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設計者のためのめっき設計仕様書の書き方

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-07681-7
コード C3057
発行月 2017年03月
ジャンル 金属 機械

内容

めっきは、その製品の最終品質に大きくかかわっているだけに、設計者は「めっき設計仕様書」に関する適切な知識がなければならい。そこでこの本では、設計者が知っておくべきめっきの基礎知識から、設計力を高めるために必要なめっき設計仕様書の上手なまとめ方などを具体的に解説していく。

星野 芳明  著者プロフィール

(ほしの よしあき)
1944年 東京都に生まれる
1971年 横浜国立大学工学部応用化学科卒業
1978年 株式会社キザイ(旧社名日本化学機材株式会社)退社
(1966年入社以来めっき技術、排水処理技術の研究開発及び現場導入指導を担当)
1979年 環境計量士(1977年登録)作業環境測定士(1979年登録)により、環境計量、環境改善の技術指導に取り組む
1987年 技術士登録により、星野技術士事務所開設し、現在に至る
1991年 労働安全コンサルタント登録により、生産設備機械安全対策に取り組む
現 在 株式会社ハイテクノ技術スタッフ・上級表面処理講座講師
東京都鍍金工業組合高等職業訓練学校 電気めっき科講師
日本技術士会、埼玉技術士会所属
社団法人表面技術協会会員

目次

目  次

はじめに  

第1章 めっきを必要とする部品設計における「めっき仕様」の問題点
1 めっき設計仕様書作成の衰退
2 設計品質と製造品質が機能品質をつくる
3 セットメーカー社内規格に基づく「めっき設計仕様書の作成」と認定制度の時代
4 JIS規格にないめっき仕様が増加している現状

第2章 設計者のための基礎知識(その1)めっきの役割と機能
1 めっき加工技術とめっき皮膜の密着性
2 めっき加工技術による外観・色調(光沢性、耐変色性)
3 めっき加工技術による耐食性(防錆、防食)
4 各種機能特性に適しためっき種

第3章 設計者のための基礎知識(その2)表面処理と成形加工
1 めっきとは
2 各種表面処理法
3 めっき加工用素材の質
4 表面粗さの調整方法
5 2次成形加工品の素材洗浄方法
6 各種素材の理想的な前処理工程例

第4章 めっきを必要とする部品設計におけるめっき設計仕様書の作成法
1 めっき品質確保のための部品設計図面への表面性状(粗さ)表示の必要性
2 めっき品質確保のための部品設計図面への表面調整表示の必要性
3 めっき品質確保のためのその他の設計留意点
4 JIS 規格によるめっき仕様表示の活用事例
5 JIS 規格によるめっき仕様表示の正しい活用
6 国際競争下でのもの作りにおけるめっき設計仕様書の重要性

第5章 各種めっき関連分野で定める表面処理仕様書への表示記号
1 ジュエリー及び貴金属製品の素材およびめっき仕様の表示方法
2 真空めっき加工におけるめっき仕様の表示方法
3 アルミニウムおよびアルミニウム合金の陽極酸化皮膜仕様の表示方法

おわりに  

はじめに

はじめに

 その時代、時代に求められる製品を造り出すことは、セットメーカーや部品メーカーの大きな役割である。部品設計を行い求める製品に組み付け、ある機能特性をだそうとする場合、どのような素材をどのような成形加工で造り出すかを十分検討しながら設計者は設計品質を図面上に描かなければならない。
 古き時代、求める機能特性の一つとして、装飾性、美観性を付与するために水銀(Hg)に金(Au)を溶かし込んだ(滅金)ペースト状のもの(アマルガム)を造形品に塗布して、それを加熱し水銀を蒸発させると金の被覆ができる(鍍金)乾式めっき加工を用た。江戸時代には、薩摩藩藩主の島津斉彬が伝来した「湿式電気めっき法」を利用して兜や刀剣の飾りとして装飾めっきを最初に行ったと言われ、めっき加工という要素技術を設計者が活用するようになった。
 しかし、薄いめっき膜厚では装飾性を具備することはできても「めっきが剥げた」ということがおこり、「悪いもの」「偽物」の代名詞にもなってしまった。その後、例えば安価な錆やすい鉄素材で部品を造り、防食・防錆を高め製品の耐久性を向上させる目的から厚膜型のめっき加工技術が大きな役割を果たし、JIS規格(ISO国際規格対応)として標準化された。
 21世紀の現在、めっき加工を必要とする部品設計において、めっき加工という要素技術は機能特性の創出という面で大きな役割を持つに至り、これからの日本の製造業が目指さなければならない魅力的なデザインと機能性の複合化、すなわちデザイン・ドリブン・イノベーション(Design Driven Innovation)という概念に基づく“機能めっき”というべき機能性とデザインを複合しためっきを必要とする部品設計が求められる。そのためには各種単一金属のめっき皮膜なのか、あるいは合金めっき皮膜なのか、それぞれめっき浴種も酸性タイプ、アルカリ性タイプ、あるいは中性付近のタイプなどの選定により求めようとする機能特性とデザインに違いが生じ、適切な選定と指示表記が必要になる。
 現状およびこれからのめっき加工が必要とするデザインの探求は、・趣向性の探求、・設計の探求、・成形加工およびめっき加工時の探求など多岐にわたるが、特に・の探求が重要で、新製品開発の設計全体に関わる大きな影響力を持っていると考える。
 そのためにはめっき加工を必要とする部品設計におけるめっき仕様の適切な指示表記が必要で「めっき設計仕様書」の作成が重要になってくる。この本の役割がここにある。
2017年3月
星野 芳明

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