくものだ。従って、前著「一番最初に読む機械保全の本」「一番最初に読む電気保全の本」と違うのは、新入社員が読む入門本ということだけではなく、是非、設備専門部門の方々に加え、操業部門、技術部門、さらには、経営部門も含む上位の方々にも一読していただきたい。
 最後に、この本を刊行するにあたり、日刊工業新聞社の書籍編集部には、大変ご助力いただいた。この場を借りて御礼申し上げたい。
2017年6月 
著者

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