内容
日本のモノづくりを支える九州地方の元気な企業を45社取材し、執筆した。各企業の特徴や強みなどを紹介。1企業4ページで紹介しており、記者の客観的な目線で各企業の見どころを写真付きで紹介するコーナーを設けている。
目次
目 次
まえがき
第1章 福岡
㈱大阪精密…自動車産業を救う金型ドクター
大塚精工㈱…プロ集団が生み出す一品一様のセラミックス部品
㈱カミキ…メイド・イン・ジャパンの真骨頂
㈱三松…夢をリアルに。変化し続けるモノづくり進化形企業
㈱C&Gシステムズ…グローバル・ニッチ・トップを目指し、事業展開
昭和鉄工㈱…技術とモノづくりで豊かな未来を
㈱正興電機製作所…創立100年に向けて全部門が成長戦略
西部電機㈱…多彩な技術で明日を拓くメカトロニクスメーカ
㈱DAIKO TOOL…航空機分野への参入で九州を代表するメーカーに
㈱太平環境科学センター…顧客第一主義で環境分析のリーディングカンパニーへ
ダイワ化成㈱…快適さ、さわやかさを突きつめるモノづくり
㈱筑豊製作所…エンジン、建機・クレーン、産業機械、開発事業の4本柱でモノづくりを支える
㈱テクノスマイル…モノづくりの現場を熟知し、徹底的にサポート
東洋ステンレス研磨工業㈱…金属に意匠と機能を与えて50年 「金属化粧師」集団
㈱ドーワテクノス…顧客価値を創造し続け、未来を開くFAプランナー
日本タングステン㈱…創立100周年に向け、全社一丸となり挑戦
㈱ノムラ…モノづくり企業のコンシェルジュを目指して
㈱ファインテック…荒波を乗り越え、世界へ切り込む切断の総合プロデュースメーカー
㈱堀内電気…省エネ、創エネに貢献する「電気の総合プロデュース集団」
松本システムエンジニアリング㈱…高利益を生み出すオリジナル林業機械生み出す
㈱メイホー…他の追随を許さない製品で世界に貢献する
㈱明和製作所…果敢な挑戦と地域貢献によるモノづくり
㈱森鐵工所…「信頼」「誠実」「機動力」を武器に世界を駆け回る
八洲産業㈱…世界から最先端のハードとソフトを調達し、一歩進んだ日本のモノづくりを世界に発信
㈱ワークス…超精密を極める
渡辺鉄工㈱…福岡の老舗製造業の新たな挑戦
第2章 佐賀 長崎
佐賀
神埼工業㈱…国内シェア70% 造船に欠かせない曲げ加工機を佐賀から
田口電機工業㈱…ナノ加工技術を有するめっき加工のプロフェッショナル
㈱中村電機製作所…防爆技術一筋で安全・防災に貢献する
㈱中山鉄工所…IoT搭載破砕機で未来を拓く
日本建設技術㈱…地域に根ざす確かな環境技術とサービス
宮島醤油㈱…粉末スープで成功 日本の台所支える老舗メーカー
森鉄工㈱…高度な部品製造を支えるプレス機械メーカー
長崎
滲透工業㈱…金属表面改質技術で世界の企業の問題を解決する
宮本電機㈱…FAシステムで培った技術を農水産業へ展開
第3章 大分 鹿児島 熊本
大分
㈱池永セメント工業所…ニッチトップを目指し新事業創出
㈱宇佐ランタン…ちょうちん作りで障がい者雇用の道照らす
佐伯印刷㈱…印刷技術を武器にソリューション・プロバイダーへ
㈱ターボブレード…得意とするデザインエンジニアリングで未来製品を設計
徳器技研工業㈱…やさしさをカタチに
鹿児島
㈱アーダン…奄美産シルクで世界中の美と健康を追求
熊本
㈱オジックテクノロジーズ…表面処理を進化させる
㈱熊防メタル…表面処理技術を通じて地域産業の発展と社会貢献を実現
金剛㈱…安心と先進で「空間づくり」から「価値づくり」へ
ナカヤマ精密㈱…世界最高水準の品質で部品加工を続け、メイド・イン・ジャパンを支える
はじめに
まえがき
九州が元気だ。2016年4月に発生した熊本地震は、九州経済に大きな被害を与えた。しかし地元の懸命の努力もあって、「創造的復興」に向けて着実に前進している。震災前を上回る業績を上げている企業も多い。大きなハンデを背負いながらも、今年の九州経済は全国を上回る成長を達成しそうだ。
日銀福岡支店などの景気判断をみると「緩やかに回復している」という表現が大勢を占めている。しかし製造業の生産水準は着実に高まっており、自動車や半導体など輸出も好調だ。これに伴い、設備投資も高い水準で安定している。観光を含む個人消費こそ不安定要素があるものの、全体としては底堅いものがありそうだ。景気拡大のカギになるのはやはり、地元に根付いた中堅・中小企業。もちろん九州各地には、様々な業種の優れた中堅・中小企業が数多く存在する。
日刊工業新聞は百余年前の創刊以来、「モノづくり」「中小企業」「科学技術」の3つのキーワードのもと、新聞を発行してきた。優秀な中堅・中小企業が全国に存在しているのは、日本経済の強みでもある。よって九州の優れた企業の情報を全国に発信するのは重要なミッションだと認識している。ただ得てして、優れた技術やサービスを持つ企業ほど「アピール下手」な面がある。こうした企業の応援団として、情報発信のお手伝いを行うことが日刊工業新聞の役割と考えている。本書を発行した狙いはまさにそこにある。
本書を手に取られた方は「この会社はよく知っている」「名前は聞いたことがあるが何をやっているかはよく知らない」「名前すら聞いたことがないが、面白そうな会社だな」など、様々な反応があるだろう。本書は限られた行数ながら、企業の特徴を最大限引き出したつもりだ。これによって距離が縮まれば、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。
本書の主な読者は企業、とりわけ製造業と関わりのある人が多いだろう。しかし就職活動を控えた学生の皆さんにも是非とも読んでいただきたい。自分が生まれ育った土地に、こんな素晴らしい企業があるということを知ってもらえれば幸いである。
日刊工業新聞社
西部支社長 嶋崎 直