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知って納得!植物栽培のふしぎ
なぜ、そうなるの?そうするの?

定価(税込)  1,296円

著者
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サイズ 四六判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07708-1
コード C3034
発行月 2017年04月
ジャンル その他 ビジネス

内容

栽培方法のなぜ、「そうなるの?」「そうするの?」というふしぎを解説。栽培したり、されている風景を見ると「なぜ?」と感じざるを得ないことがある。その栽培方法の解説から、それでどのようなメリットがあるのか、これらを知ることで面白みや仕組みを理解し、実際の栽培にも活かすことができる知識も身につく一冊。

田中 修  著者プロフィール

(たなか おさむ)
1947年、京都府生まれ。京都大学農学部卒業、同大学院博士課程修了。スミソニアン研究所(アメリカ)博士研究員、甲南大学理工学部教授などを経て、現在、甲南大学特別客員教授。農学博士。夏休みのNHKラジオ「子ども科学電話相談」の回答者を務める。著書に、「ありがたい植物」「植物のあっぱれな生き方」(以上、幻冬舎新書)「植物はすごい 七不思議篇」「植物はすごい」「雑草のはなし」「ふしぎの植物学」(以上、中公新書)、「植物は命がけ」(中公文庫)、「植物は人類最強の相棒である」(PHP新書)、「植物学『超』入門」「タネの不思議」「花の不思議100」「葉っぱの不思議」(以上、サイエンス・アイ新書)、「フルーツひとつばなし」(講談社現代新書)などがある。

高橋 亘  著者プロフィール

(たかはし わたる)
1973年、神奈川県生まれ。甲南大学理学部卒業、同大学院修士課程修了。(一社)日本草地畜産種子協会飼料作物研究所研究員を経て、現在、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 上級研究員。博士(理学)。夏休みのNHKラジオ「子ども科学電話相談」の回答者を務める。専門はバイオテクノロジーを利用した飼料作物の品種育成。

目次

目 次

はじめに

第1章 栽培のための土と苗の準備
1 なぜ、植物を土にすき込むのか?
2 なぜ、天然の肥料をつくりだせるのか?
3 なぜ、サツマイモをナノハナ栽培のあとに育てるのか?
4 なぜ、石灰をまくのか?
5 なぜ、黒いフィルムで地面を覆うのか?
6 なぜ、タネは硬い皮を持っているのか?
7 なぜ、ミントのプランターを埋め込むのか?
8 なぜ、〝連作〟はだめなのか?
9 なぜ、接ぎ木苗を使うのか?

第2章 家庭菜園で実践できる栽培
10 なぜ、水を毎日やらないのか?
11 なぜ、昼間に水をやってはいけないのか?
12 なぜ、光を遮って栽培されるのか?
13 なぜ、太陽の光を使いこなせないのか?
14 なぜ、ジャガイモが食中毒を引きおこすのか?
15 なぜ、一番上の芽を摘むのか?
16 なぜ、ナスの株にトマトが実るのか?
17 なぜ、切り取った茎から芽が生まれるのか
18 なぜ、粉吹きキュウリを粉なしキュウリにできるのか?
19 なぜ、寒さに耐えた野菜は甘いのか?
20 なぜ、根こそぎ収穫しないのか?
21 なぜ、白いアスパラガスができるのか?

第3章 農園での栽培のふしぎ
22 なぜ、茶畑に扇風機があるのか?
23 なぜ、イネは水田で育てるのか?
24 なぜ、夏の水田は干上がっているのか?
25 なぜ、大切な麦を踏みつけるのか?
26 なぜ、ダイコンはトンネル栽培されるのか?
27 なぜ、トウモロコシ畑は広大か?
28 なぜ、トウモロコシの粒は必ず偶数なのか?
29 なぜ、トウモロコシの違う品種は離して植えるのか?
30 なぜ、トマトはビニールハウスで栽培されるのか?
31 なぜ、寒い冬にビニールハウスを開け放つのか?
32 なぜ、ビニールハウスの中を電灯で照明するのか?
33 なぜ、トマトが夏限定の野菜でなくなったのか?
34 なぜ、1株に17000個のトマトが実るのか?
35 なぜ、真冬にチューリップが咲くのか?

第4章 植物工場で見られる栽培
36 なぜ、青色光と赤色光を照射するのか?
37 なぜ、発光ダイオードが使われるのか?
38 なぜ、照射する光の色を変えるのか?
39 なぜ、温度をわざわざ変化させるのか?
40 なぜ、湿度を調節するのか?
41 なぜ、二酸化炭素を与えるのか?
42 なぜ、水耕栽培なのか?
43 なぜ、年に20回以上収穫できるのか?

第5章 宇宙ステーションでの栽培のふしぎ
44 なぜ、宇宙にタネを持って行ったのか?
45 なぜ、無重力でも育つのか?
46 なぜ、芽と根は上下に伸びるのか?
47 なぜ、レタスが育つのか?
48 なぜ、緑色光が使われるのか?
49 なぜ、花が咲くのか?
50 なぜ、宇宙で植物を育てるのか?

参考文献
索引

はじめに

はじめに

 私たちは、畑や花壇で野菜や草花を栽培します。その栽培の方法について、ふつうには、深く考えることはありません。でも、「なぜ?」と感じざるを得ないことがあります。
 たとえば、前の年に、多くのナスが収穫できた畑に、次の年にもナスを栽培しようとすると、「毎年、同じ野菜を同じ土地に栽培してはいけない」といわれます。すると、「なぜ?」という素朴な疑問が浮かびます。
 また、チューリップなどの春咲きの球根は、寒い冬に向かう秋に花壇に植えられます。寒い冬の間、芽が出て成長することはありません。芽が出るのは、春です。「だったら、寒い冬が過ぎてから、球根を植えればいいではないか」との思いが生まれます。
 自分が実際に栽培しなくても、身のまわりには多くの植物が栽培されています。それらの植物の栽培方法に「なぜ?」と感じることもあります。
 たとえば、春から水がいっぱい与えられた水田で栽培されていたイネが、夏には、ひび割れするほど干上がった田んぼで栽培されています。イネが水の中で栽培されることも不思議ですが、「なぜ、夏の水田は干上がっているのか?」との疑問が生まれます。
 また、茶畑に電柱のような棒が多く立っています。その棒の先端には、扇風機のような羽根がついています。「風で電力をおこす風力発電をしているのか」と思われることがあります。あるいは、「暑い日に、茶畑を冷やすためのものか」と考えられたりします。しかし、そうではないのです。それなら、「なぜ?」との疑問が浮かびます。
 2015年、国際宇宙ステーションから、「レタスが育てられ、それを試食する」という映像が送られてきました。「宇宙で、植物は光合成をできるのか」、「宇宙で、花を咲かせることはできるのか」などの疑問が次々と浮かんできます。
 このように、私たちの身のまわりで行われている植物の栽培には、疑問を感じる事象が多くあります。本書は、その中から、野菜や草花、コメやムギ、トウモロコシなどの作物の栽培に感じる「なぜ?」を取り上げました。
 本書では、畑や花壇で実践される栽培の技術、田園の風景の中で見かける栽培の方法、ビニールハウスや温室で利用される栽培の原理、植物工場で使われる栽培の設備、そして、無重力という宇宙での植物栽培への挑戦などを紹介しています。
 いろいろな植物の栽培の裏には、植物たちの巧みな性質が隠されています。本書を通して、植物たちの栽培に潜むそれらの性質に気づいてください。そして、それらがどのように栽培に生かされているかを知ってほしいと思います。
 身近な植物たちに抱かれている、いくつかの「なぜ?」は解決していただけるはずです。ただ、「なぜ?」と感じる疑問は、尽きることはありません。1つの「なぜ?」が解ければ、そこからまた新たな「なぜ?」が生まれてきます。あるいは、それまで気にならなかった事象が、「なぜ?」の対象になることもあります。
 でも、1つの「なぜ?」が解ければ、喜びや感動が得られます。そして、その喜びと感動が、次に生まれた「なぜ?」を考える力となってくれます。本書がそのきっかけになることを願っています。
2017年4月吉日       
田中 修 ・ 高橋 亘

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