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人間とロボットの法則

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ 四六判
ページ数 132頁
ISBNコード 978-4-526-07731-9
コード C3034
発行月 2017年07月
ジャンル ビジネス

内容

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著者はマツコロイドなどの製作などで知られる世界的なロボット工学者、鬼才・石黒浩氏。異彩を放つロボットの製作を通し、ロボットと人間の関わり方や、人間の本質を明らかにする研究を行っている。本書はこれまでの研究のもとになった着想や研究でわかった人間の本質、ロボットの在り方、頭の中のアイデアなどを、文章と図版の見開き構成で紹介する。

石黒 浩  著者プロフィール

(いしぐろ ひろし)
1963年、滋賀県生まれ。ロボット工学者。大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。大阪大学大学院基礎工学研究科教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究を通じ、「人間とは何か?」という基本問題を探求する。
開発した主なロボットに、テレノイド、コミュー、ジェミノイドF、エリカ、機械人間オルタがある。
主な著書は、「ロボットとは何か」(講談社)、「どうすれば「人」を創れるか」(新潮社)、「人と芸術とアンドロイド」(日本評論社)、「“糞袋”の内と外」(朝日新聞出版)、「アンドロイドは人間になれるか」(文藝春秋)、「人はアンドロイドになるために」(筑摩書房)、「枠を壊して自分を生きる。」(三笠書房)。

目次

目次


はじめに

第1章 人間とロボット
人間は自分のことを知らない
他者との関わりを通して生まれる自我
外部観測と内部観測
ロボット工学と認知科学
人間と動物の能力比較
人間とロボットの能力比較
技術によって拡張される人間の能力
ロボットのコストパフォーマンス

第2章 人間社会と技術
教育と仕事
未来(100年後)の教育と仕事
半減する日本の人口
仕事の量と生産性
人間の能力の底上げ
広がり続ける能力差
技術に使われる人間と技術を使う人間
食事と生殖行動
人間の社会的価値
産業と人間の命の価値
アンドロイドの価値
宗教とアンドロイド

第3章 人間とは何か、ロボットでどう再現するか
欲求、意図、行動
欲求や意図をもつロボット
意図の共有
アイデンティティとエクスタシー
本能の認識(本能のパラドクス)
より人間に近いロボットのアーキテクチャ
感覚と行動
対話の意味
感情のモデル
人間の基本的な性質
モダリティと想像
不気味の谷
不気味の谷の克服
観察と想像
想像に基づく認識
最低限のモダリティ
モダリティの組み合わせ
認識と信頼
社会における人格の形成
存在感と個性
対話とはストーリーを展開すること
対話とは意思決定
発話不要の対話
食とロボット
食べられるロボット
食とコミュニケーション

第4章 人間の進化
人間の進化
ムーアの法則
シンギュラリティ
人間と技術
人間における二つの進化の方法
人間の機械化
技術に置き換わる生身の身体
有機物の制約と無機物の可能性
有機物が存在した意味
無機物の知的生命体

おわりに

はじめに

はじめに

 研究において重要なのは、新しい何かを発見することなのであるが、それには物事をパターン化して捉える能力が必要なのだと思う。

 教科書で何かを勉強する時、「わかった!」という感覚を得る瞬間というのは、その教科書に書いてあることを、一つひとつ順番に理解していく時ではなく、そうした理解が全部つながって、全体のイメージが何かのパターンとして現れてきた時だと思う。「わかった!」と思った次の瞬間には、頭の中に理解したことのイメージが次々と広がり、それを実際に図などに描き出すことができる。

 新しい発見においては、とくにこのパターンとしての理解が重要になる。何かの問題をじっと考えていると、何となくその問題を表すパターンが頭の中に浮き上がってくる。そのパターンを図に描き出してみると、時に「これだ!」と思うようなパターンが見つかり、そのパターンに引きずり出されるように、問題に関わる論理が展開されていく。私にとって発見とは、まさにこのような過程を経て得られるものである。

 本書では、普段から考えている人間とロボットの問題に関して、どのようなパターンが頭の中に現れ、それを基にどのように考えているのかを表現してみた。もちろん、すべてのパターンを描き出せている訳ではなく、専門の研究に関するパターンについてはほとんど触れていない。専門性の高い問題ではなく、人間とロボットの一般的な問題について、どのようなイメージをもっているのかを描き出してみた。

 本書で議論するいろいろな事柄は、他の本でも取り上げられている事柄だったりする。しかしながら、それにパターンが付随すると、何かもう少し深いところで理解ができたように思えるのではないかと思う。また、私がイメージするパターンよりも、より適切で深い理解をもたらすパターンをイメージする読者も多いと思う。是非とも本書を読みながら独自のパターンの世界をつくってみてほしい。

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