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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいアミノ酸の本

定価(税込)  1,620円

編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07692-3
コード C3034
発行月 2017年03月
ジャンル ビジネス 化学

内容

体の大部分を構成する「アミノ酸」。人間が生命を維持するためには、必要不可欠な成分である。アミノ酸に関する研究開発は日々進み、新たな特性や活用方法が発見されている。本書では、歴史から特性、応用分野、未来に期待される技術など、アミノ酸に関する内容を総合的にやさしく紹介する。

味の素株式会社  著者プロフィール

●編著者
味の素株式会社
http://www.ajinomoto.com/jp/

●編集委員
小林 久峰 研究開発企画部
不藤 亮介 研究開発企画部

●執筆者(五十音順)
五十嵐 大亮 (いがらし だいすけ) イノベーション研究所
石井 博治 (いしい ひろじ) バイオ・ファイン研究所
今泉 明 (いまいずみ あきら) イノベーション研究所
畝山 寿之 (うねやま ひさゆき) グローバルコミュニケーション部
大倉 冬美恵 (おおくら ふみえ) バイオ・ファイン研究所
太田 史生 (おおた ふみお) 甘味料部
岡元 訓 (おかもと さとる) バイオ・ファイン研究所
梶原 賢太 (かじわら けんた) ダイレクトマーケティング部
片山 美和 (かたやま みわ) スポーツニュートリション部 
唐川 幸聖 (からかわ さちせ) イノベーション研究所
河合 美佐子 (かわい みさこ) イノベーション研究所
北澤 学 (きたざわ まなぶ) イノベーション研究所
小林 久峰 (こばやし ひさみね) 研究開発企画部
坂井 良成 (さかい りょうせい) イノベーション研究所
佐藤 斉 (さとう ひとし) ダイレクトマーケティング部
佐藤 和博 (さとう かずひろ) 知的財産部
四方 菜穂子 (しかた なほこ) イノベーション研究所
鈴木 克也 (すずき かつや) イノベーション研究所
惣中 一郎 (そうなか いちろう) EAファーマ株式会社 研究開発企画部
瀧野 嘉延 (たきの よしのぶ) バイオ・ファイン研究所
多良 千鶴 (たら ちずる) バイオ・ファイン研究所
中條 剛具 (ちゅうじょう よしとも) EAファーマ株式会社 研究開発企画部
外内 尚人 (とのうち なおと) バイオ・ファイン研究所
飛田 和彦 (とびた かずひこ) 化成品部
二宮 くみ子 (にのみや くみこ) グローバルコミュニケーション部
中川 一輝 (なかがわ かずき) バイオ・ファイン研究所
野草 義人 (のぐさ よしひと) イノベーション研究所
平林 由理 (ひらばやし ゆり) 広報部
藤條 武司 (ふじえだ たけし) バイオファイン研究所
不藤 亮介 (ふどう りょうすけ) 研究開発企画部
松田 吉彦 (まつだ よしひこ) バイオ・ファイン研究所
松本 英希 (まつもと ひでき) イノベーション研究所
水越 利己 (みずこし としみ) イノベーション研究所
村上 仁志 (むらかみ ひとし) 研究開発企画部
安居 昌子 (やすい まさこ) イノベーション研究所

目次

目次

第1章 アミノ酸って何
1 タンパク質を作るアミノ酸「いのちのもと「アミノ酸」」
2 アミノ酸が体を作る「タンパク質の消化吸収と再合成」
3 アミノ酸の構造「形が性質を決める」
4 アミノ酸の種類①「必須アミノ酸」
5 アミノ酸の種類②「非必須アミノ酸」
6 アミノ酸の分類「様々な分類方法」
7 アミノ酸の体内での働き「様々な働きを持つアミノ酸」
8 アミノ酸の誕生「アミノ酸はどこからやってきた?」
9 アミノ酸発見の歴史「約200年前の発見」
10 タンパク質を作らないアミノ酸①「遺伝子に暗号化されていないアミノ酸」
11 タンパク質を作らないアミノ酸②「動植物の生長や健康を陰で支えるアミノ酸」

第2章 アミノ酸はどうやってできる
12 アミノ酸を生産する方法「種類によって様々な方法がある」
13 発酵法でアミノ酸を作るには「アミノ酸を作るコリネバクテリウム細菌」
14 発酵法によるアミノ酸生産「微生物を利用した新産業」
15 日本が誇るアミノ酸発酵工業「発見・発明・改良すべてが日本発」
16 環境にやさしいアミノ酸発酵「廃棄物の出ない工場」
17 日本で進化を続ける全自動分析計「ニンヒドリン法によるアミノ酸分析」
18 質量分析計を用いた最新のアミノ酸分析法「最新のアミノ酸分析技術」

第3章 アミノ酸と食・栄養
19 うま味の相乗効果「世界の料理で使われてきた、料理をおいしくする仕組み」
20 うま味を用いて上手に減塩「「うま味」は、5基本味の1つ」
21 グルタミン酸は健康な食生活を支える?「満足感の付与」
22 グルタミン酸で健口な生活を送ろう!「唾液分泌」
23 アミノ酸の味「うま味アミノ酸グルタミン酸以外のアミノ酸も味を持つ」
24 発酵食品はアミノ酸の宝庫「発酵食品のおいしさのヒミツ」
25 フレーバーとしてのアミノ酸「食を演出する影の主役」
26 砂糖の200倍の甘みを持つ甘味料「高甘味度甘味料アスパルテーム」
27 アミノ酸の安全性「アミノ酸の代謝酵素の能力」
28 母乳とアミノ酸「生まれて初めて出会う味「うま味」」
29 食事で摂るアミノ酸の量がわかる「アミノ酸成分表」
 
第4章 アミノ酸と健康
30 免疫システムを維持するアミノ酸「グルタミン、アルギニン、システインとテアニン」
31 睡眠とアミノ酸「グリシンで質の高い睡眠を」
32 アミノ酸でアルコール分解「二日酔い予防」
33 血液中のアミノ酸で健康状態がわかる「生活習慣病を調べる・予測する」
34 メタボリックシンドローム対策アミノ酸「アミノ酸を上手に利用してメタボ解消を目指そう」
35 健康寿命延伸にアミノ酸「アミノ酸で筋肉と超高齢社会を元気に」
36 医療現場でも大活躍のアミノ酸「多機能アミノ酸・アルギニン」
37 グルタミンは細胞の大事な栄養源「多機能アミノ酸・グルタミン」
38 アミノ酸の自然な力で食欲回復!?「胃の働きを回復させる「L-アルギニンL-グルタミン酸塩」」
39 脳の疲れを改善「ヒスチジンでシャキッとした毎日を」

第5章 アミノ酸と美容
40 肌のうるおいとアミノ酸「肌状態の改善には保湿が重要」
41 肌を守るアミノ酸「アミノ酸は複数の手段で体を守る」
42 美白とアミノ酸「肌の色もアミノ酸で作られる」
43 コラーゲンもアミノ酸「コラーゲンは3重らせん構造」
44 毛髪もアミノ酸「髪も肌もケラチンが重要」
45 肌の抗酸化とアミノ酸「肌の酸化をアミノ酸が止める」
46 アミノ酸をベースとした化粧品「アミノ酸は様々な化粧品原料に変換できる」

第6章 アミノ酸とスポーツ
47 スポーツアミノ酸BCAA「BCAAのスポーツ時の効果」
48 持久力向上「アミノ酸の補給で疲れにくく楽しくスポーツを」
49 疲労・筋肉痛を回復「アミノ酸の補給で疲労を素早く回復」
50 プロテインで不足しがちな栄養素を補給「理想の体作り」

第7章 アミノ酸と医療
51 アミノ酸で「がん」を見る「新しいタイプのがんの早期発見技術」
52 アミノ酸のみで設計された栄養輸液「アミノ酸輸液」
53 クローン病と成分栄養剤「タンパク源をアミノ酸とする栄養剤」
54 肝疾患と分岐鎖アミノ酸「BCAA投与の有用性」
55 腎不全用栄養剤「効率的なタンパク質の摂取」
56 がん化学療法とアミノ酸「グルタチオン」

第8章 アミノ酸利用の広がり
57 アミノ酸による途上国の栄養改善「“KOKO Plus”によるガーナでの栄養改善の取り組み」
58 細胞培養用培地「先端バイオ医薬品の製造や再生医療用細胞の培養への利用」
59 海・川を育てるアミノ酸コンクリート「防災と環境の両立を目指す」
60 動物のエサにもアミノ酸「ムダを省いて公害・地球温暖化を抑制」
61 乳牛用アミノ酸「4つの胃を持つ牛に合わせたアミノ酸製剤」
62 肥料としてのアミノ酸の利用「植物に対して多様な作用を持つアミノ酸」
63 アミノ酸を菌でつなげる「タンパク質を発酵法で作る」
64 アミノ酸のもう1つの世界「D-アミノ酸」「D-アミノ酸の知られざる存在と機能」

コラム
●アミノ酸利用の歴史
●昆布ではなく小麦から製造―アミノ酸生産のはじまり
●納豆のネバネバはおいしさのもと?
●犯罪捜査にもアミノ酸が活躍
●アミノ酸を利用した化粧品の開発
●アスリートの海外での食事事情
●成分栄養剤のはじまりは宇宙食
●ノーベル賞とアミノ酸

参考文献
索引
執筆者一覧

はじめに

はじめに

 みなさんは「アミノ酸」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?筋肉と関係がありそうだなと思う人もいるでしょう。スポーツをやっている人の中には、コンディションを整えるためにアミノ酸を飲んでいる人がいるかもしれませんね。お肉やお魚のタンパク質にも含まれることを知っている方もいらっしゃるでしょう。
 実はアミノ酸は地球上にはとてもありふれた物質です。地球上のアミノ酸の大部分は、他のアミノ酸と結合したタンパク質の形で存在し、私たち人間を含む生物の体を構成しています。しかし単体のアミノ酸を目にする機会はあまり多くありません。そのため、アミノ酸がどんなものかを具体的にイメージすることは難しいと思います。
 人間を含む動物は必要なアミノ酸のすべてを自分自身の体内で作ることができないので、食物やエサを食べ、その中のタンパク質をアミノ酸に分解して、アミノ酸を体内に取り込み利用しています。食品やエサもそのもとは生物ですから、生物から生物へアミノ酸が移動していくことになります。ここにアミノ酸を通じた生命の循環があります。アミノ酸は生命の根源的な物質であり、その起源の解明は、生命の起源の解明にもつながります。
 アミノ酸は私たちの体で、様々な働きをしています。またアミノ酸の様々な性質を利用し、人の生活を豊かにするためにいろいろな場面で活用されています。私たちは普段、アミノ酸を直接目に触れることなく、また意識することなく生活を送っていますが、アミノ酸のことを少しでも知ってもらいたい、より豊かな生命と生活のためにアミノ酸を役立ててもらいたいという思いから、本書の企画が持ち上がりました。
 本書では、アミノ酸の働きをできるだけわかりやすく解説し、いろいろな利用のされ方を紹介します。第1章「アミノ酸って何」ではアミノ酸の基本的な性質や構造と種類、機能を解説しています。第2章「アミノ酸はどうやってできる」では、アミノ酸の製造や分析の方法を説明します。第3章では、食や栄養におけるアミノ酸の機能や重要性を、第4章から第7章にかけては、それぞれ「健康」「美容」「スポーツ」「医療」におけるアミノ酸の機能やその利用について紹介します。第8章では新たに広がってきたアミノ酸の活用法について触れています。この本を手にとっていただいた方々に、アミノ酸の多彩な機能やその利用について少しでも興味を持っていただければ幸いです。今後さらに、アミノ酸の世界がより広く、深く、進んでいくことを期待しています。
 最後に、本書の企画から出版まで、日刊工業新聞社の木村文香様、土坂裕子様には長期間にわたる辛抱強いサポートをいただきました。お二人のご尽力がなければ本書の完成はありませんでした。お二人には心より感謝いたします。
2017年3月
著者代表 味の素株式会社研究開発企画部 小林久峰

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