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科学立国 日本を築く PartⅡ
次代を拓く気鋭の研究者たち

定価(税込)  1,620円

監修
編者
協力
サイズ A5判
ページ数 244頁
ISBNコード 978-4-526-07678-7
コード C3050
発行月 2017年03月
ジャンル その他

内容

エレクトロニクス分野で活躍する国内外の若手研究者のために、一般財団法人丸文財団がこの10年間に取り組んできた事業のなかで、科学技術の進歩ならびに次世代の産業創出に対して将来的にもっとも貢献が期待されるとして表彰された研究をまとめる。

榊 裕之  著者プロフィール

【監修者】
榊 裕之(さかき ひろゆき)   豊田工業大学 学長、東京大学 名誉教授(一般財団法人丸文財団 選考委員会 委員長)

一般財団法人丸文財団選考委員会  著者プロフィール

【編集者紹介】
堀越 佳治  早稲田大学 名誉教授(一般財団法人丸文財団 選考委員会 副委員長)
森 勇介   大阪大学大学院工学研究科 教授(一般財団法人丸文財団 選考委員会 選考委員、第7回 丸文学術賞受賞者)
関谷 毅   大阪大学産業科学研究所 教授(第18回 丸文研究奨励賞受賞者)

【執筆者紹介】  著者プロフィール

山下 茂   1993年京都大学工学部情報工学科卒業、1995年京都大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了、2001年京都大学博士(情報学)
       現在、立命館大学情報理工学部 教授 (第14回 丸文学術賞受賞者)
本間 尚文  1997年東北大学工学部情報工学科卒業、2001年東北大学大学院情報科学科システム情報科学専攻博士後期課程修了、博士(情報科学)
       現在、東北大学電気通信研究所 教授 (第15回 丸文学術賞受賞者)
張山 昌諭  1992年東北大学工学部電子工学科卒業、1997年東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻博士後期課程修了、博士(情報科学)
       現在、東北大学大学院情報科学研究科 教授 (第9回 丸文研究奨励賞受賞者)
石原 亨   1995年九州大学工学部情報工学科卒業、2000年九州大学大学院システム情報科学研究科 博士課程修了、博士(工学)
       現在、京都大学大学院情報学研究科通信情報システム専攻 准教授 (第10回 丸文研究奨励賞受賞者)
戸川 望   1992年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業、1997年早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻修了、博士(工学)
       現在、早稲田大学基幹理工学部情報通信学科 教授 (第13回 丸文研究奨励賞受賞者)
内田 建   1993年東京大学理学部物理学科卒業、1995年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程、2002年東京大学博士(工学)
       現在、慶應義塾大学理工学部電子工学科 教授 (第14回 丸文研究奨励賞受賞者)
東脇 正高  1994年大阪大学基礎工学部物性物理工学科卒業、1998年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系物性学専攻博士後期課程修了、博士(工学)
       現在、国立研究開発法人情報通信研究機構未来ICT研究所グリーンICTデバイス先端開発センター センター長 (第12回 丸文研究奨励賞受賞者)
湯浅 新治  1991年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業、1996年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了、博士(理学)
       現在、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 スピントロニクス研究センター 研究センター長 (第9回 丸文学術賞受賞者)
多々良 源  1992年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、博士(理学)
       現在、国立研究開発法人理化学研究所創発物性科学研究センター スピン物性理論研究チーム チームリーダー (第9回 丸文研究奨励賞受賞者)
福村 知昭  1993年東京大学工学部工業化学科卒業、1998年東京大学大学院工学系研究科超伝導工学専攻博士課程修了、博士(工学)
       現在、東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI)教授 兼 東北大学大学院理学研究科化学専攻 教授 (第10回 丸文研究奨励賞受賞者)
齊藤 英治  1996年東京大学工学部物理工学科卒業、2001年東京大学工学系研究科物理工学専攻博士課程修了、博士(工学)
       現在、東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI) 教授 兼 東北大学金属材料研究所 教授 (第12回 丸文研究奨励賞受賞者)
村上 修一  1993年東京大学理学部物理学科卒業、1996年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退、1999年東京大学博士(理学)
       現在、東京工業大学理学院 教授 (第13回 丸文研究奨励賞受賞者)
木村 崇   1997年大阪大学基礎工学部卒業、2002年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了、博士(工学)
       現在、九州大学大学院理学研究院物理学部門 教授 (第16回 丸文研究奨励賞受賞者)
河野 行雄  2001年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了、博士(学術)
       現在、東京工業大学科学技術創成研究院未来産業技術研究所ならびに工学院電気電子系 准教授 (第16回 丸文学術賞受賞者)
小林 研介  1994年東京大学理学部物理学科卒業、1998年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退、1999年東京大学博士(理学)
       現在、大阪大学大学院理学研究科物理学専攻 教授 (第15回 丸文研究奨励賞受賞者)
水落 憲和  1995年東北大学理学部化学科卒業、2000年東北大学大学院理学研究科化学専攻博士課程後期修了、博士(理学)
       現在、京都大学化学研究所 教授 (第15回 丸文研究奨励賞受賞者)
染谷 隆夫  1992年東京大学工学部電子工学卒業、1997年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了、博士(工学)
       現在、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 教授 (第9回 丸文学術賞受賞者)
塚越 一仁  1990年名古屋大学理学部物理学科卒業、1995年大阪大学大学院理学研究科物理学専攻、博士後期課程修了、博士(理学)
       現在、国立研究開発法人物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者 (第10回 丸文学術賞受賞者)
樋口 昌芳  1998年大阪大学大学院工学研究科物質化学専攻博士後期課程修了、博士(工学)
       現在、国立研究開発法人物質・材料研究機構機能性材料研究拠点 グループリーダー (第13回 丸文学術賞受賞者)
年吉 洋   1996年東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了
       現在、東京大学先端科学技術研究センター 教授 (第12回 丸文学術賞受賞者)
松田 一成  1993年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、1998年名古屋大学大学院工学研究科応用物理学専攻博士課程修了、博士(工学)
       現在、京都大学エネルギー理工学研究所 教授 (第10回 丸文研究奨励賞受賞者)
石榑 崇明  1991年慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業、1996年慶應義塾大学大学院理工学研究科物質科学専攻博士修了、博士(工学)
       現在、慶應義塾大学物理情報学科 准教授 (第11回 丸文研究奨励賞受賞者)
田中 拓男  1996年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
       現在、国立研究開発法人理化学研究所田中メタマテリアル研究室 准主任研究員 (第11回 丸文研究奨励賞受賞者)
中川 誠司  1999年東京大学大学院工学系研究科博士後期課程電子工学専攻修了、博士(工学)
       現在、千葉大学フロンティア医工学センター 教授 (第11回 丸文研究奨励賞受賞者)
高野 和文  1993年大阪大学理学部高分子学科卒業、1998年大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻博士後期課程修了、博士(理学)
       現在、京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授 (第14回 丸研究奨励賞受賞者)
山谷 泰賀  1996年東京工業大学工学部卒業、2000年東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)
       現在、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 チームリーダー (第16回 丸文研究奨励賞受賞者)

丸文財団設立20周年記念シンポジウム「イノベーション創出の要諦」パネルディスカッション  (2016年9月16日現在)
【登壇者】
天野 浩   名古屋大学未来材料・システム研究所未来エレクトロニクス集積研究センター長・教授 (第4回 丸文学術賞受賞者)
出雲 充   株式会社ユーグレナ 代表取締役社長
小川 哲生  丸文倶楽部 会長、大阪大学 理事・副学長 (第7回 丸文研究奨励賞受賞者)
香取 秀俊  東京大学大学院工学系研究科 教授、理化学研究所香取量子計測研究室 主任研究員 (第4回 丸文研究奨励賞受賞者)
城戸 淳二  山形大学大学院理工学研究科 卓越研究教授
鈴木 寛   東京大学・慶應義塾大学 教授、大阪大学 招聘教授

【モデレータ】
関谷 毅   大阪大学産業科学研究所 教授 (第18回 丸文研究奨励賞受賞者)
森 勇介   大阪大学大学院工学研究科 教授 (第7回 丸文学術賞受賞者)

目次

目 次

はじめに

第1章 LSI技術・電子デバイスの新展開
1.1 デジタル回路を小さく設計するための設計理論  (山下 茂)
1.2 未来のコンピュータの頭脳を設計する  (本間 尚文)
1.3 人に優しい計算システム~知能集積システムの展望~  (張山 昌論)
1.4 人に寄り添う安全安心なコンピュータの研究  (石原 亨)
1.5 集積回路設計技術の新たな展開~ハードウェアセキュリティ研究の実例~  (戸川 望) 
1.6 ナノスケールSOIトランジスタにおけるキャリア輸送の研究とLSI応用への展開~超低消費電力・高性能の集積回路実現を目指して~  (内田 建)
1.7 超高周波窒化ガリウム(GaN)トランジスタ~ミリ波帯超高速無線通信に向けて~  (東脇 正高)

第2章 磁気現象とスピントロニクス
2.1 磁気トンネル接合素子のトンネル磁気抵抗効果の研究  (湯浅 新治) 
2.2 電流で磁化を回す新技術  (多々良 源) 
2.3 透明で電気を流す強磁性体の探索  (福村 知昭) 
2.4 スピン流の科学入門  (齊藤 英治) 
2.5 スピンホール効果とトポロジカル絶縁体  (村上 修一) 
2.6 純スピン流制御技術の開発とその応用  (木村 崇) 

第3章 量子効果とナノテクノロジ
3.1 「テラヘルツ波」で目に見えないモノを見る~物質・生命・宇宙の先端科学から産業・医療応用まで~  (河野 行雄) 
3.2 ゆらぎと雑音の魅力  (小林 研介) 
3.3 ダイヤモンドを用いた量子情報素子の研究  (水落 憲和) 

第4章 有機エレクトロニクスの新展開
4.1 有機デバイスで電子人工皮膚を作る  (染谷 隆夫) 
4.2 原子膜エレクトロニクス  (塚越 一仁) 
4.3 電気で色が変わる高分子の開発とディスプレイ応用  (樋口 昌芳) 

第5章 光と物質の相互作用と光エレクトロニクス
5.1 MEMS技術の光エレクトロニクス応用  (年吉 洋) 
5.2 ナノ炭素物質の光科学  (松田 一成) 
5.3 ポリマ光導波路の低分散化と光インターコネクションへの応用  (石 崇明) 
5.4 光メタマテリアル  (田中 拓男) 

第6章 エレクトロニクスの生体応用への新展開
6.1 骨導超音波知覚の解明に基づく重度難聴者のための新型補聴器の開発  (中川 誠司) 
6.2 レーザーによるタンパク質結晶の作製と加工  (高野 和文) 
6.3 世界初の開放型PET装置の研究開発~安心・確実な「見える」放射線がん治療を目指して~  (山谷 泰賀) 

第7章 丸文財団設立20周年記念シンポジウム パネルディスカッション講演録 

索 引

はじめに

はじめに
 
「LSI」、「光エレクトロニクス」、「先端デバイスや材料」、「エネルギー・環境エレクトロニクス」、「バイオ・医用エレクトロニクス」などエレクトロニクスの諸分野を開拓する内外の若手研究者を支援するために、1997年に丸文研究交流財団が発足し、卓越した研究者の顕彰と国際的な研究交流の支援を行ってきました。研究交流の支援では、我が国の大学で研究に勤しむ外国人の若手研究者を支援するとともに、日本人の若手研究者が海外の大学や研究所に滞在し、共同研究や研鑽を行うことを支援してきています。
 また、顕彰活動としては、毎年、エレクトロニクス分野で卓越した研究業績を挙げた若手研究者を選び、「丸文学術賞」や「丸文研究奨励賞」を授与してきました。受賞者達は、その後、研究を格段に発展させ、国際的に注目される成果を挙げており、例えば、2002年度に丸文学術賞を受けた天野浩博士は、2014年にノーベル物理学賞を授与されています。
 財団設立10周年の2006年には、「科学立国日本を築く」と題する本を記念出版しました。この本では、1997年度から2004年度までに「丸文学術賞」や「丸文研究奨励賞」を受賞された30名の方々に、ご自身の研究分野の状況と研究成果を解説してもらい、エレクトロニクス研究の重要性と魅力、将来展望を、多くの方々に伝えることを目指しました。幸い、理科好きの高校生、研究者を志す大学生や大学院生などから好評を頂いています。
 2016年、財団は設立20周年を迎え、「科学立国日本を築く:(partⅡ)」を記念出版する運びとなりました。本書では、エレクトロニクスの最先端の研究動向について、2005年度から2012年度の受賞者26名の方々に解説頂きました。LSIや電子デバイス、光物性や光エレクトロニクス、磁性やスピンの制御と応用、量子効果とナノテクノロジー、有機エレクトロニクス、エレクトロニクスの生体応用などの広い分野を網羅しています。科学技術に興味を持つ高校生、研究者・技術者を志す大学生や大学院生にとどまらず、先端技術に関心を持つビジネスマンなどにも読んで頂き、エレクトロニクスの最前線を開拓する気鋭の研究者の熱気を感じ取って頂ければ幸いです。
 エレクトロニクス分野では、日本の企業や大学の研究者や技術者が、LSI、液晶、半導体レーザなどとそれらの応用機器の発展に大きく貢献し、我が国に国際的な敬意や繁栄をもたらしてきました。現在は、国際競争の激化などによって厳しい状況にありますが、環境や資源の保全、健康や安全な社会の実現には、新エネルギー素子、人工知能、バイオセンサの開拓などエレクトロニクスの刷新が必須です。これら次世代技術の開拓を進め、“科学立国日本”の立場を保ち、強めるには、“斬新な発想”が不可欠です。世界は“知の競争”の時代になっていますが、日本独自の文化を生かし、卓越した貢献を続けたいものです。
 本書の執筆者は、学会の選りすぐりの若手研究者であり、斬新な発想の持ち主ばかりです。そうした特徴が本書の随所に見られますので、読み取って頂ければ幸いです。本書が我が国の科学技術の発展とエレクトロニクス産業の再生に貢献することを願うものです。
 最後に、原稿の執筆にご協力いただいた全著者の皆さんに深く感謝申し上げます。
2017年2月
榊  裕之
堀越 佳治

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