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お金をかけずにすぐできる
事例に学ぶ物流現場改善

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 156頁
ISBNコード 978-4-526-07669-5
コード C3034
発行月 2017年02月
ジャンル 生産管理

内容

大がかりなマテハン(物流関連)機器を導入したり、情報システムの刷新を図ったりするのではなく、まずは現場で創意工夫を凝らして物流改善を行いたいというニーズに応えた本。低コストで頭を使って解決する物流現場改善の事例を集めた。

鈴木邦成  著者プロフィール

(すずき くにのり)
 物流エコノミスト、日本大学教授(物流・在庫管理などを担当)。一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事。日本卸売学会理事。求荷求車ネットワーク「ノアのハコトラ」を運営する株式会社ジェイエルエヌの学術顧問も務める。
 主な著書に『物流・トラック運送の実務に役立つ運行管理(貨物)必携ポケットブック』『トコトンやさしい物流の本』『流通・物流業の計数管理/KPI管理ハンドブック』『物流センターのしくみと実務』『新・物流マンポケットブック』『図解 物流効率化のしくみと実務』『図解 すぐ役に立つ物流の実務』『図解 国際物流のしくみと貿易の実務』『図解 物流の最新常識』、『トコトンやさしいSCMの本 第2版』、『絵解きすぐできる物流コスト削減』『絵解きすぐわかる産業廃棄物処理と静脈物流』(いずれも日刊工業新聞社)、『物流100問100答』(明日香出版社)、『戦略ウエアハウスのキーワード』(ファラオ企画)、『すぐわかる物流不動産』、『グリーンサプライチェーンの設計と構築』(白桃書房)などがある。中国語、韓国語訳での出版、英語共著の海外出版(シュプリンガー社)などもある。物流・ロジスティクス・サプライチェーンマネジメント関連の学術論文、雑誌寄稿なども多数。

目次

目次

はじめに

1 物流アイデア改善の進め方
①身近なところから改善/②物流現場の作業動線をチェック/③出荷頻度を考慮してレイアウトを工夫/④横持ちをなくす工夫/⑤レイアウトの工夫で保管効率は変わる/⑥物流現場の見える化を推進!/⑦「7ない」の徹底を実現した物流センターの設計/⑧「3定」を常に考えることで現場は見違える!/⑨ ABC 分析の導入で出荷頻度を考慮!/⑩物流現場のしくみやアイデアに工夫を凝らす!/⑪現場力を集結して、アイデア改善を推進!/⑫物流アイデア改善への道筋

2 動線が変われば作業効率も変わる!
   1  ピッキング作業で発生する手待ちの解消
   2  歩かないピッキングの実践
   3  ピッキングエリアのレイアウトを工夫
   4  Z 字歩行ピッキングがうまくできない!
   5  ピッキングエリアの「交通整理」を徹底!
   6  多層階倉庫の保管エリアのレイアウトを工夫して効率化
   7  出荷検品エリアのレイアウトと作業効率を改善
   8  検品エリアのレイアウトを工夫して誤出荷を回避!
   9  点呼場のスペースを大きくとって改善

3 整理整頓・見える化の徹底で改善!
   10 保管方式の大幅な見直しで作業効率をアップ!
   11 ロケーション管理の所番地を柔軟に変更したい!
   12 ロケーション管理の「見える化」を徹底!
   13 多段ラックの段表示を工夫してピッキング効率を向上
   14 庫内ロケーションの所番地をしっかり明記!
   15 色別管理で出荷作業を効率化
   16 品目表示を行う場所を工夫する
   17 類似商品の誤梱包の防止
   18 運行管理関連の保存書類のファイリング
   19 わかりやすい作業手順の作成で作業の効率化を実現

4 定位・定品・定量の徹底で物流現場を改善!
   20 保管エリアの荷繰りを少なくしたい!
   21 出荷仮置き場のスペース効率を向上させたい
   22 庫内表示の工夫で作業効率が変わる!
   23 通路にあふれる物品をなんとかしたい!
   24 物流センター内でのかご車と台車の管理を徹底
   25 仮置き場や出荷エリアの保管位置をしっかり定める!
   26 トラック運送営業所の工具管理を工夫!
   27 ハンディターミナルの整理整頓を徹底
   28 固定ラックが使えないときの保管エリアの整理
   29 低頻度出荷品の整理整頓の実践
   30 検品業務の合理化でロットサイズ別の保管に対応
   31 ラックの高さを調整して保管効率を向上

5 アイデア改善で作業効率を向上!
   32 効率的な仕分けのしくみを考える
   33 欠陥だらけのロケーション管理を改善!
   34 ピッキングリストの順番通りに作業を進めると時間がかかる
   35 安全・安心を念頭にフォークリフトの使い方を工夫
   36 整理整頓でパレットの紛失を回避
   37 入出荷車両の接車位置を固定
   38 ピッキング方法を適正化して、コスト削減!
   39 かご車の収納方式を改善
   40 段ボール出荷をより効率的にする方策を考える!
   41 通い箱による同梱・同送の工夫
   42 安全方針や安全運転目標・スローガン

6 物流現場のしくみを改善!
   43 流通加工のプロセスを工夫して庫内運搬を最適化!
   44 トラック運送会社営業所の睡眠・仮眠施設の工夫
   45 返品の置き場を確保
   46 フォークリフトの庫内稼働エリアを設定
   47 トラック配送の際の積込みを工夫
   48 運行管理を重視して帰り荷確保を優先
   49 配送ルートの最適化を実現
   50 少ない庫内面積の有効利用を図りたい!

7 現場力アップで改善!
   51 商品知識を身に付けてピッキング作業に精神的な余裕を
   52 物流センター全体のレイアウトに作業者が精通!
   53 仮表示を活用して整理整頓を推進
   54 定点観測の実践
   55 梱包作業の効率化のためのマニュアルの見える化
   56 固定ロケーションかフリーロケーションかの選択
   57 庫内の作業者の動線がどれくらい長いのかを把握
   58 作業工程を工夫して仮置きの回数を削減
   59 フォークリフト運転座席の清掃
   60 手順を明確化して、作業レベルを平準化

   改善メモ

COLUMN
高さロスとラック間口ロスに注意
マテハン機器の効果的な導入
緊急出荷を最小限に抑える!
指差し呼称の徹底
フォークリフトの活用
人員コントロールで現場コストを最適化!

はじめに

 物流が企業経営の生命線となりつつあります。最先端の物流システムを導入し、高度なレベルで物流改革を進めることで、コスト削減や効率化の実現を進める企業が多くなってきました。
 しかしその一方で「物流の重要性はわかるが、なるべくお金をかけずに物流の現場改善効率化を行いたい」という声も小さくありません。大がかりなマテハン(物流関連)機器を導入したり、情報システムの刷新を図ったりするのではなく、まずは現場で創意工夫を凝らして物流改善を行いたいというわけです。たとえば、物流センターのレイアウトを変えたり、梱包を簡素にしたりすることで物流コストも物流効率も大きく変わってくるのです。
 そこで本書ではそうした「お金をかけずにすぐできる物流現場改善」のニーズに対応すべく、頭を使って解決する物流現場の事例を集めてみました。もちろん「まったくお金をかけない」ということは不可能なので、最小限のマテハンなどの効率的な導入を行った事例もあります。本書の構成は次のようになっています。
 第1章「物流アイデア改善の進め方」ではお金をかけずに、工夫を凝らすことで物流現場の効率化、改善を進める考え方について、その大枠を説明します。第2章以降の改善事例を参考にする場合の指針となる章です。
 第2章「動線が変われば作業効率も変わる!」では物流現場などのレイアウトを工夫することにより作業効率を改善した事例を紹介します。ピッキングエリアなどのレイアウトを改善、最適化することで10%以上のコスト削減が実現できることも少なくありません。
 第3章「整理整頓・見える化の徹底で改善!」では作業者が“立ち止まらない”、保管・在庫品を“探さない”工夫を施し、現場の見える化を進めることで物流現場の改善を図るノウハウを事例のかたちで紹介しています。
 第4章「定位・定品・定量の徹底で物流現場を改善!」では3定(定位・定品・定量)などの考え方を活用した現場改善事例を紹介します。たとえば在庫について、“どこに、何を、いくつ置くのか”といったことをしっかりと決めることを前提に工夫を凝らすことで物流現場の作業効率が大きく改善されていくのです。
 第5章「アイデア改善で作業効率を向上!」では物流現場でお金をかけず、工夫を凝らすことでコスト削減、作業効率向上などを図った「アイデア改善」の事例を紹介します。“コロンブスの卵”のようなちょっとした発見、工夫で目からウロコの改善成果が得られることも少なくありません。
 第6章「物流現場のしくみを改善!」ではたとえば、トラックの荷台への積込み方法を工夫することで納入先での荷卸し時間を短縮できるといったような、現場のしくみを変えることで改善が可能となる事例を紹介します。
 第7章「現場力アップで改善!」では物流の現場で作業者が自発的な問題解決能力を高めることで改善を進めていきます。たとえば、現場担当者が試行錯誤のもと仮置きの回数を少なくすることで、改善の効果が得られたといった事例を紹介します。
 また、巻末には物流改善に役立つ「改善メモ」を付けてあります。
 なお、通勤・通学、現場でのちょっとした空き時間などの際にも手軽に内容が理解できるように、各章のそれぞれの改善事例が見開きで完結するように構成しました。左ページに「改善前」、右ページに「改善後」がそれぞれイラスト、図表が解説文とともに紹介されています。また改善の導入にあたっての難易度についても3段階の☆印で目安が示してあります。まずは☆印の少ない、手軽にできるちょっとした改善から手をつけていかれると良いと思います。
 本書を手にすることで、物流のちょっとした現場改善の窓が読者の前に大きく開かれることを祈ってやみません。

2017年2月
鈴木邦成

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