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「配管設計」実用ノート

定価(税込)  3,456円

著者
サイズ B5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-07682-4
コード C3043
発行月 2017年03月
ジャンル その他 化学

内容

配管技術は産業の基幹技術の1つで、その活躍する分野は多岐にわたる。本書は、配管設計全般に関する基礎知識と応用事例を解説した。ページ構成は、図表を豊富に使用したノート形式とし、見やすさ、使いやすさを追求。著者の経験をもとにした実践的な内容が特徴。

西野 悠司  著者プロフィール

(にしの ゆうじ)


1963年 早稲田大学第1理工学部機械工学科卒業

1963年より2002年まで、現在の株式会社 東芝 京浜事業所、続いて、株式会社 東芝プラントシステムにおいて、発電プラントの配管設計に従事。その後、3年間、化学プラントの配管設計にも従事。

一般社団法人 配管技術研究協会主催の研修セミナー講師。
同協会誌元編集委員長ならびに雑誌「配管技術」に執筆多数。

現在、一般社団法人 配管技術研究協会参与。

日本機械学会 火力発電用設備規格構造分科会副主査。

西野配管装置技術研究所代表。


●主な著書

「絵とき 配管技術 基礎のきそ」日刊工業新聞社

「トコトンやさしい配管の本」日刊工業新聞社

「絵とき 配管技術用語事典」(共著)日刊工業新聞社

「トラブルから学ぶ配管技術」日刊工業新聞社

「絶対に失敗しない配管技術100のポイント」日刊工業新聞社

目次

目 次

はじめに

第1章 配管材料を選択する
1.1 配管材料/炭素鋼系鋼管
1.2 オーステナイト系ステンレス鋼管
1.3 プラスチック管
1.4 バルク材としての管、管継手
1.5 配管クラス
1.6 材料ファミリーリスト

第2章 水力学的に管路を設計する
2.1 流れを支配する法則
2.2 水力勾配線の活用
2.3 レイノルズ数と層流・乱流
2.4 損失水頭の計算
2.5 管摩擦係数を求める
2.6 流れやすい断面形状
2.7 管継手、バルブなどの損失計算
2.8 経験式を使って損失計算
2.9 配管サイズの決定
2.10 調節弁差圧と系全体の差圧
2.11 圧縮性流体の流量を計算する
2.12 背圧が流れを阻害する
2.13 流れと配管のアップ、ダウン
2.14 スムースな流れにするベント

第3章 ポンプ-管路系を設計する
3.1 ポンプの特性を知る
3.2 ポンプ-配管系の運転
3.3 複数のポンプと抵抗がある配管系
3.4 直列と並列、両方の抵抗がある配管系
3.5 ポンプNPSHと配管
3.6 ポンプ配管系のサージング
3.7 配管に対するポンプ許容荷重

第4章 配管をレイアウトする
4.1 配管レイアウトの基本
4.2 配管レイアウトのポイント
4.3 機器ノズルのオリエンテーション
4.4 ポンプまわりの配管レイアウト
4.5 熱交換器・ドラムまわりの配管レイアウト
4.6 タワーまわりの配管レイアウト
4.7 ラック配管のレイアウト

第5章 管・管継手の強度を評価する
5.1 管・管継手に生じる力と応力
5.2 面積補償で行う強度評価方法
5.3 実際に使われる直管の計算式
5.4 管継手の強度計算式
5.5 管台のある穴の補強
5.6 例題による穴の補強計算
5.7 配管コンポーネントの圧力クラスとスケジュール番号制
5.8 バルブ、フランジの圧力-温度基準

第6章 適切に配管フレキシビリティをとる
6.1 負荷応力と変位応力
6.2 配管フレキシビリティ
6.3 熱膨張応力範囲に対する許容応力範囲
6.4 コールドスプリングと配管反力

第7章 材力で配管支持構造を設計する
7.1 ベクトルと力の平衡式を使って、支持点荷重などを計算する
7.2 梁のせん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD)
7.3 梁の強度、断面二次モーメント
7.4 複合的な応力がある場合の強度評価
7.5 サポート部材の強度
7.6 鋼構造設計基準による設計

第8章 配管振動に対処する
8.1 どんな配管振動があるか
8.2 機械振動と棒の固有振動数
8.3 圧力波と気柱振動数
8.4 励振源により起こる強制振動
8.5 自励振動と流体励起振動
8.6 流速の急変で起こるウォータハンマ
8.7 振動による疲労破壊

第9章 腐食・侵食に対処する
9.1 腐食の多くは電気化学的に起こる
9.2 分極で腐食・電気防食を考える
9.3 電気絶縁して防食する
9.4 典型的な電気化学的腐食
9.5 流れが関与する流れ加速腐食(FAC)
9.6 物理作用により起こるエロージョン
9.7 保温材下で起こる配管外部腐食(CUI)

第10章 バルブを「適材適所」で使う
10.1 バルブのエッセンス
10.2 仕切弁のエッセンス
10.3 玉形弁のエッセンス
10.4 ボール弁のエッセンス
10.5 バタフライ弁のエッセンス
10.6 逆止弁のエッセンス
10.7 電動弁のエッセンス
10.8 調節弁のエッセンス
10.9 安全弁・逃し弁のエッセンス
10.10 バルブに起こる異常昇圧

第11章 特殊任務を果たすスペシャルティ
11.1 伸縮管継手の種類
11.2 伸縮管継手に生じる推力とその処置方法
11.3 伸縮管継手とサポートの配置方法
11.4 ベローズ形伸縮管継手に関するその他、必要な知識
11.5 フレキシブルメタルホースのエッセンス
11.6 スチームトラップのエッセンス

第12章 配管支持装置を選択し配置する
12.1 サポート計画
12.2 サポート位置決めと形式選定
12.3 リジットハンガのエッセンス
12.4 スプリングハンガのエッセンス
12.5 コンスタントハンガのエッセンス
12.6 ばね式防振器のエッセンス
12.7 油圧防振器のエッセンス
12.8 メカニカル防振器のエッセンス
12.9 レストレイントのエッセンス

第13章 ポンプ-配管系を実際に設計する
13 実 習

【付表1】主要サイズの鋼管諸元表
【付表2】よく使われる物性値
【付表3】よく使われる単位
【付表4】梁の内力とたわみの計算式
【付表5】主な断面の断面性能計算式
【付表6】主な形鋼の断面性能計算式
【付表7】よく使われる基準・規格
【付表8】よく使われる略号

参考/引用文献

図表掲載頁一覧

索引

はじめに

はじめに


 

本書の特徴
 本書は、つぎのような特徴をもっていると考えます。

❶‌執筆にあたり、読者が配管技術に対して、より深い理解が得られるよう、また、より深く愛着がもてるようにと考え、本書では結論や結果だけでなく、なぜそのような結果になるのか、その道筋を示し、また、得た知識を実際に使えるものとするため、従来になく、実践的な例題を多く取り込みました。最後の13章では、設計の最初から最後の段階まで、実際的な事例で個々の課題の処理の仕方を追っています。

❷‌入門書で扱う範囲に加え、本書は、初級はもちろん、中級程度の領域にまで踏み込み、類書が触れていないところまで解説しました。

❸‌次頁の「エンジニアが習慣にしたい10項目」に触れたとおり、技術者は「事象」あるいは「与えられた課題」を「直感的」に捉えることが大事です。「直感」で捉えることは、「イメージ」で捉えることで、その最も直接的な方法は、事象や式を図や絵にしてみることです。無味乾燥に見える工学上の式も直感的に捉えられるよう、「摸式図」にしてみました。

❹3頁の“配管技術の樹”にも示したとおり、配管技術者は、配管技術そのものの知識だけでなく、関係する「腐食・防食」、「振動」に関する知識、また、上流部門が発行する図書や、屋内・外の空間を走る配管が関係する、関連機器・装置、土木・建築、電気・計装、空調設備などに関する広い知識が求められます。本書では、紙面の許すかぎり、配管技術者、設計者が知っておいてほしい事柄を、間口を広げて取り込みました。


本書の骨組み

 本書は、例えば、第1章第1節は本文中において、“1.1”のように表し、各節を原則、見開きの2頁で構成するのを原則としました(一部原則に則らないものもあります)。

 各節のテーマのすぐ下の“このシートの要旨”では、3行以下で、、読者の方にもっとも知ってもらいたいことを書きました。

 各節本文は、大きな項目から、小さな項目へ、順に、1、❶、①の見出し番号を付けています。①は結果的に箇条書きの順番にも使用しています。
 

配管技術の将来

 さて、われわれが携わる配管技術は非常に長い歴史を持ち、近年、配管の技術革新も加速しつつありますが、なお、悠然たるあゆみといっていいと思われます。しかし、他の産業分野のように、産業技術が他の技術によって、とって変えられるかというと、配管技術の場合、設計技術、材料、製造技術の個々の技術では新陳代謝が行われても、配管技術そのものは、存続していくことでしょう。なぜなら、流体をいかに効率よく、確実に、安全に、輸送するか、という理想を追求していくことが、配管技術だからであり、配管技術の将来性は当分の間約束されていると言っていいでしょう。

 読者の皆様は、こつこつとご自身の配管技術の道を歩み、配管技術のレベルアップに貢献して頂きたいと思います。そして、本書により、諸兄の「配管設計」、「配管技術」に関する理解が一層深まることを願ってやみません。

 最後に、本書の執筆の機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功出版局長、また、企画段階からアドバイス、ご支援をいただいたエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心からお礼申し上げます。
そして、本書執筆にご協力いただいた多くの方々に感謝申し上げます。


2017年3月
西野 悠司





「エンジニアが習慣にしたい10項目」

 筆者長年の経験から、エンジニアが日ごろから習慣づけ、涵養に努めていくことが望ましいと考える10の習慣を挙げてみました。


1 好奇心をもつ 好奇心は知識を増やす原動力である。

2 想像力を働かせる これがこうなったらどうなるか、想像してみる。それにより、トラブルを予見でき、防止できることもある。

3 イメージ化する 文字や数式での理解は間接的である。イメージにより、直感的に理解する。なんでも図に描いてみる。

4 図面を読む これはなぜこの形でなければならないか、寸法、形状のバランスはよいか。図面は読むように見る。

5 現場を見る 図面からのイメージには限界がある。現物を知ることが大事。配管の現物は現場にある。

6 文献を集める 文献、インターネット、などにより、将来役立ちそうなものは、日ごろより集め、保管しておく。

7 4力学基礎の理解 水力、材力、機械力学、熱力学、の基礎を理解していないと応用がきかない。これらの座右の本を持つ。

8 自頭力を鍛える 直面する課題に対する知識がなくとも、自分のいま持っているもので、何とか答えに迫る根性が必要。

9 語学力をつける これは言わずもがな。海外での仕事もあるし、海外の文献を読む必要もある。

10 苦境はレジリエンスで どんな失敗、労苦も耐え抜けば、時間が再生してくれる。それらの経験が次のステップの踏み台となる。

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