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“ケムシェルパ”を活かした
よくわかる規制化学物質のリスク管理

定価(税込)  2,484円

監修
編著
編著
編著
サイズ A5判
ページ数 290頁
ISBNコード 978-4-526-07684-8
コード C3043
発行月 2017年03月
ジャンル その他 化学

内容

これまで国内では、製品、部品に含まれる化学物質の企業間の情報伝達に2つの業界標準スキームが使われていた。それを統合する形で経済産業省の主導で化学物質情報伝達の統一スキーム「chemSHERPA(ケムシェルパ)」が開発され、2018年度から実施される。本書はケムシェルパについて、その概要とケムシェルパを活用した化学物質のリスク管理方法をわかりやすく解説する。

(一社)東京環境経営研究所  著者プロフィール

第1章
第1節 (一社)東京環境経営研究所 小泉 岳利
中山 高秀
河西  崇
第2節 (一社)東京環境経営研究所 松浦 徹也

第2章
寄稿 経済産業省製造産業局化学物質管理課
第1節 (一社)東京環境経営研究所 幸田 悦男
石原 吉雄
第2節 (一社)東京環境経営研究所 中山 政明
鈴木  浩
第3節 (一社)東京環境経営研究所 佐藤 和彦
第4節 NEC 製造・装置業システム開発本部 シニアエキスパート  森  伸明
沖電気工業株式会社 情報・技術本部 地球環境室 室長 緒形  博

第3章
第1節 (一社)東京環境経営研究所 宮坂 隆太
                        瀧山 森雄
                        林   譲
井上 晋一
第2節 (一社)東京環境経営研究所 瀧山 森雄
                        松浦 徹也
                        杉浦  順

第4章
第1節 (一社)東京環境経営研究所 小泉 岳利
第2節 可塑剤工業会         柳瀬 広美

第5章
第1節 分析機器工業会 ヴァーダー・サイエンティフィック㈱プロダクト担当部長 二宮 苗央
    環境委員会 河合 英治
    分析機器工業会 近藤  宏
    ㈱日立ハイテクサイエンス 分析応用技術部 課長 並木 健二
    ㈱堀場製作所 アプリケーション開発センター 科学・半導体開発部 マネージャー 坂東  篤
    日本電子㈱MS事業ユニット MSアプリケーション部 スペシャリスト 小野寺 潤

松浦 徹也  著者プロフィール

(まつうら てつや)
(一社)東京環境経営研究所
(地独)東京都立産業技術研究センターMTEP 専門相談員

杉浦 順  著者プロフィール

(すぎうら じゅん)
(一社)東京環境経営研究所

島田 義弘  著者プロフィール

(しまだ よしひろ)
(一社)東京環境経営研究所

目次

目 次

はじめに

第1章 リスクマネジメントの基礎
1.1 ハザードとリスク
1.1.1 ハザード管理からリスク管理への潮流
1.1.2 化学物質のハザード管理とリスク管理(リスクアセスメント)
1.1.3 電気電子機器・成形品のリスク管理
1.1.4 経営リスク
1.2 リスクアセスメントの方法
1.2.1 化学品のリスクアセスメント
1.2.2 電気電子機器・成形品のリスクアセスメント
1.2.3 リスクマネジメントの考え方
1.2.4 自社独自の仕組み作り

第2章 chemSHERPA(ケムシェルパ)の使い方
寄稿
2.1 ケムシェルパ導入の背景
2.1.1 経済産業省による化学物質における情報伝達の実態調査
2.1.2 アジア研の狙い
2.2 ケムシェルパの紹介
2.2.1 入力のための準備情報
2.2.2 入力方法
2.2.3 出力と伝達
2.2.4 化学物質に関するデータの有効な活用のために
2.3 ケムシェルパの国際展開(IEC62474との統合)
2.3.1 国際展開におけるケムシェルパ導入の基本要件
2.3.2 IEC62474とは
2.3.3 VT62474とケムシェルパとの関わりについて
2.4 ケムシェルパインターフェイス・ツール紹介
2.4.1 NEC
2.4.2 沖電気工業株式会社

第3章 RoHS(ⅠⅠ)指令やREACH規則が求める
リスクマネジメント
3.1 REACH規則
3.1.1 REACH規則の早わかり
3.1.2 REACH規則が求めるリスクマネジメント
3.1.3 リスクマネジメントの留意点
3.1.4 新たな動き
3.2 RoHS(ⅠⅠ)指令
3.2.1 RoHS(II)指令の早わかり
3.2.2 自社工程のリスクマネジメントの留意点
3.2.3 サプライヤーのリスクマネジメントの留意点
3.2.4 CEマーキングの技術文書の適合確認
3.2.5 EU以外のRoHS法の動き
3.2.6 新たな動き

第4章 新たな規制物質の動向
4.1 ナノ物質
4.1.1 ナノ物質の早わかり
4.1.2 規制の動向
4.2 フタル酸エステル
4.2.1 フタル酸エステルの早わかり
4.2.2 規制の動向

第5章 特定有害物質の検査法
5.1 RoHS規制物質の測定方法
5.1.1 サンプリング
5.1.2 分析方法と分析基本フロー
 (1)各装置の原理
 ①蛍光X線分析装置 ②ガスクロマトグラフ質量分析計 ③原子吸光光度計 ④ICP発光分光分析 ⑤ICP質量分析装置 ⑥分光光度計
 (2)分析手順フロー
5.1.3 分析方法
 (1)スクリーニング分析
 ①蛍光 X 線分析法 ②燃焼イオンクロマトグラフィー
 (2)精密分析
 ①カドミウム、鉛、クロムおよびその化合物 ②水銀およびその化合物 ③六価クロムおよびその化合物 ④特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE) ⑤フタル酸エステル類
5.2 簡易分析
5.2.1 赤外線吸収分光法とラマン散乱分光法
5.2.2 DART-MSによるフタレートの迅速分析
5.3 REACH規則に関する測定
5.3.1 REACH規則登録に必要な試験項目
5.3.2 REACH規則第13条の要求
5.4 分析試験所の事例
5.4.1 ISO/IEC17025とは
5.4.2 分析試験場の事例:内藤環境株式会社
5.4.3 分析試験場の事例:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
 
第6章 EU輸出企業の対応事例
6.1 日本電子株式会社
6.2 タイガー魔法瓶株式会社
6.3 三木プーリ株式会社
6.4 ニシハラ理工株式会社
6.5 有限会社 小柳塗工所
6.6 ペルノックス株式会社

第7章 マネジメントシステムの統合
7.1 製品含有化学物質管理のマネジメントシステム化
7.1.1 マネジメントシステム化とその統合について
7.1.2 JIS Z 7201
7.1.3 ISO9001:2015
7.2 EUにおける製品含有化学物質管理のマネジメントシステム化の動向
7.2.1 CAS(Compliance Assurance System)
7.2.2 デューディリジェンス(Due Diligence)
7.3 中国:RoHS(ⅠⅠ)管理規則に要求される管理能力
7.3.1 自発的認証制度
7.3.2 「生産者汚染制御(RoHS)管理能力の要求」(附属書Ⅱ)の概要
7.3.3 GB/T31274(電子電気製品における使用制限物質の管理体系要求事項)
7.4 中小企業向けエコステージ
7.4.1 製品含有化学物質管理システムとISO
7.4.2 中小企業向け環境マネジメントシステム
7.4.3 エコステージ
7.4.4 ケムシェルパと中小企業の化学物質管理

資料:引用・参考文献および出典
執筆者および執筆分担(敬称略)

はじめに

はじめに

 2003年2月13日にRoHS(I)指令(2002/95/EC)が告示され、その後多くの改定を経て、2011年7月1日にRoHS(II)指令(2011/65/EU)に改正されました。この変化に追従するために、日本企業はその解釈と特定有害物質や用途の除外に関する情報収集などに、多大な労力を注ぎ込んできました。
 RoHS(II)指令となり第16条と整合規格EN50581-2012による「サプライチェーンマネジメント」が要求されました。さらに、2015年9月10日に欧州司法裁判所は、REACH規則第33条に関連した「複合成形品の輸入者は、その個々の成形品中に特定化学物質が0.1重量比%超の濃度で存在するか否かを決定するものと解釈しなければならない。」とする判決を出しました。
 電気電子機器のような複合成形品は、機器全体でなく、個々の構成成形品(電子部品など)を分母として、“Candidate List of substances of very high concern for Authorisation”(CL物質)の濃度が対象になりました。
 日本企業にとっては、電気電子機器の構成成形品についてCL物質の含有確認が必要となり、REACH規則でもRoHS(II)指令と同じようにBOM(Bill of materials:部品構成表)による遵法管理が必要となりました。
 CL物質は2017年1月12日に4物質が追加されて173物質になっています。半年ごとに追加されますので、自前での評価は困難であり、多段のサプライヤーに遡っての情報に頼ることになります。
 電気電子機器は、長く複雑なサプライチェーンで材料等が調達されます。遵法のために、多くの企業が、サプライヤー管理に腐心し、各社独自の取り組みをしています。
 多数のサプライヤー情報を集める川下企業も、多数の川下企業へ情報を提供する川中企業も情報伝達の統一を願っています。
 このような状況を踏まえて、経済産業省が主導してアジア標準そして世界標準を目指した新情報伝達スキーム「chemSHERPA(ケムシェルパ)」が誕生しました。
 RoHS(II)指令は製造者に「量産品に対する手順」を要求しています。また、CEマーキングは、決定768/2008/ECのモジュールAで、リスクベースでの適合性確認を要求しています。
 リスクは基準がなく、また、日本企業には馴染みのないものです。
 EUの遵法の基本的な考え方は“Due Diligence”で、「当然実施すべき活動を遂行する」ことです。リスクベースで当然実施すべき活動をISO9001マネジメントシステムに統合し、スパイラルアップしていくことが現実的な方法となります。
 「ケムシェルパ」は経営ツールおよびサプライチェーンマネジメントツールとして、コンプライアンス保証シシステム(CAS:Compliance Assurance System)のコアとして利用できるものです。
 日本企業は、これまでEUの法規制に振り回されているとも思える状態が続いています。2019年7月22日からのRoHS(II)指令の全面適用を機に、知恵を出した企業対応に移行すべきと思っております。
 本書は、企業が知恵を出し、遵法の仕組みを自前で構築することを目的にした構成にしました。
 読者の皆様のRoHS(II)指令、REACH規則やEU以外の類似法への企業対応の仕組みづくりの一助になれば幸いです。
 なお、みずほ情報総研、chemSHERPA事務局にご協力と情報提供を賜りましたこと併せて御礼申し上げます。
2017年3月4日
(一社)東京環境経営研究所
理事長 松浦 徹也
https://www.tkk-lab.jp/

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